平成18年12月6日(水)
C.平成18年12月
 和歌山市議会一般質問
 (2)内容・答弁
(2)市とNPOとの協働について

【質問1】
 今年4月、平成17年度わかやまの底力・市民提案事業の報告会が終了した後、参加者間の意見交換会がありました。これは市長も参加してくれての交流会となりました。
 今回の市民提案事業の参加者から市長に対して「市長はNPOと行政の協働についてどのような展望をお持ちですか」と質問がありました。
 この質問に対して市長から「協働という言葉は嫌いなので私は使いません。理由は協働の定義が分からないからです。実際に協働と言っても、NPOと行政の両者が一緒に事業を行っているのではなくて、NPOだけが取り組んでいる場合や、行政だけが実施している事業が多く、形だけ協働になっているからです」と回答がありました。

 このような市長からの「極力協働の言葉は使わないようにしている」だとか「実際は協働出来ていない」の発言は如何なものかと、当時、物議を醸し出しました。
 しかし、そもそもこの「わかやまの底力・市民提案事業」は市役所が、市民と行政の協働のあり方を探るための事業として実施しているものですし、現に募集要項でもそう謳われています。
 この事業の目的は正に市と市民団体との協働であり、その目的意識を持たなければ、この事業自体、全く意味を持たない事業となってしまいます。

【質問2】
 市長はこの二年目を迎えている「わかやまの底力・市民提案事業」を通じて、協働の意識をお持ちでしょうか。参加している市民の皆さんは協働意識を持っているから応募し、市のために尽くしています。それに対してこれらの事業に市長や市の所管は関与しているのでしょうか。例えば事業計画策定の時やイベントを見に行くなどの姿勢を持っていますか。協働の姿勢を持っていないのは、市の方ではないかと思います。
 市長が協働意識を持ち、この提案事業の進捗や市の関与について所管に投げかければ、職員さんの意識も協働に向かって変わってくると思いますので、市長の思う市の市民との協働について考え方をお聞かせ下さい。

 また和歌山県が認証しているNPO法人の団体数は平成17年度末205法人で、和歌山市を拠点としているものは94法人あり、このNPO法人数は10万人あたりの法人数に換算すると18.91となり全国で上位から第12位に位置しているNPO先進県なのです。市長には、和歌山市はNPO活動の先進地だという意識を持って欲しいものです。

 しかし、地域に自分達の能力を活かして貢献しようとしてNPO活動を積極的に行っている人にとっては、只でさえ、和歌山市のNPOに対する理解が少ないと感じています。その最大の理由は、和歌山市には協働の指針となる「NPOとの協働を考えるガイドライン」はおろか、NPO活動を市としてどう支援して行くという具体的な方針が策定されていないため、市が市民と一緒に物事を実施しようとする意識が低いからです。   

 しかしこの協働否定発言に端を発して市長から、和歌山市としてNPOと協働出来る仕組み作り、つまり「協働の指針」をするよう指示があり、NPO・ボランティア推進課のある市民部で作成することになりました。
 NPO活動を行っている人達にとって問題発言となった協働発言ですが、これを前向きに捉えて改善する意向を市長が示してくれたことは嬉しい成果とも言えます。

【質問3】
 現在、和歌山市のNPOと行政機関が協働出来るような全国に誇れる「協働の指針」へ向けて作業中だと思いますが、現状はどうなっていますか。またいつまでにどのようなステップで作成していく予定なのかお聞かせください。

 また、NPOボランティア推進課は、市民のNPO・ボランティア活動の支援が業務ですが、実際は現在、ボランティア保険の受付とボランティア依頼のコーディネート、サロンの貸し館業務に年一回のNPOボランティア講座となっています。NPOボランティアサロンの管理業務が主なもので、企画的機能がありません。
 NPOボランティア推進課は設置から5年が経過しましたが、発足当初から業務内容は変わっていないように感じます。以前は、講座や交流会を定期的に開いていましたが現在はそれも実施していません。この5年でコミュティビジネスのひろがりや公益法人改革、指定管理者制度の導入、企業のCSRなど外部環境は変化し、もはやNPOもNPOという単語でくくれないほど進化しています。

 例えば、現在、ぶらくり丁の中心では4つのNPOが拠点を構えて活動をしています。和歌山観光医療産業創造ネットワーク紀州お祭りプロジェクト子どもNPO和歌山県センター、コミュニティランチ和(なごみ)がそうですが、一般の商店がそっぽを向く中、少ない財源でまちなかに拠点をつくり人の流れを生み出すなど、市の活性化に大きく寄与していることを市長は認識して欲しいと思います。このようにまちづくりにも関係しているNPOとの向き合い方は、単なる市民部の窓口業務ではなく、もう、まちづくりのパートナーとして捉えるべきです。NPOの実力が向上している中、この分野のスペシャリストが和歌山市にいないとすれば中核市として致命的だとも思えます。
 従って、組織改正に伴い当該課には、市民活動推進の理解を得るため、企画機能を持ち庁内のコーディネートの役割を担うべきだと考えます。
 
