平成20年 6月24日(火)
平成20年 6月
経済警察委員会  
質問内容・答弁
Q:は片桐の質問。
A:は当局からの答弁。

 主な質疑内容は以下の通りです。

Q. 和歌山市中心市街地活性化基本計画に基づく、美園町のけやき大通り市街地再開発事業について説明して下さい。

A. JR和歌山駅前にある昭和倉庫の用地を再開発する計画です。総工費は38億円だったものが最終的には41億円の事業になると聞いています。その内、共用部分の費用12億円の内8億円を国と県、和歌山市が助成金として負担することになります。県の負担は和歌山市と同等の6分の1で2億円となります。
 今回の計画は事業者の日本レイトが平成22年の夏にオープンする計画として、県に申請があり平成20年6月17日に施行認可を出したものです。


Q. 都市開発法に基づく再開発は初めてのことだそうですが、この計画が認可された場合の事業者メリットは何ですか。

A. 国や県、市から共用部分に関して割合がありますが、一部補助金が受けられることが挙げられます。


Q. 都市開発法の補助を受けるための条件はどのようなものですか。

A. 今回のケースは国土交通省の補助施策の適用を受けたもので、規模や内容によって異なりますが、認可されると共用部分の内、国が3分の1、県と市からそれぞれ6分の1の補助が受けられます。認可の適用の主体は市町村ですから、そちらが決定します。市町村から事業計画が上がってきた時に個別に検討することになります。


Q. 中心市街地活性化基本計画に記載されていないと、この補助施策は受けられないものなのですか。
A. 国土交通省の施策ですから、中心市街地活性化基本計画に組み込まれている必要はありません。


Q. ところで和歌山市中心市街地活性化基本計画の進捗状況はどうなっていますか。私見ですが、人通りと売上の伸びなどから、何となく街づくりか進行しているような感じを受けないのですが、今後、海南市と田辺市も活性化基本計画を策定する動きがありますから、和歌山市の計画成功は絶対条件です。県の評価はどんなものですか。

A 和歌山市のこの計画は5年後の平成23年度に完結するもので、計画の途中であるため評価は難しいところです。ただ十番丁ビルとフォルテワジマが完成するなど計画が計画通りに進展しているものもありますし、計画通りに進捗していないものもあります。


Q. かつて商業地で一番土地価格の高かったフォルテワジマ前の時計店が7月末をもって閉店します。中心市街地の角地であり、利益を生み出す価値が最も高いと評価されていた土地での商売が成り立たない状況をどう考えていますか。計画に実効性がなかった、或いは市や県の指導性に問題があったのか、評価を聞かせて下さい。

A. フォルテワジマは全館オープンしていない状況で、これから更に店舗整備が進むと考えています。まだ和歌山大学観光学部のキャンパスのお話もないです。和歌山市と共に計画の動向を見守っているところです。


Q. 活性化基本計画では触れられていない地域に関しての動きはどうなっていますか。例えば、野村不動産が取得した用地。旧ビブレ跡地。有田交通タクシー乗り場だった用地などの活用状況を教えて下さい。

A. これらの用地の活用計画に関しては何も聞いておりません。


Q. .商業施設だけでは中心市街地活性化基本計画とは言えない筈です。またイベントの大切ですが、それだけではまちづくりは成り立たないと思います。併せて整備すべき、まちなか居住、公共交通の整備、福祉美病院施設などが必要ですがこれらの計画はどうなっていますか。

A. 商業施設だけではなく各方面に働きかけています。和歌山大学のサテライトキャンパスもできたことから、同施設で毎月「観光カリスマ講座」を開催するなど、活用を図っているところです。また県庁内にプロジェクトチームも結成し、まちづくりの支援体制を整えています。先日も東急インで事例発表会を実施するなど、イベント開催も含めた活性化の支援を行う予定です。


