7月31日(木) 「景観計画」
【新エネルギー施策】
 既存のエネルギーと新エネルギーの導入を組み合わせた取り組みについての打ち合わせを行いました。これはある事業所が新社屋を計画しているのですが、その時には太陽光発電設備の導入と同時に環境負荷の小さい電力を購入し、事業所として地球環境保全に務めたいとする考えがあるからです。

 建設に関して設備費用が増加しますが、かかる費用よりも、事業運営に当たっては地球環境をある程度優先させているのです。まず経済ありきではなく、経済活動を行えるのは健全な地球環境が保たれることが前提だとの思想を持っているからです。

 地球環境が劣悪化して事業者だけが繁栄することはあり得ないのです。このことを忘れている人が多いのですが、何十年後でも事業を継続できる地球環境があって初めて、これからの事業の継続性があるとの考えに立った事業運営を考えています。素晴らしい考え方です。
 研究会組織を立ち上げて、事業運営に最適なエネルギーバランスを検討する予定です。

【景観計画】
 和歌山県では景観条例に基づく景観計画案を策定してパブリックコメントを求めています。今日が締切日のため、インフラに携わっている皆さんと懇談会の場を設定しました。
 景観計画で和歌山県の環境保全を図ることは当然のことですが、余りに規制を厳しくすると経済活動と生活条件が後退する可能性もあることから、事前に当局の見解を聞き、インフラ整備の速度を止めないように意見交換を行ったものです。

 景観に配慮することで、例えば工作物の高さを制限すると、その審査のために建築するのに必要以上に時間を要することになります。地域のお客さまサービスの観点とお客さんのスピードに関する要求が厳しくなっている現在、既存の申請手続きに加えて景観計画に基づく審査が工程に加わることで、作業工程が遅延することになります。

 具体的に記載すると、電気や電話、光ファイバー設備の敷設に関しては、お客さんの要望に応じて整えるのですが、それに関する事務手続きの日程が加わることになり、今応えられている要望に応じられなくなる場合も発生するかも知れないということです。

 現代は、生活を始めるに際して電気と電話、それにインターネット回線は不可欠な時代に入っています。生活のスタートと同時にそれらのサービス適用を受けたいところですが、景観計画で必要以上の審査工程が入ると、納期が遅れることも考えられます。作業工程に変化はないのに事務手続きと確認の工程が加わることによって、お客さんへのサービスが低下することになるのです。何かの不具合が生じて、全国一律に同じような景観計画が施行されるのであれば仕方ないとも言えますが、和歌山県内全域が他の府県と違う景観計画でサービスインの工程に遅れが発生するとなれば、地域にとってマイナスです。

 只でさえ、経済活動の停滞とデジタルデバイドの地域と言われていますから、これ以上、社会のインフラ整備を遅れさせないことも地域として必要です。
 そこでインフラ整備に掛かる一般的な時間と工程、電柱設備などの本数などを示して、景観計画にインフラ整備の観点から意見を述べました。
 景観を保全することを前提として、和歌山県に住む人が生活環境に関するサービスを希望する時期に迅速に受けられるために、インフラ整備が迅速に行えるような形に仕上げて欲しいことを要望しています。
 引き続き当局と協議を重ねることにしています。

【雇用問題】
 地域にとって雇用拡大を図ることは最重要課題です。ところが働きたいと思う人と経営者側の思いを一致させることは意外と出来ていないです。働きたくても働く場所がない、雇用したくても思うような人材か見つからない。これが和歌山市の雇用市場の一部分を表していると思います。

 雇用問題に関して働きたい立場の人と雇用者側の人を交えて意見交換を行いました。和歌山県で住みたいと思う人が働ける場所が欲しいという要望に対して、働く場所を確保するためのしくみも作りたいと思いを一致させることができました。
 地域にとって大きな課題ですから、これからも雇用市場の円滑化を図るための活動も行っていきます。

(30年前に富山県内で製作された
ステンドグラス。和歌山市内の
お店にあり、今日は特別に
明りを灯してくれました。)

【民事案件】
 次々と新しいサービスが登場しています。私達は今までなかったような新しいサービスを受けられるようになり、益々、生活が便利になっています。その一方で、それらのサービスを必要としていない人にとって、逆に迷惑な場合の事象も発生しています。そのことによる近隣間のトラブルもあり、サービスを受ける側もサービス提供者も困ることがあります。
 その新しいサービスに伴うトラブル発生時の法適用に関して、専門家を交えて意見交換を行いました。新しいサービスによる民事事件であっても民法を適用しますから、事例を当てはめることによって未然にトラブル防止の指導をいただきました。
 新しい社会には新しいトラブルはつきものですが、可能な限り未然防止対策を講じたいものです。

【人間工学】
 地域活性化に関して意見交換を行いました。地域とは人が活動する器ですから、人を研究することから活性化対策も考えたいところです。
 人間工学からすると、人は基本的には社会的動物ですから、社会に迷惑をかけるようでは一人前の社会人とは看做されないそうです。自分の意見を熱く語る人がいますが、それだけでは通用しません。お互いの価値観を確かめ合い社会のためになる議論は、冷静にそして客観的にすべきものです。必要上に熱くなり主観的な観点から外れられない人は、社会では受けいれられません。

