10月31日(金) 「有田市長」
 午前、有田市役所を訪問し望月有田市長と懇談を行いました。望月市長は県内の最年少市長で就任直後から有田市の改革に取り組んでいます。市長の時間割は来客と予算編成などで分刻みの中ですが、1時間も懇談の時間を持ってくれていたことに感謝しています。
 さて、市長は小さなことから改革のための取り組みを始めています。簡単なようですが実はこれらの取り組みは勇気を持たないと出来にくいことばかりです。いくつかの事例を列挙します。

 従来、市長は有田市内のご葬儀には弔意を表すために訪問していました。その数、年間360軒ですから、毎日一ヵ所の訪問とご香典を持参していました。ご葬儀は公務なのは私事なのか線引きは不明ですが、そのために時間と費用を要していました。毎日のように通夜式に参列し、再び市役所に戻って職務を遂行すること、そして仮に一軒あたり5千円のご香典を支出すれば180万円の支出となります。自費または交際費での支出になると思いますが相当の支出になります。もし交際費で支出するのであれば、その予算を他の業務に振り向けることが可能となります。
 このことを公表してから賛否両論の意見が寄せられているようですが、小さい大きな論争となりそうです。

 有田市商工会議所の顧問への就任について保留しています。これも従来から慣例により市長が顧問に就任していました。問題がないと言えばないのですが、保留した要因は次のようなものです。有田市商工会議所へは有田市から補助金を支出しています。つまり補助対象団体であり、その団体の顧問になることは疑問だとするものです。自らが補助金を出している団体の顧問に就任することが適正かどうか検証することも、慣例を打ち破る投げかけだと思います。

 平成20年2月有田市議会で消防活動用のはしご車を購入することが決定していました。同年9月議会、つまり望月市長が就任した直後の議会でこの案件を取り下げました。はしご車を購入するための費用は約2億円。これを中止し消防活動用に絶対必要な装置を購入することにしたのです。はしご車は消防活動に必要なものだと思っていると、この判断は不適切なように思いますが実態は違います。この20年間ではしご車が出動したのはわずか1回だけなのです。今後共需要が見込めないはしご車を購入するために2億円を支出することが必要な財政出動とは思えません。それよりも耐震性に疑問のある消防庁舎の建設が優先課題であり、一旦、民間ビルなどに仮移転させることが今必要なことです。

 消防庁舎の建設は優先課題ですが、これも10年間先に延ばすことを検討しているようです。消防庁舎の建設よりも子どもの安全確保のために小学校や幼稚園などの耐震補強を優先させようとしています。有田市の小学校施設などは今まで耐震補強が行われていないのです。まず子どもの安全と生命を確保することを優先させることは当然のことだと思いますが、後回しにしている今までの方針を転換させています。

 そして市長は通勤時には自家用車を利用しています。当たり前のように思いますが、多くの首長は通勤に公用車を利用していると思います。黒塗りの車で送り迎えしている光景を見ることがありますが、望月市長はそれを止めました。自家用車で出勤し退社しているのですから今までにない大きな転換です。そして自家用車は市役所裏にある民間の駐車場を借りてそこに駐車しています。駐車場は月額6千円。有田市職員さんと一緒の駐車場に車をとめている光景は不思議な感じがあるようです。

 以上のような取り組みは、民間からすると普通の感覚かも知れませんが、これらを崩すことは決して容易ではありません。批判や攻撃の的になります。慣例を打ち破ることの難しさは、そのことを経験したことのある人であれば理解できる筈です。慣例という根拠のない怪物は社会や組織の至るところに宿っています。小さなことのようですが大きな怪物退治が慣例を打破することなのです。
 小さな改革への着手は感動的でした。

【和歌山の将来を見据えて】
 社会経済研究所の講演会に出席しました。PHP総合研究所の江口克彦社長が「地域主権型道州制と和歌山の活性化」について語ってくれました。
 結論。道州制に移行しないと和歌山県はなくなること。このままの体制であるならば20年経っても和歌山県が活性化することは絶対にない、この二点です。
 某機関の人口予測では和歌山県の人口は今後20年で20万人も減少するとされています。

(PHP総合研究所の江口克彦社長の
お話を伺いました)
一番の課題はこの減少に歯止めを掛ける対策を実施すべきだとするものです。中央集権型の体制では和歌山県が上昇することは困難で、道州制に移行させて道州制の中で特色ある存在を目指すべきです。

 和歌山県の活性化案としては、関西空港とのアクセスの良さを活かす。IT活動などの経済特区による国内外からの企業誘致。高齢者優遇措置を講じてシニア首都宣言を行う。それと同時に世界有数の臨床医療拠点を目指す。リニアモーターカーの関西の駅を誘致する。これは道州制検討委員会からJR東海に路線の提案を行っていますが、東京から大阪と神戸に向かう経路がひとつと、東京から大阪を経由して和歌山市に入る経路のふたつの経路を提案しています。和歌山市から紀淡海峡にトンネルを抜いて四国に向かうことで既存の新幹線と国土軸がふたつになるので物流と人の交流につながるという考えです。検討委員会からJR東海に提案しているので、和歌山県としては国に陳情するよりもJR東海にリニアモーターカーの誘致を働き掛ける方が重要です。

 観光施策として「アラウンドWAKA-YAMA」をブランド化すること。WAKAYAMAでは長すぎて、特に外国からは受け入れられないようです。松下電器のMATSUSHITAの10文字よりもPANASONICの9文字、しかも語源を辿るとPANAとSONICの塊に分けられますから覚えてくれ易いそうです。ですから和歌山の8文字よりも4文字と4文字に分けて二つの単語にする方が覚えやすいのです。
 以上のような活性化対策案を提案してくれました。
 参考までに平成20年1月の知事に対する道州制賛否のアンケートでは25人が賛成でしたが、同年8月のアンケ―トでは33人が賛成と答えています。2018年の道州制移行を目指していますが、そのカギとなるのは世論です。総選挙後には超党派で道州制議員連盟が発足する予定ですから、必ず日本は道州制になります。道州制にならないと日本は崩壊すると予言してくれました。

【活動報告】
 夜は和歌山共同火力の大会にお招きをいただき、活動報告をさせていただきました。今日上期の決算発表している企業があります。このような経済状況の中ですから赤字決算をしている会社もあります。ご存じのように法人が赤字決算をすると法人税がゼロになります。アメリカ発サブプライムローンの問題が世界を巡って金融不安を招き、日本にもやって来ました。金融機関だけではなく全ての企業を巻き込み業績を悪化させています。株式に興味のない人にとって、金融不安は私達の生活と関係がないように思っていますが決してそうではありません。
 企業、特に赤字に転落することのないような大手企業が赤字決算をすると、その企業の事業所のある県や市に多大の影響を与えます。その法人からの県税や市税がゼロになることで当該地方自治体の予算が狂いますし、企業が見込みで10月末に前期分を納税してくれている法人税を次年度には返還しなければならないからです。これは法律に基づいている措置ですからどうしようもありません。見込んでいた予算が減少することは自治体運営に影響を与えるものです。行政サービスの縮小や地方債の発行を増やすなどの対応策が必要となり、結果として私達の生活に影響してくるのです。

 アメリカの金融不安が日本に、関西にも影響を及ぼし、世界とつながっていないと思っている和歌山県に住む私達の暮らす自治体の懐を直撃しています。企業収益が減少すると直接的には賃金が減少しますし、間接的には予定していた税収が不足し地方自治体の財政が厳しくなり私達の生活に影響を与えることになります。
 やはり経済が安定し健全な企業活動が行われることが、私達の生活にとっても大切なのです。

 県議会では閉会中も行政改革のための特別委員会を開催し、県財政を捻出するための議論を行っています。私達県民にとって必要なものと不必要なものの仕分けを行い、今必要な施策に予算を振り分けることが行財政改革ですから、金融不安の中においても運営していけるだけの県財政構築のための議論を尽くしたいと考えています。皆さんからのご意見をお待ちしています。本日はお招きをいただきありがとうございました。

【その他】
医療問題に関して緊急に意見を聞いて欲しいと依頼があり、隙間の時間をつくりお会いしました。信じられないような医療の実態を伺いました。余りにも予想外の話だったので10分の予定が30分にも及びました。ここで書くことは出来ませんが、早速、調査することと専門家の判断を伺うことにしています。

動物愛護の問題や意見交換会の開催日程についても話し合いました。
10月30日(木) 「現場」
【先端技術】
 先端技術の現場視察を行いました。内容は明らかにできませんが、世の中が欲している技術があります。ところが製造者とそれを必要とする人がつながらないのです。理由はお互いの不安感にあります。そんな技術や製品は存在しないと思う立場の人と、良いものを確保しているのだから必要であれば黙っていても向こうからやってくるだろうと思う立場の人との間に交差点はないのです。
 必要なものを必要とする人に橋渡しをすることも大切な仕事のひとつです。

【ランチタイムミーティング】
 お昼にはランチタイムミーティングを実施。短時間でしたが良い話し合いができました。
 人は会ってみないと分からないものです。噂話を信じると真実を見失ってしまいますから、関心があれば自分で確かめることです。現地に向かうこと、直接会って話をすること、一緒に食事をすること。これらは些細なことですが大切なことです。
 通信手段が豊富になり直接会わなくても意思疎通が図れる便利な社会になっています。直接現地に行かなくても映像や写真を見るだけで行ったのと同じ効果があるように思うことがあります。ところがやはり実際の体験には適いません。
 課題解決の核になるのは現地に行くことと直接対話に勝るものは、現代社会ではありません。

【現場】
 現地を見てから関係者と打ち合わせを実施しました。当初、図面と書類だけで打ち合わせをしようと思っていたのですが、念のため今日の打ち合わせの舞台になる現場を午前中に確認してきました。現場を見ておいて良かったと思います。現場を知っているのと知らないのとでは話の展開がまったく違うからです。
 図面で確認できることは関係者と誰がキーマンであるか、面積と地形などです。ところが実際の人の流れやその土地に住む人の年齢構成、自動車の通行量、商売する場合は道路の右か左のどちらが流行るのかなどの情報は自分が行かないと分かりません。資料を見ても無理ですし人の話を聞いても実感することは少ないのです。
 でも打ち合わせで一番大切なことは現場からの情報です。現場を確認しておくことで資料の補足説明が可能となりますし、資料の隙間を埋めることができます。
 人の流れなどに基づいて店舗の入り口と出口を決めることがありますが、資料における人の出る時間帯と人数の数値だけでは実際を感じ取ることはできません。経験と勘と現場体験は資料に基づいて決定する上で欠かせない要素です。

【水利権】
 水利権に関する確認。日常生活における水利権は10年ですが、河川ダム利用のための水利権は例外もありますが30年になっています。水は生活に欠かせないものですから水利権は大切な権利です。それは個人にとっても公共にとっても大切な権利なのです。大切な余り個人がこの権利を強く主張する場合があります。安全な生活を守るための大切な個人の権利ですが、同時に公共にとっても絶対に欠かせない大切な権利なのです。

 個人の権利と公共の権利が重なり、しかも対立する場合、解決は容易ではありません。尺度となるのは利益衡量です。どちらの利益を優先させる方が、より多くの人にとっての幸せにつながるのか、また安全につながるのかなどを考える方法です。一般的に公共の立場に立つ考え方が優先される結果が導かれることが多いのですが、それでも個人の権利を取り込んだ考えを包含させることで、少しの歩み寄りに向かわせてくれます。
 権利の主張が対立する場合はお互いに納得することは少ないのですが、人は話し合うこと以外に解決の方法を見つけることは困難なのです。
 
【顔を立てる】
 社会においては無理なことでも、間に入ってくれた人の顔を立ててお互いが納得し、解決する方法があります。当事者間では対立している場合でも、社会からも当事者のどちらからも信頼がある人が間に入ることで納得する場合があるのです。それは当事者が振り上げた腕を静かに下ろさせる役割を果たしてくれているのです。
 このように間に立ってくれた人の顔を立てることは有効な手段です。でも顔を立てる方法を講じても、一方がいつまでも言い張っているようでは、落とし所は失われますし間に入ってくれた人の顔をつぶすことになります。
 顔を立てることと顔をつぶすことの間には、それ以降の関係と信頼感に大きな開きがあります。

【友愛会議会合】
 夕方からは友愛会議の会合に出席しました。これまでと今後の活動報告が報告されました。引き続いて懇親会に入り意見交換を図りました。

【通夜式】
 昨日、交通事故が原因でお亡くなりになった同級生のお母さんの通夜式に参列させていただきました。交通事故による死去は突然のことで予期できないものですから親族の悲しみは想像することはできません。喪主の目には涙が溢れ、その悲しみがどれだけ深いものかを知らせてくれます。謹んでお悔やみ申し上げます。
10月29日(水) 「関西議員団総会」
【関西議員団総会】
 大阪市内で、午前中は関西議員団幹事会と総会、午後から政治活動委員会が開催されたので出席しました。関西議員団会議では副幹事長の役割をいただいていますが、平成20年度も副幹事長をさせていただくことになりました。
 幹事会では役員と平成20年度の活動方針の確認、そして議員研修会の日程を調整しました。議員総会ではそれらの案件の承認を得ました。
 関西の各府県から交流のある議員が集まり意見交換の機会にもなりました。

堺市議会議員との懇談。シャープの堺工場の進捗状況は約80%。後は内部の機器設置などが残されているようです。また関西電力大阪発電所跡地にソニーのリチウム電池工場の進出、サッカーのナショナルトレーニングセンター建設も予定されていて、更に活気が漲りそうな勢いです。経済活動と雇用創出など、元気の源が堺市に集中しているような感もあります。
 また視察のため和歌山市に来た時の感想を話してくれました。和歌山市内で一泊してくれたのですが、飲食街に人が出ていないことに驚いたようです。人通りが少なくて活気がなかったとの感想です。前回は約20年前に訪れたことがあるそうですが、その時は今よりも人通りがあったとのことです。まちに出る人が顕著に減少していることで、対応策の必要性を訴えてくれました。

枚方市議会議員との懇談。先日、和歌山市のダイワロイネットホテルで会合があり和歌山市に来てくれた時のことです。会合の時間よりも早くJR和歌山駅に到着したので、会場のホテルまで歩いて行ったそうです。JR和歌山駅からダイワロイネットホテルまでの人通りが余りにも少なくて、その状況に驚いたと話してくれました。以前はもっと賑わいがあったような記憶があるようですが、人の少なさで和歌山市の置かれた厳しい状況を感じ取ってくれていました。

京都府議会議員との懇談。視察のため和歌山県庁を訪問してくれました。その時にぶらくり丁を歩いたそうですが、人通りがなく「以前の賑わいがないようですね」とその時の感想を話してくれました。ぶらくり丁という商店街の名前は聞いたことがあり、どんな通りかと思っていたのですが予想とはかなり違ったようです。全国的にも人通りの少ない商店街やアーケードがありますが、ここも同様で活気を取り戻して欲しいと意見をいただきました。

大阪府民の方。「和歌山県では県のNPO支援センターを廃止すると聞きました。時代は民間活力との協働に向かっているのに時代を読み間違えているのではないですか。NPO支援組織を廃止する府県はどこにもないと思います。センスがないですね」と意見をいただきました。
 地方自治体は財政運営の厳しい時ですから施設の廃止や補助金の縮小などは当然のことですが、時代が必要としているものを廃止することは不必要です。何が必要で何が不必要なのか、感じるセンスが必要だとの感想です。
 県外からの意見は全て直球ですから、素直に聞き入れたいと思っています。

【その他】
 夜は某地域の集会に参加しました。昨今の閉塞感から政治への不満が強くなっていて、変化を求める意見が数多くありました。変化が起きそうで起きない。大統領が変わろうとしているアメリカとの違いの指摘もあり、変わることもできない日本は一体どうなっているのかとの疑問の声もありました。
 その他には後期高齢者医療制度、経済対策としての2万円の補助施策などの意見もいただきました。

 その後、同級生のお母さんが交通事故でお亡くなりになったためお悔やみに訪れました。突然のご不幸に言葉が出てきません。歩いていたところ自動車に追突されて意識不明、帰らぬ人となったのです。生前のおつきあいに心から感謝するとともに、心からご冥福をお祈りしています。
10月28日(火) 「講演会打ち合わせ」
【講演会打ち合わせ】
 午前11時から昼間まで、和歌山市の報恩寺の松本恵昌さんを訪問し来月の講演会の打ち合わせを行いました。平成20年11月27日、松本さんを講師として研修会を実施することに決定しました。松本さんからは講演テーマに関するさわりの部分のお話を伺いました。自分なりの解釈をしていますから松本さんの思いと違った解釈になっているかも知れませんがご了承下さい。

この世を形成しているのは自分の心であること。辛い思いや悲しい思いをもって庭の緑を見ると、その緑は悲しい緑色に見えます。同じ緑を見るのでも華やいだ気持ちでその木々を見ると、華やいだ緑に見えます。木々の緑の姿は何も変わっていませんが、見る人の気持ちの有り様によって違った緑になるのです。同じような事象に出くわしても、それに立ち向かう心の持ち方によって見え方は違いますし、見え方が違うと対処方法も変わります。全ては人の心の問題なのです。そうすると自分の心の思うとおりに世の中で出会う事象は巡ってくるのです。

 心の清らかな人はきれいな出来事に遭遇します。悪いことを企んでいる人には悪い出来事が起きるものです。世の中の景色は変わらなくても、それを見る人の心で違った景色に見えるのです。

人は向上心があるから苦しむのです。ですから向上する心を持たないのであれば、人は苦しむことはないのです。しかしそれは人であることを放棄することですから、生きている限り人は向上心を持つべきなのです。向上心があるからこそ、壁を乗り越えた後もまた苦しみが襲ってきます。それを乗り越えるためには、また困難に立ち向かう向上心が必要なのです。

 人は人であるために、常に上に向かうための向上心が必要です。また人生の後輩に対しては慈悲の心を持つことが求められます。慈悲の心とは相手と同等の立場か、または風下の立場に立って他人のために尽くすことを言います。慈悲の心とは同情の心とは全く違うものです。参考までに、同情の心とは自分が相手よりも高い立場に立ち見下ろすような視点を持つことを言いますから、その違いが分かると思います。向上心と慈悲の心を持っているのが菩薩であり、人が社会に役立つ人になるためには菩薩のような気持ちを持つ必要があります。

 権力を持つ立場にあったり役職位に就くと、人は相手より優位な立場にありますから、相手を見下ろすような気持ちが芽生えてきます。そうなると人は菩薩ではいられなくなります。権力者はそこから崩壊するのです。
 権力者が失脚するのは外部からの攻撃ではなくて、心が崩れることによる内部からの崩壊によるものなのです。菩薩の心を持っている限り、人は人でいられます。

殴られて分かること。もし私があなたを理由もなく殴ったとします。理由もないのに殴られた相手は怒って私を殴り返すことになります。その後、殴り返された私は相手を殴り返すことはしません。何故なら、自分が先に理由もなしに相手を殴ったことを認識しているため殴られた原因は自分の側にあることを知っているからです。

 自分から相手を殴ったら殴り返される。これは自分の目前で起きたことなので、自分に非があることが分かる事例です。こんな簡単なことは当たり前で分かっていると思う人がいるかも知れません。ところが自分が蒔いた種とその結果との間に時間の経過があると、その因果関係が分からないのです。

 仮に一年前に、A氏がB氏に向かって批判する言葉を浴びせたとします。言った本人Aはそのことを忘れてしまいます。ところが言われたBはそのことを覚えていますから、一年後、たまたま大切な仕事の取引をする段階になって、その取引相手が自分を批判した相手Aだと判明したとします。結果として、信頼できない相手Aとの間のその取引は中断することになりました。大切な取引を失敗したAは、何故順調に進んでいた取引が失敗したのか分かりません。原因をひも解くと自分が相手を殴った結果、一年後、相手に殴り返されたのです。時間が原因と結果の間に入っていることから、本人はそのことに気付かないのです。
 自分の身に起きた結果には原因がある。このことを覚えておくと、理由もなしに相手を殴ることはできないのです。

平常心。平常心とは、心が常に一定の状態で乱れないことのように思います。しかし実際のところ人の心は極めて不安定なものなのです。人から批判されると心は乱降下しますし、褒められると心は浮ついてしまいます。自分の心なのに人の言葉によって制御できない状態になるのです。ですから平常心とは一定の状態を保つことを指すのではなくて、風で波打つ状態にあってもそれに対応できる状態を言うのです。いかなる状態にも対応できる心を持つことが平常心なのです。人にはこのような平常心が必要です。

【サテライトスタジオ】
 エフエムバナナのサテライトスタジオが完成しました。場所は和歌山市にあるダイワロイネットホテル二階。ダイワロイネットホテル屋上にはエフエムバナナのアンテナが設置されていますが、今回、サテライトスタジオも進出しました。開所に当たって東京から駆けつけてくれたダイワロイネットホテル社長と山口理事長によるテープカットの式典がありました。正式には来月11月1日から、エフエムバナナのサテライトスタジオとして機能することになります。
 街中中継車のバナナカーの投入など、徐々に活動領域を拡大しているエフエムバナナですが、新しい拠点を設置したことによってリスナーとの距離が縮まりましたし、市役所に隣接した場所にあることから、防災エフエムとしての機能も強化されることになります。
 そしてこのサテライトスタジオは閉ざされた空間ではなくてオープンな空間で、誰でも気軽に立ち入ることが可能です。今後の展開に期待しています。
(エフエムバナナサテライトスタジオがオープンしました)

【懇談会】
 夜は和歌山市内のカフェレストランアルテにおいて、地域活性化をテーマとした懇談会を実施しました。冒頭、びわこ成蹊スポーツ大学の植田真司さんから「健康とスポーツ関連産業振興」について提案をいただき、その提案を元に話し合いを行いました。参加したのはJR西日本とJRの職員さん、みかん生産者、企業経営者達で、異業種の皆さんの交流の機会になり、今後の活動の展開にも期待できる懇談となりました。

高校時代にあるスポーツクラブに入った人は、毎日2時間も練習したのに実力が向上しなかったので才能がないと自分で思ってクラブを辞めました。二時間も練習を続けているのに実力が伸びないと思っていたのですが、大学に入り、同じ競技のアスリートに練習時間を尋ねると、毎日最低6時間は練習してきたとの回答だったのです。
 その時、自分に才能がないのではなくて、決意がなかったことが実力の伴わなかった理由だと知りました。人がその分野で実力を発揮できないのは、才能がないのではなくて決意が不足しているからなのです。それに掛ける時間の違いが決意の表れです。
 なるほど、掛ける時間の長さが決意の尺度なのです。物事を成さないのは、才能がないのではなく決意が欠けているのです。

地域における「ものづくり」は伝統維持や地域資源の観点から大切です。しかし「ものづくり」を目的にしていては事業になりません。一般的な例ですが、製品開発にお金と時間と人を投入するのに対して、販売、営業活動にかけるお金と時間と人は極端に少ないのです。比率で表すと製品開発に80%から90%、販路開拓や広告宣伝費は10%から20%に過ぎないのです。このアンバランスさが、良い製品でも世の中で認知されない最大の要因です。良い製品は数限りなく存在しています。しかし売れる製品と良い製品とはイコールではありません。
販路開拓や広告宣伝費を軽く見ているためお金をかけないことが多々ありますし、製品開発と同じくらいの経費が販路開拓や広告宣伝費で必要なことを認識すべきなのです。
開発と販路開拓にかけるお金は同等の50%と思うくらいが丁度良いのです。

活動を活性化させようと思ったら、誰かとパートナーを組むことです。単独で何かを成し遂げようとしても難しいのです。誰かとパートナーを組み仕事に取り掛かると、それだけで単独で仕事をするよりも効果が期待できます。
 一人で1から10までの仕事を完成させるよりも、三人で10の仕事を仕上げる方が品質の高い仕事が可能となります。

平成20年の和歌浦ベイマラソンwithジャズには12,000人のランナーが参加しました。市民マラソンで一万人を超える大会は珍しく、和歌山市の誇るマラソン大会に成長しています。ところで参加したランナーからは面白い評価を聞きました。最初に参加した時には、ジャズの演奏を聴く余裕がなく、音楽を苦痛に感じたそうです。しかし三回目に出場した時には、ジャズ演奏がランナーを応援してくれているように聴こえたそうです。三回走るとジャズとマラソンとの組み合わせの良さが分かるようです。
 何事も繰り返すことで作者の意図が分かりますし、自分でそれを体験することができるのです。
10月27日(月) 「新規開店」
【午前中】
 朝からは情報交換会、そして市内にあるビジネスホテル経営者との会合を実施しました。昨今の経済情勢の中ですから価格は据え置いていますが、それでも能動的に需要を創出する必要があります。資金面では厳しいところですが、それでも設備投資と営業活動の両面での取り組みが必要なようです。和歌山市内でたくさんあった新しいビジネスホテル建設計画ですが、ここに来て計画は止まっているようです。銀行からの資金が得られなかったことやお客さんの需要が見込めないことなどが原因ですが、また跡地に駐車場が増えそうな気配です。中心市街地の活性化が計画されていますが、現実は計画通りに進展させることが難しくなってきました。

