168.きれいな空間
 和歌山市中心部を流れているのが大門川ですが、川の汚れが問題になっています。川には冷蔵庫や机などの大型ゴミが捨てられていて町の景観をも汚しています。所管している自治会では、川からゴミを引き上げる作業を行い河川環境の改善に努めています。川沿いには桜の木が植えられ美観維持に努めています。捨てる人がいればきれいに保つための活動をしている人もいます。

 高野山から護摩山を走る風光明媚な道路、高野龍神スカイラインは現在通行料が無料化されています。有料から無料に変更した後、観光客を初めとして車の通行量は増加していますから観光振興の面からすると喜ばしいものです。
 ところがスカイラインの下の森林に、大型ゴミが捨てられている光景が見受けられます。道路を無料化してから目立ち始めました。冷蔵庫やタンスなどは、意図的に廃棄する目的で運び込まれたものです。
 河川や道路下にある森林に大型ゴミが捨てられると、引き上げて処分するのに多くの費用と手間がかかります。でも大型ゴミを放置しておくと、それ以上にゴミが捨てられます。
汚いところにはゴミが更に捨てられます。きれいに維持するためには、投棄される前に見回りを強化するなどの対策が必要ですが、見回りのための費用がかかってきます。費用負担は地元か所管する行政となりますから、一部の心のない人のために、結果として全体で費用負担をしなくてはなりません。

 それでも捨てられたものを引き上げるよりも、見回りする方が費用負担は少ないためその対策を講じられますが、本来、住む人にモラルがあれは不必要な経費なのです。
 どこの地方自治体でも財政赤字が言われていますが、住む人のモラル低下により行政負担が増加している点も見逃せません。行政が行なう行為は無料のように感じますが、職員さんが動いたり何かの行為があれば、そこに必ず財政出動が伴っています。現在社会において、民間企業や行政からサービスを受けるのに無料のものはありません。

 ゴミを自分の視界から見えないところに処分すれば、自分の周囲は美しくなります。しかし何処かが汚されている訳ですし、誰かが処分するのですから費用も発生します。
 ある人が知り合いの高級車に乗せてもらった時のことです。車内の灰皿はピカピカなのでタバコは吸ってはいけないと思っていたのです。ところが知り合いの運転手は運転しながらタバコを吸い始め、車の窓を開けて灰を外に撒いて末に、最後は吸殻を道路に捨てたのです。
 続いて知り合いは缶コーヒーを配ってくれました。飲み終えた後、赤信号で車が停止した時に、窓から中央分離帯の植え込みに向かって空き缶を投げ捨てたのです。
 一緒に乗ったことから、車がきれいに保たれている理由が分かりました。確かに車はきれいかも知れませんが、人の心はきれいとは言えないようです。

 きれいなまちを作るのは住む人の心次第です。地方自治体の財政を少しでも改善して良い行政サービスを受けられるようにするのも住む人の心次第です。全てはそこに暮らしている人の心掛け次第です。
 見えない所は汚くても良い、財政赤字は関係ないと思う心が、ボディブローの様に徐々にまちの活力を低下させていきます。
 反対にゴミは資源と考えて決められた通りに処分する、自分に出来る事は自分ですることでまちの活力は生み出されます。私達がどちらを選択するのかで、まちの方向性は定まります。結局ここで暮らしている人がまちのレベルを決定しているのです。

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