 主観で見ると相手の言うことに腹が立つことがありますが、客観的に対応すると大所から見ているような感じとなり、第三者的な立場から物事を判断することができます。客観的とは傍観者的とは全く違うことですから、主観を主張する余り相手の立場を考えなくなるよりも、お互いの立場に立って議論を行い、社会的役割を担えるような結論を導きたいところです。
 ところで物事には、原因と結果があるといわれています。全くその通りですが、それを解析すると次のようになります。素因、遠因があって原因になります。そして結果があり結果に応じた施策があるのです。原因と結果だけを分析しても真の要因、つまり素因が見つかりませんから注意が必要です。そして素因を囲むように遠因がありますから、原因を紐解いて、真の要因と外的要因を見分けることが必要です。自分と自分の行動範囲の中に素因があり、原因が導かれています。表に現われていない素因に応じた対応策を求めると、真の問題解決になるのです。

 結果から遡って素因を求めること、素因を見つけることが、次の対策に結びつくようです。
 同じように本質的な議論があります。鶏が先か卵が先かの議論です。考えると混乱しますが、答えは簡単です。鶏が先に決まっているのです。何故なら、先に鶏がいないと卵はこの世に出てこないからです。もっと突き詰めると、親がいないと子どもはこの世に誕生しません。祖先があって親がある、そして子どもがあり子孫があるのです。

 ですから絶対的に鶏が先であることを知っておくべきです。卵が先にあっても不思議ではないと思う人がいるから、親を殺害したり祖先の供養をしなくなるのです。子どもがここにいるのは、親や祖父母は関係ないと思っているからの行動です。
 その誤った考えが社会の乱れにつながっています。鶏が素因で卵は結果なのです。生命論を間違えないようにしたいものです。
7月30日(水) 「関西総連大会」
【朝会】
 朝から友人とミーティングを実施しました。私達が地域で実施すべき諸課題への取り組みの進捗状況と、今後の見通しと実施時期の確認などを行いました。地域づくりは大きな取り組みですから、チームを軸にして慎重にかつ期限を意識して迅速に進めたいと考えています。

【関西総連大会】
 関西総連大会に出席しました。多くの国会議員からの挨拶もあり、現在のわが国の課題について学ぶことができました。参考になるものを話題に考えを組み入れて、幾つか紹介します。
政権交代とは税金の使い道を変えることです。同じ政権である限り税金の使途は継続性を持たせますから、それまでの支持層への税配分を止めて時代が求める使途に適用させることは困難です。しかし政権が交代すると、一から税金の使途を決めることになり、配分先も変わってきます。
 福祉や教育、雇用の確保などにも税金配分をする方向に向かわせることができるのです。政権交代は税金の使い道を変えること。今の国のあり方を変えたいと思う人は、税金の配分を変えられる機会であることを意識したいものです。

責任を担うことは、「そうありたい」と思うのではなく、「こうしたい」と主体的な意思を持つことです。人も組織も依存から自主への変化が求められます。問題は、意識を変えてもそれを実現させるためには、そして実力をつけるためには、実践の機会が必要だということです。組織のトップが交代した直後は、何か頼りなく感じますが、不思議なことに、数か月も経過すればトップらしくなります。地位が人を作るのですから、経験のある組織に任せなくてはと思う人必要は全くありません。任せないと人の組織も成長しませんから、何時まで経っても変わることはありません。

私達は時代の転換期の真っただ中にいます。わが国の歴史を作っているのが私達で、私達が主役の平成の歴史が流れているのです。戦後、長く変らなかった政治の歴史を変える機会に直面しています。もし20年後にもNHKの「その時歴史が動いた」の番組が続いているとすれば、平成20年か平成21年の総選挙は取り上げられる題材になっている筈です。NHKはその時のために、現在の映像資料を蓄積していると思います。つまり歴史の主役は私達であり、私達が歴史の主役である番組が進行しているのです。
 これから変わろうとしている歴史を意識すれば、私達の行動は違ってきます。歴史を担える機会は、それ程多く巡って来ません。いまがその機会だということを意識したいものです。行動が変われば社会が変わります。そして社会が変われば生活や生き方が変わります。

新エネルギーが環境問題を解決する万能薬のように言われていますが、決してそうではありません。例えば原子力は発電する過程で二酸化炭素を排出しません。既存の火力発電の代わりに、原子力発電一基があれば二酸化炭素は700万トン削減させることができます。
 原子力発電の稼働率を1%上昇させれば、二酸化炭素の排出量は300万トン減少します。
二酸化炭素を同じだけ新エネルギーで削減させようとすると、太陽光発電では1,000万kW分の設備が必要ですし、風力発電では600万kW分必要となります。現実問題としては化石燃料を利用した発電以外の、既存の発電方式と新エネルギーを組み合わせた社会を目指すのが現実的な政策だと考えます。