【意見交換会】
オール関西で活性化を図るための手段としてカジノの可能性について話し合いました。和歌山県でもそうですが、大阪府や兵庫県でも地域活性化対策としてカジノについて検討されています。法制化が図られていませんから仮定の話に過ぎませんが、地域によっては盛り上がっているようです。仮に法制化が図れたとしたら、最初に認可を受けるのは全国で二、三ヶ所と噂されていますから、関西にも立地して欲しいところです。
 立地点を中心としてビジネスチャンスが広がることは間違いありません。それはカジノ産業だけではなく、周辺のサービス業や観光産業にも波及効果があると考えます。わが県だけが潤えば良いと考えるのではなく、オール関西として取り組みたい課題です。

高度集積型産業の誘致に関しての意見交換を行いました。裾野の広がる地域活性化のために必要な産業ですが、各地とも激しい誘致合戦があり地方都市での実現性は厳しいものがありますが、その可能性について話し合いました。

水質改善対策に関しての意見交換を実施しました。食の安全とともに水の安全についても言われるようになりつつあります。大手食品メーカーが食品製造過程において地下水を利用していたことからシアン化合物の混入の問題などが報道されているように、食と水の安全性の確保はより重要な問題として認識されています。

経済不安について意見交換。株価の下落は企業活動に打撃を与えています。税理士の先生に伺うと、株価の下落自体は企業活動に直接的な影響は少ないのですが、金融引き締めによる資金調達の困難化が問題だそうです。歴史のある上場企業であれば問題は少ないのですが、新興勢力の会社にとっては厳しい状況が続いています。
 特にマンション事業者の場合については、大手電鉄がバックに控えているような会社は資金繰りに問題は発生しませんが、資金調達を外資に頼っているような新興企業にとって現在の経営環境は厳しいようです。何とか現状を乗り切って地域振興のために力を貸して欲しいと願っています。

【新規開店】
 和歌山ゴールドライオンズクラブ会員が新規飲食店を開店させました。開店日は今月30日ですが、プレオープンの本日は関係する人が集まっての歓談を楽しみました。売り物は家庭料理を提供するお店であることです。店主は、「自分の作った食べ物を食べてくれる人がいることに喜びを感じている」と話してくれました。売り上げや利益追求も大切ですが、飲食店の基本はお客さんに料理を味わっていただくことにあります。お客さんはお金を支払ってお店に来るのですから、味と雰囲気だけではなく店主の料理に込めた気持ちも味わいたいのです。本日のプレオープンのために朝8時から準備をしたようです。慣れない仕草でお店の雰囲気作りを行っている気配りを感じました。
(ライオンズクラブ会員のお店が開店しました)
【懇談】
 夜は通夜式に参列させていただき、急ぎの案件対応のために懇談の場に向かいました。人が動くことで経済は動きます。誰も何の活動もしていないところに活性化はありませんから、可能性のある取り組みには人が参画する必要があります。人が集まらない計画があれば、それだけでその計画は失敗することになります。興味のあるものに関しては、まず動くことが大切です。
10月26日(日) 「夢を応援するプロジェクト」
【エレクトーン発表会】
 和歌山市内で小学生から高校生までのエレクトーン発表会があり会場である和歌山市民会館に行ってきました。小学校1年生の子ども達から演奏が始まり、高学年へと向かいました。演奏の曲目に合わせて衣装にも工夫を凝らし楽しい演奏会になりました。ご家族で子どもの発表会に来ている様子が見受けられる、和歌山市の休日のヒトコマでした。
(エレクトーン発表会)

【夢を応援するプロジェクト】
 学校法人常翔学園で「夢を応援するプロジェクト」が開催されました。日本を代表する指揮者である西本智実さんから「夢を実現し、夢を超越する〜私の夢の道〜」のお話を伺いました。西本さんは日本からロシアへ、そして今では活動の舞台をヨーロッパにまで拡大しています。残された大陸はアメリカだそうですが、夢に描いたとおりに演奏家としての活動の領域を拡げています。


(西本知実さんと)
 西本さんのスケジュールは三年先までぎっしりと埋まっていて、既に三年先を生きているとも言えそうです。そう思うと今日の話は三年前に決定していたものであり、西本さんは三年前に今日の出来事を思い描いていたとも言えます。現在と未来を行き来している西本さんは私達の一歩先を歩いている未来の旅人のようです。
 夢を実現させるためにはそれを達成するための期日を区切ることが大切です。それは三年、
三か月、三日、三秒という単位が適していると言います。
 三年先にはこうなりたいと思うこと。三か月先に向けて今から取り組みを開始する。三日先まで今の状態を我慢する。そして三秒間だけ耐えてみる。三という数字は目標値として適した数字なのです。明確な理由はありませんが、耐える時間として、二秒だと短すぎますし五秒だと長すぎます。今の目標から三か月先の目標に向かうための強い意思を持ちたいものです。

 そして朝のイメージトレーニングが夢の実現のために大切なことです。驚くことはイメージトレーニングの時間です。私達は数分位だとイメージを描くことができますが、それ以上のイメージを描くためには具体的に取り組んでいることと自分なりの理想とする着地点を思い描いていることが必要です。

 西村さんは15分から30分もの朝の時間をイメージトレーニングに割いています。朝、目覚めてから半分寝た状態と半分起きた状態の時に、約30分のイメージトレーニングを行っているそうです。
 明確にイメージができる時は着地点まで到達するのですが、未だ思い描く力が不足している状態であれば、イメージは途中で止まってしまうそうです。それはレコードの音が途切れてしまうような感覚のようなものです。

 イメージを描けると未来はワクワクします。イメージできる夢は必ず実現します。もし思い描いていることが実現できないとすれば、自分の中に何か不足しているのです。原因は他にあるのではなく自分の中にあります。イメージを描いて一歩踏み出すことを心掛けたいものです。
 ところで、夢を実現させている多くの人に共通していることがあります。それは幸運に恵まれていることです。夢の実現には幸運が舞い降りてくる瞬間が必要です。残念ながら、幸運は誰の下にもやって来るものではありません。ですが幸運は誰の下にも現われてくれます。毎日のように努力をして、それを継続している人の下にはいつか幸運が舞い降りてくるのです。

 夢を描き、何時までに夢を到達させるのか到達地点のイメージを明確にすること。そして毎日努力することで幸運は舞い降りるのです。
 夢を描くことは比較的容易です。しかし期日を決めて到達地点を描くことは難しいものです。毎日30分イメージを描くことを継続させることは、それ以上に難しいことです。これらを全て含めて努力することは、尚、困難なことです。多くの人はその日々を辛抱することができないのです。
 夢に向かって辛抱する日々を耐えられる人の下に幸運が訪れます。これは簡単な人生の法則です。ワクワクする未来を持てる人は、その一歩を踏み出しています。

 そして「夢を応援するプロジェクト」では中学生が応募した提案が採用されました。この「ボランティアポスト」の提案は、学校法人常翔学園の四つの学校で来年度に実現されることになります。
 中学生の夢が実現した今日。夢は実現するものだと実感できるものでした。参考までにボランティアポストとは、私達の家にある文房具や衣服など自分では不要になったものでも誰かが必要と思っているモノをポストに投入すると、必要な人の元に届けてくれるしくみのことです。届け先は開発途上国をイメージしていますが、それらの国に学校法人常翔学園のボランティアポストから必要なものが届けられることになります。

 そして本日、夢の続きがまた一つ実現しました。ボランティアポストの提案者を集められた品物と一緒に開発途上国に派遣しようとする計画です。中学生のことですから派遣することは簡単ではありませんが、条件が整った場合、ボランティアポストと一緒に開発途上国に行くことになりそうです。
 
 全てのプログラム終了後、西本智実さんとお会いする機会をいただきました。これも幸運が舞い降りてきた瞬間だと言えます。直接お会いすることで、聞いた話を自分で消化し具体化させることができます。そして夢を実現させ、今も次の夢を実現させるために世界の舞台で行動している西本さんにお会いしたことで、夢は実現させるものであることを強く実感させてくれるものでした。直接会うことや直接話を伺うことは強いイメージとして定着しますから、自分の中に夢を応援するプロジェクトが装着されました。
10月25日(土) 「国際シンポジウム」
【懇談会】
 午前中は約2時間30分の懇談会。市内の事業所の経済環境の厳しさを実感する内容でした。お客さんが購入商品に支払う単価は安価になっていることから、家賃負担が大きくのしかかっているようです。そのため、より家賃の安い場所へ移転したり自宅兼事務所に変更したりしているところもあります。必要な経費を削減し続け利益を生み出す工夫をしています。和歌山県の経済環境の厳しさを改善して欲しいとの依頼は益々多くなってきています。

【議会報告会】
 午後1時30分から3時30分まで議会報告会を行いました。参加してくれたのは女性10人で本当に熱心に話を聞いてくれ、意見交換会では意見をいただきました。本日の報告会は、ボランティア活動とNPO活動を中心としました。理由は、本日参加してくれたのは社会貢献活動を実践している方々でしたから、事前にボランティア活動に関する内容の報告会にして欲しいと依頼を受けていたからです。ボランティア活動を実践している人は多いのですが、横の連絡体制は余りないのが現状です。報告会に参加してくれた皆さんは、アフリカを初めとする開発途上国の教育を支援し学校を作るための活動を実践しています。

 私からはボランティアとNPO活動として、福崎空中広場での取り組みや病院への慰問活動などについて紹介いたしました。ボランティアやNPO活動は地域の元気を作り出してくれています。行政に頼らないで自分の時間とお金を提供して社会貢献に努めてくれている人が増えています。以前であればライオンズクラブやロータリークラブにおける社会貢献活動が主なものでしたが、現在では大きな団体ではなく小さな団体や集団が地域貢献活動を実施しているのです。それらは小さな力ですが、集合体になれば地域の大きな元気につながります。和歌山県のNPO活動は、全国でも有数の活動が活発な県ですから、全国に誇れるものです。

 残念なことに和歌山県の格指標は40番台のものが多いのです。教育の学力水準は平均以下、国体での成績も40番台、経済力も低迷していますし、経済の潜在成長率は47番で全国ただ一つのマイナス成長の県と評価されています。その上、和歌山市の財政力指数は地方自治体として、全国で10番以内の高水準の赤字自治体となっています。残念ながら現在の和歌山県の力はこの水準なのです。この事実を認めた上で上を目指す必要があるのです。一気に各指標が10番以内に入ることはありませんから、5年先に30番台を目指す、20年先には20番以内を目指すなどの目標を持っての取り組みを行う必要があります。その土台づくりが現在すべきことなのです。

 和歌山県に企業が来てもらうためには幾つかの条件があります。道路アクセスの問題、工業用水の問題、そして重要なものは地元雇用できる人材がいることです。人材の定義は様々ですが、企業が欲する人材とはパソコンや企画力などある程度仕事ができる能力があり、協調性を持ちチームで成果を挙げる仕事ができること、などです。人材がいる地域とは、地域として教育に力を入れて人材を育成している県であることが求められます。地域として学力を高めるための教育を実践していなければ人材は育成することはできませんから、県や市は教育予算を拡充し、地域の将来を支える人材を輩出させる取り組みを行う必要があるのです。

 経済成長の時代ではありませんから地方自治体の予算の枠は毎年限られています。何かの予算を増やせば、他の予算を削ることになります。仮に、道路予算を増やすと福祉予算を削って全体額を調整することや、職員さんの人件費を削って教育予算を増やすだとか、税金の予算配分をするのが行政の仕事です。どこに重点的に予算配分を行うのか、その判断の際に皆さんの意見を聞くことが大切なのです。机上の判断で配分すると実体と違った予算配分になります。このズレが私達の意見と行政の考え方に隔たりが起きる要因となります。議員にとって、このズレを極力少なくすることも仕事の一つです。これは今日のように報告会と意見交換の機会が必要なのです。

 以上のような報告を行った後、意見交換の時間をいただきました。生活保護の実態について、また、私達に出来るボランティア活動についてなどの意見をいただきました。後の日程が詰まっていたため懇談会は時間切れとなりました。改めて日程調整することを約束して会場を後にしました。

【国際シンポジウム】
 第二回国際シンポジウム「コメと疾病予防」が開催されています。初日の日程を終えた夜、歓迎パーティが行われましたが、このアテンド役として和歌山大学観光学部の学生がボランティアスタッフとして参加してくれました。スタッフは1年生と2年生の学生ばかりだったため、社会人、特に大切なお客さまと接する経験に乏しいことから、夕方から「VIPへの対応の心得とおもてなし」について講義を行いました。観光学部の学生は約10人でしたが、熱心に話を聞いてくれ本番の歓迎パーティでは活き活きと行動してくれました。

 講義の主な内容は次の通りです。
 おもてなしの気持ちは挨拶から始まります。「こんにちは」「いらっしゃいませ」の言葉が最初の言葉ですが、誰に向かって挨拶するのか決めておかないと誰にも届きません。言葉のベクトルを伝えたい相手に向かって放ちます。イメージとしては、言葉のベクトルを伝えようとする相手の顔を突き抜けるような強さで言葉を放つのです。確実に相手に言葉と気持ちは届きます。言葉の力を信じて下さい。

 そしておもてなしの気持ちはそんなに難しいものではありません。取り繕ってもVIP相手だとばれてしまいますから、普段の、ありのままの自分で接することが大切です。普段と違う自分で接したとしても自分も楽しくありませんし、相手も楽しくない筈です。自分が楽しんで接客するためには、いつもの自分である必要があります。おもてなしにマニュアルはありません。当然のことです。一人ひとりの性格に応じておもてなしの表現は違うからです。

 おもなしとは、自分の価値感を信じて相手に伝えることです。もしてテーブルに飾られている花の葉が枯れていたら、その葉っぱをちぎって見栄えが良いものにすることもおもいなしです。テーブルに水が零れていた場合、そこを綺麗にしたいと思ったら拭き取ることも自分の価値観ですし、何とも思わないとしたら、そのままにしておくのも自分の価値観です。花がきれいでお客さんに見て食事をしてもらいたいと思ったら、花の向きをお客さんが見やすい方向に置き換えることや、グラスの水が半分位になっているのを見て、そのグラスを新しいものに取り換えたいと思うことも価値観です。

 普段、その様な事態に遭遇した時にどう思うかを基準にすべきです。ファーストフード店だとマニュアルがありますからそれに従うと良いのですが、VIPの接客の場合、決められた形通りの接客ではなく、自分の価値観を表に出すことが最も重要です。価値感を表現することがおもてなしであり、相手の気付かない心配りが相手を感動させるのです。期待しているようなサービスを提供しても想定内ですから、それほど効果的とは言えません。思っている以上の発見や驚きを提供した時に相手の満足感を満たしてくれます。

 心配することはありません。日本のサービスレベルは間違いなく世界一です。日本のサービスとは私達が普段接しているサービスのことですから、そのサービスを外国からのお客さんに提供することは決して難しいものではありません。
 自分の価値観を信じて、自分が楽しもうとする気持ちを持って接して下さい。自分の価値観を表現することは世界で同じものがないサービスです。それが私のサービスであり、和歌山県としてのおもてなしになるのです。

 現代はサービス業の時代です。サービスレベルの高い人は就職する時には有利になりますから、一流の人が集まる今日の機会を大切にして下さい。自分が出来るおもてなしが最高のおもてなしだと自信を持ってVIPとの接点を楽しんで下さい。
 そして会話をする機会を持って下さい。VIPの方と話をする機会はそれほど多くありません。話をすることが勉強になりますから、是非、退屈そうにしているお客さんがいたら見つけて話し掛けて見てください。お手伝いに来ている観光学部の学生が話し掛けてきて嫌がる人はいないと思います。

 以上のような講義を行った後、歓迎パーティの時間となりました。
 歓迎パーティは良い雰囲気で大成功でしたが、その一役を学生達が担ってくれたことは間違いありません。
 付き添いとして大橋昭一和歌山大学観光学部長が来てくれていました。大橋先生は経営学の大家としての名前が轟いていますが、現在は和歌山大学観光学部のために和歌山市に移り住んでくれています。このことに感謝するばかりです。

(和歌山大学観光学部大橋学部長と)

(虚無僧による歓迎式典)
 歓迎パーティでは第一部は歓迎式典、第二部がパーティの構成となっていました。第一部では虚無僧の尺八で外国のお客さまを歓迎しました。明と暗の和歌山県の世界を創り出し、外国のお客さんの関心を惹くことができた様子がありました。仁坂和歌山県知事から、大橋観光学部長と学生の皆さん、そして学生の監督役として私も紹介していただきましたこと感謝申し上げます。
 パーティ会場では、学生達は次第に来賓の輪の中に入りドリンクサービスとフードサービス、そして懇談で笑顔を見せていました。お客さんとスタッフがひとつの輪に入った素敵な瞬間でした。この場面を見ただけでも参加した甲斐がありました。学生達も良い社会勉強の機会になったと思います。VIPの対応に学生が参加することは挑戦でもありましたが、終えた後は「参加して良かった」の声が聞こえてきました。心地よい疲れと達成感を感じて学生達は帰路につきました。お疲れさまでした。
10月24日(金) 「嬉しい出来事」
【嬉しい出来事】
 NPO法人和歌山盲ろう者友の会が和歌山南ロータリークラブから表彰を受けました。これは日頃の活動の成果が認められたものです。友の会からは弾んだ声で「嬉しいお知らせがあります」と連絡をいただきました。どんな嬉しい出来事かと思って話を伺うと、本日、表彰を受けたことを早く連絡したかったとのことでした。その気持ちを受け取るだけでも嬉しくなりました。

 今回の表彰は、法人として社会貢献活動をしている団体が対象になっているようで、同法人は任意団体として長年活動してきたのですが、昨年、NPO法人の認証を受けたばかりなのです。昨年の春に、社会に認知してもらえるように任意団体からNPO法人格を取得したいと相談があり、和歌山県NPOサポートセンターの支援を得て、NPO法人に認証されたのです。
 NPO法人盲聾者友の会は盲聾者の会員が大半ですから、事務作業を実施することは簡単なことではありません。日常生活だけでも大変な中、慣れない手続きの中、NPO法人となったことだけでも素晴らしいことです。そして今回の表彰につながったのです。

 平成20年10月16日にチャリティシャンソンの表彰式でも寄贈を受けましたし、本日の和歌山南ロータリークラブからも活動に対する表彰状を受けました。誰からも注目されていないように思っていても、温かく見てくれている人は必ず存在しているのです。
 誰も見ていないからサボる、誰も見ていないからええ加減にする、この意識のままでは認められることはありません。毎日、毎日、誰も知らなくても、自分が出来ることを着実にやっているといずれ周囲の人が知ることになります。そうすると支援の手を差し伸べてくれるのです。

 本人達にとっても嬉しい出来事だったと思いますが、その報を聞いた私にとっても、全てを忘れさせてくれるような嬉しい出来事でした。嬉しい出来事は関係している誰かに伝えることで感謝の気持ちのバトンが広がっていくものです。
 NPO法人和歌山盲ろう者友の会の皆さん、おめでとうございます。

【県NPOサポートセンター】
 県施設の内、廃止の対象になっている和歌山県NPOサポートセンター。NPO活動が拡がりを見せている最大の功労施設のひとつです。この自由に集える場所とスタッフの存在が和歌山県のNPO活動委を支え、維持と拡大が出来ている要因となっています。
 ところが行財政改革のひとつとして県が突然、廃止の方針を発表したのです。結果を導く過程は公開しながら進めるのが情報公開に基づいた仕事です。みんなで議論を出し合いながらより良い方向性を導くことが大切なのです。社会通念上、ふい打ちをすることは適切なこととは思えません。信頼関係に基づいた意見交換を図り、意見の裏付けとなるような証拠書類を出し合いながら話し合いを進めることが大切なのです。

 その信頼感に基づいた途中をカットし、例え事務局案だとしてもいきなり結論を発表することは、やはりふい打ちなのです。莫大な情報を把握している行政側が有利に立っています。懸命に活動している現場は情報把握の点で不利になりますが、実態を一番よく知っています。現場の意見を反映させることが管理部門の仕事なのです。現場とかけ離れた結論を導くような管理部門が幅を効かせていると、現場力を低下させることにつながります。和歌山県の元気を担ってくれているNPO活動の灯を消さないためにも、この施設とNPO活動に関するノウハウを大切にしたいと考えています。

【ヒップホップ】
 夜はヒップホップダンスの練習に参加しました。ダンスの指導は知人の娘さんで、本日は約20人の参加があり練習に励みました。テレビで見ているとヒップホップダンスは簡単なように思いますが、自分で踊ってみると身体の使い方が非常に難しいのです。基本的な足のステップ、そこに身体のアップとダウンを採りいれます。腕と顔が組み合わさってくると、考えないと身体の動きが変になってきます。これを頭で動きを考えなくても、身体が動くようにしなければならないのです。
 そして基本はリズム感と柔軟性です。基本をしっかりとマスターしておくことで、格好良いダンスの形になります。不思議なもので、振付を学び並んで踊ると様になってくるのです。さわやかな汗と心地よいリズム。この練習は癖になりそうなものです。

【その他】
来年定年を迎える方との懇談会。現役生活が残り少なくなって来ました。誰でも迎える現役生活と別れる時。寂しさが募ってきます。
新しい団地が形成された地域へのスーパー進出の依頼について。
最近の経済情勢下における不動産の価値について。土地価格が下落していることから、土地の鑑定評価が難しくなっています。余り低く抑えることになるとお金が回らなくなりますし、評価額を高く見積もると実体からかい離したものになるため信用度が低下します。
 いずれにしても不動産価値が低下していることから担保価値も低くなり、市場に資金が供給されにくくなっています。
10月23日(木) 「決算特別委員会四日目」
【決算特別委員会四日目】
 決算特別委員会四日目は最終日です。明日は予備日となっていますが、審査が順調に推移したため本日が最終日となったのです。本日の私の質疑は次の通りです。

Q. 不正会計の内、「預け」の問題に関して。先ほど、職員と取引業者との癒着の問題が取り上げられましたので、関連として県庁内の問題について質問いたします。物品調達を行う場合、支出伺いを立案して県職員さんから業者に注文をします。そして物品が納品されると検収することになりますが、発注者と検収者が別であれば不正処理は防げる筈です。物品調達のしくみについて説明して下さい。

A. 物品調達の場合、原課から総務事務に調達依頼を行います。総務事務で調達依頼を行い、物品は原課に納められ検収しています。そのあとで業者が原課に請求を行い支払することになります。

Q. それでは「預け」を防げないのです。発注者職員Aと検収者は別人である必要があります。同じ人が発注者と検収者であれば、不正の起こる余地がありますが、発注者と検収者が別の人であれば不正は防げるのです。つまり発注者Aが検収すると個人の資質によって「預け」の可能性が出てきます。この場合、資質の悪い個人責任の範疇となります。ところが発注者Aと検収者Bと、それぞれ違う職員さんによって業務を完結させているとすれば、組織ぐるみの不正となります。県として通常の場合、発注者と検収者は別の人が行っているのですか。

A. しくみ上、発注者と検収者は別の職員が行うことになっています。

Q. 別の人が検収するルール、規定となっているのであれば、組織ぐるみの取り組みだと思える訳です。複数の人が関与しているのですから、通常であれば物品が納品されていないのに検収はできません。発注者と検収者は別の職員が実施しているのであれば、組織としての問題になると思わざるを得ません。そう認識しておいてよろしいでしょうか。

A. 確かに、発注者と検収者は別の職員が実施することになっています。ただ平成19年度の業務については調査をしていない段階なので、現時点では何とも言えないと思っています。

 委員会では会計の不適切処理について、さらに議論が交わされました。監査委員からの歯止めについての見解は次の通りです。
 会計監査院の指摘に基づいた場合、国からの補助事業と県事業を別ける必要があります。今までの監査ではその内訳までは分からないのです。そのため今までと監査事務作業を抜本的にやり変えないといけないと思っています。
 例えば、国らに補助金を申請する場合、その仕事に関わる作業は、この部分とこの部分があると業務フローまで申請して補助金申請を行う必要があります。補助金を受けた原課は、その仕事に関して一元的に管理しておく必要があると思います。

 そして決算委員会としては本日の採決を行わないことにしました。理由は、平成19年度の旅費や人件費、「預け」の問題に関してはまだ調査も解明もされていないことから、審査した決算書類には不透明な要素が含まれているからです。平成19年度の調査は着手したばかりです。調査完了までの期間は約一か月と見込んでいますから、調査報告書が出され次第、決算特別委員会を開催し、質疑と採決を行うことにしています。
(決算特別委員会の審査が終了しました)

【行財政改革】
 現在行っている行財政改革について意見交換を図りました。今回報告されている以前の行財政改革は、例えれば贅肉を落とす感じの行財政改革でした。余り適切ではない表現ですが、痛みを伴わない改革だったのです。ところが今回の行財政改革は、身を削るような改革案となっています。贅肉の場合だったら痛みがないことから、県民の皆さんからの意見はそれほど多くなかったのですが、今回の改革案は必要な肉を削るまで踏み込んだものですから、明らかに痛みを伴っています。そのため反対意見が多く見られているのです。

