平成16年 9月15日(水)
D.平成16年 9月
 和歌山市議会一般再々質問内容
(1)南海電鉄貴志川線問題について

 答弁をいただきましたので再々質問をさせていただきます。
 貴志川線を存続させるには、行政三者の存続に向けた意思表示とリーダーシップが重要なファクターです。市長が三者で鉄道存続の強い意欲を示してくれたことで事態は進展すると思います。
 県に対してストック保持の依頼を行うと共に、経営主体を見つけるのは行政三者の役割であることを認識して下さい。南海電鉄は、貴志川線の次の経営主体を捜す意思がないことは確認させてもらっています。この点の認識もお願いします。
 
 今後は、貴志川線対策協議会を主体にするのか、存続に向けて民間が立ち上げた「貴志川線の未来をつくる会」を主体にするのか分かりませんが、存続を願う市民の会と情報交換と役割分担を行い、貴志川線存続のためのしくみを作って経営主体を受け入れる姿勢が必要です。
 地方鉄道の役割は通勤と通学、そして高齢化社会への対応にあります。それに行政三者と市民が協力体制を取ることなく、民間企業に丸投げでは引き受けるところはありません。

 行政三者が資本参画するか否かに関わらず、何らかの形で市民の協力を取り付けることも当局の重要な役割です。
 
 貴志川線存続に向けた市長の強い決意を確認することが出来た点は一歩前進です。
後は資産としてのストックを行政で所有し、フローは市と市民で枠組みを検討した上で、参画してくれる民間企業を見出す、そのための貴志川線単体の経営に間する資料を行政三者で策定することが、今後の行うべき課題です。

1.まずすべきことは、県に対して資産ストックを南海と交渉した上で保有してくれるよう依頼することです。この点について市長のスタンスをお聞かせ下さい。

南海電鉄は、情報公開に協力する姿勢を取ってくれていますし、貴志川線の収支と同規模の地方鉄道との比較をおこない、単独で経営に必要な条件を示してくれると言ってくれています。是非とも南海電鉄とも協働体制を確立して欲しいと思います。
その猶予期間は年内だと思います。行政が不作為だったり、お互いに責任転嫁をしている時間はありません。

2.最初のアンケート調査は、実態を把握するためでしたから、あの内容で仕方ないかも知れません。しかしコンサルタント会社は、課題を抽出するまでが仕事であることを認識しておいて下さい。企業買収は趣味や道楽で行う人はいません。貴志川線単体の詳細な収支報告明らかにし、経営するメリットを示す資料が必要です。その際には、行政の支援方策はどこまでなのか含めることも不可欠です。赤字で困っていますから何とかして下さいと交渉しても、乗ってくる企業はありません。買収に関わる提案書作成が絶対的に不可欠です。報告書用の資料は必要ありません。
この仕事は、例え鉄道専門のコンサルタント会社でも無理です。市場主義の中で勝ち組を輩出しているプロの投資業務を行っている、しかも最先端の仕事が出来るところとアドバイザー契約を締結する必要があることを指摘しておきます。
南海電鉄との交渉、後継事業スキーム検討、契約締結までが行政三者に課せられた課題です。それだけの大きな課題に挑戦する意思の有無を確認させていただきたいと思います。

3.和歌山市としての年内の取り組みについてお示し下さい。今から検討しますでは、存続は叶わないこともあわせて指摘しておきます。




(2)SOHO事業について

 SOHO事業についてです。インキュベーションマネジャーについて疑問を持っている方もいると思います。それは、自分で起業したことがない人がインキュベーションマネジャーとして起業希望者の相談を受けても十分な指導ができないのではないですか、というものです。
 それに対しては分かりやすい例を挙げて説明します。
 4年前のシドニーオリンピック金メダリスト、高橋尚子さんのコーチである小出義雄コーチが金メダルをとっていません。タイガー・ウッズの元コーチ、ブッチ・ハ−マンはゴルフで世界ランキング1位になったことはありません。でも世界1位の(現在は2位に転落していますが、)タイガーを指導できたのです。
 指導者が名選手でなくても、知識に加えて指導力や思いやり人生経験に基づく助言能力などがあれば指導者としての資質はあるといえます。全国にインキュベーションセンターは430個所ありますが、箱モノを賃貸しているだけでサポート体制が弱いのが和歌山市だけでなく全国的な課題です。

 入居者は事業を早期に実現するために取り組んでいるので、それをサポートしてくれる人が近くにいることが大切です。大手コンサルタント事務所が相談に乗ってくれる体制をとっている個所がありますが、一部上場企業に対するアドバイスと一から起業する人へのアドバイス内容は異なりますから、十分な支援となっていません。

 風邪気味なのに、精密検査を受けようといきなり脳神経科へ行くようなものです。最初はかかりつけの医院に行くことが解決の早道です。それで分からなければ総合病院に行けば良いのです。十分な知識を有するインキュベーションマネジャーがそれぞれのセンターにいてサポート体制をとっている。そこで解決出来ない問題は、本部的機能を要する所に問い合わせるしくみがあれば解決です。
 
 市役所で運営体制をとろうとすれば公平な対応が必要となりますから、起業家を育成するには限界があります。SOHO事業を軌道に乗せるためには、しくみの改革する他に、管理運営をアウトソーシングする必要があります。それは簡単でインキュベーションマネジャーを含むチームに委ねたら良いのです。職員さんの経費よりは安価に仕上がりますし、職員さんは他の市民サービスの必要な職場に配置できるメリットがあります。市長の言うところの、内部からの行政改革に資するものです。
 この点について答弁をお願いいたします。 

 人材を社会に送り出すために、やる気のある起業家を早期に育成するしくみがあります。和歌山市からSOHO事業を改革し、全国に和歌山モデルとして展開させると共に地方からも起業家を輩出させたいものです。
 以上を持ちまして一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 以上

 6.再々質問への答弁内容へ


平成16年 9月 和歌山市議会一般質問について


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