【その他】
 風洞発電についての打ち合わせ。世界のエネルギー問題と環境問題を解決するための切り札だと考えています。世に出すための方策も検討課題です。
 来年度の和歌山巴里祭に関して打ち合わせ。日程とゲストの調整などを行いました。
 先日の夏祭りに参加したことに関して、その団体の新聞に掲載したいと旨の連絡をいただきました。ご丁寧に、掲載することの連絡をいただいたので逆に恐縮しています。その期待に応えられるように活動を継続したいと考えています。
7月29日(火) 「林活地方議連」
【林活地方議連】
 和歌山県は林業が県を代表する産業のひとつで、県議会森林水産振興議員連盟があります。本日は県議会から「林活地方議連」全国連絡会議手定時総会があり出席しました。参加者は和歌山県議会からが最も多く、県として林業活性化が重要課題であることを再認識することができました。

 また環境省地球環境局の南川秀樹局長から「温暖化対策のこれから」の話をしてくれました。福田ビジョンに基づいた環境省の考え方も示してくれるなど、排出権取引の法制化も検討されているところであり、深い森林を有する和歌山県として考えるべきテーマでした。

 また地球環境の置かれた状況と将来の姿について分かりやすく解説してくれました。生態系の変化と気温上昇などは諸説がありますが、環境省では「20世紀半ば以降の地球温暖化は人間活動が要因」であると結論を導いています。この根拠は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の2007年の第四次評価報告書で「地球温暖化はもはや疑う余地がない」と断定していることと、「20世紀半ば以降に観測された世界平均気温のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性が高い」と指摘していることです。


(大会を終えた会場で。)
 過去にも現在のような温暖化はあり、地球の自然活動であるとの指摘に対しては、「過去100万年で最大の気温変化は、氷期と間氷期の間の4〜7度の平均気温の変化であるが、これは約5000年をかけての緩やかな過程であった。したがって、現在の地球の気候変動の程度が、過去の変動と比べてはるかに急激で異常であることは明らかである」としています。
 人間活動が地球温暖化につながっている指摘を受けて、私達はできることから始めなければ、100年後は今日のような環境はありません。

【打ち合わせ】
 議員連盟総会の空いた時間で、都内に出て、和歌山県活性化の打ち合わせを行って来ました。

 打ち合わせの一ヵ所目は、皇居と靖国神社を見渡せる絶好のロケーションのマンションの26階のペントハウスで行いました。この景色を背景にして話し合うと、新鮮な意見や提案がでてくるから不思議です。ここで企業に来てもらえる和歌山県であるにはどうすれば良いものか。そして地球環境問題とエネルギーを、どのようにして和歌山県に取り込み、地域活性化に役立てるのかがテーマでした。

(上から眺めた靖国神社。日本人として
気が引き締まりました。)
 ところで靖国神社を上から見たのは初めてでしたが、その佇まいに感動しました。一直線に伸びた参道と鳥居。この鳥居は近くで見るととても大きいのですが、最上階からは小さく映り、死者と生者の境界のように感じました。歴史的な経緯は兎も角として、日本人としてその光景の美しさに純粋に感動しました。

 もう一ヵ所では、和歌山電鉄貴志川線の問題と和歌山県産品のデザインについての打ち合わせと、地域活性化のための支援依頼を行いました。
 どちらの方も全国、そして世界を舞台に活躍している素晴らしい方で、和歌山県のためにその経験と知恵を授かっています。お二人とも和歌山県に来ていただいたことがあり、温暖な環境と海と山の自然に囲まれた地域を気に入ってくれています。東京から見た和歌山県の存在は小さなものですが、自然環境と森林の価値があり、世界文化遺産も有している地域ですから無くてはならない存在です。
 そして東京から一時間の移動ですから、身近に感じて、そして和歌山県再生について少しでも関心を抱いてくれていることに感謝しています。
 一日をかけて定時総会と有意義な話し合いができました。
7月28日(月) 「開発計画」
【開発計画】
 地域開発計画に関して事業者の方と意見交換を行いました。実際に各地域の要請に応じて大規模開発を行っている事業者の話は具体的なものでした。
 傾向として、資金提供者がファンド系の場合が多くなっています。その場合、当然二桁の収益率を求められますから、どうしても地方都市よりも大阪、大阪よりも東京への投資を求める傾向にあります。残念なことに和歌山県では外資系ファンドの注目を集めるような事業計画はありません。和歌山県への投資を求めるためには、和歌山県が投資先として魅力的な地域であることを訴求しなければなりません。そこには自然や温暖な気候といった条件は関係ないのです。投資に対して期待できる十分なリターンが期待できる地域であるのか説明をする必要があります。投資家を説得する、これは中々やっかいなことです。

 ひとつ、投資するに値するモノであること。ふたつ、代理人ではなく直接話が出来ること。みっつ、信頼できる人からつないでもらっていること、が絶対条件です。簡単に言うなら、本物の輝きがあり、専任と機密保持契約ができること、そして信頼できる人物が絡んでいることなのです。
 和歌山県の場合、投資家の視点から現在の確立されている市場で他の地域との違いを見つけることは難しいのですが、可能性のある分野があります。それは環境とエネルギーに関するものです。