 県庁として身を削る行財政改革の方針を出すことは、直接的に県民の皆さんへの行政サービスを削除することを意味しています。筋肉の部分とも言える必要な行政サービスを打ち切る訳ですから影響があります。県庁が必要な行政サービスを打ち切らなければならない今回のような場合は自らの身を削ることが先の問題で、職員サイドが身を削って初めて、県民の皆さんへの行政サービスを廃止しなければならないと訴えるべきなのです。まだ内部で削るべきものがあるとすれば、先にその部分を削ってから県民サービスをカットする必要があると訴えなければ説得できません。

 例えば、給与10%削減や職員数や議員定数の削減、そして職員住宅の入居賃料を市場価格と同程度まで値上げすることなどを行ってから、県民の皆さんのための行政サービスの削減に着手すべきものなのです。
 今回の行財政改革案は、その前提が欠けているように思います。今までと同じ方法では通用しないところまで来ています。つまり贅肉を削る行財政改革と筋肉を削る行財政改革の違いは、痛みの伴い方が明らかに違うのです。同じ行財政改革の言葉を使っていますが、全く別の性質の改革なのです。

【発表会】

(ハーモニカクラブが発表会に向けて
練習を続けています)
 和歌山市を拠点に活動している「和歌山ハーモニカクラブ」。ハーモニカの演奏サークルは珍しいのではないでしょうか。この和歌山ハーモニカクラブが初めて、発表会を行うことになりました。日時は平成20年11月27日、午後1時30分からですが、それに向けて仕上げの練習に入っています。本日は、発表会当日の模様を収録するために、打ち合わせに発表会場に入りました。クラブ代表と事務局長の皆さんと打ち合わ
せを行い、和歌山県の文化活動を支援するために協力させていただくことになりました。
 代表者からは「和歌山県内で文化に理解のある人は少ないので発表会の舞台や機会が少ないのが現状です」と話してくれました。文化度は市民力を図るものさしですから、文化活動の向上のためのお手伝いが出来たらと思っています。

【英語教育】
 益々重要性が高まっている英語力。子どもの頃からの英語教育機会を創り出すことは大変重要です。2010年からは、小学校段階から英語教育が本格的に導入されることに決定しています。そのための環境整備が進められていると思いますが、和歌山県の底力として英語教育に力を入れたいと考えています。
 新たに英語教育に関するNPO法人を立ち上げて和歌山県が英語教育先進県になれるような取り組みを目指したいと考えています。その立ち上げ段階の打ち合わせを行い、これから行動を開始することにしています。

【県政報告会】
 夜は県政報告会を行いました。集まっていただいた皆さん、そして会場を提供していただいたお店「スクラップ」さん。本当にありがとうございました。今日まで開催していた決算委員会の報告と、エフエム和歌山、そして関西独立リーグ紀州レンジャーズの取り組みについて説明を行いました。全国の中の和歌山県のイメージは、47番が定着しています。経済、教育、スポーツなど、どの分野においても残念ながら40番台のイメージが強くなっています。この印象を払拭することが誇りの持てる地域づくりにつながります。でもいきなり20番や10番以内の県になることは難しいのです。40番台前半から30番台に入ることを目指し、20番台を目指す階段を進むことが早道です。

 今日参加してくれた皆さんは、和歌山県の明日を信じている皆さんです。今から行動を起こせば、活気のある和歌山県を作ることに、手の届くところまで引き込めるような気がしています。核になる集団がいくつか出来たら、それは地域をも動かせる大きな力となります。そんな気持ちになれる会合でした。
10月22日(水) 「決算特別委員会三日目」
【決算特別委員会三日目】
 本日は決算特別委員会の三環境生活部、福祉保健部、農林水産部など審査でした。私からの質疑は次の通りです。

Q. 県民生活対策費としてNPOサポートセンターの委託費が決算されています。同センターでは設立のサポートなどの仕事があると思いますが、NPOサポートセンターの主な仕事はどのようなものですか。

A. NPO法人が自立するための指導、交流会、勉強会、NPO活動に必要な情報収集、そして活動場所の提供などの仕事を行っています。

Q. NPO法人の認定数は既に300件を超えています。単に設立のサポートをするだけであれば、その役割は少なくなっていると思われても仕方ありませんが、今お答えのあったように、活動の支援や勉強会などの役割を担っているとすれば、まだまだその役割は大きなものがあると考えますが如何でしょうか。

A. 第一段階としての仕事として認証があり300件を超えていることでその役割を果たしてくれています。第二段階として、和歌山県の元気を高める活動など地域活性化の取り組みを行ってくれています。

Q. 今あるようなNPOサポートセンターの仕事は、今後とも必要だと考えている訳ですね。

A. 今後とも必要だと考えています。

Q. 平成19年度NPOサポートセンターの利用者数はどのくらいありますか。

A. 約9,000人弱の利用があります。この人数は実際にセンターに来ている人数ですから、電話での問い合わせなどは利用者の数に含んでいません。

Q. NPOサポートセンターは自由に出入りできるスペースであり、何時でも、予約なしでも会議室などを利用することができます。センターにはこのような利点があります。

 一方、市町村の公共施設でもボランタリーやNPO活動家の人が利用できるから、NPOサポートセンターは不要との議論もあります。しかし市町村の施設の多くは利用するに当たって事前予約が必要なところが大半です。つまり一度、公的施設に行って部屋の利用予約を行い、実際に活動する日を確定させる必要があるのです。時間もお金もないNPO活動家達には、そんな時間は少ないので利用価値に優れているとは言えません。

 活動のスペースとしてNPOサポートセンターを利用してもらっていると答弁がありましたが、ハード面でのNPOサポートセンターの価値はありますか。必要なものなのでしょうか。

A. 交流スペースとしてNPOサポートセンターを利用してもらっているので、ハード面としても利用価値があると考えています。活動場所としても必要であると考えています。

Q. 平成19年度まで課であったNPOの所管箇所ですが、平成20年度からは内室に組織変更をしています。職員さんの数はどれだけ減少していますか。

A. 人数は三名減少となっています。

Q. 三名減少したことによって人件費はどの程度削減なっていますか。

A. 一人当たり年間400万円だとすると三名で約1,200万円になります。

Q. 内室の主な仕事はどのようなものがありますか。

A. NPO法人の認証、決算の整理、報告書の作成などの業務があります。

Q. 例えば平成19年度の県事業で、団塊の世代の活用事業や被災地生活支援NPO体験整備事業があります。この実施主体は県直轄なのですか。それともどこが担っているのですか。

A. これは民間事業として実施してもらっています。

Q. この二つは民間事業主体が実施しているものですが、実態としてNPOサポートセンターが、NPOをつなげることや運営などでもかなりの部分でお手伝いをしてくれています。このように表に出ていないところでもNPOサポートセンターの存在価値はあるのです。
さて、NPOサポートセンターが存在していることによって県庁の仕事の負荷は軽減されているのでしょうか。

A. 従来は県庁で行っていた相談業務などの仕事を行ってくれているので、負荷はとれていると思います。

Q. ところで先ごろ発表された行財政改革計画ではNPOサポートセンターは廃止対象施設になっています。私には良く分からないのですが、今までの答弁をお聞きすると所管箇所は同センターを必要だと考えているように思いますし、県の発表では廃止対象となっている。
 一体どちらが本意なのかお答下さい。

A. 行財政改革計画で示しているのは行革室としての事務局案です。

Q. 廃止としているのは事務局案ですね。所管箇所としてはこれからも必要な施設だと考えているのでしょうか。

A. これからも必要な施設だと考えています。

Q. NPOサポートセンターもし廃止となれば、年間で9,000人にも及ぶ人が、県庁に相談のため訪れることになります。所管箇所でその9,000人を受け止めるだけの度胸があれば同センターは不要だとも言えますね。確認しておきますが、NPOサポートセンターは必要だと考えている訳ですね。

A. 今後とも必要な施設だと考えています。

Q. 分かりました。

Q. 地球温暖化対策として決算額は約7億円もありますが、内訳を見るとわずか800万円の施策を実施しているに過ぎません。国を挙げて地球温暖化対策に取り組んでいる中、また先ほどの報告では地球温暖化対策の実施と言っているのと比較して取り組みが弱いように思います。具体的な取り組みを説明して下さい。

A. 環境保全活動と学習推進事業として約200万円あります。これは環境教育や小学校などへの夏休みのポスターの募集とコンクール、コマーシャルの実施などを行っています。地球温暖化戦略推進事業の600万円は、各家庭などへの環境アドバイザーのの派遣や県政おはなし講座などで県職員を派遣するなど啓蒙活動に努めています。
 これ以外にも教育委員会で約6億円計上していて、授業のカリキュラムで環境教育を行っています。

【懇談】
 市内事業所の運営方法について話し合いました。ある事業者が資金繰りの悪化から事業運営に行き詰まっているようです。従業員に経営者への不信感が沸き起こり、その不信感が定着していますから、立て直すにはもう遅いかも知れない状態です。不信感の起こりは、不透明な経理です。決算状況が従業員だけではなく役員にも示されていないことからです。
 経理が不透明な会社は外からも内からも信頼感を失うことと、組織にとってその不信感の恐ろしさを感じました。

【県政報告会】
 夕方から短時間ですが、県政報告会を行いました。当初平成21年9月議会での一般質問について報告しようと思っていたのですが、新聞報道やテレビ放送で関心事になっている会計検査院による県財政の不適切な処理に関して説明を行うことにしました。以下簡潔に示します。
 「またしても和歌山県」という声が聞こえてきますが、報道内容からすると県政への不信感を持たれても仕方のないことだと思います。今回会計検査院から指摘を受けているのは平成14年度から平成18年度までの5年間の会計処理に関して報告されたものです。

 「預け」と言われる不正処理は弁明の余地はなく不信感を持たれても当然のことです。しかし一律全て悪いという訳ではありません。総論として不信感のある会計処理はいけませんが、全ての会計処理を一緒に捉えて悪と決め付けることも危険なのです。実体を知っておくことが大切だと思いますので現状のところをお知らせします。

 不正処理のあった旅費と人件費に関して。これは会計処理上の勘定科目処理の誤りのような業務が指摘されているもので、正確には金銭を意図的に誤魔化したものではありませんでした。旅費に関しては次のような実態です。国から補助金を支出してもらっている仕事が県にあります。その仕事に関してだけ使用できる予算です。例えば、○○という仕事があれば、○○に関する仕事に関してだけその予算が使えるのです。

 ○○に関して東京に出張した場合は、その勘定科目で処理しても問題はありませんが、もし○○の仕事を終えた後、千葉県の観光課に観光行政に関する打ち合わせのため赴き宿泊、翌日もその仕事を行って和歌山県に帰った場合の会計処理が問題なります。その一泊二日の出張は国の仕事である○○の勘定科目で出張精算を行っていますが、実際は○○の仕事と県の仕事に分けて会計処理をする必要があるのです。その仕分けをしていませんでした。

 仮にこの場合のような二つの仕事のため出張する場合、○○の仕事のため和歌山県から東京に出張しますが、一度、和歌山県に帰った後、もう一度、東京に向けて出張することが正しい仕事になります。同時に仕事をするよりも分けることで無駄な行程を踏むことになるのです。これは不合理ですし、実際的ではありません。このような旅費の処理が不正処理として扱われているのです。

 人件費も同様の考えで指摘されています。主にアルバイト職員さんの人件費の会計処理ですが、これも国から補助金を使ってアルバイトに○○の仕事を行ってもらっているとします。アルバイトが100%、○○の仕事に従事しているのであれば問題はありませんが、実際は違うことがあります。○○の仕事の比率が70%で、他の仕事を30%しているとすれば、賃金の会計処理を70%と30%に分けなければならないのです。実際はひと括りにして会計処理をしていますから勘定科目を分けていません。

 このように全般の数字に誤りはなく、意図的に誤魔化したものでもありません。しかし不正処理に分類されていると指摘されているのです。現在は平成19年度の決算委員会を行っているところですが、平成19年度決算の中にもこのような会計処理が含まれている可能性もあるので精査する必要があるのです。結論が出るまでには一ヶ月近くかかると思いますから、現時点では全容を説明することはできません。ただ皆さんから不信感を持たれないような対応をしたいと考えています。

 具体的には平成21年度の予算で不適切な会計処理をした分を精算して、国に返還することになります。以上が大まかですが、今回報道されている不正処理の実態です。ご意見がありましたら是非、お聞かせいただきたいと思っています。決算委員会での出来事を紹介して報告とさせていただきます。ありがとうございました。

【通夜式】
 夜は自治会会員さんの通夜式の受付のお手伝いをさせていただきました。故人は昨日、病院から自宅に戻ったところお亡くなりになりました。余りにも突然のことです。生前を知っているだけに言葉がありません。芳名録の記入のお手伝いをさせていただきましたが、故人のおつきあいが分かるほど大勢の方が弔問に訪れてくれました。心からご冥福をお祈りさせていただきます。
10月21日(火) 「決算特別委員会二日目」
【決算特別委員会二日目】
 本日の決算特別委員会二日目の審査対象は、教育委員会、商工観光労働部、企画部そして県土整備部です。
 私からの質疑は次の通りです。
Q. 外国語指導助手配置事業とハイスクールサポートカウンセラー配置事業に関して。外国語指導助手を県下の高校に配置していますが、配置している学校と配置していない学校があります。またカウンセラーが配置されている学校と配置されていない学校があります。予算残があるのだったら全校に配置すけば良いと思いますが如何でしょうか。

A. 外国語指導助手配置とはALTを各高校に配置して英語力を高めるための事業です。平成19年度は26名配置しています。配置している学校は教育現場から配置の依頼があったところにしています。ただALT26名は、配置先の学校以外にも巡回して英語指導に当たっています。
 またハイスクールサポートカウンセラーは36校に配置しているところにさらに5名を追加して配置しています。生徒が抱えている問題の解決のために学校で体制を整えています。

Q. 英語教育は重要な教育ですから、学校の希望を聞いて「はいそうですか」と配置し、希望していない学校は放置しておくのではなくて、希望していなくても予算が許す限り配置してALTを活用するように持っていくべきだと思います。同様にハイスクールサポートカウンセラーに関しても、全校に配置して問題解決につなげて欲しいと思います。
 少し穿った見方ですが、外国語指導助手を配置している学校は一般的進学校といわれているところか多いように思います。一方、ハイスクールサポートカウンセラーを配置しているのは進学校以外のところが多いように感じます。意図的なものはないと思いますが、教育の機会は公平性が大切だと思いますから、外国語指導助手全校に配置するようにできないものですか。

A. 公平性の観点から全校に配置することが好ましいと思いますが、平成19年度は配置していない学校にも、例え半日であっても巡回するようにして教育機会を提供しています。

Q. 企業立地対策費の報償費に関して。予算額339万円に対して執行額が29万円になっています。予算残が多いのですが、この理由は何なのでしょうか。

A. 企業サーチャー制度の成功報酬を示しています。企業誘致を成功させた時に報奨金を支払うものであり、予算残が多いからと言って仕事の意味はないとは言えないと考えています。仕事をしてもらう前提で予算を確保しておくことが必要であり、結果として執行額が少なかったとお考え下さい。

Q. 企業誘致の報償金実績に関して。確か平成19年度の企業誘致件数は過去最高の16件だったかと思いますが、奨励金を支出している企業は6社になっています。誘致件数と奨励金の支払い件数に差があるのは何故ですか。奨励金の対象とならなかったのか、企業がいらないと言ったのか、それとも何らかの考えら基づくものなのか、お示し下さい。

A. 確かに平成19年度の和歌山県への進出企業は過去最大です。協定を結んで進出が決定している10件を含めて県が企業を連れてきたのが16件、県が関与していなくて和歌山県へ投資してくれた企業が12件あり、合計28件の企業が進出しています。
 平成19年度に奨励金を支出した企業は、平成19年度に誘致した企業とは違っています。というよりも、常に進出時期と奨励金の支出時期にはタイムラグがあるのです。平成19年度に奨励金を支出した企業は、それ以前に県内に進出してくれた企業を対象としています。

Q. 奨励金を支出した企業を見ると思っていたよりも支出対象のハードルが低いと感じました。例えば株式会社キャパでは、正規雇用1名で奨励金が50万円、株式会社エンコールでは正規雇用がなくパート12名の雇用なのに600万円を支給しています。雇用創出が目的なのに、雇用が少なくても奨励金対象になるのですか。

A. 誘致した企業においては、地元雇用を図ってもらうことで奨励金の支給対象としています。地元雇用、正規雇用に関しては3年以内で10名の雇用をしてもらうことを雇用奨励金の支給条件としています。確かに株式会社キャパでは正規雇用1名、株式会社エンコールではパート12名の雇用だけですが、3年以内で10名を地元雇用してもらうことを約束して雇用奨励金を支払っています。

Q. 橋本隅田用地共同開発事業として9,112万円の決算があります。この企業用地造成に関して現在、何か成果はありますか。

A. 期待値として用地の半分以上が埋まっていると思っています。大きな用地以外は埋まっていると考えています。現場に行ってもらうと分かりますが、ブルドーザーが用地造成しており、用地造成が終わると同時に企業進出があると考えています。平成21年度と平成22年度でこの用地は埋まってしまうと思っています。

Q. 建築指導費のうち、中心市街地住宅供給促進事業で1,100万円の決算をしています。翌年から2年間も継続する事業だと思いますが、この事業計画について改めてお示し下さい。

A. けやき大通り市街地再開発事業です。

Q. 事業の主体、場所はどこですか。

A. JR和歌山駅前のけやき大通りです。

Q. 具体的な場所は昭和倉庫ですね。84戸のマンションを建設する計画ですよね。

A. そうです。

Q. 事業主体はどこになりますか。

A. 昭和倉庫ですが和歌山県の補助先は和歌山市となっています。

Q. 事業主体は昭和倉庫ですよね。デベロッパーはどこですか。

A. 日本レイトです。

Q. もう一度確認いたします。デベロッパーはどこですか。

A. 日本レイトです。

Q. 間違いはないですか。

A. ありません。

Q. 既に最初のデベロッパーは撤退し、次に話を持ちかけたところも引き受けていないのが現状ですが、その認識はありますか。

A. 事業主体の和歌山市に確認していますが、今のところそのような報告は受けていません。

Q. デベロッパーは撤退して後継社が見つからないためデベロッパー不在の状態にあると思います。現状把握をしていますか。

A. 和歌山市からの報告では、当初計画の通りで変更ないと聞いています。

Q. 県からの補助金が1,100万円支出されている事業で、総額1億円の補助金事業です。これだけの補助金を支出する事業ですから現状を把握しておく必要があると思います。もし後継社が見つからなければ、補助金を返還してもらう必要があると思います。今から状況を把握して万が一の時は債権が焦げ付かないように手段を講じておく必要があると思いますが如何でしょうか。デベロッパーが不在であることは金融機関や設計筋に確認すれば直ぐに分かる問題です。その点如何ですか。

A. 計画通りだと認識しています。

Q. 最後に確認いたします。県としては日本レイトがデベロッパーホテルを建設し、ホテルとしてルートインが併設する計画で変わりないと考えている訳ですね。

A. 計画通りで変わりないと認識しています。

【ライオンズクラブ】
 夕方からは和歌山南ライオンズクラブを訪問いたしました。訪問の目的はレオクラブの活動を報告させていただくためです。そのため和歌山レオクラブの吉村幹事と一緒に例会に出席いたしました。
 私からはレオクラブの活動の状況と地区大での課題に関して報告を行い、吉村幹事からは本年度の活動状況と下半期の活動計画について報告を実施しました。
 和歌山南ライオンズクラブが、私達を温かく歓迎してくれたこと感謝しています。

(南ライオンズクラブ例会に訪問)

【セーラがやってきた】
 長野県小布施からセーラ・マリ・カミングスさんが和歌山市にやってきました。和歌山市のまちづくり講演会に来てくれたものです。一度お話を聞きたいと思っていたのですが、機会がなかったので残念に思っていたのですが、本日、それが実現しました。心から嬉しく思っていますし、奇麗な心の持ち主の話は心に沁み込んできました。まち興しを実践している現役社長だけあって言葉に威力を感じました。以下は発言のあった言葉に関しての個人の解釈です。

新しい取り組みをやろうとすると必ず反対されます。「絶対に出来ない」「やっても無駄」「誰もそんなことを期待していない」など、周囲は壁だらけになります。周囲が全て反対の環境の中では、飛び出す勇気が湧いてきません。その萎縮した気持ちを打ち破るためには、反対されるほど新しいアイデアなのだからやってみる価値があると信じることです。
 やれないと言われていることはやった方が良いのです。

やると思ったらどこまでやるのかが大事です。やると思ってもやらない人が多いのです。やらない理由を自分で見つけて、やらないようにすることは簡単です。でもやらなければ、今よりも前に進むことはできません。やると思ったことは、やり遂げるまでやらないと意味はありません。多くの人がやろうと思って出来ないのは、本気でどこまでやろうとしているのか覚悟がないからです。

街をきれいにしようと思ってゴミ拾いを始めても叱られました。街の掃除は市役所の仕事だからやらなくても良いとの理由からです。でもゴミ拾いを3年間続けたら、街の景色に定着してしまいます。むしろゴミ拾いをしていない日があると、「今日はどうしたの」と尋ねられるようになります。
 周囲の雑音に負けない意思を形成すると、周囲の固い意志を打ち負かします。

何か実施しようとしたら、残念なことに足を引っ張られることがあります。でも足を引っ張られても頭は相手の届かない所にありますから気にするとこはありません。全て活動を止められる訳ではないのです。それに自分で足を引っ張ることはできませんから、他人が足を引っ張ってくれていることは、ストレッチをさせてもらっていると思うと良いのです。ストレッチで筋肉を伸ばしてくれていると思うと、より伸びやかに活動することが可能です。

祭りは何かを超えるために必要な力を与えてくれます。人が祭りで燃えるのは、自分を超えるためです。祭りで今の自分を超えたら、その力を地域や社会のために使いたいものです。

自ら何か行動を起こすと、それは周囲に伝わり波になります。自らとは水であり、一人ひとりの水の力は小さくとも、水が集まり行動を起こすことで波になるのです。波の力は波力発電のしくみがあるように大きなものになります。

お布施見にマラソンを企画した時に、最初協力してくれる人は少なかったようです。協力してくれなかった理由は簡単です。人は、見えないものは見えないのです。見えないものを見えるようにするためには形にする必要があります。人の意思は自分以外の周囲の人には見えませんが、意思を形にすることで周囲の人も見えるようになります。見えるものは信じられますから、見えたものが社会的に優れたものであれば周囲の人は協力してくれるようになります。

街に木を植えることは街づくりにおいて大切なことです。たかが緑が増えたくらいで何が変わるのかと思う人もいます。緑が増えることは、どこの街でも取り組んでいることですし、特別何か新しい取り組みではないと思うかも知れません。しかし緑が増えることで街が変わっていると多くの人が自覚できます。人は何も変わっていないと何も感じません。しかし何か変わっていると自覚することができたら、次は行動に移すことができます。
 自覚することで行動につながるのです。小さな変化がどれだけ大切なことなのか理解する必要があります。
10月20日(月) 「決算特別委員会」
【決算特別委員会】
 平成19年度の決算委員会が始まりました。本日は公営企業決算の審査と一般会計決算の説明がありました。明日から各部局の決算審査に入ります。

【懇談】
 昼間を利用して懇談を行いました。テーマは資金繰りについてです。共通の知人の和歌山県内の会社が倒産の危機に直面しています。その理由は、取引銀行から融資を打ち切られることになったからです。会社経営は成り立っているものの貸付金の早期返済を求められています。返済方法は会社で収益を上げる方法ではなくて、会社を閉めて資産売却する方法を勧められているのです。銀行からすると、今時点で会社資産を売却すれば貸付金が返ってくるので、細々と経営を続けてもらい毎月の返済を求めるよりも、一気に返済してくれるよう働きかけているようです。赤字決算ではない会社ですが、今後大幅な収益増加も見込めないことから銀行指導が入っています。

 この知人である経営者は会社を存続させることを諦め、年内で閉めることを考えています。またひとつ歴史ある会社がその役割を終えようとしています。ここで思ったことですが、会社を閉めることは経営者にとっては断腸の思いがありますし、従業員とその家族も同じくらいの精神的、経済的不安が広がることになります。そして経営者の財界活動も終えることになり、経営者が持つ貴重な体験と知識などが他に伝えられる機会がなくなることになります。若い人や後輩の経営者達が先輩からの経験知を受け継ぐことができない状態、これは間違いなく社会的損失のひとつです。

 つまり会社の消失と共に経営者の社会的生命も消失するのです。地域における雇用と利益を生み出してくれている法人が消え、経営者としてのノウハウを有した個人も社会で存在することを否定されてしまいます。社会にとって二重の損失なのです。
 この後、会社資産は銀行主導で任意売却され、資金は銀行が回収し、会社用地は同業者に転売されるか宅地造成などされることになります。社会的責任を担ってきた会社が消え去るのは寂しい限りです。

【仏像彫刻同好会】
 和歌山近鉄カルチャーセンターで仏像彫刻同好会主催の展示会がありました。毎年、この時期に開催されているものですが今年も盛大に開催されています。毎年お会いする顔の他に新しい顔を見ることができ、活動がうまく展開している様を表しているようです。

