152.ノウハウ
     ・センス
 あるリアルの店舗を構えている経営者がいます。扱っている商品が季節により売り上げの増減があるため、売り上げの平準化を図るためインターネット店舗の楽天に出店しました。出展費用は必要ですが、市場が全国に拡がり売り上げが伸びています。
 立ち上げてから直ぐに黒字化が図れているのは、リアルの店舗の経験が活かされているからです。インターネットで商品を展示するタイミングは、リアルの店舗での動向と連携しています。店頭である商品の販売が伸びてきたら、直ぐに売れ筋の商品をネットショップに掲載することで同時に売り上げが伸びます。
 閑散期は顧客にメールマガジンを送り需要の喚起を行います。ネットショップはリピーターを増やすことが大切です。見てくれる人は多くても、購入してくれる方はそう多くありません。固定客を大切にして季節感のある情報提供することが、地道ながら販売拡大の秘訣です。
 
 それに広告の使い方が大事です。インターネット上の広告は、それが広告なのか記事体なのか良く分からないのですが目立つ工夫をすることです。そのノウハウは秘密としておきます。
 ただ言えることは、リアルの店舗を構えていることで販売のタイミングが分かりますから、ネットショップでも市場動向に敏感なため他社よりも有利に働きます。カタログのように商品をデジタル写真で撮影して掲載するよりも実際の店舗にディスプレイされた生きた情報をネットに掲載する方が迫力はあり訴求力も出ています。
 売り方のノウハウは異なりますが、相互の店舗で応用出来るノウハウはあります。

 どの分野でも機器の性能が向上し、プロと素人の技術的な差が縮小しています。極端なことを言えば、色やデザインなど差はセンスだけのような気がします。そんな状況でプロとしての仕事をするには、どれだけ顧客にアドバイスが出来るかにかかっています。機器を使いこなしている素人のレベルは高いのですが、その分野の人的ネットワークがないため他人の情報は入りません。プロは多くの顧客を抱えていますから、多くの生きた情報を基にしたセンスを持っています。素人が気付かない点を指摘することが出来るのが強みです。

 素人が考え作った作品も完成度が高い優れたものがありますが、プロからの少しのアドバイスを取り入れることで完成度は高くなります。プロと素人との差は小さくなっている分野がありますが、あと少し、最後のところのセンスは縮まりません。それは、その仕事に携わっている時間と真剣さに差があるからです。
 ところがほんの少しの差の距離は大きいのです。簡単に表現するとノウハウや身に付いたセンスとなりますが、これらはマニュアル化出来ない分野です。頭に中にパターンが入っていて、与えられた素材によって違う組み合わせを瞬時にアウトプット出来るのがセンスです。この素材ならこのパターンという公式はないのです。
 どれだけのものをインプット出来ているかがプロとしての値打ちです。経験、研修、勉強、人脈など時間をかけて身に付けているものがプロとしての財産となります。身に付ける努力を怠らない限りプロでいられますが、経験者でもそれを怠ると転落していきます。

コラム トップページに戻る

前のコラムへ   /  次のコラムへ