378.和歌山の資源
 和歌山県や和歌山市は、全国から見ると保守的な地域と捉えられています。改革の動きが鈍いと言われている要因は一般的なものは言えても、真の要因は何なのか良く分からないと言います。
 一般的に考えられるのは次のような要因があります。
 他地域との交流が少ないこと。改革派の首長や議員が少ないこと。地場産業が主力であること。全国的な企業が少ないため人の交流が少ないこと。若い人が少ないこと。大学の数が少ないこと。サービス産業の比率が低いこと。半島に位置していること。レジャー産業やファッション系の店舗が少ないこと。色々な味を楽しめる飲食店舗が少ないこと、などです。

 ですからこれらの要因をひっくり返すと保守的な地域から変化を起こせるのですが、容易ではありません。要因を逆にしてみると次のようなものになります。
 他地域との交流が活発であること。改革派の首長や議員が次々と当選する環境にあること。全国的な企業が進出してくれること。半島であっても交通機関が整備され時間距離が短縮されること。大学が進出し学生が増加すること。サービス産業の比率が高いこと。レジャー産業が定着し、マリンスポーツやアウトドアが盛んで、ファッションセンス溢れる店舗が立ち並ぶこと。日々違う味の選択肢や世界の味が楽しめる飲食店があること。如何でしょうか、要因を逆にすると達成が困難なことを私達は活性化のために和歌山市に求めていることが理解出来ます。

 そしてこれらを達成させるには資金力が必要となることばかりですが、地元資本だけでは困難ですし、和歌山市を改革するために投資してくれる県外企業を探すのも困難です。
 そこで今ある地域資源を活かしたまちづくりに転換することが求められます。関西圏、首都圏からでも人が来てくれるソフトをまちに装着する方法を考えることが他地域との差異化が図れることになります。

 近時点で達成困難なものを求めるよりも地域にあるもの、つまり賦遜資源を活かす施策の検討が和歌山市に必要なことです。
 和歌山市が誇るべきものは、都市機能を備えたまちであって自然と隣接していることです。都市機能として、一般的な生活圏の中に病院、公共機関、スーパー、銀行などが存在していて、その円内から車で10分程度の距離に海や山が存在しているのです。しかも中心部には和歌山城と公園があり、そこが憩いの場になっていること、これは金銭では計れない貴重なものなのです。
 貴重な原資を授かっているのが和歌山市です。活用し切れていないのは、まちに誇りと自信がないことが原因です。私達が和歌山市に自信を持つことで、まちの再生は可能なのです。気持ちで他のまちに勝つことから和歌山市の再生は始まります。

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