 仏像彫刻では、全ての仏像様のお顔は優しく微笑んでいます。嘆いたり不安に思ったりしてい

(仏像彫刻)
る表情がないのは、作者の皆さんの心が表に現れているからです。常に心穏やかに、そして他人に優しく接していれば、その心に応じて自然に柔和な表情が備わるものです。
 何となく、仏像彫刻とは自分の姿を木から採り出しているように感じました。

【その他】
今週木曜日に予定している懇親会について打ち合わせ。本日、参加者が決定し、お互いの意見交換の場とすることにしました。
和歌山市内での会合開催に関しての打ち合わせ。来月上旬に会合を計画していますが、その参加者募集に着手します。
週末の旭学園での慰問活動に関して報告をいただきました。学校が一体となった素晴らしいイベントになったようです。当日は新聞社の取材もあったそうで、関係者の喜びの声が聞けました。
平成21年の和歌山巴里祭のゲストに関しての打ち合わせ。候補者を選定していますが、来年もチャリティにするために経費削減を念頭に置いて準備を進めています。
10月19日(日) 「行財政改革」
【行財政改革】
 県の行財政改革方針に関して、廃止などの対象となっている各施設運営者や利用者から意見が出され始めています。突然の発表であり、行財政改革所管箇所からは現場調査や意見交換もないまま廃止候補である旨の発表があったことで不安を持ち始めていることか分かります。施設の中には、平成21年3月末までの指定管理期間のものがあり、方針が決まらないと次年度に向けての資料作成や業務計画が立てられない状態です。

 また、廃止決定される時期が今ささやかれているように、平成21年2月頃となれば余りにも直前過ぎるので、廃止後の県の体制が間に合わないことも予測されます。
 そんな中、県の若手職員さんの意見がありました。行財政改革は他人事ではなく直接的なものなので話し合いの場をもっているそうです。行財政改革で痛みを伴っているのは当該行政サービスの利用者の方が多いのです。職員の立場として、困って相談に来庁される方達の意見を聞く中で、本当に大変な状態にある人のために何とかしなければならないと思うことがあるそうです。必要な制度を維持するために、自分達の給与削減をしても良いと発言している職員さんもいます。身を削って制度を守ろうと思っている職員さんの存在は希望の光です。安全な立場にいて財政難だから一方的に利用者に辛抱してもらおうとするのではなくて、自分達も痛みを感じることで真剣に県行政に向き合おうとしている姿勢が感じられます。

 行財政改革は制度のあり方の見直しだけではなく、そこに携わっている人の意識変化も求めるものなのです。そんな意識が芽生えていることは大きな発見です。発見することから進歩があります。今後の進歩を予感させてくれます。

【敬う】
 秋は各方面で功績のあった方々への表彰の季節でもあります。それは国や地方自治体、各種団体からの表彰など様々ですが、表彰する側には表彰を受ける方への尊敬の念が必要です。単に文言の書かれた「紙」を渡すのでは、敬意を示しているとはいえません。表彰式に参加されている方々の長年の功績を知り、その御苦労に対して敬意を表すのが表彰式です。その主催者の精神は随所に現れるものです。
 言葉では良いことを言われても内心は分かりませんが、文字で表現すると内心は分かるものです。

 過去に和歌山市から表彰を受けた方から、その時の表彰式で次のような出来事があったと伺いました。この方、仮にYさんは社会福祉関係の表彰を受けることに決まっていたので、市役所の控え室で待機していたそうです。
 そこで何気なくホワイトボードの本日の日程を見て怒りがこみ上げてきたそうです。そこには次のように記載されていました。
 「本日の日程。表彰式、市長室に○時に集合。Y(と呼び捨て)」。
 ひとつ。市役所の態度は、自分が市長室に遅れないことを優先し、受賞者のことはその次のだと思っていることが分かります。
 もうひとつ。敬称を記載していないことから受賞者を祝福する気持ちも尊敬する気持ちもないことが分かります。つまり単に仕事のひとつとして表彰式を捉えていたのです。市役所の担当部門にとっては毎年繰り返して訪れる恒例行事ですが、Yさんにとっては生涯でただ一度のことかも知れないのです。

 市長と書かないで大橋と書いていたら立場は同じですが、一方は敬称の意味の肩書きで氏名を記載、受賞者は呼び捨て表記。内心が表に表れていました。
 Yさんは、受賞式に出席しないで帰ろうかと思ったのですが、推薦してくれた人の顔もあることから式典には出席しました。しかし自宅に帰って直ぐに、市長からの表彰状を破ってゴミ箱に捨てました。尊敬も敬意もこもっていない表彰状には何の価値もないからです。

 単に文字を印刷した紙ですが、心があるからこそ紙が表彰状になるのです。味気ない表彰状は飾る気がしなくても、子どもからもらった手紙を大切に飾りたい気持ちになるのは気持ちが伝わってくるからです。気持ちの入っていないものであれば、形式や印章の有無、紙の質などは何の意味もありません。白い紙に書かれた気持ちの入った手紙の方が受け取り側にとっては大きな価値があるのです。

 和歌山市からの表彰状のこの案件。市役所はこの気持ちを知りませんが、相手の立場になった仕事が如何に大切であるかを教えてくれる事例です。
 参考までに、その後について。Yさんの福祉に賭ける気持ちとその活動は、表彰状がなくても全く変わっていません。自宅の壁にはその活動の素晴らしさを証明する公的なものは何も飾られていませんが、そこに集まっている方達は、Yさんが誰よりも素晴らしい活動をずっと継続していることを知ってくれています。その信頼の表情が、一番素敵な内心が現れている表彰になっているのです。

【太陽】
 和歌山東急インホテルで画家の太陽さんが個展を開いています。太陽さんとは元漫才師「ちゃらんぽらん」の大西さんのことです。現在は漫才を辞め画家として活動をしています。数か月前に創作活動のために和歌山県へ入り、和歌山城や加太、白浜や那智の滝を訪れて作品を残しています。本日の個展でもそれらの作品が展示されていました。最大の特徴は太陽です。絵の中心に太陽が描かれ、太陽のエネルギーを浴び
(太陽の展覧会会場では、
明るい作品が並んでいました)
せられているように感じます。白浜の太陽、加太の太陽、タイの太陽、ハワイの太陽など、全ての地域から見える太陽に拘っています。
 大阪や兵庫と違って和歌山県は太陽が輝いている。そのことがこの地域に温かい人を育てていると訴えているようです。和歌山県を第二の故郷と思ってくれているように、これから創作活動のアトリエが和歌山県であって欲しいものです。

【車椅子ダンス】

(車椅子ダンスに行ってきました)
 和歌山市内で車椅子ダンスの学習会がありました。車椅子ダンスの体験と踊りの披露があり、ダンスの楽しみの幅を広げてくれました。和歌山巴里祭に出演してくれている中瀬さんの車椅子ダンスも披露してくれるなど、会場全体が温かい空気に包まれました。
10月18日(土) 「会社経営」
【雇用問題】
 和歌山市内において働く場所を見つけるのは難しい状況が続いています。若い人でも40歳代の人であっても状況は同じ様なものです。特に希望する職種が事務職や管理部門になると選択の幅はもっと少なくなります。そう言っても就労の機会はタイミングにも依りますから、事前準備を整えておくことが不可欠です。このことについて話し合いました。

 それほど大変な就労ですが、中には信じられない出来事が起きています。
 Sさんが就職を希望している若い人を、知っている某会社に紹介しました。面接の日、その若い人は会社に現われません。会社からSさんに連絡が入ったため、驚いたSさんはどうしたのか心配して自宅に伺いました。そうしたところ、その若い人は未だ寝ていたそうです。「眠かったので行けませんでした」。呆れ果てたSさんですが、このことはSさんの信頼も失わせていることに気付くべきです。この若い人は面接に至るまでの困難さを理解していませんし、人の信頼を軽く思っています。もしSさんの紹介がなければ、面接の機会も与えられなかったのですが、この時点ではこのことに気付いていません。

 気の良いSさんは、この若い人から「仕事をしたい気持ちに変わりないので、別の会社を紹介して欲しい。今度はこんなことはしません」と再度の依頼を受け、別の会社に頼みに行きました。
 その会社もSさんの依頼だったので、面接してくれることになりました。面接の日曜日の朝、その会社にその若い人はやって来ませんでした。その会社からSさんに連絡が入りました。「面接に来ないよ」。Sさんは怒って再び自宅を訪れました。自宅に居なかったので、何かあったのかと思って携帯電話に連絡しました。驚いたことにその若い人からの返答は「日曜日はソフトボールの練習をしているので面接には行けません」でした。信じられない回答です。一体仕事を何だと思っているのか、思考回路は分かりません。

 真剣に就職を考えているのであれば、面接の日に寝過ごすことなど考えられないことです。緊張感から当日の朝は早い時間に目が覚める筈です。そんな気持ちがないことが信じられないことです。
 結果としてこのような態度の人は就職できませんが、会社が求めるのは人材ですから、和歌山県内の人材レベルは低いと評判が立ち、他の人にも影響を与える可能性があるのです。
 そして面接に至るまでには仲介する人と会社との信頼関係に基づいているものですから、今回のような不真面目な態度は、その信頼関係も壊すことになるのです。今回の事例のようなことは、やってはならないことです。

【会社経営】
 続いて経営者との話し合いを実施しました。経営者側の会社運営の厳しさは相当なものです。毎月の資金繰りと月末の支払いに苦慮しているところが多くなっています。月末が近づいてくると支払のため資金調達に走り回る状態が続いています。本日の懇談でも、「今月末の支払いの資金調達ができていないのですが」と話してくれたほど、余裕がなくなっています。

 和歌山市内の中小規模の取り引きは現金の場合が多いのです。現金決済が一番信用されることと、取引相手も資金調達の観点から現金を希望することが多いからです。また小切手の場合、一日でも遅延して銀行決済ができないと取り返しのつかないことになりますが、現金決済の場合は経営者の信用で一日二日の遅延は何とかなる場合がある利点があります。その場合でも二度三度と支払いが遅延すると、現金取り引きを条件とした契約でも信用されなくなり、仕事量が減少することになります。

 会社として絶対に守らなければならないことは、取引先への支払い期日の厳守と人件費の支払いの二つだそうです。人件費の支払いとは、従業員や請負会社への請負金の支払いのことですが、これは飛ばしてしまうと一気に信用をなくしてしまいます。
 会社経営者にとって、資金繰りと支払いの大切さが良く分かりました。そしてそれらは経営者への信頼によって成り立っています。利益を削ってでも、支払いを優先させ信用を確保することが経営者だということです。

【その他】
和歌山県の食材について、野菜や果物は新鮮で品質が良いので外国にも誇れるものだと話し合いました。
最近の経済情勢によって都心部の不動産価格も下落傾向にあります。少し前に売買契約をしている双方間でも、不公平感から契約の見直しを求める声も上がっている事例を聞きました。大変な状況が発生しているようです。
お米に関するイベントへの協力依頼を受けました。安全でおいしい和歌山県産のお米を外国と全国にアピールするイベントだそうです。出来ることがあれば協力させていただくことにしています。外国のお客さんも来ることから、お迎えする和歌山県としてのおもてなしについて講義をすることにしています。
10月17日(金) 「県内視察」
【県内視察】
 会派「真わかやま」で、行財政改革計画で施設の廃止または規模縮小と報告されている県内施設のうち、四か所の視察に赴きました。

 最初は県立紀北青少年の家です。この施設は昭和49年に開所し、平成18年度から指定管理者制度の導入により民間で事業運営しています。時代の流れと共に、この施設は廃止対象となっています。行財政改革の視点からすると役割を終えたとの判断からですが、本当に役割を終えているのか疑問を感じました。時代がどのように変わろうとも、青少年時代の野外学習、キャンプ、レクリェーションなどの体験は、人格形成のうえで絶対に必要なものだと考えるからです。
「廃止対象となっている紀北青少年の家」

勉強だけでは社会で通用する人格を築くことはできません。他人との関わり、共同作業、自然とのふれあい、指導者との出会いなどの要素が全て必要です。家庭と学校の授業では学べない、そして体験できないものを学ぶ機会を提供しているのが紀北青少年の家なのです。

 そしてこの施設管理をしている代表者が松岡脩平会長です。松岡会長がこの施設に関わったのは指定管理者制度導入後ではありません。昭和49年の開所以前の構想段階からですからもう34年になります。この地域における青少年活動の生きた歴史でもあります。


「紀北青少年の家の松岡会長と」
 松岡会長と会ったのは約20年ぶりのことでした。松岡会長は伊都郡の代表的な人物で、20年以上前からおつきあいをしてもらっています。当時、松岡会長はかつらき町の教育委員で、伊都郡の教育界で何かあれば松岡会長に尋ねたら良いと聞いていた位ですから、今思うと雲の上のような存在でした。当時若かった私でも気軽につきあってくれていましたから、今更ですが感謝するばかりです。本日の訪問の名簿を見て、昨夜は嬉しくて寝付けなかったと楽しそうに話してくれました。松岡会長の表情から、今日会えることを楽しみにしてくれていたことが分かりました。

 本当に久しぶりで、当時の出来事の幾つかを話してくれました。20年前にご一緒させていただいていた橋本市の下阪さん、かつらぎ町の南さんなどの名前が飛び出してきた時は本当に懐かしく感じました。
 下阪さんは当時としては珍しい韓国語を話していましたし、南さんはその後かつらぎ町議会議員になりました。
 本題に戻りますが、今回廃止対象になっている施設は箱モノを前提として考えるべきものではなくて、その施設が持っている機能やソフトを考えなければなりません。単に箱モノを管理するだけで良い施設であれば、財政難の時代ですから廃止すべきだと考えますが、形の上では箱モノでもその施設が担うべき目的があり、関わっている人の存在自体がその地域で欠かせないものであれば残すべきものなのです。

 いつの時代でも青少年の時代にすべきことに変わりはありません。同じような体験をして同じことの繰り返しで人格を形成していきます。社会が変わろうとも、時代が進展しようとも、子ども時代にすべき体験に変わりはありません。青少年の人格形成に関わってきた紀北青少年の家の役割は、今も、これからも変わるべきものではないのです。

 野外活動とレクリェーションを主体した研修施設は、学校で学ぶべきものとは全く違います。一泊二日の共同生活、先生以外の大人からの体験指導などは体験しておくべきものです。そんな体験は施設があってこそ学校現場で計画できるものなのです。紀北青少年の家が伊都郡に存在していることから学習計画が可能になっているのです。もしこの施設が存在していないとすれば、野外学習の教育計画は除外されてしまいます。紀北青少年の家の存在は伊都郡にとって欠かせないものであり、青少年教育の核施設となっています。

 そしてここでは6人の若い指導員を雇用しています。いずれの方もここでジュニアリーダー研修会上級コースの受講者で、若いけれども子ども達の人格形成のための体験の指導者として働いています。自主企画事業も手掛けていて、指定管理者制度導入後は従来の青少年の人格形成の目的以外にも、企業や団体、地域との関わりと集客を意識した取り組みをしています。

 本日、訪れた時には紀ノ川市の龍門小学校5年生の生徒が、勾玉作りに取り組んでいました。本日と土曜日までの二日間、一泊二日の野外学習だそうです。地元の学校では学校内で補えない学習体験のためにこの施設を活用しています。
 また維持経費は年間約4,000万円。指定管理者制度導入前は年間約1億円でしたから、6,000万円の経費削減を行っています。必要経費の不足分は自主事業による収入と人件費の削減により対応しています。

「勾玉作りの野外学習が行われていました」

施設維持のための努力を行っていますし、少ない経費で当初の目的を達成し続けるための取り組みを行っています。
 現場を訪れて分かる真実があります。報告ペーパーでは分からない真実、このことを大切にしたいと考えています。

【紀峰村塾】
 昨日お会いさせていただいた紀峰村塾の山本文吉さん。本日もお話させていただきましたが、本当に素晴らしい方でした。私財を投げ打って21年間も障害者の就労支援活動を続けています。障害者の方は高校を卒業した後に、残念ながら行く場所が狭められている現状があります。本当に残念なことですが、社会に居場所がなくなっている現実が横たわっています。そんな子ども達のために山東の山に学舎を建設し、社会で生きるための就労支援を行っているのです。そして適合できなかった時には、何時でも戻ってこられる体制を整えています。この取り組みに関しては、行政からの支援や補助は一切受け取っていません。地方自治体も入り込めない分野に取り組んでいます。

 このような素晴らしい取り組みをしている人が近くにいることを今まで知りませんでした。昨日の出会いに感謝し、これからの展開も楽しみにしています。
 山本さんから励ましの言葉をいただきました。山本さんの人柄が分かることなので紹介いたします。

 昨日、山本さんが紀峰村塾の活動について話してくれた時間がありました。会場を眺めると誰が真剣に聞いているのか、聞いていないのか分かるそうです。それは態度、目線、雰囲気などからほぼ分かるとのことです。有難いことに「私の話を最も真剣に聞いてくれていたのがあなたでした」として、「そのことを伝えたくて連絡をしました」と話してくれました。

 気持良く聞けた内容は、話をする方も気持ちが良いものです。誰が聞いてくれているのか、そして真剣に聞いている人がいてくれるだけで話の内容は違ってきます。会場の反応が良いと、話す方は相手に何かを伝えたいと真剣な話に展開していきます。会場の反応がいまひとつだと、話は曖昧なものになってしまいます。話の内容が良いのか良くないのか、話す方も問題でありますが、聞く方にも要因があります。対話のキャッチボールは双方とも真剣であって成り立つものです。

 真剣に発した自らの言葉は行き先を選びます。真剣に聞いている人のところに届けられるのです。それはまるでラジオと同じで、放送局から発せられた電波は周波数を合わせているラジオに届くのです。どれだけ強い電波を送っても周波数が合っていなかったり、電源を入れていなかった場合には、電波を受取ることができないのです。良質の電波で良質の放送を流していても、受け取り側に反応がないと届けることはできないのです。
 山本さんは昨日の出来事と感じたことを、学舎で保護者の皆さんに話したそうです。聞いていただけなのにお褒めをいただいて恐縮です。期待に応えられるようにしっかりと頑張ります。
 
【県内視察その2】

「白崎青少年の家からの海の景色は圧巻です」
 日高郡由良町にある県立白崎青少年の家を訪れました。この青少年施設も廃止対象となっています。一番の売り物は最高の海の眺めです。部屋からの眺望、食堂からの眺望、お風呂からの眺めなど、ここから見る海の景色はわが国最高の景色の一つです。
 そのため海を活かした体験プログラムを施設利用者に提供しています。課題は地元小学校、中学校などとの連携です。紀北青少年の家と同
様、学校の野外学習の場として施設を利用してもらうことが生き残りに欠かせない条件です。学校と青少年の家は別物ではなくて、この施設を学校で出来ない体験の場として活用することが青少年施策の目的です。

 他県の事例として岡山県や兵庫県では、教育委員会が青少年施設の所管箇所となっていて、教育委員会が学校と青少年施設を所管していることから、上手く連携を図れているそうです。兵庫県のある青少年施設は、地元小学校の施設利用率は98%にも及んでいるそうです。これは年間計画として、当初から小学校の学習の中に野外体験を組み入れているためです。学校の学習を補完する施設とソフトとして青少年施設が存在しています。

 そのため青少年施設の活用を図れないのは施設管理者の責任ではなくて、青少年行政の問題だと思えます。時代が変わっても青少年の健全育成の必要性は変わりませんから、地方自治体が担うのか、指定管理者制度で担うのか、民間事業者が担うのか、誰かが責任を担う必要があるものです。青少年教育であり利益を上げることが難しい分野ですから、民間事業者ではなく行政機関が担うのが妥当と考えています。

 青少年施設の役割は青少年の健全育成ですから、それは人生教育です。人を育成する教育にはお金がかかりますし、成果は長い視点で捉えないと分からないものです。早急な費用対効果を求めても無理なものですから、赤字や黒字ではなくて、青少年の健全育成の目的が今も大切なものかそうでないのか、県として明確にしてから結論を出すべきものだと考えています。

【県内視察その3】
最後は障害者福祉施設の由良あかつき園と由良みのり園です。ここで分かったことは、行財政改革は机上で検討するものではなくて、現場で考えるべきものだと言うことです。
 数字と成果物を比較するだけだと、費用対効果が表れていない施設は即廃止となります。
 仕事とは効率化と最大利益を求めるものですからそれは間違いではないのですが、箱モノ管理ではなくて、人とのつながりがある施設運営はソフトですから、簡単に廃止とは言えません。人が関係している分野の行財政改革は、現場で考える必要性があります。

 現場を支援するために管理部門が存在しています。最も大切なものは人が交流している場である現場なのですが、いつの間にか管理部門が力を持ち始めています。現場は外の人との交流窓口ですが、予算と人事権を持っているのが管理部門なので、組織的にはそこが力を持っているのです。

 障害者福祉施設は費用対効果の尺度で測れるものではありません。365日、24時間、一人ひとりの特性に応じた支援が必要ですから、相当な人員配置が求められるのです。人件費を考えていたら、とても障害者福祉施設が成り立つものではありません。民間ではなく行政機関が担うべき福祉分野の取り組みなのです。そしてそのためには施設が必要なのです。施設があって支援体制を整えるのではなくて、支援が必要だからそのための施設が必要だと考えると廃止とはならないのです。

 幸いこの施設の指定管理を受けている事業者は責任のある方ですから、県が必要ないというのであれば、施設を移譲してくれたら継続して運営を行うと話してくれました。指定管理を受けている期間は平成23年までの期間ですから、それ以降の取り扱いを今から検討しておく必要があります。
 これらの施設運営を指定管理者制度による公募を続けるのか、施設の移譲をして現事業者に任せるのか、それを検討する必要性があります。
 
【懇親会】
 夜は金田まりさんディナーショーの関係者による懇親会に参加しました。約300人が集まったディナーショーは大成功でした。これが契機となって平成21年3月には和歌山市民会館で松原のぶえさんとの共演につながったのです。人生、何が起きるのか分かりません。
 全力の取り組みの後には神様からのプレゼントが待っています。金田まりさんは、夜の11時から翌日の午前1時30分までの間、毎日発声練習を欠かしていないのです。それは毎日のことです。この努力の積み重ねが成功を呼び込み、その次につながっています。偶然や幸運は努力をした人の下に訪れてくれるものです。

【懇談会】
 更にその後、教育関係者と懇談会を行いました。高校入試制度や学力向上のための問題、そして本日私が見た施設の概要などに関して意見交換を行いました。勉強は辛いものですが、自分の意思で勉強ができる環境があること、そして保護者が勉強をできる環境を整えてくれていることに感謝すべきものなのです。
 夜遅くまで燈っている教室の電気が暖かく感じられました。
10月16日(木) 「関西独立リーグ構想」
【関西独立リーグ】
 関西独立リーグの中村社長が県庁へ挨拶に来てくれました。和歌山県の紀州レンジャーズの支援の依頼と来春開幕する関西独立リーグの現状の報告をいただきました。関西独立リーグの将来構想は予想以上に関西地域を巻き込む姿になっています。都市型の独立リーグを目指していることから、広く中部圏まで範囲を広げて一年後には8チーム、二年後には12チームでリーグを組織するなどの構想があります。チーム数が増加すると地区制にすることも考えられますし夢は広がります。
(関西独立リーグの中村社長と)

 地元に独立リーグに所属するチームがあることの幸せを感じたいものです。これだけ各地でチームが結成されると、野球チームがない府県の方が多くなって来ています。和歌山県は黙っていたら声を掛けてくれる地域ではありません。もし紀州レンジャーズを結成していなければ、関西独立リーグ発足時には参加対象外の県になっていたのです。もしそんな事態になっていたら、またしても47番目の県と言われていたかも知れません。良くない事態を避けられたばかりか、来年春以降の夢が広がっています。

 ところで関西独立リーグの目的は二つあります。ひとつは野球を通じた地域振興。もうひとつはプロ野球を目指す若者が、夢に向かって挑戦するための舞台作りです。
 わが町に野球があることは地域にとって大きな利点です。和歌山県内にいるとプロ野球を観戦する機会は極端に少なくなっています。上富田町にプロ野球の二軍戦が年に一試合程度あるだけです。それが、紀州レンジャーズが存在することによって、和歌山県内で年間36試合も観戦することが可能となったのです。和歌山県内には数か所の野球場がありますから、県民球団を目指す紀州レンジャーズにとっては全ての野球場がホームグラウンドとなり得るのです。試合日程や球場の確保の問題がありますが、可能な限り県内を回りたいと考えています。

 もうひとつの夢を追い掛けられるチームについてです。野球人を志す選手にとって、高校、大学、社会人、そしてプロ野球とレベルが上がることによって狭き門になって行きます。次に移る段階で野球を諦める選手が限りなく存在しているのです。そして一度グラウンドに立つ舞台を無くすと、再び、夢を目指すことが出来なくなります。独立リーグは、プロを目指す選手たちの受け皿としての役割もあります。ドラフトで指名されなかった。家庭の事情で進学を諦めた選手などに対して、挑戦する機会を提供する場でもあるのです。
 地域のために、夢を追い掛ける選手のために独立リーグは存在しています。和歌山県の紀州レンジャーズは、その二つの役割を担っているのです。
 中村社長達と数か所を訪問し、関西独立リーグと紀州レンジャーズについて報告をさせていただきました。

