495.言葉
 今もお付き合いをさせてもらっている経営者から、ずっと以前、「この本を読むと良いよ」と紹介された冊子があります。それが「致知」なのですが、その発行者の藤尾秀昭社長の著書に「小さな人生論」があります。その言葉の数々には生きる上で納得させられるものがあります。私も教訓にしているいくつかの言葉と私見をお楽しみ下さい。

 「不平や不満はそれにふさわしい現実しか呼び寄せないことを知り、感謝と報恩の心で生きようとする、それが一流プロに共通した条件である。」
 一流プロとは、スポーツ選手や著名な人を指しているのではありません。何かの仕事でお金を稼いでいる全ての人が人生のプロなのです。

 「過去が咲いている今 未来の蕾で一杯の今」これは陶芸家河井寛次郎氏の言葉だそうです。今を現わしている何と素晴らしい言葉なのでしょうか。過去が今の自分を創ってくれているものですし、今この時が未来を創っているのです。過去、今、未来は連続しているもので、私達は今以外に存在出来ないのです。今を生き、将来訪れるであろう将来の今のための蕾が内面にあるのです。それ以外にあり得ないのです。

 「いまのあなたがいまのあなたの運命にふさわしい」これは釈迦の言葉。そして「あなたの行動はあなたの未来の予言者」これはキリストの言葉なのです。他でもない、全て自分のことは自分が決めているのです。ですから今の自分の立場に関しては、自分で責任を持たなくてはなりません。

 ひとつの道を極めた人に共通した条件については次のとおりです。
 「第一は楽天的なこと。第二に感謝の念が強いこと。第三が感動する心を持っていること。最後は神を信じていること」です。これは特定の神を指すのではなく、人知を超えたものに対する畏敬の念を持ち続けることを指しています。他人との競争や他人との比較などは極める過程に出てきません。常に、楽天的、感謝の気持ち、感動する心、そして信じることを心に持っておきたいものです。

 「仕事は自分がしているのではない」これに関しては、以下に著者の藤尾秀昭社長の解釈を記します。「いろいろな縁の中でたまたま自分がさせてもらっているのだ。自分ではなく他の人でもよかった仕事を、めぐり合わせの中で自分がさせてもらっているのだ。みの仕事をさせていただいていることに感謝し、もっと自分を磨き、高める努力を惜しんではならない」
 以上の言葉達ですが、何かの時に役立つと思います。
 出典は「小さな人生論」「小さな人生論2」で、いずれも致知出版社発行のものです。

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