38.価値観とルール
 子ども達が今日、ゴミとタバコを道に捨てている人を見かけたそうです。大人が見本を示さなくてはならないのに残念な状況です。アニメ「ドラえもん」の中で、ゴミ捨て禁止王国なる物語があったそうです。道にゴミを捨てたスネオとジャイアンが警察に捕まってしまいます。ゴミを捨てただけで捕まるなんて、ひどい世の中だと叫ぶそうです。

 子どもは言います。「ゴミを捨てるだけで捕まる訳ないよね」
 でも現実社会でも、ゴミを捨てると罰せられる国や地域があります。シンガポールはまちにゴミを捨てると罰金が科せられますし、和歌山市では「ポイ捨て禁止条例」が定められています。ゴミを捨てるだけでと思いますが、決められたルールを守れない無秩序な社会が一番恐ろしいのです。

 ゴミを捨てたら悪いのか、悪くないのか。人を殺したら悪いのか、悪くないのか。社会や時代によって価値は異なります。
 循環型社会を指向し、環境保全に価値を見出している社会だから、まちにゴミを捨てることは罰せられるのです。ゴミが溢れた汚いまちでも良いし、経済成長が第一で環境問題は二の次と考える社会であれば、まちにゴミを捨てる「程度」は許容範囲となります。
 人の命は地球より重いと、人権尊重の世の中だから殺人は罰せられます。しかし、主君のために命を捨てるのが当然、あるいは戦国時代や二度の大戦の時代だったら、人を殺しても罰せられません。

 このようにその時代、その国の人々の価値観によって何を守るべきか、法益変わってきます。保護法益は主権者である国民が決定します。現代社会では、皆で決めたことは守るのは当然です。大人が守らないで、子どもに伝えることは出来ません。

「ゴミをまちに捨てるのは悪いこと」という子ども達の問いかけに、どう対応したら良いのでしょうか。
 子ども達に対する答えは「今の社会の大人たちが、ゴミをまちに捨てるのが悪いことと決めているのです。社会の皆で決めたことは守らなくてはなりません。でも絶対の価値観ではないから、子ども達が大きくなった時、その必要がなければ変えたら良いのです。そ
して決めたルールを守ることが社会の掟だよ」となるのでしょうか。

 道にゴミを捨てることは悪い行為だよと諭した翌日、「今日も空き缶を道に捨てている人がいたよ」と子どもが言いました。
「何故ゴミのポイ捨てはいけないの」この問いかけに対して堂々と正しく答えられますか。

コラム トップページに戻る

前のコラムへ   /  次のコラムへ