【防災対策】
 和歌山県の庁舎として初めて防災対策としての室内対策事業が発注されています。県の防災対策として画期的なことですから注目しています。ところが不思議なことがあります。仕様書に掲載している留め金具の数量と、図面に掲載している留め金具の施工必要個所の数量が違っている個所があること。当然、東牟婁振興局の現場に入って、現場調査の上、見積もりをする必要があるのですが、現場調査に入りたいとの連絡がない事業者が大半であること。初めての仕事なのに、現場を調査しないでどのように見積もりするのか不思議です。考えられることは、仕様書に掲載している留め金具の数量に対して単純に単価を乗じて総額を算出する方法ですが、執務室によって壁や床の強度が違っているので計算通りには行きません。やはりどうしても現場確認が必要なのです。

 そして極めつけは、仕様書記載事項に対しての質問が寄せられていないことです。初めての仕事なのに、請負を希望する事業者から何の質問も寄せられていないことも不思議です。仕様書には金具の強度や品質の指定がありませんから、日用品程度の金具で良いのか防災用の金具を使うべきなのか迷うところですが、何の問い合わせもないのです。使用する金具によって単価は全く違いますから見積もり額は大きく違ってきます。単に安ければ良いという性質のものではありません。県職員さんの生命が掛っている仕事ですから、価格だけで事業者を決定することはあり得ないことだと思います。

 入札額は全く予測できませんが、今回の室内対策事業では200万円から1,000万円程度の開きが出ると思います。価格幅が大きいと予測していますが、それは事業者が県職員さんの生命の重さをどの程度見ているのかの評価でもあります。安ければ良い施工では納得できないと考えています。何故なら、大地震の際には県職員さんが先頭に立って私達を導いてくれるものだからです。肝心の東牟婁振興局の職員さんが職場で怪我をしたり、職場環境が乱れているようなら、とても救助や市町村への司令塔の役割は果たせないからです。
 職場における県職員さんの安全を確保することは、私達県民全員の安全を守ることにつながるのです。もし形だけの室内対策の仕事であれば納得できないものです。この入札に参加する事業者には真剣になった積算と安全対策を講じて欲しいと考えます。

【チャリティ贈呈式】

(チャリティシャンソン実行委員会から
福祉団体へのチャリティ贈呈式)
 今年開催した和歌山巴里祭の収益金を、社会福祉の分野で活躍している団体に寄贈するための贈呈式を行いました。橋本代表、池内副代表を初め和歌山シャンソン協会の皆さんが出席しての贈呈式となりました。勿論、和歌山市役所の福祉関係部署の協力を得て実施したものです。関係者の皆さまに心から感謝申し上げます。

 さて今年の贈呈式は心に残る素晴らしいものでした。出席してくれた団体の皆さんからの活動報告内容はいずれも心に沁み入ってくるものばかりでした。和歌山シャンソン協会の財政が厳しい中でしたが、実施して本当に良かったと思っています。
 私の挨拶の主旨は以下の通りです。

 お集まりいただいた皆さん、お忙しい中、本当によく御出で下さいました。お待ちしておりました。本日皆さんとお会いすることを楽しみに待っていました。心から嬉しく思っています。そしておめでとうございます。皆さん方の日頃からの活動、心から敬意を表します。先ほど橋本代表が皆さんのところを周っている光景を拝見していると、昨年のことを思い出していました。昨年の言葉の中に素晴らしいものがありました。「この寄付金は私達の活動にとって命の泉のようなものです」。そして「作業所のみんなで、かめのこ・ブートキャンプを踊っています」と話してくれていたことが、つい先頃のことのように思いますが、もう一年も経過していることに驚きます。そして今年もお会いすることが出来ましたこと、本当に嬉しく思っています。

 今年の和歌山巴里祭は10周年記念だったため経費が思った以上に必要となり、フェスタとしては赤字決算となりました。収益が上がらなかったので今年の贈呈式は実施できないかも知れないと思いましたが、理事会では「収益が赤字だったたけれども、贈呈式を行いたい」と全員の思いが一致して全会一致で贈呈式を行うことに決定いたしました。そのため財源を和歌山シャンソン協会の会計から支出することにしました。これも会員の皆さんの総意で決定されたものです。つまり会員の皆さんが拠出した資金を取り崩して、今回の寄付金に充てています。命の泉に近い、シャンソン協会会員の思いが詰まったお金なのです。是非とも有効に活用して欲しいと願っています。

 このお金を通じて、皆さんの福祉に取り組む活動と心でつながっていると思います。私達は心で皆さんとつながっていると思っています。これからも心でつながった活動を一緒にさせていただくことを嬉しく思いながら、挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
 そして参加した各団体の皆さんからの感想や活動報告を拝聴させていただきました。素晴らしい言葉ばかりで初めから終わりまで聞き入りました。一例を挙げます。

 ダルク和歌山。全国での活動は25年目に入っています。ただ資金難と人員不足などのため和歌山市内での活動拠点を失い、活動が行き詰っていました。今回の支援は再出発するに当たって心強いものになりました。麻薬中毒の患者は情報元と人のつながりを断ち切ることが絶対必要です。和歌山県の麻薬中毒患者の場合、北海道か沖縄の施設で更生を図るのです。麻薬患者を救済するための活動は凄まじいものがあります。身体も精神も人間関係もズタズタになる程です。全国で50か所の拠点がありますが、和歌山県内には拠点が失われています。これからの巻き返しを応援したいと思っています。

 かめのこ会。今年、無認可施設から、小さいけれども認可施設になりました。立ち上げてから8年間の活動は命の水をすすってのものでした。長屋の一区画を作業所として拠点を作ってから、徐々に活動を広げようやく長屋の全ての区画を作業所にするまで展開することができました。孤独な活動でもありますが、私達の活動を聞いてもらえる人がいること、聞いてもらえる場所があることは本当に嬉しいことです。聞いてもらえる人が存在していることが活動の源になっていると思っています。

 虎伏学園。定員60名に対して入居者は60名。そのうち70%が虐待を受けた経験のある子ども達です。昭和37年に発足してから今まで虐待を受けた子ども達を預かってきました。現在の建物が老朽化しているので、和歌山市の用地であるつつじヶ丘の土地を購入して、移転する計画にしています。移転完了は平成21年4月。名称をつつじが丘学舎にすることを検討して、引き続いて子ども達のために活動を続けていく予定です。

 紀峰村塾。活動を開始して21年目に入っています。障害者の生徒のための高校を卒業した後、子ども達は行く場所がなくなるのです。まだまだ社会は障害者を受け入れてくれませんし冷たいのです。そんな高校を卒業した子ども達を預かっています。生活することを通じて仕事を学んでいます。仕事に就いた子どもであっても、社会に馴染めないことがありますが、そんな時はまた戻ってきてもらっています。
 仕事場の本館は、温室のビニールハウスのパイプで枠を組み、ビニールのトタンで囲っている質素なものです。ここが活動の拠点にしています。これまで何の支援も受けていませんでしたし、これからも自主自立で頑張っていくことにしています。
 主な意見だけを記載させていただきました。全ての団体の活動は感動的で素晴らしいものでした。こちらが学ぶことばかりでした。ありがとうございます。

【意見交換】
 友人Kさんとその友人Yさんと三人で意見交換を行いました。Yさんは平成20年2月、つまり今年初めに独立して事業を立ち上げています。それまでの会社生活から事業主として活動を開始しています。一番経済環境が厳しい時に独立した訳ですが、これを乗り切れたら会社の発展があります。社会奉仕活動や勉強会への参加も熱心に行っているので、結果として活動の領域を拡げているようです。仕事が全てではなく社会参画することは、やがて大きな果実を実らせてくれます。

 仮に私がKさんのことを素晴らしい人だと思っていたなら、誰かからの問い合わせに対して、Kさんの紹介だったら大丈夫だから依頼を受けようと考えることになります。
 逆に私がKさんのことを心良く思っていないとします。同じようにKさんからの紹介で依頼があったとしたら、その依頼を断ることになります。
 それほど人づきあいは大切なものです。信頼できる人からの紹介者は信頼できる人ですし、逆の場合は逆の結果が生じます。このように、自分の知らないところで評価されている場合があるのです。自分が知らない場面での評価は伝わらないことがありますが、知らないところでの評価が、その人の真の評価なのです。

 Kさんがある事例を言ってくれました。先頃、「○○さんを紹介したいから」との連絡があったそうです。その人とは会ったことがなかったのですが、Kさんは「そう言えば以前、片桐さんが○○さんは良い人だよと言っていたなぁ」と思い出したため、○○さんに会うことにしたのです。会った結果、○○さんは評判通り信用できる人だったそうです。

 これも良い評判を聞いていたことから新しい人のつながりができたひとつの事例です。
 厳しい時に独立したYさんですが、きっと周囲の人の輪が助けてくれると思います。良いご縁は大切にして、末長いおつきあいをお願いしたいものです。
 人と人との出会いは、これまでと違った何かを生み出してくれるものです。
10月15日(水) 「関西独立リーグ」
【朝の打ち合わせ】
 朝一番での打ち合わせは建築物のリニューアルに関してのものでした。昨今の経済情勢から和歌山県内では事務所棟などの新築が少なくなり、リニューアル物件が多数を占めています。事務所棟なら施工に問題はないのですが、特殊な施設であれば和歌山県内で施工実績が少ないため県外の施工状況を参考にする場合があります。建設事業者の方に来ていただき施工概要を確認しました。全国、世界レベルで事業展開しているこの会社の施工実績を踏まえて話を伺いました。東京や大阪は勿論のこと、ドバイやエジプトにも現地事務所を設置し施工に当たっています。日本の土木や建設技術は世界レベルですから依頼があるようです。
 それらの実績と比較して和歌山県内での実績は寂しいものがあります。建築物が多いことが全て良いことではありませんが、活性化のひとつの指標にもなります。

【懇談】
 引き続いて某女性会役員の皆さんと約30分、懇談の機会をもちました。最初に話を伺うと、県議会は余り身近な存在ではないようでした。時間の制約があったため、現在作業が進められている行財政改革と予算に関して説明をしました。

 現在は右肩上がりの時代ではないので、地方自治体の予算規模が伸びることはありません。そのため県財政は、予算を削りながらも必要な予算措置をしなければならない厳しい状態にあります。来週決算委員会が開催されますが、決算審議がどのように行われるのか、架空の例を用いて説明しました。

 例えば、県職員の方に手帳を5,000部配布したという決算実績があったとします。本当はこのような事例はありませんのでお断りしておきます。県の仕事として一人一冊、県の規定などを記載した手帳が必要なため全員に配布する費用が仮に1,000万円だったとします。決算委員として、「今の時代に県職員に手帳を配布するのは如何なものか。スケジュール管理のための手帳などは自己負担とすべきではないだろうか。次年度からは廃止すべきだと思う」などの意見提議を行い当局と手帳配布のあり方について議論を交わします。

 当局からは「職員の規範を保つために統一した手帳が必要です」
 議員からは「必要性は理解するとしても、絶対的に業務で必要ではないので、希望者に購入してもらうように改めては如何でしょうか」などの議論が繰り返されることになります。
 結果として、手帳を職員全員に無償で配布することは時代背景を鑑みると適切でないと判断された場合、翌年度から廃止され1,000万円の予算が削られることになります。そして教育や福祉など必要な施策の予算として1,000万円が配分されることになります。勿論、平成21年度の県予算ではマイナス10%のシーリングがかかりますから、全額が他の予算として充当されるものではありませんが、少なくとも手帳購入費用が他の施策に当たられることになります。

 このようにして決算では問題点の指摘と議論を行い、次年度の予算に向けた方向づけをする役割を担っています。限られた予算ですから、必要な個所に配分し役割を終えた施策への予算は廃止する縮小する方向に向ける必要があるのです。県民の皆さんの意見を聞きながら決算の審議を行い、次年度の予算編成につなげるのです。

 小学生の子どもを持つ保護者からは教育費用の負担軽減策や学力向上のための施策に予算を配分して欲しいと要望があると思いますし、福祉に熱心な方からは、福祉事業や福祉への補助施策に重点配分をして欲しいと要望を受けることもあると思います。このように皆さんの意見を総合して時代に見合った予算編成を行うのです。
 このようにして決められた予算ですから、私達の生活に密接に関係することになります。福祉に優しいまちを目指しているのか、教育に熱心なまちを目指しているのか、企業誘致に力を注いでいるのか、予算から読み取ることが出来ます。是非、新年度の予算方針と予算編成に関しては関心を持って見守って下さい。

【防災対策】
 防災対策について意見交換を実施。防災対策とは、建物の耐震対策だけではなく室内対策も同等に重要であることが全国的に知れ渡って来ました。大地震では建物倒壊による死亡よりもタンスやテレビなどが倒れて来たことによる圧死が、より多くの比率を占めています。建物倒壊の前に室内にある家具などが倒れてきたことによって先に死亡している場合が殆どなのです。
 室内対策のための金具や、パソコンなどを振動でも動かなくするための粘着テープなどが開発されています。以前からは日常的な留め金具はあったのですが、防災対策用の金具はありませんでした。ようやく専門的な金具が考案され市場に出始めましたし、専門の施工者も登場し始めています。静岡県や愛知県などの防災先進県や原子力発電所などは、これらの専門家による専門器具の取り付け施工を行って万全を期しています。
(防災対策のための器具が開発されています)

 これらの県や施設では、お金の安い高いの判断ではなく、生命を守るために必要な施工方法を採用しているのです。そして施工を希望する事業者は、必ず施工対象とになる建物の確認のため現地に入り、現場に即した施工方法と金具を選択し経費の見積もりを行っています。信じられないことですが、県の仕様書だけを見て、現場を見ないで室内対策の見積もりを提出している事業者もいるようです。これでは安全性を確保できません。現場確認と室内対策用の金具を使用した施工は、防災対策として必要な諸条件です。予算面だけで判断すると、大災害発生時に取り返しのつかないことになります。どこに価値を置くのか、事業主体は考えて欲しいところです。

【ライオンズクラブ理事会】
 夜は和歌山ゴールドライオンズクラブ理事会に出席しました。私からの提案は交換留学生に対するクラブからの補助金支出に関してのものでした。和歌山レオクラブ会長が交換留学制度に合格して、冬季にニュージーランドに派遣することになりました。幹事クラブとしてクラブの正式な社会貢献活動として位置づけを行い、派遣費用の負担を行うことを理事会全員一致で承認していただきました。
 またピンクリボン運動in和歌山の代表的な行事が先の三連休で実施しました。それに先立ってピンクリボン運動in和歌山実行委員会に私達のクラブとして支援金の寄贈を行いましたのでその報告も実施しました。
 本年度も会員の総意で社会貢献につながる活動を積極的に行っています。

【関西独立リーグ】
 平成21年春の関西独立リーグの開幕が近づいてきました。関西独立リーグの中村社長が打ち合わせのため和歌山県に来てくれました。当面のスケジュールとして、今年11月初旬、関西独立リーグに参加を希望する選手のトライアウトが開催されます。その後、トライアウトに参加して選手を対象とした関西独立リーグに参加する5球団によるドラフトが開催される予定になっています。

 和歌山県の球団である紀州レンジャーズも参加する予定ですが、既にチームに所属している選手がいるためドラフトでの選手指名に関しては流動的です。来年のシーズンに向けたチーム編成はこれからの課題ですが、一年間苦労を共にしてきた今の選手で最初のシーズンを戦いたいと思う気持ちと、勝負にこだわり優勝を目指せるチーム作りをする考えもあります。和歌山県の活性化と選手の夢の実現、チームにとってはどちらも大切にしたいものです。新チーム編成に着手する時期に差し掛かっています。

 さて関西独立リーグに参加する府県では盛り上がりを見せ始めています。
 大阪府では、橋下知事が関西独立リーグを応援すると府庁の所管に指示を出し、府としてどんな支援が出来るのか検討を行ってくれています。具体的には住之江公園球場で年間20試合するための日程を確保してくれました。更に球場の支援だけでいいのですかと大阪府からの依頼があり、連携方法を協議しています。今月10月22日には関西独立リーグの石毛顧問と中村社長が橋下知事を訪問し、協議することになっています。

 また兵庫県井戸知事は、兵庫県内で神戸市と明石市に2チームを擁することになるので全面支援を検討してくれています。中でも明石市の北口市長は、独立リーグで市の活性化を図ろうと考えてくれています。具体的には明石市民球場に照明設備を設置し、ナイトゲームを可能としました。明石市民球場はJR明石駅の前にあり、野球を通じて駅前の活性化を目指すという明確な方針を掲げています。そして明石市のスポーツ振興基金から1,000万円を含む3,500万円の支出と、地元チーム事務局支援のためプロジェクトチームを組織し市職員4名を派遣する体制を整えてくれています。

 奈良県はチーム結成に向けた取り組みを行っているところであり、奈良県知事としての支援方法の動きは具体化していません。
 このような大阪府知事と兵庫県知事は全面的支援を約束してくれています。そして北口明石市長は、各チームのフランチャイズ都市の市長と応援団を結成したいと考えているように全面的な支援を約束してくれていますから、市同士のスポーツや文化などの交流機会にしたいところです。

 いずれにしても関西全体の活性化の一環として関西独立リーグは役に立つと考えています。折角の機会です。それぞれのチームは全力で走っていますから、地域として盛り上げを図って欲しいと考えています。

 関西独立リーグは都市型リーグのモデル確立を目指しています。中村社長は地域振興とチームの交流による経済効果創出、そしてレベルの高い試合を皆さんに観ていただくことを目指しています。平成21年春の開幕はスタートの段階ですから、その次の年度、またその次の年度に向けた凄い仕掛けを考えています。和歌山県のチームが関西独立リーグに参画できたことは本当に素晴らしいことです。もし紀州レンジャーズが結成されていなければ、関西独立リーグの取り組みも都市間の交流、盛り上がりも関係のないものになっているところでした。地域にとっての紀州レンジャーズの存在は、全国から見ると大きな存在なのです。

 何しろ関西独立リーグの各チームは年間72試合を予定していて、各フランチャイズ都市で年間36試合開催することになります。和歌山市の紀三井寺球場で年間36試合開催されるのですから、和歌山県にとって画期的なことなのです。

 そして残りの年間36試合は、明石市、神戸市、大阪市、奈良市の各都市で開催されることになりますから、紀州レンジャーズは遠征することになります。このアウェイの機会は、和歌山県の観光と名産品を売り込む大きなチャンスになります。和歌山県と県内の各市町村では県外で誘客のための観光キャンペーンを行っていますが、紀州レンジャーズと協働すれば絶好の観光キャンペーンの機会にもなります。和歌山県の広報大使として紀州レンジャーズを活用して欲しいものです。
10月14日(火) 「NPO談義」
【ミーティング】
 朝からミーティングを実施。複線型の人生を歩んでいる先輩から、いくつかの人生訓を教えていただきました。

 ひとつ。企業や組織は遊軍の重要性を認識していない場合が多いこと。成果主義導入後の企業では個人に成果目標を与えていますから、具体的な数値を求めるようになっています。例えば年度の上期と下期のそれぞれの販売目標などの結果系の指標と、顧客リストに基づく訪問回数などのプロセス系の指標などが示されるため、日常業務に余裕がなくなっています。余裕がないとは、良い意味での遊びの部分がなくなることを示していますから、短期的に数値をあげるための仕事が全てになります。ですから社外人との情報交換や、ちょっと近くまで来たので立ち寄ろうとする姿勢がなくなって行くのです。

 その結果、企業では全て役割の決まった陣容となり遊軍が存在しなくなります。企業にとって具体的数値目標を与えにくい遊軍は、どうしても配置する部門がなくなってしまうのです。平時や平穏な日常においては遊軍の存在価値は分かりません。しかし企業において毎日が平時ばかりではないのです。従業員が交通事故を起こしたりトラブルに巻き込まれたりすることがあります。取引先との関係が拗れて、以降の商談が進まなくなることもあります。

 こんな場合、社外人と人脈を形成している遊軍の人がいると上手くトラブルを回避したり解決させることが可能です。人の世の中は思っている通りに、または全て形式通りに進むものではありません。人が関係する仕事においてイレギュラーはつきものと考える方が正解です。

 野球に例えると、ピンチの際に最少失点で踏み留める役割を果たしてくれるのが遊軍なのです。満塁のピンチに登場する肩の強いライト。リリーフ投手などの役割を果たしてくれるのが遊軍なのです。人生は先発完投ばかりではなく、多くの場合は人の助けが必要です。相手に数多く勝つためには、守備においては守備能力の優れた選手、セットアッパーやクローザーの存在が不可欠です。攻撃においては得点機におけるバントの得意な選手や勝負強い選手や代走の役割を担ってくれる選手の存在が不可欠です。

 スターティングメンバーの9人だけで固定するだけでは一試合だけなら勝てるかも知れませんが、長期戦においては勝ち続けることはできません。人生は間違いなく長期戦です。先発の選手だけで勝ち続けることはあり得ません。もっと言えば、先の試合を優位に進めるためのスコアラーの存在や長期的に勝てるチームを築くためのスカウトの存在は欠かせません。直接の勝負に関わっていないと思われる遊軍が、組織にとっては絶対に必要なのです。

 成果主義の企業においては遊軍の居場所がなくなりつつあります。しかし一見不必要に思える遊軍の存在意義は、組織がピンチに陥ったりチャンスを掴んだ時に力を発揮します。
 正攻法の固定メンバーだけではピンチを解決させることはできても、長期化するか不利な解決を余儀なくされます。固定メンバーだけだったら、チャンス到来の時にプレッシャーに弱い選手に出番が回ってきたとしたら良い結果は期待できません。
 遊軍の有難さと力を企業は知っておくべきなのです。

 ふたつ。文章を読むとその人の能力が良く分かるというものです。他人の心や他人が考えていることを知ることは難しいものです。そんな時、文章を書いてもらうと何を考えているのか推測することが可能となります。

 特にトップの人が次席の立場の人に、式典や会議の挨拶文を書くように指示することがあります。一定規模以上の組織のトップであれば、式典の挨拶なら原稿なしでも話すことは可能です。それでも挨拶文を支持するその精神は次のようなことです。

 挨拶文の内容から、課題を適切に把握しているのか、間違った考え方をしていないかなどを把握することができるのです。トップが挨拶原稿を読んで、書いた次席の組織課題に関する認識が的外れなものであれば、そこで修正することができます。考え方に偏りがあれば、それも修正することができます。

 文章を読むと、文章を書いた人の考え方や勉強の量が分かるものです。特に他人の文章を読むと自分の文章を読むよりも書いている内容が良く分かるものです。同じテーマを複数の人に書いてもらうと考え方や問題意識の差が良く分かります。同じテーマであっても書く人が違うと全く同じ文章というものはあり得ませんから、考えていることが良く分かります。

 尤も、最近ではインターネットに掲載されている他人の文章のコピー・アンド・ペーストが流行っていますから、全てが正確なものだとは言いにくい面もあります。しかしこれを見抜く方法はあります。複数のテーマの文章を書いてもらうと自分が書いたものか、そうでないのかが分かります。文章には癖がありますから、言葉づかいや用語の使い方で本人のものかどうかは見分けがつきます。

 大人が小学生の文章を読むと、他人の文章からの引用が多いのか自分の考えに基づいたものなのか直ぐに分かるものです。小学生が背伸びをして文章を書いても、大人の視点で見ると分かってしまうものです。これは大人の方が多くの文章を読んだ経験があり、現在の社会情勢に詳しいからです。
 同様に経験を積んだトップの人が、トップよりも経験の少ない次席の文章を読むと、その考え方が分かるものですし、どの部分が引用されているものか分かるものです。書いた本人が分からないと思っていても、実は見抜かれている場合が多いのです。

 しかしそれは批判するためのものではなくて、弱点を指導したり考え方に幅を持たせるため、或いは後継者として育成するために挨拶文などの作成を指示しているのです。自分が書いた文章を自分で読んでも弱点は見つかりませんから、経験者に見てもらうことが上達の早道です。ただ面白いことに、数年前に自分が書いた文章を現在の自分が読んで見ると、その稚拙な文章に恥ずかしくなることがあります。当時は全力で書き上げた文章であっても、その当時の実力はその程度のものだったことに自分で気付きます。つまり数年前から文章力も考える力も成長していることを意味していますし、そのことを自分で確認できるのです。

 このことから、現在の自分の考え方が間違いないのだと思うことは誤りだと言えます。人は誰でも生きている限り発展途上です。明日の自分は今日の自分よりも確実に成長しています。経験者から見ると現在の自分のレベルは自分では気付かなくてもその程度なのです。ですから常に謙虚であり続けなければなりません。謙虚な人はこれからも成長し続けるものですし、地位や立場を得て謙虚さを失ったとしたら成長はそこで止まります。
 ですから時には、過去の自分と比較して成長していることを確認するために過去の文章を読み返したいものですし、経験者から指導を受けるためにも、挨拶文などの指示があれば進んで引き受けたいものです。
 文章は心を形にして表現してくれますし、自分の考え方を認識し謙虚になることで成長させてくれる手段にもなります。文章を大切にしたいものです。

