362.にこにこ新聞
 ある朝起きたら「これを読んで」と子どもから手紙を渡されました。「これは何かな」と聞くと「にこにこ新聞を作ったの」とのこと。最近、帰りが遅く、夜に顔を合わせることがなかったので手紙を書いてくれたのです。尤も、毎日のように手紙を書いてくれるので、今までもらった手紙はファイルしていて、もう3冊にもなっているのですが・・。
 今日の「にこにこ新聞」は本当に微笑ましいものでした。紙面にイラストを書いてくれていてこの内容には、心が和むと共に忘れてはいけないことを教えられました。イラストは三人の顔が書かれているものです。一人は泣いた顔、もう一人は怒った顔、真ん中にいるのは笑っている顔です。そして笑っている顔のところには○印が、泣いている顔と怒っている顔には×印が付けられています。

 いつも、にこにこ笑えることがどれだけ大切なことか教えられました。活動していると日々色々なことが起こりますから、どうしても笑っていられない場合もあります。でも人として健全な精神を保つための基本は笑顔ですし、怒ったり腹を立てたりすると精神衛生上良くありません。怒りは怒りを呼ぶだけですし、相手も傷つけることになり、また自分も傷つく結果になるだけです。

 そして怒りは血液の性質をも変えてしまうと聞きます。怒りで変化した血液は毒素のようなものを持つことから肉体的にも良くないのです。
「宇宙には因果律という法則が巌として存在している。まず、心を積極的にすることに注意深くし、終始自分の心を監督していかねばならない。もう一つは常に心の中に感謝と歓喜の感情を持たせるよう心がけることで、宿命は自然に統制される。
 卑劣な気持ち、弱い心持ち、憎み、嫉み、悔みの気持ちや、また、怒り、悲しみ、怖れという心持ちや言葉は、その人々の血液に毒素を生じ、生理的な不調和をきたす」と言われています。(中村天風著『運命を拓く』)

 中村天風師が記しているように、社会には卑劣な気持ちや憎み、嫉み、怒りや怖れが充満しています。決して見えないことからその害悪は気づかないのですが、それらの人の気は確実に健全な私達の心身を崩しています。
 毎日が悔やんだり怒りの状態にあると精神も肉体も破壊されますから、やはり笑顔でいられることが一番です。これは簡単なことのようですが、大人にとって決して簡単ではありません。でも子どもにとって毎日が笑顔でいることは空気を吸い込むように簡単なことなのです。いったい人はいつから笑顔を意識しなくてはならないように変化するのでしょうか。

 子どもから謙虚に学べることがあります。子どもと一緒にいられる時間はそれだけで素晴らしいことなのです。社会の中で、そして大人の中でだけいると、人が持つべき本来の姿を見失う危険性があります。
 素直な気持ちは、子どもと話をしたり接することから持ち続けることが出来るのです。子どもから元気をもらえるのです。大人は、子どもがいつまでも素直なままでいられるような未来への道を築くために存在しているような気がします。
 笑顔が少ない社会なんて存在して欲しくありません。まして小さな和歌山県ですから、笑顔で満たされたまちにしたいと思うのです。子どもに元気づけられることはたくさんあります。

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