320.来賓の態度から学ぶ
 行政主催のイベントは勿論のこと、民間団体主催のイベントにも来賓の方が来られる場合があります。NPO法人が主催するイベントでも関係する来賓の方にお越しいただくことは結構多いのです。
 イベントを運営していると本当に面白いことが判ります。大抵、来賓の方はイベントの開会式の直前にやって来て紹介と来賓挨拶が終わると帰ってしまいます。これはこれで良いのですが、会場にいる時のスタッフとの関係で来賓の人格がとても良く判ります。
 良くある事例を紹介します。
 地方自治体主催の場合、来賓の方は主催者の長、つまり知事や市長に対してイベントの間中、低姿勢を貫きます。民間が主催するイベントの場合は、主催団体の代表者にペコペコと挨拶を行っています。また著名なゲストが招かれているイベントにおいては、ゲストに対して頭を下げ取り繕います。
 そのイベントの間、来賓の方はスタッフのことを全く無視することが多いように、社会では上向きの人が多いことに気づかされます。地方自治体や主催団体の長は社会的影響力のある方が多いので、ある程度のペコペコは止むを得ません。
 そのような主催者にペコペコの来賓の方に限って、イベントスタッフには「おはよう」の挨拶もしませんし「ご苦労様」の労いの言葉もありません。イベントスタッフは来賓のお世話をして当然という態度なのです。

 ところがNPO活動が盛んな時代に入って久しくなっていますから、そこが主催するイベントのスタッフは、実は会社経営者や企業の幹部の方が多いのです。普段、NPO活動に関心もなく、民間活動の企画段階から関わっていない来賓の方はそんなことを知らないので、スタッフとは主催者が雇ってきたアルバイト程度にしか思っていないのです。
 スタッフとして来賓を見るとその人の人格が良く判るのは、アルバイトなど立場が弱い人に普段はどう接しているのか観察出来るからです。

 ある有名な女優は誰に対しても心優しく接してくれました。イベントの準備の苦労に対して労いの言葉があり、式典が終わった後には感謝の言葉をかけてくれました。立場で人を判断しない姿勢から、人を思いやることの出来る人であることが判ります。
 ある議員は知事や有名なゲストにだけ挨拶をして他の人は無視していました。人を思いやる気持ちがないことは一目瞭然でした。
 別の議員は人前でニコニコと笑顔で接していましたが、式典終了後、控え室に案内した途端に不機嫌な表情になり、「次の出番は何時から?」「お茶ないの?」など、自分本位の注文をつけました。
 ある人は他の来賓と同じ席だと文句を言いました。自分は特別と思っている態度は他人から横柄に映ります。
 式典終了後、式典に参加している全員がお腹を空かしている中、他の人到着を待っているのに、ある来賓は「早く食事を持って来い」と注文をつけ、自分だけ先に食べ始めました。一人だけ先に食べて美味しいのでしょうか。

 このように人は表と裏でこんなに違うものかと感じることがあります。スタッフへの接し方、人が見ていないところでの態度はその人の人格を表してくれます。誰に対しても思いやりの気持ちを持って接する、これだけは絶対に心掛けたいものです。

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