平成21年
12月9日(水)
@.平成21年12月
 和歌山県議会一般質問 内容
【質問内容一覧】
  1. 地球環境問題への対応について
    (1)メガソーラーによる地域活性化について
    (2)カーボンオフセット制度について
    (3)環境税についての知事の考え方について
  2. 和歌山市中心市街地住宅供給促進事業について
    (1)再開発が遅延した理由とURの役割について
    (2)今後のスケジュールと県の協力体制について
  3. 雇用問題について
    (1)県内雇用に関する情勢について
    (2)介護分野の雇用について
    (3)基金活用事業について
    (4)高校新卒者への就職支援について


 こんにちは。ただ今、議長のお許しをいただきましたので一般質問を行います。
本日最終の一般質問となりますので、最後までよろしくお願いいたします。

 第一点目は地球環境問題についてです。
 平成21年2月議会で、地球環境問題、メガソーラーに関しての一般質問、提案を行ってから、和歌山県での動きはありませんが他の県で動きがありました。平成21年11月24日、昭和シェル石油は新潟県と共同で出力1,000kWのメガソーラー発電所を建設すると発表しました。
また同社は同月27日にも、宮崎県清武町の子会社である昭和シェルソーラーの第2工場に出力1,000kWのメガソーラー発電所を設置すると発表しています。宮崎県や国の補助事業を活用し、平成22年初めに着工し、同年末の発電開始を目指しています。

 新潟県の雪国型メガソーラー発電所の総事業費は約7億円、地方自治体と民間企業が共同で整備する商用メガソーラー発電所は全国初のものです。新潟県が約2億円、昭和シェル石油が約1億5千万円を負担。国の補助金交付として約3億5千万円が決定しています。
 新潟県知事は「県内には太陽光発電の技術を持つ企業が多く、次世代のさまざまな展開が考えられる」と期待感を表明していますし、昭和シェル石油の新井社長は「太陽電池の製品そのものが環境にやさしい。発電所にはエネルギー教室やEV(電気自動車)ステーションも設けて、県民サービスに努めたい」と話しています。
メガソーラー発電所に関しては、「新潟県版グリーンニューディール」として、次世代を睨んだ再生可能なエネルギー源の確保の観点から取り組んでいるものです。

 また宮崎県では、「ソーラーフロンティア構想」を進めていますが、その中核を成すものとしてメガソーラー発電所や太陽電池生産企業の誘致に取り組んでいます。総事業費はこちらも約7億円となっています。宮崎県の東国原知事は「太陽と緑の国・宮崎の象徴として情報発信していきたい」と期待感を持って話しています。
この「ソーラーフロンティア構想」から、少し引用します。「太陽電池産業は自動車産業と並ぶ裾野の広い産業であり、産業の集積に伴う県内経済への波及効果が期待されることから、企業誘致や地場企業の参入支援等に取り組んでいきます。また、産業集積に欠かせない高い技術を身に付けた人材輩出についても充実を図ります。さらに、太陽光発電や太陽電池産業と他の産業との連携を図るなど、新たな付加価値の創造にも取り組みます」というものです。
宮崎県のメガソーラー全県展開プロジェクトは、環境を視覚的に発信するシンボルとして、メガソーラー発電所の県内各地への立地を進めるようです。立地後は単に発電所としてだけでなく、地域における活用策についても検討し、全国に発信しようとしています。
そして温室効果ガスの排出権取引制度導入等の動きを見据え、メガソーラーを介した都市部と地方、あるいは、地方間の連携の可能性も検討していくようです。メガソーラーの完成後に、農業などの地域産業への利用を図るなど地産地消的な活用方法も志向しています。
また、メガソーラー発電を含む環境や新エネルギーに関する分野は、今後も新たな需要と雇用を生む分野と期待されることから、地域経済の活性化につながるような取組みを進めようとしています。既に新潟県や宮崎県では雇用を含めて地域活性化になると見込んで立地しているのです。和歌山県との認識の違いが、このような結果につながっていると思います。

 私達の関西では、福井県の若狭地域に2012年度にメガソーラー発電所を建設することになりました。出力は1,000kWで、11月24日に起工式を行い、その姿を現そうとしている堺市に次いで二か所目となります。

最初の質問は知事に答弁をお願いいたします。
・メガソーラーの立地を進めているこれらの県では、この取り組みが需要と雇用を生むものと捉えています。グリーン雇用の観点からも、ひとつのシンボル的な拠点ができることで、周辺産業のすそ野が広がる可能性があります。和歌山県でのエネルギー、環境産業立地による環境分野での雇用拡大を含めての可能性に関してどうお考えですか。

