平成20年 3月12日(水)
平成20年度 予算特別委員会
質問(1)内容・答弁
○温室効果ガス排出抑制対策、2,280万円について。
 ・家庭での太陽光発電の普及促進について。

【質問】
 地球温暖化対策は国としても県としても重要な施策のひとつですが、その中で長期総合計画には「和歌山新エネルギー構想」が掲げられています。
 そのひとつとして家庭での太陽光発電の普及促進のための予算2,000万円があります。和歌山県の自然環境を活かした普及施策として、全国に先駆けた取り組みのひとつだと認識しています。国策としての太陽光発電システムに対する補助施策は平成17年度をもって打ち切っており、その影響もあると思いますが、平成18年度以降、家庭用太陽光発電システムの普及は鈍化しています。和歌山県の実績では、最高で年間700件の太陽光発電システム家の設置がありましたが、平成19年度推計では約350件の設置に留まっているからです。

 この和歌山県の新しい施策の考え方は、実績ベースではなくて机上ベースに変換している点において全国で初めてであり、評価出来るものです。
 ここで特筆すべきことは発電単価が高いことです。現時点において家庭における太陽光発電システムによる発電量の余剰分は、価格変動がありますが、現在は電力会社がkWh当たり23円で買い取っていますが、和歌山県がkWh当たり50円で評価しようとしていることです。このことは、県は新エネルギーを商業ベースではなくて、環境価値を評価しようとしていると思います。つまり県はこの施策を単なる補助施策ではなくて、太陽光発電システムを採用したことに対する環境価値を評価して県費を支出しようと考えているのです。これは全国初のケースですから、環境先進県を目指す和歌山県にとって大いなるPRとなります。

 そこで質問です。県は環境価値についてどう考えているのですか。
 次に、家庭用の太陽光発電システムは一般的に3kWとすれば、イニシャルコストは約200万円ですから、その10%に当たる程度の補助金だとすれば、導入のための強い動機付けになります。現時点での一件当たりの補助金の考え方についてお示し下さい。


【生活環境部長答弁】
 最近、少し価格は高いが環境に非常に配慮したような商品を選択する、いわゆる環境配慮という行動が広がりつつある。
 太陽光発電による電力は、化石燃料から産み出される電力よりもコスト的には高くなるが、一方ではCO2を排出しない、地球に優しい点を「環境価値」というふうに着目し評価しているところである。
 今回の1件あたりの補助金については、1kwhにつき、電力会社は約23円で購入しているが、自家消費する発電量に対して、40円から50円の環境価値を認め、最大出力によって差異はあるが、仮に4kwhの設備を設置した場合は、1件あたり10万円程度を助成する方向で検討している。


【再質問】
 昨日の予算委員会でも質疑がありましたが、温室効果ガスは大量排出事業者が排出する量が数値的には遥かに多いのですが、排出量が増加しているのはオフィスや家庭などの民生用なのです。ですから家庭用の対策は回避出来るものではなく、家庭用の太陽光発電システムを普及させるためには、イニシャルコストの10%補助が導入を促す動機付けになる最低ラインだと思います。この施策の有効な点は、家庭でも環境保全に役立ちたいけれども、コストが高いので導入に躊躇している人が、10%の補助金があるので思い切って採用することを決断してくれることにあります。元々、平成20年4月以降に太陽光発電システムを導入しようと思っていた家庭が、この施策を知って申請してくるのでは施策の価値は減少します。施策がキックになって太陽光発電システムの導入が増加する訳ではないからです。

 環境省の補助制度を活用しているため、会計年度の問題から、将来発生する環境価値までは取り込めなかったので、一件当たり10万円の補助になったと思いますが、本来、この問題は県レベルのものではなくて国策であり、県費の支出ではなく、環境価値を認める点を勘案して、この支援制度に関して、そしてこの制度の将来のあるべき姿について説明して下さい。


【生活環境部長答弁】
 「環境価値」は、今後より一層高まってくると考えている。その価値を今後どのように評価していくかが、大変重要な検討課題と認識している。
 ドイツでは、太陽光発電等自然エネルギーを利用した電力については、相当高い金額で買い取ることを義務づけたことにより、太陽光発電が大変進んだという先例がある。
 各家庭で環境に配慮した行為を行うためのインセンティブを、今後色々な方法で強めていく必要があると思っている。
 国に対しても財政的、税制的な面で検討を促すよう、機会を通じて要請していきたい。


 以上

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平成20年度 予算特別委員会について


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