558.量質転化
 明治大学の斉藤孝教授は「量質転化」という言葉を使っています。量が重なると良質のものに転換することを指しているようです。いきなり質を高めることは容易ではありませんから、量をこなすことは大事です。練習量や勉強の量が増えると、上手くなったり成績があがるようになりますから、ある程度の量をこなすことが質を高めてくれるようです。

 ある大学の学長と話した時のことです。受験の倍率が3倍程度だと質の変化は見られませんが、倍率が5倍を超えると学生の質は高まるようです。大学のレベルを高めるためには倍率が重視されています。そのためまず受験してもらえるような学部作りや教授陣を揃えることを目指しています。
 倍率が高くなると合格最低点は上がりますから質の転化は当然のことですし、受験生にとっては、簡単に突破できる倍率よりも少し狭い門を目指す方が実力は高まりますから、量が増すことが質を高める効果的な方法なのです。

 駅伝で有名な大学やラグビーの強豪大学などは知名度があがり、受験希望者が増えるそうです。何もマラソンランナーやラグビー選手だけがその大学を志望するのではなく、一般の受験生も増加するのです。無名の学校よりも、マスコミで取り上げられる機会の多い大学を選択したくなるのが人の心理です。

 ハンカチ王子が早稲田大学に進学するとなると、一緒の大学で学びたい、もしかしたらキャンパスで会えるかも知れないと思う学生が早稲田大学を目指すようになります。なるほど、受験倍率が高くなると質は更に転化することが分かります。
 勉強の質を高めることや文化活動で質を高めることは長い時間を要します。最も早く質を高める方法は結果が明らかになるスポーツが一番だそうです。スポーツから入って全体の質を転化させること。自分の学校は誇りたいものですから、スポーツが強いことや音楽活動のレベルが高いことなどは、自分が競技者でなくても自慢になります。

 そして一度質の高まりが始まると、後は自然に従い、良質を求めて人が集まるようになります。目指すべき道があれば、質の高いところを目指したくなるのが人ですし、より質の高い舞台に立ちたいと思うのが人です。
 当然、迎え入れる学校の側も同質ではいられません。質の高まりに合わせて授業内容を変える必要がでてきます。つまり同質の集まりの中にいると、その質のレベルから脱することはできませんが、自分の質を高めて今までと違う質の集団に入ると、そのまま質は一段高い所に移るのです。一高い質の集団に入ると最初は戸惑いますが、そのレベルの量の中でまた質を転化させるべきなのです。つまりその集団の中で同質化してきたと感じたら、再び自らの質を変化させて、次のレベルのところに向かわなければなりません。

 仕事や目指している分野の練習で量を求めること。大量の人の集団を目指し、そこに入ることで自らの質を高めること。量が質を高めてくれますから、研修会、勉強会、読書、営業件数などの量を増やすことから始めたいものです。

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