平成17年6月29日(水)
A.平成17年6月
 和歌山市議会一般質問
 (1)再質問内容・答弁
(1)指定管理者制度について再質問

 積極的に外郭団体の健全化を図ろうとする姿勢を持っていることには少しは安心出来るものです。ところがその姿勢に反して公募対象としているのはわずか4件、後の施設について非公募と考えているのは矛盾する考え方でおかしなものです。
 この和歌山市の指定管理者に関しての資料を他都市の行政関係者、大学教授などに見ていただいて意見交換をしたところ「問題外」。問題点の抽出以前の問題で、このような進め方をしている地方自治体があることに驚くばかりでした。最低施設管理については公募を実施ないと話にもならないし、和歌山市の姿勢には不信感を抱かせるに十分過ぎる原案であることが分かりました。
 例えば、「政令市ではこのようなことはまず考えられないし、中核市でもないのではないでしょうか。」
「取り組みも意識も遅れていますね。他都市では考えられないことです」
「あまり発展性は感じられないですね」

 先の6月25日、あるNPO法人が主催する勉強会がありました。そこには約120名の方々が参加されて、熱心に質疑を交わされました。指定管理者制度を活用して参入しようと考えている人の多いことが改めて分かるものでした。和歌山市の個人や民間団体が、和歌山市のために自分達が養ってきた経験とノウハウを積極的に公の仕事に役立てようとしてくれています。
 ところが和歌山市では4件を除いて非公募の扱いをしている、そこに民の力を導入して一緒に活性化を図ろうとする姿勢は感じられません。
 
 指定管理者制度による最大の受益者は私達市民であり、私達市民は行政機関に対して、私達のための仕事をすることを委任しているのですから、それを忘れてもらっては困ります。民は信頼できるものであるとの意識を持って欲しいものです。

 指定管理者制度を活用して公的施設を民間団体が運営する機会を創出することで、地域においては新しい需要が生み出されます。単に施設管理をするだけではなく、付加価値をつけてビジネスチャンスに結びつけることが可能となります。
 和歌山市で育っているNPO法人が管理する機会を得ると、公的機関では発想し得なかったサービスを付加してきそうです。勿論、今まで管理を行ってきた行政の外郭団体は運営ノウハウを所有していますし行政とのパイプという強みがありますから、民間と競争する意識を持てば、それだけでレベルが上がります。公募により競争した結果、引き続き管理運営することになったとしても、より良いサービスと運営費のコスト低減が図られることになります。

 和歌山県の施設には、既に指定管理者制度を利用してNPO法人が委託を受け運営している施設があります。ここではしがらみを除外し、民間活力を活用することを第一に考えて導入したものです。
 外郭団体の管理能力が高く、NPO法人が劣っていることはありません。仮に外郭団体が優れているのであれば公募してコンペで優劣を争えば良いだけのことです。
 この施設を公募扱いとしたケースでは、NPO法人も管理運営能力と当該分野に関する固有の専門知識があれば、民間企業や外郭団体などと同格との判断をしてのものです。自主事業が可能で地域との連携を図れることが選定された理由です。
 既に1年前から指定管理者制度を導入した例があるため、今県議会では思い切った提案が可能となっているように感じます。行財政改革を行なうためには地方自治法改正は絶好のチャンスで、これを活かす姿勢を示さないと行財政改革は絶対に断行出来ません。指定管理者の委託期間は3年から5年が標準的ですから、今回非公募扱いにすれば次回の民間活力導入の時期は早くても3年後となります。もう時既に遅しですから、仮にそのような判断をトップが行なうようなことがあれば、市長が行おうとしている行財政改革の限界すら感じます。

 県の所管部署からは、和歌山県下の市町村では指定管理者制度に対する動きがものすごく遅いことを指摘しています。他府県の市町村と比較して動きに鈍さがあり、それに応じて導入も遅延しているようです。県からは従来のような単なる管理では駄目であると伝えてくれているようですが、どこまで浸透しているのかは定かではありません。

 特に問題となるのが団塊の世代の定年退職ですから、退職金がピークに達する2年後を考えても、今から指定管理者制度による公募を行い委託費の軽減を図るべきです。それをしないと問題の先送りと言わざるを得ません。

 先日、ある中核市において行財政改革に関する懇話会委員の経験がある方と懇談する機会を持ち、和歌山市以外の進捗状況と公募についての考え方に触れることが出来ました。
 指定管理者制度の目的は、民間の所有する能力を活用すること、行政サービスの向上を図ること、経費の削減を図ることが目的になっていることから、競争原理を導入して複数の公募をすべきだと言うものです。従来、公的施設の管理を任されていた地方公共団体が出資する団体も公募に応募して、コンペで競い合うことにより税金で賄われている経費削減と行政サービス向上を図ることになります。
 いずれにしても公募で競争することが原則ですから、公募をしないで従来から管理を任されていた地方公共団体が出資する団体に委託するとこは、この法の精神に反するものです。非公募にするための理由は余程の個別事情がない限りありません。


