平成20年 3月12日(水)
平成20年度 予算特別委員会
質問(3)内容・答弁
○青少年の体力・競技力の向上について。
 ・芝生化促進事業、1,372万3千円について。


【質問】
 芝生化促進事業、1,372万3千円について。小学校の運動場を芝生化することに関して、芝生化するための一校当たりの費用と公募のための条件はどんなものですか。また小学校の運動場を芝生化する目的は何ですか。

 芝生化を図る初年度のコストは大丈夫だと思いますが、この施策の課題は、毎年の芝生管理や夏芝や冬芝の張り替え費用負担です。実績を見ながら補助対象を拡大するとしたら県費の出動が膨れ上がります。芝生化した運動場のメンテナンス費用やランニングコストの予算手当はどう考えているのですか。

 施策は評価できるものですが、課題は将来発生するランニングコストの負担を誰がするのかです。例えば、企業に小学校運動場の芝生の維持管理費用の負担のためのスポンサーになっていただく。これだと県費は初期コストの負担だけとなり、ランニングコスト負担は軽減されます。企業にとってのメリットとして、例えば企業の森に参画した企業と同様に、企業がスポンサーとなり芝生化した分だけ二酸化炭素排出抑制効果を県が認めてあげるなどの対策も考えられと思います。運動場の芝生化のランニングコスト負担の問題と、環境問題を含めた将来展望に関して、見解があればいただきたいと思います。


【教育長答弁】
 芝生化促進のための費用、1,372万3千円の内訳のメインは小学校1校あたり160万円を上限とし、地域住民と市町村、学校、保護者等で協力体制をとれる8つの小学校を対象に考えている。その内訳は芝生を張る施工費、芝刈り機、燃料費、肥料代、スプリンクラー等の経費を含め160万円となっている。それ以外の経費として芝生化啓発活動に係る経費59万円、芝生の有効性を追跡調査をする経費として33万3千円、あわせて1,372万3千円となっている。

 条件としては、この目的を理解していただくことと、メンテナンスについて地域、保護者、学校、市町村の協力体制を継続的にとっていただけるところでお願いしたい。
 この目的は子ども達が積極的にすすんで外に出てからだを動かしてもらうことが目的である。子ども達の精神的な面でも大きな効用があると思いますし、外に出て運動する子ども達が多い学校の方が学力テストなど教育効果が高いといわれいるので様々な副次的効果も期待したい。

 メンテナンス費用については、当初の経費を負担するが、事後については市町村教育委員会の理解を得て、学校、地域、保護者が互いに協力してメンテナンスを行う。そういう協力体制をつくっていただくことが大切なことである。それを確認するために3年間継続してメンテナンスの状況を報告していただくことを条件としている。


【再質問】
 答弁を伺うと、問題は運動場の芝生化を行ったのとは良いけれど、後のことは誰も面倒を見てくれないので、関係した「運営協議会」のメンバーが維持と管理、そして資金の捻出を行う必要が生じる訳です。勿論、県費の支出ですから、初年度に導入した8校だけに毎年、管理のための予算を掛ける訳にはいかないと思います。「運営協議会」が余程しっかりした組織であるか、小学校にスポンサーが存在すれば別ですが、見通しのない単年度だけの事業計画では直ぐに行き詰ると考えますが、この事業の見通しに関して、もう少し将来象が分かるように回答して下さい。
 通常、二年後の見通しも立たない事業計画なら、事業化に踏み切らないものなのですが、如何でしょうか。


【教育長答弁】
 一つのモデルとして、各学校、各市町村に関心を持っていただき、できれば各市町村が主体的に取り組む方向を目指したいと思いますし、特別支援学校等も含め、この事業を進めていきたい。また、この事業については和歌山大学の先生方も関心を持っていただいている。継続的にこの効果を確かめながら広げていくという運動的な意味合いも持たせていきたいと思っているので8校だけで終わる、どこまでも県費で面倒みなければならないということのないよう継続的に広げていきたい。


・きのくにジュニアスポーツ推進600万円について。

【質問】
 中学校の団体競技スポーツのクラブ活動などで活用を図る「きのくにジュニアスポーツ推進」600万円について。先の一般質問でも県立中学校の在り方の是非について議論が交わされました。スポーツの面からしても、県立中学校は歴史的にも文武両道を目指していると思いますが、団体競技系のクラブが少ないのが現状です。小学校時代にスポーツで活躍していた生徒が県立中学校に進学したため、部活動が出来ない状況も発生しています。
 スポーツ競技で三年間のブランクは競技選手としては致命的ですし、青少年には部活動も大切ですから、県立中学校で団体競技スポーツ活動を希望する生徒のための活用は図れるのでしょうか。


【教育長答弁】
 県立中学校を含めて、クラブが少ないということは、全県的な傾向であり、この事が高校のスポーツ振興にも影響を及ぼしている。国体を控えて、中学校のブランクを埋めるため、意欲のある生徒がいながら指導者がいないため部活動が出来ない所に指導者を派遣することが目的である。この中には、県立中学校も入っている。全ての学校を網羅することは出来ないので、競技力の向上、スポーツ振興という観点で、効果等も考えながら効率的に取り組んでいきたい。


【再質問】
 中学校に希望する部活動のない競技でも、選手候補がいればきのくにジュニアスポーツ施策の活用は可能だと言うことですね。
 この点に関して県立中学校の保護者から、県立中学校のクラブ活動のあり方について意見があります。
 子どもは先生たちが協力してくれないのであきらめモードでカラオケばっかり行っています。○○中はクラスも少なく、コミュニケーションが不足というか、どこにでもある仲間はずれ等が発生したりして不登校の生徒もいます。クラブなどで、みんなで練習に励むと言うものもないし、どのようにしてコミュニケーションを図るのか分かりません。確かに勉強も大切ですが、不登校が出るなんてことは教育として最低です。締めるところは締めて、生徒を応援するところは生徒の意見にも聞く耳をもたないとダメですね。

 中高一貫教育のあり方として、中学生のクラブ活動のあり方について、教育委員会等が前向きに取り組んでほしいと思っています。子どもも最初は張り切って、色々と先生方にお願いしたみたいですが、誰も相手にしてくれないので最近はあきらめムードで何もしていないようです。部員一人のクラブが存在しているというのになぜ、団体競技スポーツがダメなのか全くわかりません。中高一貫教育のクラブ活動のあり方について協議して欲しいと願っています。

 以上ですが、文武両道の学校にクラブが無く不登校などが出ている状況もあります。この点について認識していますか。この施策は教育現場の声を聞いて施策を仕上げていると思いますから、施策の適用を図って欲しいと思いますか、如何でしょうか。


【教育長答弁】
 県立中学校の設置については、既に県立高校がある中に併設をしたので、様々な条件で困難性がある。部活動も含めて県立中学校の学校生活の充実のさせ方については、それぞれの学校が柔軟な発想で、工夫をしながら子どもたちに接していただきたいと考えている。部活動の問題について、当該校の校長と話し合いを持つ中、高校生と中学生が一緒に部活動をすると発達の差があり、危険性があるので認めていないという話が出る。しかしながら、高校生は小学生や中学生に十分指導が出来るし、そのことが高校生の勉強にもなる。競技力を高める以外の様々な人間的な成長もそこから生まれてくるので、そういった面も含めて学校を指導していきたい。


 以上

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