 そこで質問です。

【質問4】
 平成19年度に向けて組織改正がなされますが、改正を行っても現在のように、課の業務分掌として付与されているのに、管理、運営だけが与えられているかのような体制では組織改正をしたとしても改善されません。
 NPOを初めとする市民活動を政策的に引っ張って行く部署に仕上げるためにも、組織改正も大切ですが、それよりも行政組織規則に基づいた仕事、課として何をすべきかを認識してもらうことが大切だと考えますが如何でしょうか。

 また、市民部の名称は市民活動推進部に変更なる予定であることから、その主旨に併せてNPO・ボランティア推進課から市民活動推進課に変更し、市民活動支援の意識を高めることが肝要かと考えますが、この点については如何でしょうか。
 さらに、NPO・ボランティア推進課の場所が庁舎外にあるため、市民活動に関して庁内の連携を図るには難しいようです。組織改正に伴い当該課を本庁内に設置することも考えて欲しいところですが、いかがでしょうか。
 名称、業務内容、配置を含めてお答え下さい。

 最後に、次年度で三年目を迎える「わかやまの底力・市民提案事業」は、単なるイベント作りではなく市民と行政の協働のあり方を模索するものであることから、実施主体を企画課からNPOボランティア推進課に移管すべき業務だと思いますが、考え方をお聞かせ下さい。業務分掌によるとNPOに関する全てのことは、NPO・ボランティア推進課に任されています。お答え下さい。
 以上で第一問を終わります。


【答弁】
大橋市長
 まず、はじめに意見交換会の際の私の発言の本意は「協働」だけでなく、最近、よくあるカタカナ語など、日本語でしっかり定義できないまま、感覚的な理解で安易に使われる言葉が多いと感じています。それは誤解を招く原因ともなりますので「定義が曖昧なまま言葉を安易に使うのが嫌いです。」という意味で発言したものであり、ご理解賜りたいと思います。
 さて協働についての私の考え方ですが、私は課題解決に向けて市民と市が一緒に取り組むことについては、所信でも申し上げていますとおり、財政的な体力回復と併せてまちづくりに取り組む上で、非常に重要で基幹的なことであると考えております。
 貴志川線の存続などはまさに市民と行政が同じ目的に向かって一体になることができてはじめて実現したことだと感じています。
 そこで、市民と行政の協働体制の構築に向けて取り組んでおります「わかやまの底力・市民提案実施事業」も2年目となりますが、今年度は採択された事業ごとに最も関係の深い課を「協働窓口課」と位置付け、事業実施に伴う地元への協力依頼について実際に市民グループに同行したり、関係機関への仲介を行うなどしているところです。
 私はこのような取組を地道に続けていく中で市民の皆さんも職員も互いをよく知り、そして経験を重ねることで理想的な連携が図れていくものだと考えております。


奥野総務部長
 課や班で行うべき業務内容につきましては行政組織規則で規定しておりますが、これによりますと、NPO・ボランティア推進課では、NPO・ボランティアサロンの管理運営だけでなく、NPOやボランティアの活動を支援する業務も含まれていると考えています。
 本来、職員それぞれが各課の事務分掌を認識したうえで業務を遂行しているものと考えていますが、さらに事務分掌を十分認識したうえで業務を遂行するよう周知して参ります
「わかやまの底力・市民提案事業」につきましては、当初、事業の企画立案から立ち上げた経緯もあり、現在、企画部企画課で担当しています。
 しかし、この事業も来年度で3年目を迎え、事業内容も定着してきたことから、企画部門から事業部門に移管すべき時期にあると考えております。
 事業の趣旨を十分考慮に入れながら、各課の事務分掌を参考に関係部署と協議して参ります。


下中市民部長
 和歌山市が「協働の指針」を作成するにあたっては、行政とNPO等市民活動団体とが対等な立場で、互いに連携して取り組んでまいりたいと考えております。
 そういった観点からNPO・ボランティアネットワーク協議会が、平成18年度の「わかやまの底力・市民提案実施事業」に提案し、採用された「はじめの一歩 日本一の協働の仕組みづくりへ」事業と連携・協調して、市とNPO・ボランティアネットワーク協議会との協働による指針づくりを進めていくこととしております。

 現在の取組の状況でございますが、10月に協働のまちづくりの先進市といわれております,松山市・我孫子市・柏市の三市を職員とNPO・ボランティアネットワーク協議会のメンバーと合同で調査してまいりました。現在、この調査をもとに勉強会を行っているところです。
 今後は作成のための委員会等を立ち上げ、その中で協議を重ねながら和歌山市の地域性を生かした独自の「協働の指針」を作成してまいりたいと考えております。

 なお作成時期については、他市の状況を見てみますと概ね3年程度期間を要しています。
 現在、NPO・ボランティア推進課は、NPOやボランティア団体などの活動を側面から支援する業務を行っております。
 今年は、わかやまの底力・市民提案実施事業も2年目に入り、協働に対する市民の気運も増してきています。

 このような時期にありまして、市民活動グル−プと行政との連携を今まで以上に進めていくために、NPO・ボランティア推進課の業務をより充実させていくことが必要であると考えます。そのうえで業務に支障が生じる場合は、関係部局と協議してまいります。
 また課の名称につきましては、NPOボランティア活動の支援の観点からふさわしい名称を関係部局と協議してまいります。
 以上

 5.質問(2)再質問・要望へ


平成18年12月 和歌山市議会一般質問について


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