 東京や大阪になくて和歌山県にあるもの。それは深い森林です。森林は二酸化炭素排出権の国内市場が成立すれば経済的価値が発生します。それとエネルギーの分野でも可能性を秘めています。現在のエネルギーでも将来のエネルギーでも双方の期待値は高くなっています。長い海岸線、長い日照時間、風の活用などは、エネルギー産業にとって持ってこいの条件です。
 現在のファンドの投資先は、環境、エネルギー、医療などに向かっています。これらのものを受け入れられる地域が和歌山県だとすれば、これからの可能性は開けてきます。将来の地域の姿を描く方向性が見えるような気がしました。

【青春ボンバー】
 和歌山放送で毎週日曜日に放送されている番組が「青春ボンバー」です。10歳代、20歳代の若い人が主役の番組です。毎回、ゲストに若い人を迎えて本音を引き出していますから、大人も若手の考えを知り、またかつての自分を思い出すことができます。


(青春ボンバーのスタジオ)
 今日は、和歌山レオクラブの三人に登場してもらいました。もうひとり、二年前に番組に登場した一人を加えた本音トークは、最初は緊張感が漂っていましたが、徐々に打ち解けて盛り上がって行きました。
 一人は18歳、もう一人は19歳、二人は20歳でしたが、番組の中で自分を表現していましたから、随分しっかりしています。
 18歳の彼は、現在アルバイトをしながらバンドのボーカルをしています。自分の生き方に迷っていた16歳の時にこの番組に出演し、2年間、自分の生き方を考え抜いて今日、それを宣言するために登場しました。16歳から18歳の今日まで、何があったのか分かりませんが、高校を中退しバンド活動を行っています。自分の歩く道に決まりはありません。10歳代の時の決断は、これからも10歳代の自分がその時々の自分を支えてくれる筈です。

 大学生の三人は、ボランティアに興味を持って参画しています。今の自分が何を以て社会貢献できるのかを考えてボランティア活動に、そしてレオクラブに参加してくれています。先般もアメリカから交換留学生を受け入れ、日本の良さを伝えてくれています。学生同士の交流は、将来、どんな形で発芽するか分かりませんから楽しみです。
 大人でも、アナウンサーから次のような質問には即答し難い筈です。
「あなたの夢は何ですか」
「生きる上で大切にしているあなたの好きな言葉は」
「いま何が楽しいですか」
 どうでしょうか。上手く答えられますか。若い人は番組でハードルを飛ぶように答えていきましたから大したものです。

 参考までに、それぞれの好きな言葉は、一期一会。七転び八起き。自尊心など。
 夢は、モデル、会社で働いて両親を初めとするお世話になった人にお返しをすること、旅行会社で働いて、日本と外国の橋渡しをしたいこと、などです。
 如何でしょうか。10歳から20歳の若い人達は、自分の将来を自分の中で描いているのです。発言する機会は余りありませんから表現ができていないだけで、しっかりと自分を持っています。

【その他】
 本当にたくさんありました。主なものを一気に記します。
 崖崩れが発生しましたが民有地の案件だったため、行政での対応が難しくなっています。しかし雨の日の今日、専門家を伴って現地調査したところ、崖の下から崩れかかっているので、今度は道路に崩れ落ちる危険性があるそうです。行動に岩石が崩れ落ちてくると、大災害に発展することも考えられます。対応しないで放置しておき事故になるとすれば、天災ではなく人災です。民有地の案件だとしても、危険性の指摘に対して慎重な対応をお願いしたいと思っています。

 新エネルギーに関する対応について。地場産業の雇用問題について。来年度の指定管理者制度について。仕事中の出来事に関する第三者とのトラブルへの対応について。これらは文章で書くとわずか一行ですが、実は時間、言葉、費用、思考、後工程への影響、優先順位の組み換えなどの要素があり、労力を伴うものなのです。
7月27日(日) 「レオ協議会」
【レオ協議会】
 レオ委員会の第一回地区協議会が開催されたので出席しました。今年は地区のレオ委員に就任していることから、藤井寺市で行われたこの協議会に行ってきました。レオ委員会はライオンズクラブの下部組織で、大学生を中心としたボランティア組織となっています。第一回目の協議会では、前年度の決算報告と本年度の行事計画の提案があり全会一致で承認しました。
 レオ委員会の役員は毎年改選することを原則していますから、今回も新しい体制で慣れていない様子がありました。その中から現在の大きな克服すべき課題も良く理解できました。しかし、役員同士で研修会を行い、会員増強とお互いのクラブの連携によって前向きに活動することを確認し合いました。

【懇談】
 地区協議会終了後、同じ地区レオ委員の三好さんの事務所にお邪魔して懇談を行いました。三好さんは藤井寺市で不動産業、レストラン、美容室などを経営している事業家で、現在は後継者育成のためにそれぞれの会社に社長を据えて、大局から経営指南しています。
 三好さんは「会社が傾いても私は困らないけれども、社長と皆さんが困ることになります。自分の会社だと思って会社を支えて欲しい」と思っていると伝えてくれました。

 そして不動産業では常識外のことですが、元々、近鉄電車の藤井寺駅前に事務所を設けていましたが、閑静な住宅地内に事務所を引っ越しています。駅前だとお客さんのために十分な駐車場を確保できないため、ゆったりとして駐車場を取れる住宅地内に引っ越したのです。しかし目立たない場所に移転した後に売り上げは伸びていると聞きました。

