123.佐野安佳里
 ある会合で和歌山市の若手シンガー佐野安佳里さんをゲストに迎えて、ミニコンサートを行いました。佐野さんには、自身が始めて作詞作曲した曲「月もいない夜」、、軽井沢ラブソングアワードで優秀賞を受賞した曲「紅色」、2004年全国マルチメディア祭「It’s a beautiful day」のテーマ曲で、世界文化遺産となった熊野をイメージして作られた「祈り」の3曲を演奏してもらいました。リズムカルで力強い声とピアノも、歌詞も聴く人に訴える力を持っています。佐野さんの歌を初めて聴く参加者も魅了されていったようです。
 佐野安佳里さんを簡単に紹介します。
 佐野さんは1984年1月5日生まれの21歳。和歌山市和歌浦出身、3歳からピアノを習い始めています。高校時代からR&Bを中心とした楽曲やライブ活動を開始、地元和歌山は勿論、東京や名古屋でもライブ活動を行ってきました。2004年には関西で有名なFM802のカウントダウンライブにも出演、2004年秋、軽井沢ラブソングアワードで優秀賞を受賞するなど活動の領域は拡がっています。
 力強く甘く切ない歌声で、ピアノ演奏の時に全身から溢れ出している激情は私達の心を捉えます。佐野さんの歌を聴くと詩の意味を大切にしていることが良く分かります。意味が体に沁み込んでくるような感覚があります。耳や頭から入るのではなく体が声と音を感じ取ってくれるような不思議な感覚です。小さい体からは予想出来ない程、魂と力の込められた声が響きます。一度ライブを聴いた人はその歌声に魅了される筈です。
 2004年はニューヨークでボイスレッスンを受け4オクターブの音域に磨きをかけてきました。部屋には「前向き、後ろは決して向くな」の張り紙を掲げ、今年はメジャーデビューを目指しています。自分の曲を安売りしたくないと信念を持ち、評価されるようになってから全国デビューする意向です。和製マライア・キャリーと言われることもあるように、生き方を歌に込めるよう心掛けているようです。
 2004年全国マルチメディア祭「It’s a beautiful day」のテーマ曲として3曲作詞作曲しています。「祈り」 「夕暮れ時のくじら雲」 「白い砂」の3曲です。これらの曲は、東京、ニューヨークの関係者にも届くところとなっていて、和歌山市から全国に羽ばたいて欲しいと願っています。若い才能が伸びようとするのを見ていると気持ちがよく、応援する側もパワーをもらえます。優れた才能を社会に送り出すことは、周囲で応援する私達の務めです。未完成の若い才能を知りえた人が大切に育て、大きくなろうとする頃には社会に放つことで、より大きな才能となります。大きな才能が社会に出ることで、その才能(佐野さんの場合は歌声で)に励まされる人や勇気づけられる人は必ずいます。
 ただ社会と言う所は、伸びようとする才能に対して反対のベクトルも働いてきます。伸び行く途中にはそれから守ってあげ、北風にも飛ばされない実力と地位を築いた時に、再び故郷のために歌って欲しいものです。
 険しいプロの道を歩み始めている佐野安佳里さんが大成する日を見守るつもりです。伸びる力に接することは楽しいものです。

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