142.NPO法人の挑戦
 子どもの国際社会と社会適応力を高めるための活動を行っているNPO法人があります。活動の目的は、英語への関心を高めること、高齢者と若者層との世代間交流を図ること、子どもの教育環境を整えることです。
 子どもの生活環境の悪化に関しては25年程前から盛んに言われていました。1980年代にビデオやテレビゲームが登場、普及し始め、子ども達の体力低下と学力低下が始まりました。当時の子ども達は1日3時間から6時間もゲームで遊んでいたようです。ゲーム脳は思考力を低下させるのは勿論、人間らしい感情も低下させます。ゲーム脳の特徴は、前頭前野が鍛えられないため、痴呆症と良く似た脳波を発することです。考える力が失われ現実世界か仮想世界なのか分からなくなります。1980年代から凶悪犯罪への警鐘が鳴らされていましたが、2000年代に入って顕在化してきました。
 子どもの責任ではなく、ゲーム脳を持つ子どもを生み出している原因のひとつは大人の責任でもあります。それはゲーム機が悪いのではなく、読み書き計算の機会を与えないで四六時中ゲームをする環境を与えている親の責任です。考える力、社会で生きる力を身につけることを第一とし、その合間に気分転換としてゲームを行うのなら何も問題はありません。余暇や遊びの全てがゲームになるのは誤りです。
 子どもが遊びに集まっても、親はそれ程手間が掛からなくなっています。それは部屋で思い思いにゲームをしているため静かで喧嘩もしないからです。単に空間を共有して会話もなく、ゲームソフトを持ち込んでそれぞれ好きなゲームをしているだけですから異様な環境です。このような環境の下、私達のNPO法人では、青少年の健全育成のために何が出来るのかを求めています。

 当面の活動は次の4点を重点的に実施します。
 TOEICの推進と関係者による懇談の機会を設けて国際社会と触れる機会をサポートします。TOEICの活動を支援しているNPO法人は全国でも珍しいものです。
 二つ目は、福祉施設を拠点とした高齢者と若年層の世代間交流の機会を創出することです。高齢者の経験を次の世代に継承することは地域にとって必要な施策であり、高齢者にとっては、若い人達に経験を伝え交流することは生き甲斐にもなります。世代間交流を図っていきます。2000年には地域毎に社会福祉計画を作ることになっていることから、NPO法人として実践出来ることから取り組みます。
 三つ目は、野球の森育成事業支援と独立リーグ誘致支援活動です。子ども達が外で活動する機会を設けるために、野球王国和歌山らしい環境を整備するお手伝いをしていきます。
 四つ目は、和歌山市長の方針にある和歌山城を活用した活性化への取り組みのお手伝いです。社会教育、生涯教育の一環として、和歌山城学を学ぶ機会と実践の機会を創出しカリキュラム化を図ります。

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