368.世に出る公式
 和歌山市出身のシンガーが世に飛び出すための打ち合わせ会議に出席しました。和歌山市から全国に歌声を届けるためには、地元と東京が一体となった戦略と情報連携が必要です。
 芸能界では何がヒットするのか誰にも分からないそうです。それでも受け入れられると思って作品を作るのは、シンガーと自分達を信じること以外に理由はありません。拠り所のないところから何かをスタートさせる原動力は信じることです。

 地元で1万枚、東京で1万枚、ライブに来てくれた人も対象になるからライブを10回開催して一回50枚売れると見込んで500枚などの根拠付けは無意味です。気休めにはなっても現実ではないからです。自分たちの力を信じて世にメッセージを発信することで、何かの化学変化が起きることを期待する訳です。
 根拠を求めていては、何時まで経っても世に自分を問うことは不可能です。誰にも結果が分からない、だから挑戦するのです。もしも良い結果が出ると分かっていたら、人は努力をしないでしょう。もしも悪い結果が出ると分かっていたら、誰も挑戦しないでしょう。 結果が分からないから恐れないで挑戦出来るのですから、挑戦権を得られるだけでも感謝すべきことなのです。

 若い人が挑戦する姿勢を持っているなら、そして周囲の人が支援する姿勢があれば、誰もそれを止めることは出来ません。自分がいてそして周囲に人が集れば、何か生まれることは必然です。

 今日の話し合いで分かったことがあります。一人が世に飛び出すためには因数は決まっていませんが何らかの公式があることです。
 それは「本人の意思×周囲の熱意×戦略チームの存在」というものです。
 本人に何か求めているものに対する強い意思があることが全ての前提となります。本人は何も感じていないのに、何かを社会に発信しようとしても決して社会で認められることはありません。
 また、何かを発信しようとする限りにおいて、本人は意思も情熱も持ち合わせているのは確実ですが、周囲の方々も同様の熱い思いを持っていることは欠かせない条件です。本人だけが熱くて周囲は冷めているようなら物事は進展しません。
 そして一歩離れたポジションにいる戦略検討チームが存在することも不可欠です。全員が熱くなっては真っ直ぐな道を歩けませんから、軌道を修正してくれるチームの存在が必要です。

 これらの条件がひとつでも欠けると物事を進めることすら出来ませんから、まず条件整備をすることです。これらの条件を整えることが出来た時がそれを開始する時期です。
 ただし意思と熱意は時間と共に変化するものですし、社会の変化に伴い戦略も刻々と変化するものです。全ての因数は変化する性質のものですから、最初に議論を重ねて決定したから、後は順調に推移するものではないことを知っておくべきです。状況変化に対応出来る竹のようなしなやかさが人には必要です。

 本当に必要なものは、相手の議論を弾き飛ばす力ではなくて、相手の考え方を取り入れることと、それを消化し自分の言葉に置き換えてアウトプットするだけの柔軟性を持っていることです。
 さてこのシンガーの今後の予定ですが、今年9月末にCD発売と野外ライブ、そしてファンクラブ結成を検討しています。和歌山市での支援体制を整え、全国で一番熱い応援を行うことが全国に飛び出すための条件です。和歌山市では期待の星が世に飛び出すのを待っていますから、夢がまた拡がっています。

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