Q. この問題の最後ですが、先ほどのお答の中に、和歌山大学観光学部が中心市街地へ来るお話があるとありましたが、まだこの計画はあるのですか。

A. 和歌山大学は中心市街地に教室を持ちたいとの希望があると聞いています。あきらめたとは聞いていません。


Q. 企業誘致を促進するための基本計画「紀ノ川企業集積ベルト地帯構想」の状況を教えてください。今年度の企業立地も好調な様子ですが、本年度の見通しについて教えて下さい。

A. 紀ノ川筋を中心に企業立地が図れています。実績で見ると平成17年度は4件、平成18年度は10件、平成19年度は17件と倍々のスピードで立地が図れています。中規模の会社もありますし規模の大きい会社もあるなど、成果は出ていると考えています。
 企業立地の特徴は、ひとつは和歌山県の北に立地が集中しているため、南の地域が事後に位置していることがあります。本年度は紀中、紀南地域の企業立地計画を策定し、計画の認定を国に申請していきたいと考えています。
 二つ目は、和歌山県にゆかりのある企業の進出が多いこと、そのため製造業の立地が多いことです。ものづくりの企業に関しては順調に進んでいます。
 三つめは、製造業の比率が高くサービス業の誘致が図れていない面もあります。これは和歌山県だけではなくて地方都市共通の問題ですが、地域を活性化させるためにはサービス業を誘致する必要があると考え、この方面にも力を注いでいるところです。


Q. 企業進出に伴って人材の確保が必要となります。何件か訪問したところ地元で人材が欲しいとの意見もありました。和歌山県の高校卒業者の県外へ転出する率は全国一高いようですが、何か良い手段、考えはありますか。

A. 企業の望んでいるものを挙げると、人材、初期コスト低減、収益性の判断などが挙げられます。地元での人材確保と雇用は企業の関心事であり、県としては「きのくに人材バンク」「Uターン」や「Iターン」フェアの開催による企業と学生のマッチングなどを行っています。ただ特定の企業に向けては、就職あっせんと捉えられるため、その領域の取り扱いは困難です。
 特に紀南地域ではUターンやIターンの希望者が多いことから、企業に見合った人材確保の方法を検討しています。現在1〜2の方策を検討しているところです。


Q. 太陽光発電の補助金制度が復活する見込みですし、地球温暖化の総合対策の発表時に福田総理は2020年までに新築持家住宅の70%以上が太陽光発電を採用しなければならないと話していることから、太陽光パネル需要が増大すると思われます。この産業を誘致できる可能性はないのでしょうか。

A. 可能性はないとは言えません。関西には三洋電機やシャープなどこの分野のトップ企業がありますから、今後の展開次第ではそういう状況の可能性もあるかも知れません。太陽光発電を専門に取り扱っている商社もあるなど、この分野には1,000以上の会社があるほどです。情報収集に努めていきます。


Q. 今回の条例による不動産税制の優遇に関して、和歌山市の直川用地は対象となるのですか。

A. 「紀ノ川企業集積ベルト地帯構想」計画は随時見直しを図る予定です。市町村や民有地で計画に乗せて欲しいと希望があれば、見直しを図っていくことにしています。和歌山市の直川用地は未だ造成中で、企業用地として未完成の状態です。和歌山市から要請があれば計画に組み込みますから、計画に組み込んだ段階で固定資産税などの減免の対象になります。


Q .継続審査になっている高度化資金に関して。債権の放棄を何故この時期に実施しなければならないのですか。

A. 平成16年7月に中小企業基盤機構の貸付準則が改正されました。県議会において債権放棄が議決していただくと機構からの借入金、3分の2の負担額が免除されることになっています。そのため不良債権化しているものの調査を詳細に行い、回収不可能なものについて洗い出しましたので、平成20年2月議会でお願いしたものです。