 その理由は実に簡単でした。扱っている商品は不動産ですから、宅地造成した現場に会社と連絡先の幟を立てておくとお客さんから電話が入り、必要に応じて事務所に来てくれるからです。つまり商品のない駅前に事務所を構えておく必要はなく、商品である不動産のところに連絡先を明記しておけば事が足りるのです。後はお客さんのための駐車場が確保できている場所に事務所を設けておけば良いのです。

 そして三好さんは現役バリバリですが、それぞれの会社に社長を据えているのは理由があります。トップの仕事は次のトップと役員を育てることです。従業員全てを教育することができても、その全てをレベルアップさせることは至難の業ですから、経営陣を育成することで組織の推進力を強めるようにしています。
 トップがしっかりとしていれば従業員は付いてきます。多角化して大きくなった組織を今まで通

(藤井寺市内を案内してくれた三好さんと。)
りに運営するためには、小さな組織に分社化して強いトップに任せることが必要なのです。

 そして三好さんのトップ育成方法は原理原則に基づいています。つまり、まず褒めること、そして次も褒めます。その次も褒めた後、気付いたことを注意します。人は褒めてから注意を与えることでトップを信頼し、注意を素直に聞き入れてくれます。信頼のないトップから注意されても反発するか距離を置くことになりますから、組織としては効果的ではありません。
 良くあるのが、気付いたことは全員の前で叱るように注意し、褒めることをしない経営者です。叱ってばかりのトップに人は信頼を寄せませんから、組織が必要とする人材は育ってきません。

 そして戦略会議では人を追い詰めることはしません。「頼りないなぁ」と思っても、余程の不具合がない限り、責任のあるポジションの従業員に任せています。経験してみて人は成長するものですし、行動して行き詰る体験をした人がトップの忠告を真剣に聞いて受け入れるのです。トップは「褒めることと我慢が仕事のようなものです」と話してくれました。
 仕事は誰が実施主体になっているのか、そして誰が関与しているのかで成否は違ってきます。仕事の成果は人によって違ったものになるのです。

 ところで藤井寺市の不動産価格は下がっていないばかりか、駅を中心とする中心地に住居が向かっていることから土地が不足しているようです。藤井寺市の面積が狭いこともありますが、居住地が中心地に向かっているのです。理由は、まちが高齢化していることもあり、利便性が高く公共交通機関が整備されていることから、中心地の見直しがされているのです。お隣りの市では土地価格が安定していないようですが、ここでは近鉄の駅に向かってコンパクトシティを形成しています。
 不動産価格が高止まりすることで税収増は当然ですが、まちの治安は安定し、学校区への人気も高まり教育水準も高まることが期待できます。土地の価格の動向は各方面に波及するものです。

【道明寺天満宮】
 大阪府でその名を轟かせているのが道明寺天満宮です。勿論、ご祭紙神は学問の神様である菅原道眞公です。また明治10年、1877年の明治天皇の行幸の際には行在所となっています。その時のお屋敷と記念碑が今も境内に残されています。

(道明寺天満宮の南坊城充興宮司と。)
 今日は天満宮の南坊城充興宮司と懇談する貴重な機会を得ました。南坊城宮司は、知る人ぞ知る人で、日本の置かれた現状を憂い、自ら正すための社会貢献活動を行っています。
 宮司は現在の教育について問題提議しています。全国統一テストでは大阪府の成績が下から数えて確か三番目だったのに危機感がなく、藤井寺市議会では問題として取り上げられることもありませんでした。子どもの教育は国の根幹に
関わることですから、教育問題に特に力を注いで欲しいと依頼を受けました。

 和歌山市と南河内は文化的に近くも古くから産業の交流もあるので、これからも交流を図りたいと考えています。大切な人とのご縁は大切にしたいと改めて感じた次第です。
7月26日(土) 「慰問活動」
【大会】
 午前中、関電労組海南支部定時大会が開催され、来賓としてお招きをいただき出席いたしました。今回で40回目となる歴史を重ねた大会に召集してくれたことは光栄で、冒頭、お祝いの挨拶をさせていただきました。挨拶の主旨は次の通りです。

 おはようございます。本日は大会にお招きをいただきましたこと感謝申し上げます。振り返りますと、参加させていただくのは今年で6回目となります。今年も暑い夏となっていますが、同じ様な光景ですが毎回違った議論が交わされているように、毎年、新しい歴史は積み重ねられていっていることに敬意を表します。

 さて先に6月県議会を終えました。この一年間は経済警察委員会委員として活動をさせていただきました。その間、企業立地活動やそのためのしくみ形成に努めて来ました。昨年度の和歌山県内への企業立地件数は17件になっているように、目立たないかも知れませんが成果は着実に表れています。企業立地による経済効果と雇用創出効果は、今更言うまでもありませんが、いまのこと成果は将来の和歌山県活性化つながっていくものと確信しています。

 さて先日、島精機の島正博社長と懇談する機会をいただきました。ご存じのように、島社長は、和歌山市の中止市街地活性化のために大変な尽力してくれています。フォルテワジマやフォルテ十番丁ビルの操業開始によって雇用を生み出してくれています。皆さん、一体どれだけの人がここで働いていると思いますか。ここの雇用は約300名を生み出してくれているのです。表には現れていませんが、ひとつの大きな事業が稼働すると大きな雇用創出効果があるのです。

