669.躾
 しつけを漢字で書くと躾。身を美しくするのが躾であることが良く分かります。そして身とは体と心の両方を指していると考えたいところです。躾に関しての話し合いを行いました。

 子どもの躾は簡単なようで難しいものです。自分の子どもは自分の鏡のような存在です。進んで挨拶をする保護者の子どもは、進んで出会う人に挨拶をします。人に親切で思いやりのある子どもの保護者は、親切で思いやりがある人です。子どもの生活や態度が乱れているのは保護者の生活態度が乱れているからです。自分のことを棚に上げて子どもに注意しても問題が改善されることはありません。

 ある教育関係者は、子どもの成績を伸ばすためには保護者の態度が大切だと話しています。週に三回は家族で夕食を摂ること。家族で今日の日の出来事を話し合うことで理解が深まります。家族によって違いますが一般的に、子どもと接する時間が多いのは母親で、仕事をしている父親はどうしても子供と過ごす時間が少なくなります。そのため家族で過ごす時間を確保するためには、ある程度父親の時間に合わすことです。例えば父親が午前7時に家を出るとすれば、例え眠たくても子ども達も7時前に起床して、朝食を一緒に採るなど生活パターンを改善することも方策です。

 この方が子どもを受け入れるに際して、子どもの両親と面接をしています。母親と面接する時は、子どものことは大切ですが、子どもに教育の機会を与えられるのは父親が仕事をしてくれているからだと話します。父親を大切に思わない母親のいる家庭環境の中では子どもは伸びません。まして家庭に父親がいない間に、子どもに父親の悪口を言っているような母親だったとしたら、子どもが父親を尊敬することはありませんし勉強することもありません。何故なら、自分の父親が大したことがないと母親が言っていれば、父親は尊敬する対象にはなり得ないからです。尊敬できない大人がいる家庭の子どもは、決して自分が尊敬される人にはならないのです。

 両親を尊敬している子どもは尊敬できる両親と同じような素晴らしい大人に成長してくれます。それは目指すべき存在が身近なところに存在しているからです。
 そして食事の大切さがあります。食べるものは思っている以上に身体にとって大切なのです。偏った食事だと偏った性格になります。好き嫌いをしていると健全な身体と精神を持てませんから勉強にも大きな影響を与えます。好き嫌いをしない子どもが、好き嫌いをする子どもよりも素直である傾向だそうです。
 そのため夜に行う教室では、手作りの弁当を持って来てもらっているそうです。子どもが自分の勉強ために、両親が弁当を作って持たせてくれていると思うだけでも、感謝の気持ちで勉強してくれるからです。感謝の気持ちを持つことが、物事を成就させるために必要なことです。

 そこれらのことから躾とは、子どもを育てている自分を律することに他なりません。出会った人には自分から挨拶をする。好き嫌いをしない。両親を尊敬する。他人への思いやりの心を持つ。子どもに与えたいものは自分が持ち合わせている必要があるのです。

 もし自分が、出会った人に挨拶をしない。好き嫌いをしている。両親を尊敬しない。他人への思いやりがない人物だとしたら、子どもはそうした性格を持って大人になることは間違いありません。身近な大人の性格が、子どもの性格に最も影響を与えるのです。
 躾られている子どもの両親と面接すると、やはり両親は素晴らしい方だそうです。

 躾とは自分の行動と精神を美しくすることなのです。

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