674.ストレス

 ある程度のストレスを避けていては壁を乗り越えることはできません。しかし現代社会は事前にストレスを回避させてくれています。ストレスは悪いものだと決めつけているため、学校や仕事場では予測できるストレスを回避する対策を講じてくれています。それはそれで有難いことなのですが、一旦学校の外、会社の外に出るとストレスに曝されます。全ての場合においてにストレスから逃げる訳にはいきません。

 学校において典型的なものは跳び箱です。初めて跳び箱に向かった瞬間のことを覚えている大人の方も多いのではないでしょうか。小学生の時の6段の跳び箱は高くそびえたつ壁のように感じました。恐れと飛べるかなとの不安感を持って挑戦したことを覚えています。それでも逃げられませんから跳び箱に向かいました。そうさせてくれたものは少しの勇気だったと思います。

 跳び箱とは勇気を与えてくれるために出現してくれたものだったようです。跳べないと思うことがストレスです。そこから逃げてもその場はストレスから逃れられますが、次の体育の時間、そのまた次の体育の時間へのストレスが溜まります。何時までも逃げていられないので、自分でストレスに立ち向かわなければなりません。ストレスに立ち向かうためには、それを乗り越えるため勇気が必要なのです。

 子ども時代に立ち塞がった壁の代表的なものは、6段の跳び箱と鉄棒だったような気がします。6段の跳び箱に手をついて身体を回転させて跳び越えたことや、逆上がりができた時の達成感と安堵感は勇気が与えてくれた贈り物でした。

 無茶なストレスは感心できませんが、勇気を持って挑戦すれば乗り越えられる程度のストレスには立ち向かわなければならないのです。基本的にその時の自分の前に現れるストレスを感じる出来事は、その時の自分だったら乗り越えられる程度のストレスなのです。

 それを乗り越えた未来の自分には、その時にはまた少し負荷のかかるストレスが立ち塞がります。より大きなストレスは、過去にあったストレスを乗り越えたから立ち塞がるものです。もし現在のストレスから逃げているようでは、壁を乗り越えるような成長はありませんから、それ以上大きなストレスは襲って来ません。例えるなら、与えられた仕事の成果を出さなかった人にはそれ以上の大きな仕事が回って来ませんから、現在感じているよりも大きなストレスも襲って来ないのです。

 ストレスから逃れることはそれで良いことですが、もし高いところを望んでいるのであれば、勇気を持ってストレスに立ち向かうべきです。一度乗り越えたストレスに、次に出会ってもそれはストレスとは感じないものです。それは自分の力で克服したものだからです。大人になった今、6段の跳び箱も鉄棒の逆上がりにもストレスを感じないことが、それを証明してくれています。小学生の自分がそれを乗り越えていたからです。

 今感じているストレスも、未来の自分から見ると大したことはないのです。勇気を持って今存在しているストレスを乗り越えましょう。

 ストレスを乗り越えてこそ人は進化するのです。



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