399.先人の教え
・地位のある人がつまづくのは、お金が原因であることが多いようです。お金には魔力がありますが、お金だけで人をひきつけることは出来ません。お金が途絶えたら、縁も切れてしまうのでは大きな仕事は出来ませんし、裏でお金の流れがあると、いつか天下に知れるものです。

・一代で事業を成功させた経営者はその経験から、他人にはお金を積むよりも徳を積むべきだと教えてくれました。徳を積むとは、他人のために尽くすことで、心と体そしてお金の三つを使い分けて他人のお役に立ちなさいと言うものです。徳を積んだその結果、自分の中に財産が増えて行きます。他人に分け与えることは自分を高めることになります。他人に尽くす経験は、苦労も人脈も自分のものとして蓄積されていきますから、結果として自分のものになるのです。徳を積むことが全ての基本となります。
 他にも貴重な人生経験を伝授してくれましたので、その中からいくつか選び解釈を加えて紹介します。

・人によって態度を使い分けてはいけないということです。例えば、偉い人に会った時はペコペコするのに、そうでない場合は自分が偉そうにするなど、態度が変わる人は信頼出来ない人です。

・人の心は顔に表れること。人生の経験者は顔を見ると信頼出来る人かそうでないかを見抜きます。良い行いをしている人はその気持ちと行いが顔に表れますし、悪いことをしている人は取り繕っても内面が顔に浮かび上がっているものです。顔と目を見ると相手の本質が分かるものです。

・世の中はタイミングが大切です。これを間違えると再び浮上することが難しくなります。タイミングは人生の先輩と信頼出来る仲間に相談してアドバイスを受けると、その時期が適しているのかを図ることが可能です。常に信頼出来る人が周囲にいることが道を踏み外さない歯止めになりますし、逆に一人で決める人はどこかでつまづくことになります。

・他人の成功を祝福出来る人は、間接的にでもその恩恵に預かることになりますが、他人の成功に妬みや嫉妬を持つ人はその気持ちが自分に跳ね返ってきます。祝福の気持ちは祝福したい相手のいる位置まで自分を高めてくれますが、妬みは自分の現在の位置を更に低下させることにつながります。どちらの気持ちを持って人と接するかは、自分が決めることです。気持ちの持ち方で将来は大きく変わって行きます。

・苦労をすれば人間としての幅が拡がりますが、逆に屈折する気持ちも芽生えてきます。苦労を自分のものにするためには、自分の中心で素直で真っ直ぐな気持ちを持っていることが不可欠です。中心線がしっかりしていると苦労は肥やしになりますが、そうでないと苦労は苦労だけに留まり何の約にも立ってくれません。

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