平成16年 6月17日(木)
@.平成16年 6月
 和歌山市議会一般質問内容
 (1)
内容・答弁
(1)都市公園のあり方について

 こんにちは。昼一番の一般質問になりますが、最後までお付き合いの程よろしくお願いいたします。
 6月5日、レーガン元大統領が亡くなりました。1980年代、強いアメリカを武器に冷戦を終わらせ、小さな政府を指向し、減税と民間活力のレーガノミクスで、経済を立ち直らせようとした大統領でした。1988年、アメリカ渡航研修に派遣された時のアメリカの印象は、当時書いた私の報告レポートによると「アメリカは中南米並みの債務国となり、ドルは安くなりつづけ、強国、大国のイメージは崩れてきている。一方日本は世界一の経済大国となり、アメリカに肩を並びかけようとしている。日本は生活や建物、文化までもアメリカ化が進んでいる」と記されています。レーガンのアメリカの空気を感じていた自分がそこにいました。
 
 冷戦を終わらせたもう一人の立役者、ソ連のゴルバチョフには、ソ連崩壊後の1993年に会いました。
 その少し前には、ローマ法王のヨハネ・パウロ二世にも出会い、絶対にあり得ないミケランジェロの彫刻に触れさせてもらい、どの冊子にも紹介されていないラファエロの大作を見せてもらいました。象の背中に円錐が乗っているローマ時代の彫刻を指し、力だけではバランスがとれない。力よりも知恵が大切だ、と話していただいたことがありました。
 
 1980年代の空気を感じさせる方たちに会えたことは貴重に経験ですが、今や歴史の舞台に立っているのはヨハネ・パウロ二世だけになっています。
 
 永遠に続くとさえ思われた、レーガンやゴルバショフの時代は遠く過ぎ去っています。
 不変と思われることでも、この世の中に変わらないものはありません。市長におかれましては、前例がないからやらないではなく、進んで変わることで社会をリードしていく意気込みを、歴史に刻んで欲しいと思います。

 さて、今回は最近問い合わせが多く、市民の方の関心ごとでもあるテーマ2点を取り上げます。
 それでは議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。先の同僚議員の質問と重複する部分もありますがご容赦下さい。

1.最初は都市公園のあり方についてです。
 公園の概念を築いたのはドイツの詩人ゲーテです。ゲーテは、領主や貴族が独占していた公の施設を全ての社会構成員に解放しようとしました。人間が交流する場、子ども達が遊び成長する場が公園であるという概念を公の施設に導入したのです。その後、公園から派生して博物館や美術館が誕生していきます。ヨーロッパでは入館料が無料の美術館がありますが、この理念を実現しているものです。

 都市公園は、市民がスポーツ、レクリエーション、休憩など日常生活にゆとりと潤いを与える機能を持たせているはずです。都市公園は市が所有権を持ち、整備した上で市民の利用に供されるのがあるべき姿です。

 利用者のマナーが良いとは言えないため、公園施設やトイレが汚され、雑草が茂っています。そのため行政で一定の規制をかけるため、利用したい人が利用できなくなっている現状があります。飼い主のマナーの悪さから、ペットを伴っての公園への立ち入りを禁止せざるを得ない公園もあります。
 ボール遊び、バッティング遊び禁止のところもあります。
 
 今年7月、高野・熊野がユネスコの世界遺産に登録される予定です。和歌山市は世界遺産の玄関口とも言えるまちで、観光客の第一印象を決定づける重要な位置にあります。
 和歌山城公園、JR和歌山駅付近は観光客が訪れます。その時、今の状態の公園トイレを利用する人は、どのような印象を受けるでしょうか。 

 そこで、何点かお伺いいたします。
 和歌山市の公園88個所のうち、ペット同伴では入れない公園は何箇所ありますか。
 ボール遊びやバッティング遊びが出来ない公園は何箇所ありますか。
 公園トイレの現状をどうお考えになっていますか。
 都市公園のあり方について市長のお考えをお示しください。



答弁者 : 市長
 都市公園のあり方について市長の考えを示せというご質問でございますが、私はこれからの都市公園にとって一番大切なのは,やはり「癒し」とか「和み」の機能であろうと思います。
 かつては遊具があって子どもが遊べるところとか、ボール遊びのできる広い空間や、ミニサイクリングコースなどが設置されている公園もございましたが、今はやはり緑がいっぱいで、四季の花が,来る人々の目を和ませるような公園が殺伐とした現代社会に暮らす我々にとって一番の「癒し」の場であろうかと思うわけでございます。
 高齢者や障害者が気軽にのんびり利用できることも大きな条件だと思います。そのためには、段差のないバリアフリーで,盲導犬や介助犬,さらにはお年寄りの心を和ませる効果があると言われるペットたちにも開かれた公園であるべきだと考えております。
 個人的なことを申しますが、我が家は代々犬好きで、今も土日の午前に日程が入っていない時は犬2匹を連れて夫婦で散歩に出かけますが、亀の川の堤防から紀三井寺遊歩道を経て紀三井寺公園まで歩いて行くのが一つの定番コースになっています。
 議員ご指摘のように、散歩の時、犬の糞を放置する方がいまだにあとを絶たず、そのマナーの悪さなどが理由となって、一部の公園が犬の入場を禁止しているのは残念なことです。
 今後は、人と動物が共生できる市民のオアシスとなるような都市公園をめざし、地域らしさや地域のニーズにも配慮して、市民一人一人が公園の整備と美化に役割を発揮していけるような公園施設を考えていくべきではないかと思っているところでございます。


答弁者 : 都市計画部長
 現在、ペット同伴で入園できない公園は和歌山東公園のみです。過去に和歌山東公園内において心無い一部の飼い主が、犬を放した事により犬に噛まれたとの連絡がしばしば寄せられたことがあり、また犬の糞問題を含め自治会と相談の上、犬の入園を禁止しています。しかしながら盲導犬等特別な場合に限り入園を認めています。近年、犬を単なるペットとしてではなく家族の一員として共に生活をする人が増えており、また「マナー」を守り本当に動物を心より愛している方々のためにも、今後より良い管理体制について検討してまいります。

 次に公園内において、昔はよくボール遊びをしたものでございますが、近年、住宅が密集してきたために多種多様な苦情が絶えない状況です。このため数箇所の公園では、近隣の方々の要請を受けてボール遊びを禁止しております。
 次に各公園のトイレ清掃は、1ヶ月当たり4回の清掃を業者委託して行っていますが、ご指摘のとおり老朽化しているトイレも多くなってきております。自治会の皆様方により清掃をして頂いている公園もありますが、トイレをきれいに保つためには市民の方々の協力が不可欠だと考えております。今後老朽化しているトイレに付きましては、財源確保に努めると共に順次、改修等を行ってまいります。

 以上

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平成16年 6月 和歌山市議会一般質問について


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