656.地域の期待
 和歌山県の県民球団、紀州レンジャーズに入団が決定している和歌山大学の太田君。その小学校時代の同級生と話し合いました。その同級生とはずっと交流しているのですが、太田君が紀州レンジャーズに入団することを自分のことのように、自分達の夢を話してくれていました。太田君は小学校時代から野球で生計を立てることを考えていた様です。考えてみると小学校、中学校、高校、そして大学までの全ての期間、野球に打ち込める環境にある家庭はそれ程多くないと思います。そして関西独立リーグのチームにドラフトされたことでプロ野球選手となり、来年の活躍次第では日本プロ野球機構のプロ野球チームにドラフトされる可能性も生まれた訳です。来年卒業するいま、関西独立リーグにドラフトされていなければ、野球を続けること自体が困難な事態になりますから、職業としての野球を諦めなければならなかったかも知れません。そうなるとプロ野球の道は事実上閉ざされることになります。

 幸運にも平成21年春から関西独立リーグが開幕することになり、更に和歌山県にチームが誕生していることから夢の続きが継続されることになります。人は夢を達成するためには幸運に恵まれることが必要ですし、その幸運はラッキーではなくて実力を示す指標なのです。日頃から夢を持って行動し、自分を鍛え続けて機会を待っている状態の中から幸運は訪れてくれます。待っているだけで幸運はやって来ないのです。

 太田君は小学生の頃から鍛錬を続け、幸運の訪れを信じていたと思います。プロ野球選手になるまでに16年の月日を要しているのです。16年も自分の可能性を信じて一つのことに取り組むことは決して容易なことではありません。素直に彼の幸運を喜びたいものです。
「来年の春がとても楽しみです」。太田君の同級生は話してくれました。和歌山県の状況は決して良くありませんが、そんな中にあっても来春に夢を持てるものがあることを喜びたいのです。関西独立リーグが発足していなければ、来春へのこの期待はなかったのです。
 地元和歌山県出身の選手が紀州レンジャーズにいることで同級生や関係者からの熱い応援が期待できます。勿論、和歌山県の選手だけに期待しているものではありませんが、地元の選手にも活躍して欲しいものです。

 夢の一歩を踏み出した太田君。その太田君を応援している同級生。大人になると夢は萎んでいきますが、萎みかけた夢がまた膨らみ始めました。一人の挑戦が関係者全員の夢になり、そして素直に応援する気持ちが表れています。これだけでも和歌山県の紀州レンジャーズの挑戦が素晴らしいものだと実感できます。
 みんなの応援を背にして、頑張れ太田君。

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