758.演説
 議員の皆さんの演説を聞くことは勉強になります。何を訴えているのか直接入ってくるからです。ここでもライブ感覚は大切です。又聞きや書いたものを後で見るのとでは迫力が違います。

 話の内容、声のトーン、姿勢など身体全体で訴えていることがライブです。ここで感じることは歌手のコンサートと同じです。言葉だけを武器にして身体ひとつで聴衆に訴えるのです。

 政策や過去の実績、事例の引用などを取り入れながら演説は進みます。ここで訴える力があることはたったひとつです。自らが体験したことを自分の言葉として話をすることです。政策のオンパレードや新聞などからの事例の引用、他人の体験をどれだけ話も相手に響きません。これらを話の中に取り入れることも大切ですが、話の主体は自分の体験、自分の言葉です。これがないと演説に行った効果はありません。

 自分の言葉がどれだけ相手に訴える力があるのか。これが候補者の力量です。
 経験則からですが、私は次のことに気を付けて話しています。

センテンスを小さく区切って小さい単位の話を、メリハリを散りばめて話を構成します。大きなテーマと小さなテーマを織り交ぜます。大きなテーマ、つまり自分が訴えたいテーマの中にはキーワードとなる言葉をひとつ織り交ぜます。これが最も重要です。話を聞いてくれている人にお土産を持って帰ってもらいたいと思っていますが、それがキーワードです。話全体の内容は会場を出た瞬間に忘れられてしまいます。
印象に残るのは話の一節や言葉だけです。

 例えば今回実施した演説の中では、「変わることは不安ではなくて期待と進歩」であることは訴えたいキーワードのひとつです。文中でここを強調することで訴求ポイントになります。

 また一体感を持ってもらうためには、呼びかけ言葉が大切です。「○○だと思いませんか」、「△△しようではありませんか」などの問いかけです。相手もそう思っている、共感してくれる内容であれば、相槌を打ってくれますし、ハマると拍手につながります。

 メリハリがなくてポイントがない演説は心に残らないと思います。ひとつのテーマを長々と話すのも考えものです。

 全文は感謝の言葉や今日の出来事の中からで感じたことを持ってきます。
 その次に準主題となるような話を持ってきます。

 そして話題を転換させて自分が体験した感動的な話を織り込みます。実話を紹介することは言うまでもありません。他人の体験の紹介や実話ではない話題は相応しくありません。

 その次は本日最も訴えたい主題を持ってきます。ここは言葉を選ぶことが大切です。何故変化が必要なのか、何故この人が必要なのか、何を変えたいのかなどの主題を丁寧に展開させます。印象に残るセンテンスや言葉を配置する必要があるのは当然です。

 最後は締め括りです。話の内容を簡単に繰り返す方法や、お願い、依頼したとことなどを話します。感謝の言葉を述べて締め括ったり、声を大きくして盛り上げて終わるなどします。

 人によって話の展開方法や考え方は違いますが、経験則から以上のような展開を念頭において話を構成しています。

コラム トップページに戻る

前のコラムへ   /  次のコラムへ