241.政治は二流
 国会では小泉チルドレンが大挙登場し、その資質に対して波紋を呼んでいますが、それが報道され続けていることから政治に関心を持つ人が増えています。選挙が終わっても国政や地方の政治をどんな議員が、一体どんな資質の人が担っているのか関心が高まっているのです。
 最近は良く政治家の資質についての議論が交わされます。政治家として最低なのは核心部分を持たないで、大きな大樹にすり寄り次の当選だけを目的にしている人です。当選しなければ活動出来ないので当選を目指すことは大切ですが、自分の思いを捻じ曲げて、或いは考えを持たないで選挙を優位に戦うことを第一に考えているようでは信頼を得ることは出来ません。マスコミ報道のお陰で、政治家にも資質が求めなくてはならないと有権者の皆さんは強く感じています。そのため従来のように利権を配分するだけの政治姿勢や、行動が揺れ動いている政治家の様を有権者の皆さんは良く見ています。

 自分で目指すものが無いことから、とりあえず強い立場の人に加担しておいたら安心とする姿勢を有権者の皆さんは見抜いています。
 自分の力で夢を実現しようとする人は、他人の力を借りることのない実業家や官僚、医師や弁護士などの有資格者を目指す場合が多く、政治家を目指す人は少なかった様です。政治家は自分の力だけでなれる職業ではありませんから、どれだけ知識や技能を身につけても当選には関係なかったのです。若い人にとってストレートに自分の力が反映出来る職業ではなく、決して魅力的なものではなかったのです。

 そのため世界的な評価として、日本の経済は一流、政治は二流と言われ続けてきました。今では日本の経済力は低下していると言われますが、それでも製造業や知的産業ではトップレベルにあるのは間違いありません。金融産業で狩猟民族による市場主義の国に後れを取っているに過ぎませんから、悲観することは全くありません。
 経済力が低下して政治力が向上することはあり得ません。経済力が伸びないと政治力も伸びないのです。国の方向性の舵取りをするのは政治かも知れませんが、経済が安定していないと政治は無力です。

 パンを毎日好きなだけ食べられる状態になって初めて、夢を語るリーダーに人は付いてくるのです。経済が第一ですから、開発途上にある地域ではまず経済界に人材が集まります。経済が安定して余裕が生まれると政治に関心が向きます。国や地域が成熟してくると政治にも人材が集まるのではないでしょうか。

 これから政治にも人材が集まると思われますし、本当の改革は政治に関わっている人材を変えることから始まります。
 霞ヶ関で何十年も仕事をしてきた方は、今回の総選挙で自民党も変わったけれども、小泉後に出番を待ってじっと様子を伺っている古いタイプの衆議院議員は120人程度もいると言い切っています。郵政民営化に関心が行っているため改革のメスが入らないので、今なお利権を確保しているようです。私達は残念ながら霞ヶ関や永田町で行われていることを知ることは出来ません。

 影の部分を表に出すためには権力者を交代させる以外にはありません。看板が変わっても同じ権力が舵取りをしていると改革は適いません。人類の歴史から学ぶべきことは、権力は必ず腐敗するという誰もが知っている簡単な教訓です。

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