【水彩画】
 先輩が和歌山市に縁のある作品を見せてくれました。ひとつは和歌浦のあしべ橋、もうひとつは和歌山マリーナシティの風景画です。優しいタッチと詳細なスケッチ力を持ち合わせた作品です。最近は水彩画の面白さが分かってきたので、絵を書くペースが上がり作品の量が増大しているようです。
 人生の趣味としてこれからも水彩画を生み出してくれると思います。今日はありがとうございました。

【NPO談義】
 本日のランチタイムミーティングは、和歌山県NPOサポートセンターに関してのものでした。先に県が発表した行財政改革のひとつとして、和歌山県NPOサポートセンターの廃止の問題があります。県財政と社会情勢の変化などによって存在意義が失われたことからもセンターを廃止するというものです。和歌山県内にNPO活動に携わっている人は大勢います。廃止のニュースを受けた活動家の皆さんは、悲しいや悔しいを通り越して、今までの活動の評価がこの程度のものだったのかと落胆している場合が多いのです。一気に県の活性化に関わろうとするNPO関係者の熱を冷ましてしまったような発表です。

 未だ本当に廃止するのか存続の可能性があるのか不透明であるため、不安を感じている人がたくさんいます。NPO関係者に心の不安を与えてしまっている現実は、あるべき現実としては良くないと思います。
 NPO活動に関わっている多くの人は仕事を抱えながら、そして人生の経験を活かしながら活動しています。そして次の世代に自らの経験を伝えるために、まちの活性化のお役にたてるようにと活動しています。
 これらが否定されたかのような現実は、まちの活性化のために決して良くないと思います。曇り空が続くのは良いことではありません。

【その他の活動】
 三連休明け。かなり慌ただしい一日でした。

道路拡幅の問題に関する現状と地元からの要望に基づく解決方針について協議しました。元を質せば、現場説明当時、地元は要望を言ったのに、施工者は聞いていないという行き違いです。水かけ論になるとお互いが納得して解決することは困難です。両者とも自分の過去の記憶が正しいと思っていますから、歩み寄る余地は少ないのです。
 幸い接点を見出すことができたため、短時間で解決することができました。こんな時のためにも文章で残すことの大切さが分かりました。

学童保育に関する意見交換。経済的問題から、夫婦共稼ぎの家庭が増えていることから学童保育への要請は高まって来ています。社会の変化は教育環境にも影響を与えるものになっています。

和歌山県NPOサポートセンターの存続問題に関する意見交換を行いました。話し合いを続けていますが、サポートセンター存続の必要性は多くの人の意見であるように感じています。明日も話し合うことにしています。

紀州レンジャーズ支援に関する話し合い。関西独立リーグの中村社長も明後日和歌山県にやってきます。来春の開幕に向けた打ち合わせを実施する予定です。

県有地の取り扱いに関して協議。不必要な県資産は売却する方が財政面から好ましいと思います。みなさんからの要望と財政面からの売却判断の価値を比較検討する必要があります。

和歌山巴里祭実行委委員会から障害福祉に関係する団体への寄贈に関しての最終打ち合わせを実施。明後日、贈呈式を予定していますから、進行と席順を確定する作業に入っています。

カジノ構想に関する打ち合わせ。法制化が図れていないため今後の話になりますが、世界の都市の例からすると経済効果が見込まれるため、各地方自治体で誘致活動をしているところが多くあります。和歌山県として、関西としての位置づけを話し合いました。

医療問題に関して。健康不安を抱えている人は数多くいます。こんな時、県立医科大学付属病院の存在は有難いものだと感じています。白内障と動脈瘤の不安を抱えている方達からの相談をいただきました。万全の治療を望んでいます。

家庭での地球環境問題に関する取り組みの成果についての提言をいただきました。エネルギーの自給自足を図っている和歌山市内でのある取り組みは、全国に誇れるものだと思っています。発表する機会を得たことから益々活動に弾みが付いています。
10月13日(月) 「防災講演」
【防災講演】
 和歌山市中心部にあるフォルテワジマの6階に、和歌山大学のサテライトキャンパスがあります。ここで防災講演会が開催されたので参加して来ました。
 防災とは生命を守ることです。生命を守れない対策は防災対策とは言えませんから、防災とは未然に災害を防ぐこと、即ち、事前対策を講じることを言います。事前対策を講じていない場合、地震や津波などの災害により危険な状況になる

(和歌山大学サテライトでの防災講演)
ことが予想できます。この場合、予想できたことへの備えをしていないことから人的災害にも分類できるものです。

 分かっているのに対策を実施しないのは不作為そのものであり、表向きでは自然災害による被害ですが、実は防ぐことが出来ていた人的災害になる恐れもあります。
 食料の備蓄や飲料水の確保、そして毛布の調達などは災害への備えとして必要な対策ではありますが、人的リスクを軽減するものにはなり得ません。考えれば簡単なことで、食料と飲料水を備蓄しておいても、生命の安全とは全く関係がないからです。行政的課題は死傷者の発生を防ぐことですし、個人としてすべきことは自らと家族の安全を確保し、生命を守ることなのです。同様に、危機に備えて会社がすべきことは従業員の安全を守ることであり、学校においては生徒の安全を守ることです。

 防災とは何をおいても生命を守ることであり、このことは100万回言っても言い過ぎることはないほどです。お金があっても生命を失うと、蓄えた意味は半減します。地方自治体においては公共施設などの防災対策を実施していますが、予算を削って有効でない防災対策を講じても全く意味がないのです。建物に関する防災対策を安く仕上げるために、L字金具を使って什器類を固定する方法があります。確かに安く仕上がりますが、大地震の時などは全く効果がなく、近くにいる人の生命を脅かすことになります。

 このようなL字金具は、日常生活における落下防止などの対策用として効果があるものですが、防災対策用の金具ではなく防災対策には活用できないものです。日常防水の腕時計は、洗顔の時などの水飛沫程度であれば効果がありますが、海に飛び込んだら防水効果がないのと同じようなものです。防災対策には防災対策用の専門器具を取り付け、専門家による施工をされることが条件です。

 予算をケチってそこにいる人の生命を危険にさらすことは、お金を大事にして生命をその次に考える行為であり、全く以って本末転倒です。私の少ない経験から言うと、自らの生命よりもお金の方が大切だと言った人は、たった一人だけです。その人はお金を失うことによって今の安定した生活がなくなることは考えられないので、お金を失った場合は生きることはできないと言う理由からの回答でした。その人なりの価値観ですから否定はできませんが、より多くの人は、生命の安全を最優先させる考えを持っていると思います。

 結論として、防災対策には建物の耐震補強と室内対策の両方が必要です。まず建物の耐震補強をしても、室内の什器類の固定やガラスの飛散防止を施していなければ効果はありません。何故なら、建物が残っても人の生命が失われたとしたら、それは防災対策を施していたとは言えません。専門家が室内対策の重要性を指摘しているにも関わらず施工していなかったことは、人的災害であったと言わざるを得ないからです。

 良くある例が、学校において先生が、L字金具などを買ってきて教室内のテレビやロッカーを固定していることがあります。残念ながら、先生は生徒に教科を教えることのプロですが室内対策のプロではありません。大地震の発生時には、学校の先生が施した固定物は簡単に吹き飛ばされていることでしょう。このような室内対策では、学校が生徒の安全確保に努めていたとは評価されないのです。
 人的リスクを軽減させることが防災対策であり、それが室内対策という事前対策なのです。日常の内に実施しておくことは防災対策、大災害発生時などの非常に行う対策が応急対、そして大災害発生後の対策が災害対策なのです。この三つの対策は全て実施する内容は違います。それを分からないで防災対策の段階で、応急対策や災害対策を施していても、やらないよりはマシですが、時間と予算を無駄にしてしまいます。

【メイド・イン・和歌山】
 和歌山発の飲料水と化粧品に出会いました。飲料水は「大師の水」。高野山の麓で採取されたきれいで飲みやすい水です。2007年と2008年のモンドセレクションで二年連続金賞を受賞した和歌山県の水です。和歌山県内で採取され、和歌山県の会社が詰め込みと発売をしています。
 また化粧品は竹エキスを配合したものです。竹の作用が皮膚にみずみずしい作用を及ぼしてくれるようです。美容と健康を考えて竹繊維を活用したこの化粧品も和歌山県産です。関係する経営者から熱心な説明を伺いました。和歌山県から全国に広まって欲しいと思います。
(和歌山県産の大師の水と竹エキス入りの化粧品)

【経済談義】
 世界経済が失速、アメリカでは歴史上で最大の経済危機とも言われているように、アメリカ発サブプライムローンの破綻の影響が思った以上に影響を与え続けています。そもそも、信用力に乏しい低所得者向けに高金利の住宅ローンの貸し付けを行い、その債権を高金利の証券化にしてばら撒く行為は、いわば詐欺行為にも当たるようなものです。このシステムを考案した当の本人達は、もうそこにはいない筈です。高額のお金に関して返済能力に欠けている人達に貸し付けをすると、そのうち返済が滞り破綻することが分かっていた筈です。そんな危険なシステムを構築して世界に発信させた責任が問われるべきですが、その後始末を国や当事者でなかった金融機関に任せている現状はおかしいと感じます。

 その煽りを受けて日本では上場企業でさえ資金調達に走り回っているほどです。金融機関ではリスク回避のため、優良企業向きでさえ短期貸付金利は高くなっていると聞きました。不安心理が経済を益々低迷させる方向に向かっています。
10月12日(日) 「名所」
【免許更新】
 三連休の中日。誕生日が過ぎているのに運転免許証の更新をしていなかったため、午前中は県交通センターで免許証更新に行ってきました。この5年間無事故無違反でしたから、今回も5年間有効な免許証の交付を受けました。待ち時間の間、安全運転の心得と道交法改正のポイントの講習を受けました。飲酒運転の厳罰化は知っていたのですが、自動車普通免許が中型免許に変更なっていることは知りませんでした。貨物などの中型自動車の運転免許が新たに創設されたので、従来の普通免許が中型免許に変更されています。平成19年以降に普通免許を取得した人が新制度の普通免許取得者となっているようです。
 免許更新手続きを忘れると、新規取得と同じような扱いになりますから厄介です。何とか手続きを終えて一呼吸置けました。

【名所】
 久し振りに和歌山市に来た人に「和歌山市の名所やお勧めの場所はどこですか」と尋ねられました。他都市では数年も経つと、新名所や若い人達が集えるようなショッピングスポットが誕生しているようです。
 この問い掛けに対して即答できないことに気付きました。新名所が即座に思い浮かばなかったのです。最初に思い浮かんだのは、中心市街地のシンボルであるフォルテワジマです。しかしそれ以外は思い浮かびませんでした。

 後になって考えてみると、映画館と大型の本屋のあるメッサオークワか郊外にできたイズミヤなどが挙げられます。残念ながら、それ以外に活性化している場所は見当たりませんでした。ですから、偉人を巡る観光地となり得るような岡公園から県立博物館や市民図書館などの周遊コースを早く設定しなければならないと思いました。他府県から来てくれた人に紹介するスポットがないことは残念なことです。しかも若い人に尋ねられた時に答える場所がないのです。既存の施設では、唯一和歌山マリーナシティだけだと思います。

 まちの活性化と簡単に言いますが、現実は他府県の人に言えるような、そして他府県の人を誘えるような場所は誘致できていないのです。住んでいる人が活性化していると思えることと、他府県の人が和歌山市は元気があると思ってくれるようなまち創りを目指したところです。何気ない「和歌山市のお勧めの場所はどこですか」の一言への答えが、まちの活性化の答えになります。今のところ十分な答えは見当たりません。早く名所のある活性化した姿の和歌山市にしたいものです。
 休日の夜のJR和歌山駅前は、人通りが少ない寂しい光景でした。

【その他】
レアメタルの取り扱いに関する協議。世界的に需要がひっ迫しているレアメタルは各国で争奪が繰り広げられています。ハイテク機器には必需品ですから、日本にとって欠かせないものです。この問題にも関心を持っておきたいと考えています。
県有地の取り扱いについて相談がありました。
県道工事に関する要望を受けました。地主さんが道路改修工事着手に際してひとつ要望をしていたのですが、それが守られないで着手されているようです。話が違うと工事説明者に尋ねたところ、要望を受けたと回答していたことを認めましたが、計画変更までには及びませんでした。来週の話になります
10月11日(土) 「わかやま商工祭」
【事務所開き】
 田辺市において県議会で同じ会派に所属している「真わかやま」の玉置公良議員の事務所開きがあり出席いたしました。玉置議員は次回の国政選挙に挑戦する予定で、現在毎日5か所程度の街頭演説を行っているようです。10月中は1,000回の街頭演説を目標にして活動していますから、既に壮絶な闘い繰り広げています。
 身を捨てて地域のために、国のために尽くしたいと話していたように、この苦労は自分のためにだったら出来るものではありません。大きな目標があるからこそ耐えられる苦労だと思います。大きな舞台に挑戦することを簡単なことのように言う人がいますが、大変な勇気が必要なもので決して簡単なものではありません。厳しい選挙区において立候補を考える人が少ない現実がそれを物語っています。
 変えるためには、その活動において象徴的なリーダーが必要となります。リーダーのいないところに変革はありません。田辺市以南から代議士は約20年以上も誕生していないそうです。
 この挑戦に対して本日は約1,400人の方が駆け付けました。県政から国政へ、厳しい戦いですがChangeは時代のキーワードとなっています。

【わかやま商工祭】
 和歌山市内のビッグホエールでわかやま商工まつりが開催されました。和歌山市を代表するお祭りで、例年、数万人の人で賑わいます。今回も会場は大勢の人で溢れていました。
 知り合いの人もたくさん会場内にいて、話をしながら歩いて周りました。その中で、ひとつ勉強になる意見をいただきました。

 ある議員は、自分の考えていることや日頃の活動を、自分の言葉を以って挨拶をしていたそうです。別のある議員は、金融危機に関して新聞報道されているようなことを挨拶で話したそうです。議員としての活動の紹介も経済環境の紹介も、どちらも大切なことですが、人は議員の考え方と実践活動を知りたいと思っているようで、簡単な言葉で身近な活動報告をしてくれる方の評価が高くなっています。
 自分のことを自分の言葉で話をする。普段から真剣に活動していることで、活動報告可能な言葉が出てきます。言葉は普段のに活動を表す試験紙みたいなものです。

【ライブ】
 和歌山市内のカフェ、デサフィナード佐野安佳里さんのライブがありました。和歌山県内でのライブは10か月振りのことで、一回り大きくなった佐野さんのライブを約60人が楽しみました。歌の構成は和歌山県で活動していた時の歌を中心にしていたので、お客さんにとっても親しみがありました。最近は東京でのライブ活動を中心にしているため、地元に帰ってくることは少なくなりましたが、地元では温かく迎えてくれていると思います。

 今日の佐野さんの歌声を聴いて感じたことがあります。まだまだ天井は見えてないという感想です。まだまだ伸びる、そして次のステージに移ることのできる可能性を感じました。天井が見え始めると活動の領域は狭まりますし、限界点も感じ始めることになります。
 限界点を突き破るのではなくて、限界点を遠く先に持って行くようにしておくと、自由な活動が可能となります。当然のことですが、佐野さんの頭上にも天井は見えませんでした。今年11月23日の和歌山城を舞台とした「城フェスタ」の最終日、最後を飾るライブを佐野さんが務めて「城フェスタ」を終える計画になっています。今夜のステージのようにみなさんを奮わせて下さい。
10月10日(金) 「NPOサポートセンター」
【NPOサポートセンター】
 和歌山県施設の県NPOサポートセンターが廃止される案が、県庁の所管部から記者発表されています。行財政改革の一環として廃止が検討されています。前提として、地方自治体の財政が厳しい中ですから行財政改革は必要不可欠なものです。しかしそのツケを県民である私達が必要と思っているものに回すのは如何なものかと考えます。

 和歌山県NPOサポートセンターを廃止対象にしている理由は次の通りです。
1. 社会情勢の変化により存在意義がなくなっている。併せてNPO法人の設立のお手伝いをするために存在している機関であって、十分NPO法人が設立できているため必要性は薄れているとの理由もあります。
2. 県内の各市町村にコミュニティセンターなど利用できる施設が整っている。
 この二点が廃止理由だとされています。
 そして県NPOサポートセンターを廃止しても、県としてNPO活動への支援は必要であるため県直営でサポートをすると考えているようです。

 1.については次のように考えます。
 NPO活動を支援する社会的役割が薄くなっているとの見方に対しては、むしろ社会は逆の方向に向かっていると答えます。一時期ほどではないものの、民間活力を地域社会に導入することと、肥大化した行政機関を小さな行政に移行するためにNPOを初めとする民力を社会は必要とするように変化しています。社会の要請はむしろNPO活動を必要としていますし、その拠点となるNPO活動をサポートする公的なセンターはより一層必要となっています。

 県NPOサポートセンターとはそれぞれのNPO法人をつなぐ役割と、国や地方自治体市、大手企業からのNPOを支援するための施策や補助制度などの情報を提供する役割を担っています。つまりNPOの検索エンジン的役割を担ってくれているのです。この機能が失われると、NPO法人同士の横の有機的なつながりが消え、NPO法人の体制や情報収集能力の差によって活動に支障が生じ始めます。

 日本人が大好きな言葉の「とりあえず」、困ったことがあったらNPOサポートセンターに話を聞こう、訪問しようという検索の入口的役割を果たしてくれているのが和歌山県NPOサポートセンターなのです。
 地域力を担っているNPO法人にとって、この機能が無いと困りますよ。
 NPO法人が十分設立されているので、後は支援組織がなくても大丈夫だとの理由に関しては次の通りです。

 NPO法人への支援とは、設立準備と運営上の困ったことを相談する体制を確立しておくことにあります。作ってしまえば、後の運営は自助努力に任せる。一見、きれいに映りますが、現実的にはそうは進みません。NPO法人の設立者は基本的には経営の素人です。NPO法人は立ち上げてから運営と経営をして行かなくてはなりません。理事会の開催に、予算案と事業計画の策定、決算処理と報告が求められます。そのためボランティア活動の延長線にあるような素人的経営では、やがて活動が行き詰ることになります。

 地域社会に貢献したいと思ってNPO法人を設立したものの、維持することだけに力が削がれてしまい、結局組織のお守に時間を要し何もできなくなってしまうのです。「NPOという法人なんか設立しないで、楽しくやっておけば良かった」となってしまいます。
 NPO法人は設立して終わりではありません。設立して、ある意味社会的使命がなくなるまで半永久的に活動を継続させなければならないのです。息の長い活動ですから、道の途中において誰かのサポートが必要です。専門的知識を有し、NPO活動の経験を持つスタッフのいるサポートセンターは、これからも続ける必要があるものです。

 2.に関しても同じです。NPO活動家は箱モノを欲している訳ではありません。箱モノと経験があり指導してくれるスタッフの力を必要としているのです。箱モノがなくなるとスタッフもバラバラになってしまいます。その瞬間にNPO活動への支援体制が消失してしまいます。
 確かに市町村にはきれいなコミュニティセンターが存在していますが、NPO活動を支援してくれるだけのソフトがないのです。部屋を借りるだけの箱モノでは代替性はありません。

 NPOサポートセンターがなくなることは、パソコン機器本体はあるものの、基本ソフト装着されていないでインターネットにも接続されていないパソコンのようなものです。モノの価値はあったとしても使用する価値がないのです。
 そして県直営でNPO活動の支援位は対応できる。指定管理者制度を活用した委託費を削減する方が大切とする考え方に関しては、次のように答えます。

 和歌山県NPOサポートセンターの年間委託費は約4,000万円弱です。県直営で体制を整えるとすれば、県職員の配置が必要となりますから、今の内室の体制よりも人を増員することに迫られます。例えば管理職員一人と一般役職一人、そして担当者二人を配置するとどうなるのでしょうか。人件費、社会保険費、福利厚生費など勘案すると四人正職員が増加すると、年間4,000万円程度は必要経費として計上されると思います。

 結局、コスト削減にはつながらないのです。
 社会的使命が終えた施設を廃止するのであれば、代替組織は必要なくなりますから、全てを経費削減に回すことが可能です。しかし社会的使命がある業務に関して、その施設とソフトを廃止し直営業務にすると、決してコスト削減にはならないのです。
 ましてNPO法人は経験を積み、それぞれの分野において専門性が生じ始めていますから、人事異動によるローテーションがある県職員では要望に対応できなくなっています。県職員の増員と経験のいる仕事負担をさせてまで、センターを廃止する意味はないと考えます。

 そしてもうひとつ。平成20年度からNPOを所管する県の組織は課から内室に格下げされています。内室とは班体制のようなもので、ここだけを所管する課長は存在していないのです。
 平成19年度の県組織体制から平成20年度の県組織体制に変更なった時、県は和歌山県NPOサポートセンターを充実させるので県の中のNPOを推進する課を縮小すると話しています。県直営の仕事をサポートセンターに移行させているのです。課から班に格下げすることによって県職員を削減していますから、またNPOを支援する部門を県直営に戻し、職員を増やすことは行財政改革とは言えません。

 当局の主張する廃止理由は、全てこれらの理由により反論することができます。廃止する正当性の根拠は感じられないというのが私の主張です。

【教育談義】
 県立や市立学校の教育水準について意見を伺いました。これらの公教育について、和歌山市内では厳しい状況に置かれているようです。このままでは崩壊するとの強い意見もあり、相当の危機感があります。指摘事項は大きく三つあります。

 一つ。現在、公立中学校では五段階評価ですが、成績の良い生徒は私学に進学するか、または既に県立中学校に進学しているため格差が広がっているとの指摘です。
 そして和歌山市内では県立中学校が設立されていることと私立中学校が増えていることから、市立中学校の授業内容は難しくなり、依然と比較して先生の負担課感は増え続けているようです。

 二つ。教育委員会の子どもや議員の子どもは殆ど公立学校に進学していないとの指摘です。調べてみるとおもしろい結果が出るよと話してくれました。公務員や議員が自分の生徒を公立学校に進学させないのは理由があります。公立学校の学力レベルが私学と比較して劣っていることを認めているからです。

 自分の子どもを公立学校に行かせていないのに、公教育に意見する人がいれば公教育を語る資格はありませんし、それ以上に滑稽です。そんな人が公教育を運営している、または議員でいること自体、和歌山県の公教育がどうなっても良いと思っている証拠です。
 更に話してくれました。そんな人に「何故、子どもを私学に進学させたのか」問い質すと、大抵は「子どもが私学への進学を希望したから」と答えるそうです。子どもではなくて保護者が勧めているのは当たり前で、子どもを逃げ道に使っているというものです。

 公教育を語る資格があるのは、自分の子どもを公立に進学させている関係者だけです。自分の子どもを私学に進学させておいて公教育のあり方に意見を言うのは的外れで、そんな人の意見は何の値打もないのです。野球で言うと、内野でも外野ではなく、観客席に座っていながらグラウンドにいるプレイヤーに批判を言っているようなものです。実際にプレイしている人は、そんな意見を聞いて直すことはありません。プレイしている人だけが実際の現場を分かっているのです。
 和歌山県の公教育の議論を聞いていると無責任に感じます。自分の子どもを、公教育を信頼していないことから任せていない教育委員会と議員に口出しさせないで欲しいと意見がありました。
 一度、調べてみると真相が判明しそうです。

 三つ。和歌山大学付属小学校の近くに広瀬小学校があります。付属小学校の一学級定員は30人、広瀬小学校の同定員は40人になっています。一学級の定員を少なくした方が教育は行き届くので、30人学級にして欲しいとの要望はずっと以前からありますが、実現していないのです。それに対して国立の付属小学校の一学級は30人学級を実現させています。
 そのため教育熱心な家庭は付属小学校に進学させる場合があり、広瀬小学校区では毎年約10人が付属小学校に進学しています。ですから広瀬所小学校では各学年とも一クラスになっています。一クラスは37人から38人であり、40人以下なので1クラスに編成されています。もし付属小学校に進学している10人が広瀬小学校に進めば、48人程度となり、2クラス編成になるのです。子どもの教育環境を整えるためには、その方が好ましいのです。
 勉強する環境に不公平があってはいけません。広瀬小学校でも30人学級を実現させて欲しいと意見をいただきました。

【グラナダ】
 スペインの南部の都市グラナダ。グラナダからお客さんが和歌山市にやって来てくれました。名前はアステナ・モレノ・コンデさんです。アラビアダンスの公演のために日本に来てくれました。既に大阪と和歌山での公演を全て終了し、日曜日に関西空港からスペインに帰国する予定です。

 今日は和歌山市内を巡り、夜から高野山に入ります。スペインからしても、高野山は神秘の場所で強い関心があるそうです。スペインの日本旅行には京都、奈良、高野山というコースがあるそうです。

 アステナ・モレノ・コンデさんは日本に関心があり、日本文化と音楽をグラナダで学んでいます。お三味線や尺八、着物と日本舞踊、そして禅にも関心があるそうです。アラビアダンスのルーツはインドとも言われていますが、実際はエジプト、トルコ、インドなどからの文化の輸入と融合によってグラナダで新しいダンスが生まれたようです。

 グラナダでは8世紀まではイスラム教で14世紀に入ってカトリックに改宗なっているようで、宗教と文化の変化と融合の歴史が今のグラナダの文化を形成しています。

(森久美子先生、
アステナ・モレノ・コンデさんと一緒に)
その分、その国の歴史や文化に関心が高く、日本文化についても良く知っていました。
 フラメンコの森先生がスペインと日本の文化交流を目指して、アステナ・モレノ・コンデさんを来日させてくれました。和歌山県で気に入ったものは、お米と寿司、魚料理だそうで、和歌山県を好きになって帰国してくれることで、これからの交流が深まりそうです。

