119.星稜山下監督
 石川県星稜高校の山下智茂監督についての冊子が手元にあります。昨年、箕島高校対星稜高校について当事者から話を聞く機会があり関心を持ったからです。ヤンキースの松井秀喜選手をして「山下監督の言葉は宝石箱です」と言わしめています。生徒には本を読むことを薦めているように、山下監督は感銘を受けた本から自分の経験を加えて改良した心に響く言葉を記しています。その内の幾つかを紹介します。

「心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる」心と運命の関係を見事に言い表しています。

「一日一生」一日は貴い一生だから空費してはいけないことを表しています。出典は内村鑑三氏の言葉で、松井選手の座右の銘となっています。

「朝は希望に生き、昼は努力に生き、夜は感謝に眠る」一日一生の心構えを具体化したように感じます。

「能力の差は小さい、努力の差は大きい」
 努力とは継続する力です。年数が経つ程その差は歴然としますが、その時々の断面では本人も周囲も気づかないものです。

 松井選手がメジャー挑戦を発表した日に送った文面は次のとおりです。
「人生最高の決断。メジャー、夢への挑戦ですね。アメリカでがんばってください。
 おめでとう。人生は常に挑戦。常に開拓です。新しい歴史を君がアメリカで開き、歴史をつないでください。」
 挑戦と開拓、良い響きです。挑戦して新しいフロンティアを開拓することで、後の人が楽に通れるようになります。自分の出来る分野において、一歩でも社会を前進させたいものです。

「花よりも花を咲かせる土になれ」勝つこと以上に人を育てる教育が重要だと言うこと。翻って、力がある時には思いのままに人に指図するのではなく、後進を育てることを第一に考えることが大切なことだと言えます。

 勝つ集団とは「気持ちの切り替えが早い。謙虚さがある。高い目標の実現を目指す。」
の条件が揃うことです。勝つのに必要なのは力や戦術ではなく、精神面が重要だと捉えて
います。確かに人間的に立派な人ほど謙虚な態度で接してくれます。つまずかないために
は、実るほど頭を垂れる気持ちが大切です。

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