 企業や事業所が進出してくれることによる活性化効果は大きな数字になりますから、これからも経済対策に注力するとともに、教育や福祉の問題にも力を注いでいきたいと考えていますので、引き続きましてご指導いただきますようお願いいたします。
 さてこの大会を持ちまして、磯川委員長が退任されるとお聞きしました。磯川委員長は実に19年間に亘って執行委員としての活動を行って来ましたから、会社生活が執行委員生活であったような感があります。磯川委員長とは長い付き合いですが、まさか私達二人とも、今日のように長い間に及んだ活動をすることになるとは思ってもいませんでした。寂しい気持ちがありますが、長い間、本当にお疲れさまでした。この経験
(退任した磯川委員長と。)
を活かして、私達の活動をこれからも支援していただきますようお願いいたします。

 そして第40回、海南支部定時大会が活発な議論によって、立派な活動方針を樹立されることを心から祈念いたしまして挨拶とさせていただきます。本日おめでとうございました。磯川委員長、本当にありがとうございました。
 以上です。

 さて、本日をもって磯川委員長としての役割を終えることになりましたが、私達の付き合いはこれからも変わることはありません。今後ともよろしくお願いいたします。今は心から感謝の気持ちを述べさせていただきます。長い間、本当にお疲れさまでした。

【慰問活動】
 午後からは市内の福祉施設に慰問活動に訪れました。第一部は軽音楽、第二部は落語です。地域の皆さんにも参加していただいた活動となり、終了後の皆さんの笑顔が印象的でした。落語による慰問活動は初めての試みでしたが、大成功となり、毎月の定期公演会をして欲しいとの意見もいただきました。
 本日の落語は、弥勒亭福福さんと金融亭遊呂さんのふたりです。本格的な落語を披露してくれ、俗に言う「溝のない」空気があり、成功だったと確信しています。
 落語は笑いがあり、また頭の体操にもなることから、秘かに人気があります。初めて生で聞きましたが、息遣いが感じられましたし、空気を通じての落語家と参加者とのキャッチボールは温かいものを感じました。体験したことのないものは伝えられませんが、今日の体験から、落語の楽しさを第三者にも伝えることができると思います。

(金融亭遊呂さんの落語)

(弥勒亭福福さんの落語)

【地元産品の課題】
 慰問活動後、地元から発信する地域産品のあり方について話し合いました。地域発の製品には良いのものがたくさんありますが、発信力に乏しいのは、広告力と広報力、そしてデザイン力に欠けているからです。同じような製品なら、コマーシャルなどで聞いたことのある製品を選択しますし、機能が同じようなものであればデザインで製品を選択します。地方発のものは、品質に資金を投入していますが、製品の本質的価値ではない、宣伝やデザインへの資金投入量はそれほど多くありません。
 良い製品であっても全国的に注目されないのは、その差が実に大きいのです。その乖離を縮めるためには、弱点を補う取り組み、つまりのデザイナーと広告の力が必要となります。つまり資金力によるのです。

【懇談会】
 夜は懇談会でした。東京からお客さんをお招きして意見交換を行いましたが、実に密度の濃い内容でした。仕事力は源流に近いところの情報力と、信頼できる優れた人との良好な関係にあります。良質の情報と人を知ることが仕事力なのです。
 世界を駆け巡っている情報を何時、誰がキャッチするのかが重要です。古い情報や関係者であれば誰でも知っているような情報には価値はありませんし、信頼できない人からの情報に飛びつく人はいません。鮮度が高く、信頼できる人からの情報に価値があるのです。そんな情報を入手するためには、世間から信頼されている人から信頼される人である必要があります。「朱に交われば赤くなる」の諺のとおり、信頼できる人との交流は自身の信頼を高めてくれます。

 1000に3の例えがありますが、1000の情報のうち、活用できる情報は3つ程度だそうです。それを見抜く眼力は、信頼できる人達との交流の中から生まれます。簡単に、信頼できる人の見分け方のひとつだけ記します。
 仕事はすべて成功報酬が大前提です。信頼できる人との仕事であれば、絶対に前金を求めることはありません。全て結果が導かれてからの成功報酬です。「先に着手金を振り込んで欲しい」、あるいは「成功した後に返すからお金を貸して欲しい」などの言葉を発する人は信頼できないと考えたら良いそうです。これが簡単な見分け方です。詐欺話は必ず、巧みに先にお金の支払いを要求してきます。
7月25日(金) 「安全保障」
【安全保障】
 朝8時前からブレックファースト懇談会を行いました。お客さんは、アメリカから来てくれた、あのジム・アワーズさんです。ジム・アワーズさんは二週間ほど日本に滞在し、明後日、アメリカのナッシュビルに帰ります。本日は大変お忙しい中、時間を割いて和歌山市まで来てくれたことは大変光栄なことです。ジムさんが和歌山市に来られるのは実に36年ぶりのことです。
 ジムさんは日米の安全保障に関する専門家であり、この分野の第一人者です。東京では政府要人と懇談を行い、昨日は京都大学で安全保障に関するシンポジウムにコメンテーターとして出席されています。そしてご縁があり帰国前に和歌山市を訪れてくれた、懇談する幸運に恵まれました。