 次に、地球環境問題への対応として、新潟県では既にカーボン・オフセット制度の運用を開始していますが、これは地方自治体としては全国で初めての取り組みになるものです。
参考までにカーボン・オフセットに関して。言うまでもないことですが、人間が活動する中で様々な形でエネルギーを消費していますが、その中で二酸化炭素を発生させています。その二酸化炭素を発生させた分は、その活動する際に一定の金額をいただいて、これをオフセット(相殺、吸収)する。そこにお金を回すことによって、計算上では活動に伴う二酸化炭素を発生させないという考え方がカーボン・オフセットです。
新潟県ではカーボン・オフセット制度を確実に運用することにより、国のプログラム認証を受け、国と同レベルの制度の運用を目指しています。プログラム認証がされると、新潟県が認証したオフセット・クレジットは全国市場に登録され、全国の企業等から活用されることになり、県内の森林整備などの温暖化対策につながることが期待されています。
 新潟県と同様に、和歌山県は森づくりや太陽光発電の支援を行っていますから、ここで生み出される環境価値をカーボン・オフセット制度として活用を図ることを検討しても良いと思います。もし全国的に通用する認証制度「オフセット・クレジット」として全国市場に登録できたら、認証された部分は資金を全国から和歌山県に引っ張ってくることも可能です。
・クレジット認証に関しては、費用面での負担が多く、直ぐの導入は難しいと思いますが、カーボン・オフセット制度のしくみづくりに関して知事のお考えを聞かせて下さい。

 環境に関してもう一点は環境税の問題です。
流動的ですが、政府は平成22年度から環境税の導入する方向での検討に入ったようです。地球温暖化対策としての意味なら、社会の行動パターンを環境負荷が小さいものに転換させるための経済的誘導を図っていく観点から理解できるものですが、ガソリン税の暫定税率を廃止することで税収が減少する穴埋めとしての環境税導入なら問題が生じると思います。
 政府が11月20日にデフレ宣言をした直後の環境税構想ですから、日本経済を破綻に向かわせるつもりなのかと疑いました。本来であれば公共投資の拡大が必要な経済状況なのに、経済界を絞め落とすような、企業活動を制約するような課税の話は信じられないものです。
 ただでさえ、2003年10月から「石油石炭税」が導入されている中、価格への転嫁を極力抑え、価格を安定させているのが産業界です。そこに環境税と、さらに国内排出権取引制度が同時期に導入された場合、経済と環境の両立を図るために技術革新を進めている企業の活力を、そぐ恐れがあります。また、二酸化炭素排出に対する産業界の負担が重複し、価格へ転換させることで国民、県民負担が増加することになります。このコンセンサスが得られる時間もない中の早急な打ち出しは疑問です。

簡単におさらいすると、民間の設備投資に期待できない中、政府による需要創造がなければ、需要不足となり企業の売り利上げが減少し、賃金カットや人員削減になります。その結果、消費が冷え込み、経済が悪化、税収の減少になります。
間もなく県庁内で支給される予定の年末の賞与額は減少することになりますが、このことが消費を抑える心理が働く効果があることを、私達がこれから経験することになります。
その結果、需要不足になってという循環です。デフレによって経済活動が萎縮することによって税収もまた落ち込みます。そのため、途中は省略しましたが、積極的な財政出動をしなければ却って財政赤字は膨らむのです。

 そこで質問です。
・厳しい経済状況の中での環境税導入について知事のお考えをお示しいただきたいと思います。併せてその考え方に基づいて、どう対応していくのかお聞かせ下さい。

 第二点目は和歌山市中心市街地住宅供給促進事業についてです。
平成20年6月に、都市再開発法に基づいて、認可を受けた和歌山市のJR和歌山駅の「けやき大通り第1種市街地再開発事業」が大幅に遅れています。当初の計画では平成22年に竣工する予定でしたが、現状を見ると動きは感じられません。
民間主導による県内初となるこの都市再開発事業は、倉庫跡などの土地を所有する昭和倉庫と不動産開発会社が施行者として大型商業施設やマンションの建設を計画しているものです。平成18年に和歌山市の市街地活性化につながるものとして和歌山市の補助事業に認定され、和歌山市が主体、国と県が事業を補助しているものです。
敷地面積約3,577平方メートル、15階建てマンションと13階建てホテルに4階建ての商業施設を計画しているもので、総事業費は約41億円、補助対象事業12億円、国が3分の1、 和歌山県と和歌山市が6分の1ずつですから、国が4億1,050万円、和歌山県と和歌山市がそれぞれ2億円を補助する予定になっています。
過去に遡ると、平成19年度和歌山市の当初予算にあった1億3,360万円(国、県補助を含む)の補助金のうち、基本設計や地質調査などで約4,400万円が使われていますが、残りの予算は平成20年度に失効しています。事業化が不透明であることから、県は平成21年度予算にこの補助金の予算は計上していません。

さて、事業主体が決まらないまま時間が経過してきましたが、ようやく共同事業主体に独立行政法人都市再生機構(UR)がなることに決まりました。都市再開発は和歌山県では初めてのことであり、全国で都市再開発計画がなかったのは和歌山県と鳥取県、愛媛県と高知県だけでしたから、和歌山市がアーバンの一員として認められることは大歓迎です。 
今後は事業計画の見直しと早期着工を目指し、併せて県としては補助金の予算計上をすることになると思います。