Q. 全国で債権放棄をした事例があるのですか。

A. 平成16年度の貸付準則改正後、平成16年度は4県で45億円。平成17年度は3府県で7億円、平成18年度は4県で15億円、平成19年度は6県で35億円になっています。合計金額は102億円の債権放棄の実績があります。


Q .これらをこのまま不良債権として抱え得ておくと県はどうなるのですか。

A .組合資産の売却も進み、その後連帯保証人や相続人との償還交渉、資力調査、資産売却を実施するなど、最大限の回収措置を講じてきました。そのため今後の回収見込みはありません。特別会計上は未収金として計上された状態が続くことになります。


Q. 特別会計上は未収金として計上された状態が続くと、県として私たち県民として、何か不具合は生じるのですか。

A. 中小企業基盤機構と県との間の債権債務関係は継続されることになりますから、機構に対して違約金が発生します。


Q. 違約金とはどの程度発生するのですか。

A. 年8.75%の違約金が続きます。平成20年2月末と5月末で比較すると、三か月で3,900万円、違約金が増加しています。


Q. それが私たち県民の間接的な負担となる訳ですね。違約金の総額はどの程度まで膨らんでいますか。
A. 平成20年5月末で13億3,400万円となっています。


Q. 県議会の議決がないと、13億3,400万円は不良債権として残り続ける訳ですね。その場合元金と増え続ける違約金を最終的に中小企業基盤機構に返済しなければならないことになる訳ですか。それでは県議会議決の期限はあるのですか。具体的には中小企業基盤機構貸付準則の改正は時限立法なのか恒久的なものなのかも示して下さい。

A. 準則改正は恒久的なものですが、何時まで続くかどうかは不透明です。機構では不良債権処理の目標を定めていますから、ある程度の処理が済んだ時点で、取り扱いが変更になることも考えられます。その時期としては平成21年度の可能性があります。


Q 審査会が開催されていなかったようですが、この点は手続き上の瑕疵行為に該当しないのですか。他の要因に関しては、おかしなところがありますが、当時の規定に基づくと手続き上の問題はないとしても審査会開催は規程に定められているものですから、開催していない点は規程違反だと思いますが如何でしょうか。

A. 審査会と同じメンバーによる懇談の機会を持ち、手続き上は決定しています。


Q. 議事録や公文書が残っていない事実は、その正当性を証明できないのではないですか。

A. 公文書は残っていませんが、当時の職員への聞き取りによって確認しています。


Q. 総括の部分の記述で、「審査等が比較的柔軟に行われていたことに起因するものであり」とあり、先ほど報告を受けました。これは貸付をすべきであるから審査過程は甘くても良いとの含みがあるように感じました。つまり柔軟な審査とは、将来、回収できないことも見込まれ不良債権化する予見可能性があったのではないですか。

A 審査においては規程に沿った業務処理を行っているため、そのようなことはなかったと思います。


Q. 株式会社ワカヤマコンピューターセンターの関係書類が保存されていないと報告がありましたが、保存期限はあるのですか。

A. 長期保存文書ですから20年となっています。


Q. 結局、全ては過去の出来事であり真相は闇の中のような感じを受けます。プラスパフーズに関して客観的に見ると、それほどの価値のない土地に巨額の融資を行った結果、現金がなくなり融資額に見合うだけの担保価値のない不動産だけが残されているようです。土地売買と建設工事にお金が消えてしまい、今では当事者がいなくなっているようですが、悪は眠らせない観点からすると納得できない部分がそこにあります。
責任を負うべき人が自己破産や相続放棄などでいなくなっていますが、欠損することで眠り続ける悪は存在しないのでしょうか。関係した人物の追跡調査はしていますか。