 ジムさんとの懇談の時間は素敵なものでした。その中で世界のリーダーとして優れていた人は誰なのか尋ねました。歴史上の人物の評価はできないので、同世代のリーダーの中には三人いると話してくれました。
 一人はマーガレット・サッチャー元英国首相、二人目は台湾の李登輝国家元首、三人目はロナルド・レーガン元アメリカ大統領です。リーダーとして優れた人物を挙げるとすればこの三人だ

(アメリカから来てくれたジム・アワーズさんと。)
そうです。共通しているのはリーダーとしての決定力に優れていることです。ナンバー1とナンバー2以下との最大の違いは決定力だそうです。

 決定力とは、厳しい局面に接した時の決断する力です。何かの施策を推し進めても批判されるし、撤退しても批判される場合があります。そんな時、決断しないで先送りする手段もありますが、批判を恐れずにどちらかに決定する、その決定ができる能力は優れたリーダーに欠かせないものです。
 残念ながら日本には、世界レベルのリーダーは存在していないそうです。評判を気にしながら右に行ったり左に行ったり、そんな日本のリーダーの態度を世界では日本語でいうところの風見鶏として捉えています。決定力こそがリーダーの資質であることを学びました。決定力を持つ日本のトップとして相応しい人は、現時点では一人だそうです。名前は伏せておきますが、その人が候補者になるとすれば、政権を巡る民主党と自民党の戦いは激しさを増すことになりそうです。

 さて話題は集団的自衛権の問題に及びました。世界から見ると日本が否定する集団的自衛権は不可解に映っています。分かりやすく説明するために今日の懇談の中から簡単な例を示します。
 日本海に日本とアメリカの軍艦があります。そこに北朝鮮が攻撃を仕掛けてきました。北朝鮮が日本の軍艦に攻撃を仕掛けてきた場合は、日本側は反撃することができます。勿論、アメリカ軍は日本の軍艦を守るために攻撃に加わってくれます。日米安全保障条約があるからです。
 ところが北朝鮮がアメリカの軍艦を攻撃したとします。その場合、日本の軍艦はアメリカ軍を守るための行動を取ることができないのです。つまり見て見ぬふりをする状況になるのです。友達が隣で殴られているのに、自分が攻撃されていないことから友達を応援できない状態にあるのです。

 もうひとつはもっと重大です。北朝鮮がミサイル攻撃を仕掛けました。ミサイルの攻撃先は日本の中の和歌山県なのかアメリカのアラスカなのか分かりません。日本が迎撃できるのは、和歌山県にミサイルが落ちると分かった時点となります。しかしその時点で迎撃態勢に入っても遅いのです。
 アメリカであれば、北朝鮮がミサイルを発射した時点で、危険を未然に防ぐために迎撃します。和歌山県に向かっていたとしても、アラスカに向かっていたとしても関係ないのです。自国から犠牲者を出さないことが国の安全対策上、最も重要だからです。国民を守れない国は独立した国と言えるのでしょうか、疑問です。

 日本の集団的自衛権を持たないとする考えは、確実に自国が責められている場合に限り自衛できるとするものです。国の安全保障の観点から、この問題に関して考える必要があります。安全の問題は自国で考えておかないと、誰も日本人のことを考えてくれないからです。
 そして地球環境問題の視点から原子力発電の重要性が高まっていることも議題になりました。環境問題への対応は原子力にあり、事実、日本のメーカーはアメリカ向けに原子力技術を輸出し始めています。日本の優れた原子力技術の恩恵を、肝心の日本が受けていないのです。これも世界から見ると実に不思議なことです。

 2001年の9月11日以降、安全保障に関する考え方と危機管理体制は、明らかに変わっています。日本だけが例外ではいられないのです。
 そしてもうひとつ記します。アメリカ大統領選挙の動向についてのものです。既にアメリカ大統領選挙は民主党のオバマ候補、共和党のマケイン候補に決定し、今年11月のスーパー・チューズデーに向かって動き出しています。初の黒人候補であるオバマ候補をどう感じているのか尋ねました。アメリカ人の白人はオバマ候補を評価しているようです。オバマ候補の人格を評価してのもので、人格者であれば白人も黒人も関係ないのです。白人の知識層の評価も同じで、候補者に対する違和感は全くないそうです。

 では「どちらが勝つと思いますか」との問いに対しては、見通しは難しいとした上で、経済政策が重視される状態になればオバマ候補が勝ち、スーパー・チューズデーまでにテロ行為が発生すれば、安全保障が重視されマケイン候補が勝つと話してくれました。
 ここにアメリカの民主主義の素晴らしさがあります。いま国にとって何が最も重要なのかを有権者は重要視して投票行為につながっているのです。民主党だから、共和党だからと言った決め打ちはしていません。あくまでも人格と政策を重要視しているのです。国がどんな状況になったとしても、決まった政党を支持する東洋の国とは明らかに違っています。
 頭が鍛えられるような議題での懇談は、刺激があり快適でした。大きく考え行動することの快適さを感じました。