 そこで質問です。
 非公募扱いと考えている施設について具体的な理由を示して下さい。
 例えば、和歌山市発明館、和歌山市勤労者総合センター、和歌山市民会館、和歌山市立市民温水プールなどについて、納得出来る具体的理由を示して下さい。
 特に、和歌山市発明館については平成16年度外部監査報告書でも、事業費のほとんどが管理運営委託料であり、現状の入館者数と行政コストの推移を明らかにすべきだと、そのあり方を指摘されています。
 このような指摘がある中では、管理上のノウハウが果たして蓄積されているのか疑問に感じます。管理運営については、民間事業者のノウハウを活用する指定管理者制度の導入などの検討をする必要が指摘されていて、それが出来ない場合は廃館も視野に入れた抜本的な見直しが必要であると強く指摘されています。それでも非公募で従来の委託者に管理を任せる案となっているのは、どこをどう考えてのものなのでしょうか。お答え下さい。

 市長は行財政改革を施政方針の大きな柱にしているため、指定管理者制度についても本質まで踏み込んで欲しいのですが、その大きな柱である指定管理者制度で公募を行おうとしない理由を聞かせて下さい。
 また民間の参入希望者に対して、門戸を絞ることについてどのような説明を行えますか。併せてお答え下さい。
 
 かつてキャノンは社内の反発を受けながらも不採算部門だったパソコン事業から撤退し、人材を必要部門に配置転換して現在の成功を見ています。日産は改革の最初に村山工場を閉鎖して改革の本気度を示しました。
 危機に際して堂々巡りの議論を繰り返して、小手先の延命措置をとっても組織は守れません。組織を守るためには勇気ある決断が必要です。スピードの経済性という言葉がありますが、タイミングとスピードにより経済的価値をもたらす改革につながります。

 そして最も大切な点を指摘し、回答を求めます。それは議会との関係です。
指定管理者制度を導入しても非公募扱いとするのなら、行政だけで委託先を決定することになりますから、市民の代表である議会の意思や判断が加えられなくなります。
 それに対して公募を行なうと、有識者による構成された指定管理者選定委員会で審議されますし議会での審議を受けますから、二重のチェックを受け公正明大にすることが出来ます。
 地方自治体が直営にする、あるいは外郭団体に委託することを勝手に決めることは真におかしな決め方で、その様なことがあれば市役所が委員会や議会に関与させない姿勢を取っている、正に民意を反映させない決め方だといえます。公募することで民意を反映させた委託先を選定することが可能となりますから、公募をすることが指定管理者制度を機能させるための最低条件です。この指摘に対する市長の見解を改めて述べて下さい。

答弁者 : 大橋市長
 今回の指定管理者制度で公募が一部にとどまっている理由については,現在の行政改革の重点項目として外郭団体の健全化に取り組み,その中で,都市整備公社と文化体育振興事業団の統合を,また福祉公社の社会福祉協議会への統合や和歌浦湾水産公社の廃止など, 平成18年4月を目途に準備を進めているところです。そこで,外郭団体の統廃合の成果を検証する意味からも,今回は,今までの実績や管理のノウハウを持っている外郭団体の指定を予定することとしました。
 また,現在外郭団体が管理運営している施設を全て公募することになると,外郭団体が指定管理者とならない場合,外郭団体の存立ができなくなり,そこで働いている各公社の職員の処遇が問題となります。
 しかし,今回の外郭団体の指定にあたっても,市民サービスの向上とコスト削減につながるものでなければならないと考えています。
 指定管理者制度については,民間事業者が管理主体になることができ,競争により行政コストの低減や,効率的・効果的で質の高い公共サービスが提供できるなどの効果が期待され,行政改革の推進につながるものと考えています。しかしながら,その導入については,各地方公共団体の事情によって,制度の運用を行っていくものだと考えています。


答弁者 : 射場助役 
 和歌山市発明館では,発明に関する技術指導や各種活動にも視点を置き,当面,そのノウハウの活用が必要であります。
 また,勤労者総合センターは,勤労者の福祉増進,教育文化の向上及び余暇の利用の充実を図るため設置されており,現在,運営管理は,中小企業勤労者の総合的な福利厚生事業により,中小企業の振興,地域社会の活性化に寄与することを目的に設立された中小企業勤労者福祉サービスセンターへ委託しています。
 次に,和歌山市市民会館は,本市の芸術文化の拠点となる施設であり,各種文化団体の発表の場と市民の鑑賞の場となっています。
同様に,和歌山市立市民温水プールにつきましては,市民の体力増進及びスポーツ振興の拠点として,幅広く市民の方々に利用していただいております。
 いずれの施設につきましても,今日まで施設を管理してきた実績があり,ノウハウを活用していくことができること,また,外郭団体の経営健全化を図る観点からも,今回は公募によらず,指定管理者として特定するものでありますが,次の指定時には,公募を前提として検討していく予定です。
 以上

 3.質問(1)再々質問内容・答弁へ


平成17年6月 和歌山市議会一般質問について


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