722. 幸せの感じ方
 和歌山フラメンコ協会の森久美子先生から嬉しいお便りをいただきました。森先生のフラメコスタジオ「フラメンコアカデミア・ラ・ダンサアンダルシア」で開催された「フラメンコスタジオライブ」終演後の感想です。本当に何度読み返しても幸せが伝わってくる内容です。このような幸せを感じられる時間を大切にしたいと思いますし、フラメンコを通じて幸せを感じられる人が増えたら良いなと心から感じています。
 
 先日は、お忙しいなかお越しいただきありがとうございました。小さいスタジオで用意したチケット70枚全て完売。入るかどうかとても心配でしたが何の混乱も無く無事に済んでほっとしています。そして皆、口々に「良かった!」と笑顔で帰ってくれた事がうれしく、安堵しています。3人のスペイン人アーティスト達も本当に良い人達で一生懸命やってくれました。

 特に私が皆さんに伝えたかった事は、「フラメンコとは、心が動かされてこそフラメンコなんだ」ということです。最近技術自慢のフラメンコばかり見せられて何も心に伝わらないフラメンコの多い中、そうではないという事を伝えたく主催者のマンサニージャさんに依頼し、東京より井山直子さんをよんでもらいました。初めて彼女の踊りを観たときカンテ(フラメンコの唄)の魂がそのままこの人に乗り移っているんではないかと鳥肌がたちました。すばらしいアルテ(芸術)です。でも彼女のすばらしいところは、フラメンコもさることながらその人柄です。
 まだ34歳という若さであんなに魂の次元の高い人はそんなにいません。フラメンコをしていたからこそめぐり逢えた奇跡です。
 私の娘も、私の友人の息子さんもまだまだ未熟者ですのに、いい機会をあたえていただけたことに本当に感謝しています。そしていつも思う事、
 片桐さんと出会えた事もまた奇跡と思います。いつも本当に暖かい励ましやご支援に心から感謝しています。

 2009年5月4日、魂に響くフラメンコを奇跡的に回り逢えた大好きな人達とみんなで共有できたあのひと時、あの一瞬,一瞬が幸せで幸せでたまりませんでした。

 それにしても森久美子先生には脱帽です。和歌山市で、これだけの企画とスタジオライブを成し遂げることができるのは森先生だけだと思います。このようなスタジオライブを提供してくれたこと、そしてフラメンコ文化を和歌山県に導入してくれた先生がいることを誇りに思いました。

 改めて思いました。森先生と知り合わなければ、フラメンコを鑑賞する機会はなかったと思います。今はフラメンコに出会えて本当に良かったと思っています。人生の幅を拡げてくれた森先生に感謝するばかりです。
 日本人は情熱を内に秘めて、冷静に表に出すことができる民族です。民族間の対立がない国ですから、国の存続の危機は諸外国に比べて格段に少ないのです。ですから情熱を噴火させるのではなく、地底のマグマのようにエネルギーを秘めているのです。

 政治も経済も文化も、そしてフラメンコも日本らしいエネルギーを発散しています。日本人に共通した心地好いエネルギーを受け取ることができました。優れた文化は、接した人の明日にエネルギーを与えてくれます。

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