A. 再調査を行う中で居所を突き止めた人もいますが、アパート暮らしであったり豪華な自動車に乗っていないなどの状況で、資産はないと判断しています。


Q. 反省事項と今後の歯止め策はあるのですか。

A. 今回の件に関しては深く反省しており同じ様なことが発生しないように歯止めをはけています。審査会メンバーには外部の審査員を加えるなどして、今後融資の申請があった場合の再発防止に努めています。


Q. 地域若者サポートステーション事業について、LFC東京リーガルマインドは各地で不適切な業務をした結果、指導勧告を受けています。しかも応募用紙の企画書には「法令その他の重大な違反の有無」のに記載が義務付けられていますが、これらの事実は記載されていませんでした。この点、地域若者サポートステーション事業の委託を県から受けるのは不適切ではないでしょうか。

A. プレゼンの時にはその事実は知り得ませんでした。また参加資格の欠格事項となるような重大な事実とは考えなかったため、委託者として選定しました。


Q. 応募段階の企画書への記載がなかったことの事実ではなく、委託する時に疑問を抱かなかったのですか、という意味で再度お伺いします。

A. 委託の時にもその事実は知りませんでした。


Q. LEC東京リーガルマインドの違反事項を順に列挙します。
 2006年3月、大学と同社の予備校生が混在する授業が多数あることから、文部科学省から改善指導を受けています。2007年1月、多数の専任教師に勤務実態がない法令違反があり文部科学省から学校教育法に基づく初の改善勧告を受けています。2005年2月、予備受講生の司法試験合格者を水増ししてパンフレットに掲載したことから、公正取引委員会から排除命令を受けています。そして千代田区から厳重注意と一ヶ月の指導停止処分を受けています。そして2006年11月、新潟県長岡市のジョブカフェで国からの委託費を大学パンフレット製作に不正流用したことが発覚しています。
 この事実を受けて選定したことをどう考えていますか。

A. 欠格事項となるような重大な事実とは考えなかったため委託者として選定しました。


Q. 事実関係を整理すると、委託を受けた事業者が過去にそれらの違反があったと分かったのは何時の時期ですか。

A. 平成20年3月の契約を交わした時点でもその事実は知りませんでした。その後にインターネットに掲載されていることから、過去に違反の事実があったことが分かりました。


Q. つまり企画書への記載がなかったこと、プレゼンの時でも知り得なかったこと、契約時でも知らなかったこと。これらの事実から、委託先として適切ではないと考えないのですか。

A. この地域若者サポートステーション事業は国と県との共同事業であり、他府県ではLEC東京リーガルマインドに委託契約をしている事例があり、国が不適切としていないことから、和歌山県としても重大な違反とは考えていませんから契約は適切だと判断しました。

 私からの質疑は以上です。質疑終了後に議案の採決を取り、委員全員の賛成で議案は可決されました。
 ただし議案「権利の放棄について」に関しては経済警察委員会として附帯決議を付けました。
「権利の放棄について」に係る附帯決議(案)
県当局は、中小企業高度化資金及び中小企業設備近代化資金における回収不能となった債権の放棄について、かかる事態に至った責任を強く認識し、猛省するとともに、今後の貸付実行及び債権回収にあたっては、次の事項について特段の注意を払い、適切に執行すること。

1.新規貸付実行について
 貸付にあたっては、審査体制の透明性、客観性を堅持し、融資要件、事業計画の妥当性、予算額の正当性はもとより、自己資金の内容及び保有資産の状況等償還能力についても厳正に審査を行い、貸付実行の適否を専門的な観点も含めて慎重に判断すること。
(経済警察委員会
委員会室前にて)

2.債権の回収について
 債権管理については、今後新たな管理瑕疵を生じさせないよう万全を期するとともに、主債務者及び連帯保証人の償還能力を見極めながら、考え得る最大限の債権回収措置を今後も講じること。

3.今後の債権放棄案件について
 上記2による措置を講じてもなお、今後、やむなく債権放棄せざるを得ない案件が生じた場合は、貸付時及び債権回収過程における問題点について徹底的に調査、分析し、県民の理解が得られるよう充分説明を行うこと。
 以上、決議する。


 以上

平成20年 6月 経済警察委員会


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