530.次に備える
 桜が咲く前の早春。中学校と高校の入試発表が終わり、受験生はホッとしている時期です。しかし教育関係者は、今年の入試傾向の分析や偏差値による学力調査などを行い、早くも来年に備え始めています。

 入試とは運を試すものではなくて、格差を決定づけるものでもなくて、自分の可能性を引き出してくれるものなのです。やった分だけ成績が伸びるのですから、勉強の過程と結果が直結していることから、実社会では経験出来ないような素晴らしい機会に直面していると考えたいところです。実社会では結果に至るまでの過程と結果は合致しないことが多く、ある意味で途方を感じることがあります。自分がやった分だけ成果が出ないことは社会では多いのですが、学生時代の勉強は違います。やった分だけ結果が伴うのです。

 この違いは、社会では自分一人で完結出来る仕事は殆どなく、実行の過程に他人が介在したり、他人との協働を図ったり、思惑が違う取引相手いるからなのです。自分だけで結果を出せる仕事があればどれだけ有難いことでしょうか。やった分に応じて結果が出て、収入が増加するような仕事があれば、誰でもやって見たいと思う筈です。でも出会えないものです。

 勉強は実力に応じて受験校は違って行きますし、三年間の勉強度合に応じて実力を伸ばせます。そして勉強は誰からも邪魔されることはないのです。近くに受験生のライバルがいても、それは決して競合にはならないのです。何故なら、合格枠は一人ではなく数十人から百人以上の定員があるからです。ですから近隣や同級生全員が同じ中学校や高校に合格することは可能で、蹴落とし合う関係にはならないのです。
 
 また敵対関係のライバルではなく友好関係のライバルが近くにいると、一人で勉強するよりも実力が伸びますから歓迎すべき存在です。受験は当事者にとっては嫌なものですが、後から振り返ると、純粋に自分の実力だけで立ち向かえる試験に挑戦する機会があるだけでも有難いものなのです。結果が出たらそれは実力があったからですし、仮に不合格であったとしても扉が閉ざされるのではなく、一年後の春に再び受験の機会は訪れるのです。

 人生においては、何時機会が訪れてくれるか予想は困難です。ところが受験の機会は春に必ず訪れてくれます。ですからそれに備えることが出来る分、実力を発揮し易い環境にあります。人生の予行練習としては絶好の機会であると前向きに考えて挑戦したいところです。
 そして挑戦した後が大切なのです。誰でもそうですが、失敗した後は相当落ち込みます。しかし落ち込む程度にもよりますが、直ぐに立ち直って再び挑戦する心を持つ人だけが目的に見合った成果を出すことが出来るのです。失敗によって萎んでしまう人がそこから脱するには、迷わないで直ぐに信頼できる人に相談することです。迷っている間は、次に向けて心の準備が整いませんから、気持ちを切り替えて、次を早く引き寄せましょう。

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