108.独立リーグ構想
 和歌山市が独立リーグに参画を表明し、仮称黒潮リーグとする計画を提言しています。
 野球に関して四国独立リーグがありますが、これは元西武ライオンズの選手でオリックス監督の石毛宏典さんが主体となっているものです。石毛さんはIBLJを設立し、今のプロ野球とは異なる機構で四国の各県の県庁所在地に1チームを設置し、合計4チームでリーグ戦を行おうとしています。シーズンは4月から10月まで。一週間に4試合を行うため各チーム合計90試合を実施します。1チームは22名で構成、監督とコーチはプロ野球OBを起用する計画です。
 試合は基本的にナイターですが、高知市営球場はナイター設備がありませんから土日の開催となります。問題は設備などのハード面ではなく、やる気です。
 行政からは球場を借り受けることになっていて、四国各県と所在地の市からの費用の持ち出しはゼロです。石毛さんが行政にお願いしていることは、球場の優先使用権と使用料金への配慮だけです。
 四国4県の知事と当該市長は全員、独立リーグを歓迎しています。ある市長は「四国4県が協力したら球団経営は可能だ」と断言しています。

 さて11月末に石毛宏典さんと会って、四国独立リーグに和歌山県も参画し、黒潮リーグとしてリーグ戦を行うことが出来ないか話し合いました。
 四国と和歌山そして本州のもう1チームによる合計6チームにより、海を挟んで交流を行うのは夢のある構想です。
 和歌山県では、和歌山市と有田市、田辺市、新宮市にある球場をホームグラウンドとし転戦します。各地での盛り上がりが期待できますし、野球王国和歌山の裾野を拡大するためにも黒潮リーグ構想は望ましいものです。

 極端に言うと、今の日本ではスポーツだけが元気の素になっています。今年に限ってもアテネオリンピックの日本人選手の活躍。安打数でメジャー記録を打ち立てたイチロー選手と、ヤンキースの四番松井選手。日本人初のNBA(プロバスケット)選手となった田伏選手などが記憶に新しいところです。いずれのプレーも私達を感動させてくれました。

 仙台市は楽天のプロ野球参入でまちが盛り上がりを見せていると聞きます。プロ、またはスポーツチームのフランチャイズとなると地域が活気づきます。経済効果だけではなく地域のまとまりや地域のチームを応援することによる活性化、地域としての誇りなど無形の効果は計り知れないものがあります。
 
 経済の活性化や地域再生の必要性、まちに活気を取り戻すことなど、課題はたくさんありますか、全てに通じることは和歌山にとって元気が出るための何かきっかけが必要だと言うことです。
 即効性があるのは、私達の関心が高いスポーツチームがまちにあることです。地域と共にあるJリーグの運営は参考になります。プロ野球のフランチャイズであるような大都市でなくても、Jリーグでは地方でプロチームを持っているまちがあります。地域のチームほど熱狂的で、まちのチームを応援することで地域としての活性化が図れているようです。

 勿論、理解のある複数のスポンサーが必要ですが、初めからあきらめていては何も出来ません。和歌山市には夢が最も必要です。黒潮リーグを観戦して休日を楽しむ、翌日の試合講評の記事を読むなど、和歌山市になかった新しい生活が提供されることにもなります。  
 四国からのバス遠征がありますから、和歌山のホテルや飲食店も賑わい、四国の県庁所在地との文化交流も図れます。  
 黒潮リーグのデメリットもありますが、そのリスクを恐れていては何事も実現しません。現状維持で良いと考える思考が、やがて冒険を避けるようになります。和歌山全体にそのカルチャーが定着しているのは恐ろしいことです。

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