そこで質問です。
・この再開発事業が遅延していた理由と、独立行政法人都市再生機構(UR)の役割は何になりますか。マンションとホテル事業者は決定しているのですか。決定していないとすればその目処は立っているのですか。

・平成22年1月にでも着工すると聞くことがありますが、今後のスケジュールと事業の完成時期についてお示し下さい。この事業に関して、県としての考え方と協力体制はどのように考えていますか。また補助金は当初予算に計上される予定ですか。
 以上について県土整備部長の答弁をお願いいたします。


 総務省によると平成21年10月の完全失業者は344万人で、完全失業率は5.1%となっています。公共事業の減少と民間企業の雇用調整により地方経済は厳しく、和歌山県の有効求人倍率は関西では高い方であると知事は時々話していますが、和歌山県経済は他府県よりも厳しい状況であると思います。
 政府の雇用対策では、平成22年3月までに10万人の雇用の下支えを目指しているようです。情報処理や介護の職業訓練の充実や農林、環境、エネルギー、観光分野の雇用創造が重点的な対策として掲げられています。和歌山県が雇用創出を図ろうとしている分野では一致していると思います。
 
 ところで深刻な問題は高校生の就職問題です。就職希望で、未だ就職先が内定していない学生は例年よりも多くいると聞いています。現時点で内定していなければ年内、または卒業までの進路決定は極めて厳しい状況にあると言わざるを得ません。
 学校での十分な進路指導を実施していることは分かりますが、いま以上に対応策が必要だと思います。

 経済対策とは本質的には失業対策ですから、地域として雇用機会を増やすことは最重要課題です。知事は以前、「経済政策についての究極の目標は、和歌山県内の雇用を増やすことと、皆様方働く人たちの所得を増やすことであると思います。それ以外の政策は、今、申し上げた目標に対する手段です」と話していたことからも、知事の考え方も経済のパイを増やすことで所得を増加させることは同じだと思います。
その考えの中で和歌山県では「わかやまで働きませんか」の賛同企業を募ったり、「和歌山で和の仕事人になろうプロジェクト」を企画したり、雇用を重点に考えてくれています。これらの政策に呼応している県内の経営者は雇用を守ってくれていると思いますが、各企業の経営環境が悪化している中、今以上の負担をお願いするのも難しい話です。

 また「ふるさと雇用再生特別基金活用事業」と「緊急雇用創出事業臨時特例基金活用事業」によって雇用創出も図られているようです。「ふるさと雇用再生特別基金活用事業」では77事業で285人の将来にわたる雇用、「緊急雇用創出事業臨時特例基金活用事業」では151の事業で895人の短期的雇用が生み出されているなど成果が見込まれています。
 ところがこれだけの雇用創出が図られているのに、依然として雇用情勢が改善されている兆しが感じられません。それどころか、来年は更に失業は増加すると思うことがあります。県が平成21年度以上の公共投資をするとは思えませんし、事業仕分けによって予算削減と判定された事業の影響が早くも現れているからです。
 例えば、地上波デジタル化のデジサポの取り組みに関しては、事業仕分けによって予算が削減されようとしていることから、各地、勿論和歌山県の説明員の人件費削減に及び、平成22年3月を以って職を失う人が発生する事態になっています。経費削減は必要なものですが、結局、弱いところ、弱い地域にしわ寄せが出てくるようです。

そこで質問です。
・知事が言うところの経済対策の目的である、和歌山県内の雇用を増やすことと所得を増やすことに関する実感はどのようなものですか。この答弁は知事にお願いいたします。

・介護分野は将来的にも雇用拡大が見込まれる有望な業種です。しかし現在のところ、介護職員さんに関しては賃金が低水準のため募集しても集まり難いという状況があります。所得や処遇改善を図らなければ、資格者を養成しても雇用増にはつながりにくいと思います。介護施設の経営が安定し、介護職員さんの給与水準など処遇の向上と、そこに将来の希望を持って就労できるような職業のあり方も検討すべき課題ですが、この点如何でしょうか。
 答弁は福祉保健部長の答弁をお願いいたします。

・「ふるさと雇用再生特別基金活用事業」よって雇用が生まれた285人に関しては、三年後も雇用が成り立っているのですか。また厳しい経済環境の中、六か月未満で緊急雇用創出事業臨時特例基金活用事業」によって雇用された方のこれからの雇用はどうなるのですか、お答下さい。
 答弁は、商工観光労働部長にお答えをお願いいたします。

・来年3月卒業予定で就職が決まっていない生徒のための就職支援策は何かありますか。卒業時点で就職が決まっていない三年生に関しては、卒業後も就労支援をして欲しいと思いますが、如何でしょうか。
 この答弁は教育長にお願いします。


以上で一般質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。

 A.答弁へ


平成21年12月 和歌山県議会一般質問について


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