【ライオンズ合同会議】
 夜は和歌山市内のアバローム紀の国において、和歌山市内の九つのライオンズクラブが一堂に会し、合同会議を行いました。地区ガバナーも出席してくれた盛大な会議となりました。新年度になって三か月、新しい活動方針の下、社会奉仕活動に努めています。
 問題は経済環境です。会社経営が厳しい中、社会奉仕活動を行える余裕がない環境になりつつあります。会員維持と増強が大きな課題ですから、年末にかけて厳しい運営が続きそうです。
10月9日(木) 「県政報告会」
【今日の午前】
 午前はあるひとつの案件に取り掛かりました。
 お互いの意見が対立している場合、どちらかの意見が100%採用されて解決することは滅多にありません。お互いに譲歩することで問題は解決に向かいます。言い合うことでは何も解決しないことが良く分かります。言い合うのではなくて譲歩し合うことが大切なのです。仮に、言い合いをして問題が解決したとしても信頼関係は崩れますから、結果としては良い解決方法とは言えません。勿論、それでお互いの関係を断ち切るのであればそれで良いのですが、人間社会は絆が大切ですから、自分本位の考え方では、いずれしっぺ返しが来ると思います。
 お互いに納得できるまで話し合うことが大切なことを学んでいます。

【昼食会】
 ランチタイムミーティングを行いました。議題は地域医療、国体、和歌山県内の経済情勢などでした。地域医療に関しては、県内に県立医科大大学付属病院があることから、県民に安心感があると言うものでした。セカンドオピニオンは半ば常識になっていますが、県立医科大学付属病院は患者さんにとって最後の砦のような存在にもなっています。どれだけ安心感があるのか計り知れません。和歌山市に市民病院がありませんから、高齢化社会に突入している和歌山県和歌山市民にとって心強いものがあります。

 また国体に関してですが、現在開催中の大分国体では和歌山県は41位になっています。
 またしても指定席の40番代となっていて、7年後の和歌山県二順目国体で総合優勝を目指していることから現状では厳しいものがあります。今から着実に順位を上げる対策が必要だとの認識で一致しています。

 経済問題については金融が鍵となっています。運転資金不足によりこれから益々厳しくなっていくと予測している人が多く、年内の和歌山県経済は不透明感が漂っています。

【心配り】
 仕事は心配りが大切な要素です。ある方に、ある案件で相談させていただいたのですが、
 素早い行動力とフォローにより解決に向かい始めました。仕事を進める―上で一番大切なことは、組織の権限者にモノを言うのではなくて、実際に仕事をしてくれる担当者に話をすることなのです。上からモノを言うと仕事は早く進むものですが、担当者からすると上司から不条理な命令が発せられることになり面白くありません。担当者に話をすると同時に、陰に隠れて権限者にもバックアップを依頼しておくことが大切です。担当者が仕事し易い環境を作ることが将来に亘って信頼関係が長続きする秘訣です。
 一言声を掛けること。簡単なようで忘れ勝ちですが、その一言が大きな役割を果たしてくれます。

【県政報告会】
 夕方からは県政報告会を行いました。報告の主な内容は、平成20年9月定例会での一般質問に関するものでした。報告会の三本柱は教育問題、防災対策、行財政改革で構成しました。
 現役世代にとって教育問題は関心事です。自分の子どもが小学生から高校生の間にいると学力向上のための対策、高校入試の問題などに意見がありますし、興味があります。人を育てる教育で成果を上げるためには長い時間と予算を必要ですから、成果が見えにくい難しい課題だと思います。それでもわが国と地域の将来のためには欠かせないテーマです。
 報告会の後には懇親会を行い、参加してくれた皆さんとの意見交換と交流を行いました。

【その他の活動】
風洞発電に関する意見交換。新エネルギーと環境保全の観点から注目が集まり始めています。
車椅子社交ダンスへの理解を求めるイベントについて意見交換。チャレンジドの皆さんとの交流の機会を大切にしたいと考えています。
和歌山巴里祭の収益金の寄贈先に看過して協議を行いました。来週、贈呈式を予定していますから最終選定に入っています。
10月8日(水) 「訪問活動でのご意見」
【ご挨拶】
 早朝から市内の企業をお邪魔し、朝礼で県議会報告を兼ねて挨拶をさせていただきました。主旨は次の通りです。

 みなさん、おはようございます。日頃から皆様方にお世話になりありがとうございます。9月末で県議会定例会を終えたところですが、県議会は私達の生活に直結する案件が多く、県政は決して止めることができません。国政は混迷の色が濃くなっていますが、県議会ではしっかりと一般質問を初めとする議会活動を行っているところです。この議会では、和歌山県出身の偉人を誇りと思うための郷土教育の必要性と大災害に備えた地震対策について質問と提言を致しました。教育問題と防災対策は私達にとって大切な問題であり、一歩でも前進させていきたいと考えています。

 県議会では皆さんからの意見を聴かせていただいて諸課題解決に向けた取り組みを行っていますが、最近の意見と要望に変化が見られます。今までは福祉や教育、雇用問題などが多かったのですが、秋口になって会社の資金繰りの悪化に伴う運転資金の調達に関する依頼が多くなっています。こんなことは初めてのことです。資金調達が困難になっていることから、業績は決して悪くないのに経営が行き詰る場合もあるのです。噂レベルですが、年末に掛けて中小規模の会社で倒産するところが増加するのではないかとも聞くことがあるほどです。国政において総合景気対策としての補正予算成立が急がれることで、まず景気対策をしっかりと成立させる必要性を感じています。ですから、まず経済対策を最優先にすることが私達の生活を守ることだと考えています。

 ところが国政に関してはその先が分かりません。詳しいところまでは分かりませんが、報道されているとおりの今の国の財政状況からすると、借金で運営が困難なところまで来ているようです。会社が運転資金に行き詰ると、会社をたたむか経営者が責任を取るか、M&Aで経営権を譲渡するかなどの方法があります。

 国の場合、たたむことは出来ませんから、国政を担っているところが責任を取る必要があります。責任を取るとは一族同党の経営支配をなくし、役員体制を一新することを言います。国政の場で言うと、政権を担うところを変えなければならないことになります。同じ政党内でトップを変え続けることは責任を取ったところならないのです。会社であれば、行き詰った会社支配を同族の持ち回りにより乗り切ろうとすると、当該会社に出資している株主からの突き上げがあります。国政の場合は、主権者である国民からの信託がそれに該当します。つまり現状を踏まえた選挙による信託を受けた議員による内閣で政治運営を行うのが自然です。
 そうなっていないところが混迷を深めている要因であり、早く民意に問い掛けるべきだと思っています。私達の代表を選ぶ機会を一刻も早く実現してもらいたいところです。

 今後ともみなさんと一緒になって、和歌山県を元気な県にして行きたいと考えていますので、ご指導方よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 
【訪問活動でのご意見】
 引き続いて市内の数社を訪問させていただきました。みなさんお忙しい中、丁寧にお出迎えいただきましたこと感謝申し上げます。
 みなさんから寄せていただいて主なご意見を記載致します。

和歌山県は何をしても数字的には40番台の指標となっています。他の府県が成長すれば、その後を追うような形で遅れて成長局面に入りますし、経済などが失速し始めるといち早く後退局面に入ります。どれだけ国政を担う政党のトップが変わったとしても、和歌山県はこれからも何も変わらないと思います。思い切って変化させないと国も、和歌山県も低迷から脱することはできません。次の総選挙には今までで一番、期待しています。

飲食店に於いて。
 仕事柄全国の都市を回っていますが、これほど飲食業界に活気がない都市はありません。特に県庁所在地は駅前を初めとして景気が悪いと言っても、まだかすかな賑わい感が感じられます。ところが夜9時になると和歌山市内では人の姿が殆ど見られなくなります。飲食事業者として悲しいことです。他の府県と同じように努力をしていますが、結果が伴わないのです。経営している私達にも問題はあると思いますが、まち全体の姿を描き、活性化を図るのは地方自治体であると思っています。
 人を店先にまで来てもらえるまでを地方自治体が担って欲しいと思います。店に入るか入らないかはお客さんの意思ですから文句は言えませんが、余りにもまちを歩く人のが少ないのです。全国で最も少ない都市になっていると感じています。和歌山市の代表的な飲食街の新内は壊滅状態ではないかとも思います。個人経営者の努力の域を超えた状態が和歌山市です。

統計からすると和歌山県は全国で47番目の県だと言われています。このままではいつまで経っても47番目の県であり続けます。もう私達は変化を求めています。今度こそは変えなくてはならないと強く思っています。頑張って下さい。

連立政権だった細川政権の時期を除いて、保守二大政党による政権選択選挙の機会は今回が初めてです。政治でわくわくする感じがするのは初めてです。何とか歴史的瞬間を見たいと思いますし、この中に参画したいと思っています。

全国の特殊法人は4,700もあり、天下りの役人のための人件費は約2兆円もあると聞きました。これを廃止すると少しでも財源が捻出できると思います。しがらみのない政治に期待しています。財源がないから政策は実現性がないと言うのではなくて、財源は作り出さなければならないのです。政策がないと、それに向かっての財源も出てきませんから、まず目指すべき政策を提案すべきです。財源はその後の問題ですから、やる前から財源はどこだと言うことには反対です。仮に今から明確に確保できるような財源があるとすれば、別の用途で使われてしまうか、既存の政策や補助金に取り込まれてしまっていると思います。余っている財源など、どこにも存在していないのです。新しい政策に合わせて作り出すのが財源です。

松下幸之助翁がかつて言いました。国の財源の9割で国の運営を行い、1割を余らして蓄えていくと10年経ったら年間予算に匹敵する財源が確保できることになります。当該年度の予算は全て使いきろうとするから財源不足になるのです。松下翁の精神に基づいて予算の1割を繰り越すような財政運営にして欲しいと思います。

高速道路の無料化は良い政策ですね。アメリカでもドイツでも高速道路は無料ですから、実現可能だと思います。やりもしない段階で無理だと決めつけるのは、世界を知らないからですね。高速道路の収益は約2兆円だと聞いていますが、国政の運営のしくみを変えたらそれがなくなる分は捻出できると思います。高速道路が無料化できたら、今までの戦後政治の継続は何だったんだろうと、思う人が多くいると思います。やってみて変わったら、今までの制度疲労がようやく分かるのです。
10月7日(火) 「保田龍門」
【太陽光発電】
 地球環境問題への関心を持ち何か行動に起こさなければならないと考えている方が、太陽光発電に取り組むことを検討しています。この件に関して朝から打ち合わせを行いました。設備規模は50kW程度ですが、個人として次の世代にきれいな地球を残すために太陽光発電設備による、地域でのエネルギー循環システムを残したいと考えているようです。
 設備投資額と売電による収入見込みを比較して、導入について本格的に検討することになりました。恐らく和歌山県内で、この規模の太陽光発電設備の導入が実現すれば初めてのことだと思います。投資効率や採算性は計算で見通しするのは難しいものがありますが、オーナーは損得抜きで導入を考えている気概を感じました。

【学童保育】
 和歌山市内の公立小学校で学童保育を実施している小学校があります。午後5時までで学童保育の時間が終わっているのが広瀬小学校です。同じ公立でも大新小学校では午後6時まで学童保育を行っていると聞いています。その違いは分かりませんが、個人商店が多い地域では比較的時間が自由になるとの理由から、午後5時までに区切っても問題はないと判断していた歴史があるようです。ところが商店街にシャッター通りが増える変化を見せている時代においては、保護者が働きに出るようになり、以前のように自由な時間が少なくなっています。そのため学童保育の時間が午後5時までだと、保護者がお迎えに行けなくなっているのです。あと1時間学童保育の時間を延長してくれたら、働けるのにそうでないことから折角の学童保育の制度が活かされていない様子があります。

 広瀬小学校の保護者が和歌山市役所に出向いてお願いをしたところ、市の担当から聞かされた言葉は「予算がない」というものでした。「予算がない」は考えることを止めさせてしまう言葉です。この一言で、何もしなくて良くなってしまう魔法の言葉なのです。

 仕事も依頼も陳情も、全て遮ってしまう、役所にとっては使い勝手の良い便利な言葉なのです。ところが市民の方が思い切って市役所に行ったのに、あっさりと「予算がない」ので出来ないと言われて帰ることらなる事例が続発しています。財政再建は克服すべき大きな課題ですが、市民の皆さんの切なる要望も市政運営に関して大切なものです。
 余りに「予算がない」を連発しているようでは、それと比例するように「信頼もない」ことになります。予算も信頼もどちらも大切なものですから、せめて聞く姿勢を持って欲しいものです。

【ピンクリボン運動in和歌山】
 今月は全国的にピンクリボン運動が展開されています。和歌山市内でも実行委員会が企画した取り組みの準備が進められています。象徴的な事業として、今週末には紀三井寺のお堂をピンク色にライトアップする予定になっています。目的は乳がんの怖さを知ってもらい、事前検診を受けてもらうことを訴えることにあります。

 和歌山県でピンクリボン運動実行委員会が立ちあがり、イベントを実施し始めて今年で3年目になります。和歌山ゴールドライオンズクラブでは平成19年、つまり立ちあがってから2年目に主旨に賛同して支援を行いました。今年の運動に関してもクラブとして支援することに決定していますから、本日は真鍋会長と共にピンクリボン運動in和歌山実行委員会の中本会長他の皆さんに支援金贈呈式を行いました。

 乳がんは早期発見により治療が可能です。発見が遅れると取り返しのつかないことになりますから、実行委員会の皆さんは身を削って乳がんの未然防止を呼び掛けています。
 約30分、懇談の時間を持ちました。実行委員会の皆さんは、明日から週末のイベント準備に着手するため、忙しい時間を持つことになるようです。無理をしないで頑張ってほしいと願っています。皆さんの思いが全ての人に届きますように。

【保田龍門】
 和歌山県が生んだ保田龍門画伯。その作品は和歌山市内にも残されていますが、残念ながら気付く人は少ない様です。平成20年9月定例会一般質問でも取り上げましたが、郷土の文化人の作品に親しめる機会をみすみす逃しているのは残念なことです。

 和歌山市には、和歌山城を囲むように保田龍門の作品が残されています。お城の隣にある岡公園の和歌山市立児童女性会館があり、会館の入口には保田龍門の作品「母と子の像」が設置されています。県庁本館には保田龍門の古事記に登場する紀北の神話と紀南の神話の二点のレリーフが飾られています。岡公園と県庁の間に位置する県立美術館にも作品が展示されています。そして紀陽銀行本店社屋には、春夏秋冬を画材にした巨大な作品4点が誇らしげに壁面に存在しています。地元銀行本店を飾るのに素晴らしい作品なのです。
(県庁本館内の保田龍門のレリーフ)

 和歌山城を囲む比較的狭い地域に保田龍門の作品が存在し、歩いて周れる距離のところにあるのです。観光客はその存在を知りませんし、迎える和歌山市でも作品を紹介するパンフレットや案内板はありません。観光資源にもなり得る郷土の偉人の芸術作品なのに勿体ないことです。
 そこで夕方からは、まちづくりの関係者と協議する時間をいただき、保田龍門の作品を巡るマップや紹介文のあり方について話し合いました。観光客がここを訪れてくれると案内するのに半日以上滞在する程で、市内観光で一日を要するため、市内に宿泊してくれることにつながります。本当の観光による地域振興とは市内観光をしたものの通過点にすぎないものではなく、宿泊を伴い経済効果が発生するものが観光による地域振興になるのです。市内の観光メニューが半日や数時間で終わるようなものでは、観光資源にはなり得ませんし観光都市とは言えません。

 既存の観光資源に加えて、保田龍門の作品の価値を再発見し、この作品群が観光資源になれば、和歌山市内は一日以上滞在可能な観光地となり得ます。紀陽銀行ではフォルテワジマに行くお客さんのために土曜日と日曜日には本店駐車場を無料開放しているように、中心市街地活性化のために協力してくれています。今回は銀行本店の壁面のライトアップも検討してくれています。ライトアップすることで、皆さんの注意を惹きつけることができます。まちづくり関係者が保田龍門に着目してくれたことに感謝すると共に、この保田龍門を巡るコース設定か実現するように取り組みたいと考えています。

 和歌山市中心市街地には、フォルテワジマとワジマ十番丁ビルがオープンしていますが、それに続く計画の実現は図られていません。活性化基本計画の象徴的存在であった和歌山大学観光学部キャンパスの中心地への進出は消えてなくなりましたし、JR和歌山駅前ビルの再開発事業も事業主体が撤退し、計画の実現は極めて厳しい状況に立たされています。国からも和歌山市中心市街地活性化基本計画の進捗状況が芳しくないことから、経過の説明が求められていると聞いていますが、観光資源活用によるお城を中心とした観光周遊コース設定は活性化の手段のひとつになり得ると考えています。

 打ち合わせの後、まちづくり関係者と一緒に県庁本館内にある二点のレリーフを見に行きました。当初予想していたものよりも作品が大きかったようで、飛び出してくるような迫力あるものだと感じてくれたと思います。

【意識の問題】
 和歌山市内の警察署が、「土曜と日曜は休み」だとの発言に関して意見をいただきました。
 警察が土曜日と日曜日は休みだと認識している事例を挙げてくれました。県警察本部と警察署、そして派出所には国旗掲揚のためのポールが設置されています。月曜日から金曜日までは国旗が掲揚されていますが、土曜日と日曜日には国旗が掲げられていないとの指摘です。恐らく土曜日と日曜日が休みだと認識しているのではないかとの意見です。治安維持活動には休みがありませんから、この意識を改善して欲しいと要望をいただきました。
 参考までに、和歌山市消防本部では一年中国旗が掲揚されているようです。署員が常に勤務していることを意識している証拠だと市民の方は捉えています。

【その他の活動】
和歌山大学観光学部のその後について意見を伺いました。中心市街地に進出断念は本当に残念だと思っている人が大勢います。
紀州レンジャーズに関してNPO法人の活動の視点で話し合い。地域を盛り上げる方法との組み合わせの必要性も感じています。
太陽光発電の将来の普及見通しと、原材料の品質について現地を見ながら説明を受けました。日本の技術レベルはドイツとアメリカと並んで世界一のレベルになっています。太陽光パネルに関して世界一の技術国なのに普及率が低いことは問題で、今後飛躍的な伸びを持たせるための政策と品質の確保が必要なことを確認しました。
全国的にデベロッパーの破綻のニュースを良く見受けますが、それらの事業者が主体となっている地域開発計画が止まっている事例もあります。事業を引き継いでくれる者がいないことから、地方都市ほど活性化に支障が出てきています。
電柱の強度に関する問い合わせに関して協議しました。計算値と実際を比較すると計算値通りになっていない事例があるとの指摘があり、社会を形成することとインフラ設備が抱えるリスクとの共存について考えました。必要性と危険性のバランスがどの程度であれば許容されるのか、人によって感じ方は違うものです。
今年10月下旬に予定していた某研修会が、解散総選挙の日程が決まらないことから延期することになりました。解散風が吹いているのに解散の時期が分からない不安定な状態が続いていることで、秋の行事計画などが立てられないことになっています。
10月6日(月) 「ミーティング」
【ミーティング】
 週明けのミーティングを実施。昨今の経済環境の厳しさから和歌山市内の事業計画も途中で計画変更や時期を延期するケースが見られます。特に和歌山市中心市街地活性化基本計画にあるJR和歌山駅前の再開発計画に関しては、事業主体のデベロッパーが既に撤退し、事業後継を依頼していた会社も検討した結果、引き受けないことに決定しています。また進出予定のホテルも撤退するなど、計画の実行に暗雲が立ち込めています。着工以前の問題になっているため、今後の事業主体を探しているものの、見通しが立たない状況だと推測しています。

 また和歌山大学観光学部の中心地への進出も既に大学側から断念の記者発表がされているため、事実上、将来にわたって進出は見込めない状況になりました。和歌山市中心市街地活性化基本計画の大きな柱が観光学部の進出ですから、国から基本計画の認定を受けてわずか一年で計画が頓挫している状況です。加えてJR和歌山駅前の再開発計画も厳しい局面にありますから、計画認定から一年で大きな二つの事業が消えようとしているのです。
 和歌山市の中心地を核としたまちの方向性を決めた基本計画が、計画通りに進行していないことに、これからのまちづくりの厳しさを感じます。明日、関係者と現状確認と今後のあり方を話し合うことにしています。

【ロウソクの炎】
 昼は5人で集まってランチタイムミーティングを実施しました。健康対策やまちづくりなどについて話し合いました。この中の一人は止まっていることが苦手で、協議した結果を直ぐに行動に起こそうとしてくれますから、計画進行のための推進力になります。話し合っても結論を導かないで続きを次回に持ち越す場合がありますが、その日の会合でひとつだけでも結論を出すことを心掛けたいものです。

 私達はロウソクのような人になるべきだとの教訓をいただきました。自らを燃やして、自らを削りながらも、周囲の人達を明るく照らすことのできる人になるべきだという人生訓です。自ら燃えることで周囲に熱伝導を起こすことが可能となります。それも一瞬ではなくてロウソクの炎のように、できるだけ長く燃え続ける必要があるのです。物事を成すためには長い時間の継続が絶対に必要です。一瞬だけ燃えることは比較的容易いのですが、炎を燃やすことを継続させるのは困難です。リーダーは静かに燃え続けることができて、周囲に明かりを灯し、温かい気持ちにさせる資質が求められると思います。

 周囲を燃えさせることは、気性を激しくさせることとは違います。まして対立を煽ったり、強行突破するための行動を起こさせるものでもありません。草むらを激しく走るように燃え渡らせる炎ではなくて、松明の炎のように一人が一つずつ明かりを灯そうとする人が増えていく感じが、ロウソクの炎のような人なのです。そんな人が中心にいる地域や組織が理想なのです。

 考えてみれば、ロウソクの炎それ自体は周囲を焼き尽くすものではありません。決して人が得た生きるための炎ではないのです。ロウソクの炎は、人の心を和ませたり、二人の空間と関係を近くしたり、雰囲気を創造したり、冬の寒さをしのぐ役割も果たしてくれます。誕生日の祝福の炎にもなりますし、災害時に灯る命と希望の炎にも姿を変えます。
 ロウソクの炎があることによって力強くもあり優しくもあり、嬉しさも表現できますし、ロマンチックなムードも演出してくれます。リーダーはロウソクの炎のような人であって欲しい。それは一瞬で燃え尽きるようなもの激しいものではなく、長く希望を叶え続けてくれる象徴的な炎なのです。

 本日懇談した経営者であるHさんは、私も知っているある先輩と会った時に「ロウソクの話は必ず片桐君に伝えて欲しい」と頼まれたそうです。「ロウソクのような人になって欲しい」。その一言には、ここに記載したような気持ちが詰まっていると思っています。
 その一言から学べることがあります。聞き流してしまえば自分の身に付きませんが、その意味を自分なりに推測することで、その言葉は自分のものになります。教える側が思っている本来の意味とは違うかも知れませんし、解釈の違いがあるかも知れません。人は置かれた環境や年齢によって感じ取り方が違いますから、思うとおりに解釈し、教訓とすれば良いのです。

 言葉は人が解釈したものを暗記するものではありません。言葉は生きていますから、上手く活かせる方向に自分で解釈すれば良いのです。要は素直に人の言葉を受け取るか受け取らないかです。大きな心ですから、縮こまっていないで空っぽにしておけば、他人の言葉を吸収しは自分のものにできます。食べ物は自ら口に運んで食べないと血と肉になりません。言葉も同じで、一旦素直に受け取らないと自分のものにはなりません。大袈裟に言えば、良い言葉の積み重なりが人格を高めてくれます。

【ピンクリボン】
 今月はピンクリボン運動の実行月です。和歌山市内では、今週末に紀三井寺のお堂をピンク色にライトアップする予定です。和歌山ゴールドライオンズクラブとしてピンクリボン運動in和歌山を支援することに決定しているので、明日、協力のためのささやかな式典を行うことにしました。
 全ての癌を撲滅させたいと願うのは、ピンクリボン運動に携わっている皆さんの願いですし、全てのライオンズクラブの願いでもあります。

【懇談】
 北風と太陽の話は誰でも知っている童話です。相手の心を開かせようとすれば、対立するようも包み込む暖かさを持つことが勝っていることを教えてくれます。力で解決するよりも、心で解決する方が方法としては勝っています。

 人それぞれ考え方は違いますから、大筋同じ矢印であれば同じ方向に向かうことで、そのベクトルを長くすることができます。
 二人のベクトルが同じ方向に向かえば、ベクトルは長くなり、その線は二倍に太くなります。少しの違いなのに全て一致するまで同意しないとするなら、ベクトルは反対方向に向きますから短くなり、一人の時よりも力はなくなります。

 対立すれば真中にある二人の間にある壁は、どちらか力の弱いほうに寄せられます。力で勝っていても休憩して力を抜くと、折角、相手側に寄せていた壁がこちら側に寄せられますから、結局動ける範囲は少なくなりますし、常に相手を睨み続けなければなりませんから、体力的にも精神的にも大変です。

