453.組織の継続
 ある組織のトップの方は、トップにいる中で心掛けていることのひとつに後継者の育成と指名のタイミングがあるそうです。どの様な組織であっても一人の人がトップにいる期間は三期、或いは10年が目安となります。それ以上君臨すると、次の世代の後継者がいいなくなること、そのために同じ人が何時までもトップで居続けることになりますから、組織活力の維持は難しくなります。

 例えばトップが10年以上継続すると、ナンバー2の人も10年、年を重ねることになりますから、トップに推挙されても短命に終わるか、それとも機会を逸してしまうことになります。組織は常に若返りを求めていますから、次のトップ候補が若返りにならないようなら、その流れに逆らうことになります。

 組織としての活力を維持するためには、毎期数人の理事や役員を入れ替えていく必要があるのです。その中から後継者を見つけておき、然るべきタイミングで交代することが組織のトップとしての重要な役割です。

 そして政治も同じことだとの指摘がありました。和歌山が停滞しているのは議員の若返りが図られていないことも要因ではないだろうか、と言うものです。議員はトップではありませんが、地方においては行政施策に民意を反映させる役割を担っています。民間企業や組織と同様、議員も三期を目途に入れ替わっていくのが理想だと言います。何故なら、特定の人が長くいると民意を反映させる役割である筈なのに、その意識が薄れ民意ではなく自分の意見と特定の人の意見を行政に反映させるように変化するからです。そうなると何のための議員なのか分からなくなります。その結果、その地方自体の停滞を招くことになるのです。

 ですから、議員は周囲の中から常に後継者を育てることを意識すること、議員を出している組織においては組織の中から次の議員候補を探して準備を整えることも大切な仕事だそうです。確かに三期12年が経過すると、支えている周囲の人は様変わりします。当初からの支持者のようにズバリ意見提言する人が次第にいなくなるのです。そうなると行政への民意の反映は難しくなります。そうならないように注意するのが組織のトップの役割であり、社会的責任であると意識していると伺いました。

 トップに就任直後から組織としての次の意識すること、組織が力を保ったままで継続させるために必要なことです。
 そして次に備える立場の人は、自分達の世代の代表としての取り組みを意識したいところです。単に先人の政策を継続させるだけでは存在価値はありません。そして個人の考えだけで組織運営しても意味はありません。世代を代表している意識を持って活動すると、大きな視点に立つことが出来ます。自分達の世代が今の時代に何をすべきなのか、そして次の世代に何をつなげていくのか、この視点をブレさせてはいけません。

 社会的責任がある立場になれば「世代を代表している」それくらいの意識を持って行動したいものです。

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