226.スターウォーズ
       エピソード3
 スターウォーズエピソード3は、主人公のアナキン・スカイウォーカーが正義から悪へと転落する過程を描いた作品です。この作品から学べることは数多くあります。

 若い人が社会そして組織から認められるのは大変なことです。才能があっても若いという理由で意思決定の中に加えられない事があります。そんな事が何度も続くと社会に対して不信感を抱くことになります。そこから既存の体制を打ち破り新しい体制の必要性を見出そうとします。改革は若い世代の体制に対する疑問から始まります。評議会から認められなかったアナキンが評議会から心が離れていく過程は、今の体制が若い人達にとって過ごし易いものではないことを示しているようです。そこからどこに向かうのか、人の一生を左右することになります。

 正義の心を持っていても、社会には少しのきっかけで悪の道に転落する危険性が潜んでいます。頼っている人から信頼されないと感じた時、不安感や恐れを持つと逃げ道を模索するのは必然です。その時身近に導いてくれる人がいると助かるのですが、師となる人がいない場合には道を外れることも有り得ます。正義と悪は紙一重、そして一度転落すると社会的評価や精神的強さがより必要なことから、元の立場に戻るのは困難です。転落する前に留まることが人生を拓きます。

 映画ではひとりの指導者が全体を誤った方向に導きますが、これは映画の中だけの物語ではありません。歴史を見てもカリスマ的な指導者が国の行く先を暗黒に導いた事例があります。後の時代から眺めると多くの人が何故そんな誤った道を歩んだのか不思議に思いますが、時代の中にいるとそれが分からなくなります。私達が得られる情報は限られていますから、与えられた情報により指導者が言う方向性を信じ込ませられると、社会が誤った方向に導かれたとしても分からないのです。
 それを防ぐには、海外の評価や客観的に事象を捉えている人の評価を参考にして個人として判断することです。民主主義は個人の考えの積み重ねですから、自分の考えを持ち行動出来れば恣意的な誘導を防ぐことは可能です。熱狂的な渦の中に巻き込まれると今が分からなくなります。

 民主化された共和国議会が仮想敵国と戦うために軍隊を正当化するように法改正が行われ、知らない間に議会は形骸化され、民主化から帝国へと移り変わりました。民主主義と言いながら、一人ひとりがしっかりとした考えを持たないと、時代の趨勢に流されてしまいます。ある問題に関して、賛成でも反対でもどちらでも良いので自分の考えを確立しておくことが必要です。形の上では民主主義のようでも、事実を知らされないままにその他大勢になっている場合がありますから注意をしたいものです。

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