 私達は何時でも広い陣地が必要な訳ではありません。必要に応じて広く欲しい時もあれは、狭くても我慢できる時があるのです。広いスペースが欲しい時には相手から譲ってもらい、相手が欲しいと思っている時には譲ってあげたら良いのです。その方が快適な環境を得られるのです。
 境界線を明確にして乗り入れ禁止にするよりも、境界線付近を相互乗り入れ自由にしておく方が親密度は増し、自由に動ける空間が増えるのです。少しの考え方の違いは乗り越えられますから対立よりも融和です。お互いが北風になって対立するよりも、どちらも太陽になって暖め合う関係の方が手段としては優れています。

 和歌山県の場合、狭い市場環境であることから、どうしてもパイの奪い合いになり勝ちです。厳しい経済環境下にあるため太陽施策は難しいところですが、北風が吹きさらすまちには花は咲きません。暖かい太陽が顔を出せば新緑の季節は直ぐそこまで来ていることが実感できるので、今までの気持ちとは違った心の持ち方ができます。心が違うと行動は変わりますから、このまちも春に向かうかも知れないのです。

【その他活動】
風洞発電についての話し合い。この新エネルギーへの期待感は高まっていますから、焦らないで早く世に出したいと考えています。
和歌山巴里祭の収益金の寄贈先に関して話し合いました。和歌山シャンソン協会の社会貢献活動の大きな柱として、障害者福祉に貢献している団体に対して、今月、収益金の寄贈を行うことにしています。
体調維持のためのダンスの効用について懇談。日常生活では腕を肩から上に挙げる機会が少ないのですが、ヒップホップダンスでは手を挙げる動作が多く、体調維持に効果があるそうです。ダンスをしている人が元気なのは、毎週のように身体を動かしているからかも知れません。今月、一度体験することにしました。
事業用太陽光発電の設置に関して協議。明日、今後のあり方について事業主体者と話し合うことで日程を決めました。
平成19年に挙行された統一地方選挙に関わる自動車賃貸借料金に関する事情説明を受けました。レンタカー会社から県選挙管理委員会に対する請求に誤りが見つかり、是正することにしています。正式には今週中にレンタカー会社から県選挙管理委員会に是正の依頼を行い、その後、今回の誤請求に関係する議員から県選挙管理委員会に対して、この件に関する意見を提出することになります。その後、精算することになります。
2009年は、湯川秀樹博士がノーベル物理学賞を受賞して60周年にあたる年になります。
 この節目の年に、和歌山県との関係も深い湯川博士に関して何かの記念行事的な取り組みはできないものだろうかと話し合いました。関心を持っている物理学関係者もいることから、これに関して考えてみます。
夜は通夜式に参列させていただきました。最近、体調を壊していたと噂で聞いていましたが、入院後わずか三日でお亡くなりになりました。苦しい状況に立ち向かった勇気と今までのご功績に対して、心からご冥福をお祈りしています。
10月5日(日) 「運動会」
【運動会】
 和歌山市立宮小学校の運動会の日でしたが、残念ながら雨天のため明日に順延となりました。朝から非常に判断が下し難いような天気で、一旦、午前6時30分には決行と伝えられました。運動場には保護者が観覧用にシートを敷き並べ準備が整えられましたが、降り止まぬ雨のため午前8時30分に本日のプログラムは中止、明日に順延と決定しました。

 校門前ではPTA本部会長以下役員のみなさんが、懸命に本日の中止を周知していました。本当にご苦労様です。朝6時前には小学校に入り、実施するかどうかの判断を下し、そして直前に中止の判断を下しましたが、相当神経を擦り減らしたことと思います。小学校にとって運動会は、生徒と保護者が一緒に参加できる一大イベントですから、ご家族はとても楽しみにしているからです。明日に順延になると仕事を持っている保護者は参加できなくなり、観客席が寂しい運動会になります。

 本部役員の判断は、運動会を楽しみにしている生徒達の気持ちと、きるだけ多くの保護者に観てもらう機会を作りたいという気持ちから、一時は実施することに決定したのだと思います。その後、徐々に降り始めた雨でグラウンド状態が悪化したことを受けて、競技と演技をする生徒のことを考えて中止にしたと伺いました。保護者にとっても雨の中で協議をする子どもの姿は心配で観ていられないのです。

 わずか数時間の間には様々な思いと判断があったのです。明日に順延になったのはだれの責任でもありません。むしろ本部役員のみなさんは、早朝から準備に着手し、誰よりも早く学校に待機し、これからの天気とグラウンドの状態を確認して判断しているのです。
 午前6時30分には、子どもの期待と保護者に観てもらいたいと考え、実施する方向で考え実施と判断しています。

 午後8時30分には、子どもの安全と保護者の心配を優先させて順延と判断しています。
 時間と状況の変化と共に判断は違ってきます。違った判断を下すことは当然のことです。後は、保護者に迅速に周知することが問題となってくるだけです。決めたことは関係者にすみやかに周知することが事後処理なのです。それさえ出来れば、どちらの判断を下しても問題は発生しません。

 ところが雨の中、校門で本日の中止を説明している本部役員さんに、批判をする人もいたようです。苦情の心理は、雨の中、子どもの勇姿を観るために、早く起きて校庭にシートを敷いたのに中止になったことによるがっかり感。そして午前6時30分に中止と判断していたら、無駄な労力は発生しなかった、つまり日曜日の朝ゆっくりできたのにとのゆとりを奪われた感にあると思います。

 不満を持つのは自由ですが、一番早起きして学校に駆け付け、運動会の準備と厳しい判断を行ったのは本部役員さんです。がっかり感とゆっくりを奪われているのは、お世話をしてくれている方なのです。それを察知できるのであれば、本部役員に文句は言えなくなります。中止の直接的な原因は雨天なのですから。お天道さまに文句を言うものではありませんから、文句は地上界にいる人間の責任者である本部役員に向かうことになります。

 そしてPTA本部役員のみなさんの役割は、運動会だけではありません。一年間を通じて学校行事と生徒の安全確保のために尽力しているのです。その役割の一部分が今日だったのですから、本部役員さんは、不満を言う対象ではなく感謝を述べる対象であるべきです。
 小学校を二度往復した帰り際、出会った本部役員さんに「早朝からお疲れさまでした。明日の運営も大変だと思いますが、明日も頑張ってください」と感謝の気持ちを伝えました。
 天の配剤なのでしょうか、運動会への参加を予定していたため、本日は他の仕事を入れていませんでした。天からいただいた休暇の日となりました。
10月4日(土) 「高校入試」
【打ち合わせ】
 来週の日程に関して打ち合わせを行いました。ひとつは経済問題の会合を行うこと、もうひとつは高度集積型産業の素材に関する打ち合わせをすることです。10月は勉強の秋ですから実り多いものにしたいと考えて行動しています。

【仕事】
 金融危機を受けて厳しい経済状況が続いていますが、和歌山県内の中小企業は一段と経営環境が悪化しています。夕方からある企業の幹部と話し合いを行い、そのことを改めて実感しました。

 会社の資金繰りが厳しくなっていることは直接的な要因ですが、厳しい中においても売り上げ目標は高くなり、只でさえ、乾いた雑巾を絞っているような状況なのに、更に目標値が上積みされることで会社への忠誠心が極点に落ちていることが間接的な将来不安要素であることを感じました。

 従業員さんの態度から会社との付き合い方の変化が分かる様です。事例をあげると、会議で意見を述べていた従業員が全く発言しなくなったこと。会社への愛着や業績を伸ばしたいと思っている内は辛口の意見を発言していたのですが、経営陣が難局を前にうろたえている姿を見せていることから、諦めの気持ちが強くなっているようです。何を言っても将来に向かう姿勢が見えないと感じた時、従業員は黙して語ることがなくなります。

 意欲の低下は他にもあげられます。先輩や幹部から仕事や態度に関して注意しても、聞いて受け入れることをしなくなったそうです。素直な気持ちはこれから伸びるために最も必要な要素です。素直な気持ちは心がきれいな空気のような状態ですから、人の意見を受け入れる下地が整っているといえます。ところが素直さがなくなると心に煙が充満したような状態となり、有難い忠告であってもそれを受け入れる余地がなくなります。

 他人の意見を受けいれるだけの空間を確保しておくことが素直な状態ですが、そうでないとどれだけ良いことを聞いても全く心に沁み入りません。結果、心も行動も自分の範囲で収まり、継続的に成長することは難しくなるのです。
 議論は喧嘩とは違います。激しくても良いのですが、相手の意見を聞き良いところは受け入れる姿勢が必要です。言いあって物別れになり疎遠になるようでは議論とは言いません。議論が終わればノーサイドですから、お互いその前よりも高めあった状態になっている必要があります。

 議論の後に一方から「はいはい、分かりました」と全く聞く余地のない態度があると、何も生みだしていないのです。このように表向き議論のようであっても、一方が相手の言うことを「全く聞かないぞ」という姿勢の場合があります。結果として聞く方は「はいはい、分かりました」と答えてその場を立ち去ることになります。
 言った方は発散して気持ちが良いかもしれませんが、聞かされた方は無駄な時間をこれ以上過ごしたくないと思っています。

 議論のあとに納得して、清々しい気持ちになる時があります。それがお互いを高めあった議論であり、議論する前よりもお互いのレベルは向上しているのです。議論の後に「お互い頑張りましょうと」と握手して、その場を別れられる議論をしたいものです。相手を受け入れる気持ちがある議論は気持ちの良いものです。

 良い会社の仕事場では、素直に議論できる空気があります。この場合は、先輩から後輩へ、上司から部下へと会社の伝統が受け継がれていくのです。伝統とは、長い時間をかけて築いてきた会社の文化なのです。従業員は長く会社に留まり、後輩だった人はやがて先輩となり、何年後かに先輩の教えを後輩に伝えることになります。
 それが出来ていない会社では従業員の在籍年数が短くなり、その結果、何年経っても会社の文化が育たなくなっています。仕事とは、収益と効率だけで計り知れないものがあるのです。

【高校入試】
 ご存じのように平成20年9月県議会の文教委員会において、和歌山県の県立高校の入試の問題が議論されました。平成22年から現行の前後期制を廃止することを一年前倒しして、平成21年の高校入試から一般入試に改めようとするものです。改めると表現しているように、前後期制の評判は悪く一刻も早く廃止して欲しいと多くの要望がありました。

 そこで前後期制廃止に向けて議会として教育委員会と意見交換を行って来ました。その結果、教育委員会の英断によって、より良い制度である入試制度に改めることに決定したのです。行政の課題は、ややもすると結論を出さないで先送りする傾向にありますが、今回、教育委員会は、結論を前倒しするという極めて民間的な決断をしてくれました。

 悪いものは放置しないで早く改善するのは当然のことです。悪い制度を放置したり、もう一年様子を見てから検討するというのは容易いのです。しかし改善を一年先送りにすると、高校入試に関係にない大人にとっては何の問題もありませんが、現在の中学三年生にとっては大きな問題なのです。多くの人にとって高校入試は、人生の中で15歳の春に一度だけ経験するものです。その入試の最初となる前期試験の合格定員が定員の40%である制度では、60%の受験生が不合格体験をすることになります。大人に向かう15歳の春は喜びの春であって欲しいものなのに、60%の生徒が挫折を味わう春になっているのが和歌山県の県立高校の入学試験の実態です。

 この制度をもう一年続けることは、15歳の春に不合格体験をすることになる中学三年生を来年も誕生させることになるのです。それが正しいことなのでしょうか、極めて疑問です。
 平成21年からの制度変更に関しては賛否両論がありますが、来年受験するのは主に現在中学三年生の生徒です。受験生のことを第一に考えるのであれば、先生の準備が整わない、急激な変化は混乱を招くなど、観客席にいる大人が都合を言うことではありません。 
 グラウンドで受験に向けてプレイしているのは受験生なのです。誰も、二回の受験機会があるから前期試験はトライアルで、後期試験において実力を発揮しようとは考えていないのです。全ての受験生は前期試験で可能であれば、合格したいと思っていますし、前期試験に合格するための勉強をしている筈です。二度の受験を目指して勉強をしている生徒はほとんどいないと思います。ですから来年受験する予定の生徒にとって、制度改革の混乱はないと考えています。

 来年高校受験を考えている制度で、今時点において自分の学力レベルを知らない生徒はほとんどいないと思います。この時期、自分の学力レベルを知って受験する高校を絞り込んでいる筈です。来年からの高校入試制度を改革しても、私塾混乱していないのはこのためです。しっかりと学力を身につけるための学習をしている自信があることと、度重なる統一テストによって個々の生徒の偏差値を把握し、適切な志望校選びのアドバイスができるからです。

 慌てる人は普段からの準備を怠っている人か、再来年からの制度変更なのでゆっくりと仕事を進めたら良いと考えていた人達だと思います。事実、教育委員会の方と話をしたところ、教育現場に混乱はほとんどないと伺っています。後は迅速に新しい入試制度の具体的な説明を、入試要項を以って生徒と学校に行うことです。

 唐突にも思っている人がいますが、今回の平成20年9月の教育委員会で、一年前倒しして入試制度を改革することができたのは、平成22年度の制度変更の具体的内容が固まっていたからなのです。新入試制度に対応するだけの準備が整っているからこそ、一年前倒しが可能となったのです。それが出来ていないと、制度改革を実施したいと思っても前倒しはとても出来ませんでした。入試制度改革の体制が整い、前後期制廃止の強い要望があることから、平成21年からの入試制度変更は教育委員会の大英断であったと考えています。 

 現行よりも良い制度ができているのに、準備期間の間隔を十分とって一年後から実施するのでは、平成21年に受験する生徒に申し訳が立ちません。
 現在の中学三年生には一発で合格体験をさせてあげたいのです。勿論、希望高の学力と本人の学力の差によって希望が全て叶うものではありませんが、自分の学力と相談して高校受験すれば、前後期制よりも一回で合格する率は高くなるのです。
 賛否のある平成21年からの高校入試制度改革ですが、良くない制度を迅速に正すことに間違いはないものだと考えています。
10月3日(金) 「文教委員会視察三日目」
【文教委員会視察三日目】
 文教委員会視察三日目は、神奈川県立歴史博物館を訪問しました。この博物館は旧横浜正金銀行本店本館の建物をそのまま使っているもので歴史に彩られたものでした。黒船、ペリー来航など歴史の大事件の記録がここに残されています。和歌山県との関係では、ノルマントン号事件による領事裁判権の問題を説明してくれました。この事件が契機となり不平等条約が改正される方向に向かうのですが、その立役者が和歌山県出身の陸奥宗光が外務大臣ですから今回の視察のご縁は不思議なものです。

 横浜市の地名の関内とは、明治時代に外国人の居住地の内側だったことからそう名付けられたそうです。関内の周囲は水路で区切られているのはその名残です。地名と歴史は深く関わっていることが分かる事例です。
 ところで旧横浜正金銀行は横浜市が本店でしたが、当時、ニューヨークやリオデジャネイロ、中国を初めとして東アジアに支店を出していましたから驚きました。世界で集められた資金を元にしたことで日露戦争を勝利したとも言われています。確かに、何をするにしても資金力が必要ですから、世界に通用する銀行の存在は歴史上の大きな足跡です。
 午後、羽田空港から関西空港、そして県庁へと帰りました。

【教育問題】
 帰ってから経済問題に関する打ち合わせを実施。続いて市内の経営者と教育問題に関して意見交換を行いました。地域の活力は人材育成から始まることを提言してくれました。
 この方が人材を採用して思うことを伝えてくれました。「確かに学力試験で見ると進学校と言われる学校の卒業生の点数は高いのですが、人間力に劣っています。自分の主張をするのですが、他人の意見を受け入れる力はないようです」。単に学力だけを評価するのではなく、スポーツや学校の委員活動なども総合評価して、協調性と横のつながりを持てる力を図るべきなのです。勉強も教えるけれどもスポーツにも力を入れる学校や学習塾のアイデアをいただきました。文武両道。この言葉を実現させる教育が和歌山県の教育だと堂々と言いたいものです。

 もうひとつ。学校の先生が、生徒指導ができないことやモンスターペアレントと呼ばれる保護者への対応などの負担を軽減するため、教育委員会で弁護士団を結成し、いざという時には先生を守るしくみを確立させては如何なものだろうかとの提案です。思い切りやった後に誰もカバーしてくれていないと次からは先頭に立つことはできません。責任を持ってくれる人の存在が大きいのです。後ろに立ってくれている校長先生や弁護士は、普段は改革に向かう心の支えとなり、問題が発生した後は事後処理らに当たってくれます。一人では改革に立ち向かうことはできませんから、一緒に頑張ってくれる人と責任を覚悟してくれている上司の存在が必要です。

 そして大切なことは、改革に立ち向かう場合、必ず反対勢力が出現しますが、額面通りに受け取らないことです。対立する勢力の先頭に立っている人の声は大きいですから、その声が全てだと思ってしまいます。しかしどんな考え方の集団においても、中間層にはバランスの良い人が存在しています。相手の意見を聞くことができる人達です。この人達と話し合いをすることで対立する二つの集団をまとめることも可能かも知れないのです。

 最後に市の中心部に学校があることの地域力についても提案してくれました。中心地に学校があると賑わいと世代を超えた交流が生まれます。地域の人と高齢者、そして子ども達、これらの皆さんの交流が地域の活力になるのです。学校を追い出したり、中心地に呼び戻さないような地方自治体はもう終わっているそうです。人材育成や教育が大切だと言うのであれば、市の一番大切な中心地で育てる場所を持つことです。大切なものを周囲に追いやる姿は確かに不自然です。
 教育は重要な行政の取り組み課題ですから、予算を削減させるだとか改善案に文句を言うなどの姿勢はおかしいと考えています。

【研修会】
 夜は研修会に参加しました。75年間生きてきたMさんが講師として人生論を話してくれました。
 となりが大切。どの分野でも専門家はいますし、知識を持っている人は存在しています。そんな人達に知識で立ち向かっても、こちらの知識程度であれば相手が知っていることばかりなので歯が立ちません。そんな時は知識対知識ではなく、となりの意見を聞いてそれを意見として持って行くことです。知識がある人には市民の声は届いていません。市民の声イコールとなりの人の声ですから、生活者の生の声を届けることで視点を変えることが可能です。何かの役に就いたら、となりの声を聞くことから始めたいものです。

 そしてどこかで誰かのお世話になっていることを忘れないことです。自分の知らないところで誰かが私を助けてくれています。それを直接知ることはありませんが、この瞬間でも誰かが助けてくれている、支えてくれていると思っていれば、自分も誰かのために尽くすための行動を取るものです。
 こんな人生訓を学びました。
10月2日(木) 「文教委員会視察二日目」
 文教委員会視察二日目。午前中は世界文化遺産登録を目指している鎌倉市の寺社で、地元の方からその取り組みの説明をいただきました。鎌倉市は順調に行けば、平成22年の世界文化遺産登録を目指していたのですが、どうやら延期なりそうです。その理由は、鎌倉市よりも一年先に世界文化遺産登録を目指していた平泉市が登録されなかったことにあります。国としては先に平泉市が、続いて鎌倉市の登録を目指していたのです。

 その順序は国宝に指定されたのは平泉が第一号で、鎌倉市の大仏像が二番目だったことから、世界文化遺産登録もその順序で目指すことになっているのです。鎌倉市の今後の取り組み方は決まっていませんが、平泉市の次の行動を見定めながらのものになりそうです。
 ところで鎌倉の大仏像は、中学校で習う歴史教科書に記載されていないと知りました。それは鎌倉の大仏像がいつ、誰によって、何の目的で制作されたのか分かっていないからです。これだけの建造物なのにそれを記した文献が何も残っていないため歴史的裏付けがなく、そのことから教科書で取り上げていないのです。奈良の大仏像は教科書に載っていますが鎌倉のそれは掲載されていないことに鎌倉市の関係者は残念に感じていることがありありと分かりました。

 午後からは神奈川県立菅高校をお邪魔しました。ずっと以前、荒れた県立高校として全国的にも有名な学校でしたが、現在は「普通」の学校としての評価を得ています。平成12年当時は荒れた学校でしたが、平成16年から組織的な生徒指導を導入し、現在は普通の県立高校としての位置づけとなっています。
 ここに至るまでの過程を、今年春まで菅高校の教師で現在は神奈川県教育委員会に所属している野田麻由美先生に伺いました。感動的な話で、荒れたものを普通に戻すことがどれだけ大変なことか、そしてそれを維持させることがどれだけ大変なことかを知ることができました。

 挨拶の励行と朝の10分間の読書時間を取ること、そして全員が部活動に参加することなどの取り組みなどの生徒指導を行っています。今ではどこの高校の生徒よりも礼義正しいと内外とも評価されています。以前は菅高校と言うだけで、アルバイトの採用もしてくれなかったほど評価が低かったそうです。社会の評価は学区制を取っていたことから、地区の最下位校だったようです。社会からの評価がその程度ですから、自分の学校に自信を持てない生徒になりました。自分の学校に自信を持てないことが恥ずかしいことで、何とか他の学校と同じような評価を受けたいとの思いが、このころの生徒の心の内に芽生えたようです。

 先生の改革案と生徒の心の変化、これらが重なり合って主に野田先生のいた8年間を掛けて改革が行われました。現在では今年赴任してきた新しい校長先生と教頭先生が、前任校と比較しても、礼義正しいことに驚いたと話してくれましたから相当なレベルです。制服の乱れはなく、学校を訪れる大人には挨拶をしてくれます。髪の毛は茶髪禁止でピアスなどの装飾品も禁止となっています。全ての生徒がこの規則を守っているのです。

 茶髪が格好良いと思う生徒と茶髪が格好悪いと思う生徒では、その価値感は天と地ほど違いますから品格は確立されています。品格があって学力ですから、その人間力の基礎はできているのでこれからが楽しみです。
「夢はでっかく、根は深く」の言葉が壁に飾られていましたが、根を深く掘って夢を咲かせることが学習する意味であり、大人になった時に必要なものです。
10月1日(水) 「文教委員会視察」
 今日から三日間の行程で県議会文教委員会の県内外視察に出掛けます。本日は田辺市にある中高一貫教育を導入している県立田辺高校和歌山県教育センター学びの丘の二か所の教育施設を訪れました。

 田辺高校は平成18年度から中高一貫教育を導入し、平成20年度で中学3年生までと高校3年生までの六つの学年が全て揃うことになりました。田辺地域内に目指すべき中学校が、伝統校である田辺高校に併設することは意味のあることで、教育水準の向上につながるものだと期待しています。個人的には、学力のレベルを上げるためにはトップランナー方式が有効だと考えています。平均値を求めるよりも上位の成績の生徒を輩出する方法が全体を引っ張ってくれることになりますし、身近で目標になるような生徒が存在することでみんなが頑張ります。頂が高くなることで全体が高くなるのです。

 田辺中学校と同高校にはそれを期待したくなりました全国共通学力テストの結果に関して全国で話題になっています。是非論はありますが、結果は結果として認め、それを活かした学力向上対策を講じることが今後大切です。田辺中学校の生徒も、当然この学力テストを受けていますが、学力は高い位置にあったようです。

 それは勉強に関して努力できる生徒が入学していることと紀南地域で初めての中高一貫教育であり、受け入れている先生は絶対に成果を出すために必死に取り組んでいるからです。その教育に掛ける熱意が感じられました。
 田辺中学に入って六年間頑張る生徒がいる。そしてその生徒の姿を見て田辺高校を目指す生徒が増えることで、地域全体の学力は向上すると思います。良い学力向上のための循環形成が期待できそうです。

 ところで和歌山県内に県立の中高一貫教育を導入している学校は田辺高校以外に、和歌山市の桐蔭高校と向陽高校、橋本市の橋本高校、日高町の日高高校があります。それぞれを目指す生徒が多くいて頑張っていると聞いています。田辺高校で受験倍率が約3倍、和歌山市内の二校では約5倍から8倍になっているようです。地域全体が教育に関心を示し受験機会を活かそうとしています。それが地域の学力レベルを向上させることになると考えています。平均値を厚くするよりもトップを高くしてそれに続く生徒を育てる方が、全体の学力レベルは向上すると考えています。
 岩出市にある那賀高校も中高一貫教育を期待していると岩出市の人から聞いています。地域を超えて県内に向上心が生まれることは良い兆しです。

 和歌山県教育センター学びの丘は、県内の学校の先生の研修施設です。先生も新しい知識を得るための教育、研修を受講することでスキルを磨くことができます。そのための立派な施設が田辺市にあります。
 本日は研究の成果の発表もありました。国語力、考える力を向上させるための教育方法について研究者が話していました。考える力とは、まず文章問題を読んで情報を吸いとる力が必要です。問いに対する答え問いの中にある場合があります。読み取りそれを抜き出す力が第一に必要です。続いて出題者の意図を読み取り記述する力も必要です。文章の中に隠されているものを自分の言葉で表現する力も大切なのです。
 これらをどのようにして授業で教えるのか。先生も試行錯誤しています。
 県内施設の研修を終えた後は、南紀白浜空港から羽田空港に向かって出発しました。羽田空港から鎌倉市に移動し、明日の県外研修に備えました。

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