712.継続力
 70歳を超えて教育やNPOでの活動を行っているのがSさんです。本当に多趣味で、しかもそれらはプロ並みの腕前なのです。その趣味の中のゴルフ。ゴルフを始めたのが60歳の時だったのです。ある職位に就いた時に、付き合いの必要上から始めたのです。止まっているボールを打つのだから簡単だろうと思って練習に行ったところ、まともにボールに当たらなかったそうです。周囲の人からコースに行こうと頻繁に誘われるので、Sさんは熱心に練習を行いました。

 出勤前、一時間家を早く出てゴルフ練習場に立ち寄ってから出社し、昼休みはゴルフビデオでイメージトレーニング。帰りにもゴルフ練習場に立ち寄り、帰ってからは自宅でパットの練習を毎日行ったのです。そして二ヵ月後、コースデビューを果たしたのです。
 その時に「二年後には80でコースを回る」と宣言をしました。周囲に目標を告げることでやる環境を作り出したのです。元来、凝り性だったため、仕事とゴルフを中心にした生活を継続しました。
 そして二年後、宣言通りに80のスコアでコースを回ったのです。2年間も朝夕ゴルフの練習を継続する意志力には驚くばかりです。しかも60歳から始めて目標達成が2年後ですから上達力にも驚くばかりです。

 どれだけ好きなことでも毎日続けることは容易ではありません。それどころか付き合いで始めるものは、最初から好きなことではありませんから、やりすぎると飽きてしまいます。上達するための練習を継続したことが尊敬すべきことです。
 
 ここに教訓があります。よほど特殊なこと以外、何かを始めるのに年齢は全く関係ないことがひとつです。思うことが身体を行動に移させる方法です。年齢を重ねると、先を見通せますから、今からやっても先行く人に追いつけないと思ってしまいます。やらない思いが先に来ると、実行力が起動しません。
 でも着手してみると速度は遅くても上達していきますから、やろうと思って実行力を起動させることです。実行力に年齢は関係ありません。

 もうひとつが、継続する力の強さです。2年間、毎日、ボールを打つこととイメージトレーニングの練習を継続できることは才能です。継続することの難しさを私達は体験から学んでいます。最初の挫折が多分、多くの人が小学校の時代に取り組んだ日記。三日坊主で終えた経験から、継続することが難しいと思い込んでいます。そして人にもよりますが通信教育。これも最初の教材が届いた時には、やろうと思うのですが、二ヶ月目の新鮮さがなくなってからは、封を開くのも億劫になります。そして途中で止めてしまいます。

 小さい時の挫折の体験が、継続することを思った以上に難しいと、自分に思わせているのです。しかし日記や通信教育を続けることは大人になってからでも難しいことなのです。子どもがそれらを継続することは本来難しいことなのですから、挫折の記憶リストから削除すべきものなのです。
 継続することだけが物事を成し遂げるための唯一の方法だと信じて行動することです。

 ただし行動する期間は石の上にも3年です。3年継続させたら、それをしないと気持ちが悪くなります。
 そんな風に、私の議会活動報告は続いているのです。そしてコラムは書き始めた当初に1,000回続けると宣言しています。これも継続力の成せる業なのです。

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