91.挑戦の原動力
 現在カウンセラーをしている方は、今から10年程前に和歌山市でも不登校が問題となった時に、教師から教育相談員に配置変えとなりました。教師が生徒の不登校や親からの虐待問題の対応に苦慮している中、その教師に対してのアドバイスを行うことが仕事となりました。教師にとって成績の良い生徒、やんちゃな生徒は良い生徒なのです。問題なのは態度がひねくれていて、褒めても駄目、しかっても駄目という態度の生徒です。
 
 心理的には子供の投げかけてくる問題に対して、教師がしっかりと受け止められる人格を持っていないと問題は解決できません。それが出来るのか壁にぶち当たったのですが、子どもに対応するためには自分の人格を高める必要があると痛感したのです。そこで心理的な問題なので心理学を学ぶ必要があると思い勉強を開始したのです。
 心理学にも色々な理論がありますが、聞くだけでは問題が解決しないとする考え方を実践しています。相手の気持ちを聞いた上、見通しを持って言葉を発すべきなのです。
 カウンセリングのポイントは、相手を認めることと誉めることの二点に尽きます。人の能力を最大限に発揮できるようにサポートすることが大切です。「そのやり方は拙い」「その考え方は間違っている」と相手を評価するのは絶対にやってはいけないことです。
 人を評価はしないことが大原則です。評価は自分の考え方を是としいての考え方を否とするものですから、人を評価しても何も生み出しません。

 自分の担任の時に不登校の生徒が発生したのは偶然かも知れませんが、その教師が解決できる能力があると天が評価してくれたから発生するのです。解決能力のない人の下では困難な問題は発生しません。困難に遭遇した時はありがたいことだと思って、その問題に関わっていく姿勢が大切です。
 苦しんでいる人の役に立つことが使命だと強く意識することで実行力を発揮している姿勢から、肩書きだけでは何も解決しないことが分かります。仮に教育現場で管理職になると、その教育現場での不登校などの問題には関わることが可能ですが、それではカウンセリングを待っているかも知れない多くの人と関わる機会を、自ら否定することにつながります。限定する環境にいるのでは、多くの困っている人の役に立ちたいとする気持ちと相反するものになります。大きな気持ちを持っていないと使命を果たすことは出来ないのです。年齢に関係なく変わろうと思った時が変わる時です。
 
 正直に人と向かい合うにはどうあるべきかがチャレンジの原動力です。人を相手にすることで自分が正直になれ、カウンセリングをすることは育ててもらうことに他なりません。
 人のために尽くしたいと夢中になれるものがあると幸せです。そのためには、学びリスクを恐れないで行動を開始する必要があります。人生を振り返った時、自分の生き方に満足できるような生き方をしたいものです。

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