309.仕事は非連続
ドトールコーヒーの鳥羽博道会長からお話を伺いました。印象的な言葉と感じたことを記します。
・取引の厳しさは、毎日の仕事を真剣に取り組まないと「明日から結構だ」と言われたら取引が終了してしまうことです。
→仕事は連続しているようで実は非連続の積み重ねであることを再認識出来ました。今日を適当に過ごすと明日の取引関係があるかどうか分からないのです。毎日真剣に生きることで連続した明日が見えてきます。大きな組織や官公庁にいると取引してもらうのが当然と思いがちですがそうではありません。何度かに亘って結果が伴わないと契約関係を保てないのです。

・人の不幸を作らないことが志の原点です。悪いことをする人間が上手く立ち回っている社会だったら存在している意味がないのです。
→仕事を通じて社会と人のお役に立つことが、回りまわって自分に跳ね返ってきます。悪い行いをすれば悪い結果が、良い行いをすれば良い結果が得られます。誰も見ていなくても蒔いたとおりに果実は実るのです。「天網恢恢素にして漏らさず」ということわざがあります。人の行いは誰も見ていないようでもお天道様は見ているものだと言うものです。翻って、社会は笊のように目が粗くて悪いことをしても誰も気づかないように思い勝ちですが、必ず行動の結果は形になって表れることと解釈しています。
 悪いことをしていると、いつか白日の下にさらされるのは社会の原則です。

・何が正しいかをまず考えること、利益を考えるのはその次です。   
→利益を先に考えると行いを誤ります。社会正義となることに取り組むと、社会から受け入れられます。深く利益追求を考えなくても結果が伴うものです。社会に役立つこととは、55%が相手の望むことを受け入れ45%が自分の思うことを取り入れる謙虚な姿勢を持つことから始まります。

・自分の思いは情報配信システムを通じて全国の全従業員に伝えています。その場合、常に自分が本当に思っていることを語ります。作り話からは思いは伝わりません。
→いつも間接的な会話になると意思疎通が図れませんから、理解し合えるためには直接話す機会を持つことが大切です。その場合、自らの体験や本当の事例を引用することで思いを表現出来ますが、作り話だと深い思いは伝わりません。思っていることを直接的に、或いは事例を交えて、または事例を用いて間接的に、方法は様々ですが本心を伝えることが周囲に熱は伝導します。

・お客さまのため、会社のためが、自分のため。
→これは今年のドトールコーヒーのスローガンだそうです。簡単な言葉を組み合わせただけですが、会社の考え方が伝わってきます。相手のために尽くすことが第一で自分のことは最後にする。でもそれが自分のためになっているのです。相手に快適だと思ってもらえるには何をすべきか考え実行することが、自らを成長させてくれます。周囲が停滞しているのに自分一人だけが成長することはありませんから、周囲を高め裾野を広げることで山を高く積み上げることが出来ます。

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