80.環境を選ぶ
 素晴らしい腕を持つ同じ実力の料理人がいました。一人は田舎(田舎が悪いと言っている訳ではありません)のレストランで働きました。すると直ぐに、あの料理人の料理は美味しいと評判になりました。
 もう一方の料理人は、都会の一流レストランで働くことになりました。周囲は一流のシェフばかりでなかなか実力を発揮できません。しかしそこでがんばりました。数年後どうなったのでしょうか。
 都会で働いている料理人の腕は更に向上し、田舎で働いている料理人の腕はさほど変わらなかったのです。
 これは優れた人との切磋琢磨が大切であることを物語っています。一流の中で揉まれていると一流か感覚が身に付くし、そこそこのレベルの中でいると、そこそこのレベルで終わってしまいます。
 最初から一流の人はいません。気後れすることなくどんどん一流の中に飛び込み、自分を磨いていきたいものです。

 どの社会でも同じです。課長や元部長という肩書きは通用しません。今の実力が全てですから、日々これを向上させていかないと瞬く間に時代から取り残されます。他が進歩し発展しているのですから現状維持は後退です。いつも優れた人達のいる環境の中にいることにより自らを鍛えることができます。

 もし自分が天才だと思い何の努力もしないでいるのなら、そんな心得違いはさっさと止めた方が良いのです。努力するという代償を払わないことには何も得られないことを知っておくべきです。
 英単語を一日に一つ覚えていけば一年間で365の言葉を覚えられますが、そのうち覚えようと思っていては結局一つも覚えらません。
 
 インドの格言に「走るよりは歩く方が良い。座るよりは寝ている方がよい」というのがあります。怠惰ほど有害で致命的な習慣はありません。
もう一つ「多忙な人間は一人の悪魔にわずらわされ、怠け者は千人の悪魔にわずらわされる」「人は悪魔に誘惑されるものだが、怠け者は自分の方から悪魔を誘惑する」というのがあります。

 堕落したつきあいや悪への誘惑に人格をそこねるような危機も訪れますが、毎日断固として努力し勉強の習慣があれば、余裕を持ってそれらをやり過ごすことが出来る筈です。
 川の流れもゆったりと過ぎて全然流れないよりも、幅が狭くても勢い良く流れた方がよどみはありません。怠惰な生活は、活気のないよどんだ生活に直結しています。

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