【派遣】
 派遣社員として元気に働いているIさんの新しい職場を訪ねました。仕事に就けることの喜びを感じている様子が伺えました。派遣先の社長を紹介してくれましたが、事業コストが増大し、経営的には厳しい状態が続いているようです。コスト上昇で経営環境は厳しいのですが、ライバルとの競争は厳しさを増し利益幅が薄くなっているのです。空調を調整する、場合によっては切ったり、人件費を抑えるために派遣社員に切り替える対策などを講じて今を乗り切ろうとしています。

【懇談】
 国内の自動車市場に関して現状を伺いました。中古車の場合、ディーラー車から取引が成立しますが、それ以外では価格決定が難しいそうです。日本人は自動車に関して、長く大切に乗りたいとの思いがあることから、購入後のメンテナンスも重視しているのです。ですからディーラーのアフターフォローを受けられる体制を整えたいのです。この考え方は、自動車を消耗品と考えている外国との違いで、国による文化の違いは金銭感覚を凌駕しています。

【福祉施策】
 福祉施策に関して打ち合わせを行いました。国民健康保険や生活保護施策、そして年金収入がある母親の扶養についてなど、代表的な福祉施策について事例に基づいて打ち合わせを行いました。和歌山市に暮らすことによる生活の厳しさについて、再認識することができました。仕事がない、物価は全国価格並みなどの現実の前には、頑張っても頑張りきれないこともある現実がここにあります。

【いきいきシニア】
 和歌山県内で活動している「いきいきシニア」。平成20年4月に組織作りを開始してからわずか四ヶ月で約400人を超える会員が集まっています。「いきいきシニア」の活動は毎月あります。パソコン教室、熊野古道ウォーク、工場見学会などのメニューを毎月ラインアップしていますから、好きな行事に参加することができます。会員資格は55歳以上、元気なシニアが地域の活力を生み出しています。

【天神祭】

(津秦天満宮で演奏した鼓笛隊の子ども達。)
 本日は全国各地で天神祭が開催されています。和歌山市津秦でも、津秦天満宮で天神祭が開催されましたし、子ども達の鼓笛隊による演奏も行われました。暑さを吹き飛ばす元気な演奏は、確かに地域を元気付けてくれるものでした。子ども達の元気は大人に元気を分け与えてくれるものです。
 祭りの夜にお邪魔すると、宮司さんと総代が温かく歓迎してくれました。皆さんの前で挨拶の機
会を与えてくれましたし、お宮で懇談する時間もいだきました。鼓笛隊の演奏には近隣の人が外に出て励ましてくれていましたし、演奏後の懇親会も地域の温かさを感じるものでした。

 地域が元気とは包括的なものではなく、一人ひとりが元気に楽しく生活をしていることの積み重なりです。幸福な人が多ければ地域は元気になりますし、どれだけ良い施策を施したとしても地域の人が元気でなければ、地域は元気になりません。極めて分かりやすい構図です。つまり他の誰でもない私が、元気になれば地域は元気になるのです。暑くても忙しくても、明るく生きたいものです。

【その他】
 大地震などの災害対策費用の考え方について。
 和歌山県景観条例に基づく景観計画の課題について。これは主に景観保全と経済を両立させるための考え方の整理について。
 英語教育の重要性について。これは和歌山県が、全国で一番英語教育が充実していて、英語を学習できる施設などの環境が整えられていることを目指す考えに基づいての話し合いを行いました。
 中心市街地を真に活性化させるための話し合いについて。今日歩いたところ、余り人通りが多くなかったので、和島興産に続いて和歌山市の活性化を願っている人の登場を期待しているとの意見が多くありました。
 メガ太陽光発電設備の考え方について。
7月24日(木) 「旭学園」
【旭学園】
 和歌山市冬野にある児童養護施設の旭学園。二歳児から高校生までが共同生活と学習を行っています。家庭の事情や両親の問題などにより、両親や親族と一緒に暮らすことができない子ども達がここで暮らしています。現在約100名の子ども達が生活している拠点となっています。

 夏休みの今日、旭学園を訪問したところ、たくさんの笑顔と接することが出来ました。旭学園は生活の場であり勉強する学校でもあります。帰る家庭のない子ども達にとって、ここが温かさを感じる家庭なのです。
 ここで暮らしている子ども達の約30%が乳児院から来ています。つまり生まれた時には何らかの事情で両親が不

(旭学園の校門にて。)
在で、親の顔も知らない子ども達がここで生活しています。ですから先生が両親であり、導いてくれる師でもあるのです。家庭を知らない子ども達ですから、夏休みは先生の家庭で暮らす経験をしています。家庭を知らないと言うことは、家庭の味、家庭のお風呂なども経験がないということです。集団で生活する場が家庭だと思っているのですが、そうではない家庭環境を体験してもらうことも旭学園の役割でもあるのです。

 経験がないと行動することはできません。人生において行動するためには、行動するための経験をすることが何よりも大切なのです。経験するための支援をするのが、旭学園の大切な役割でもあります。
 ところで学園の生活における事例を伺いましたが、家庭を経験していないと刺身を食する経験がなく、刺身醤油が何であるか分からないので、刺身をつけるのではなく醤油を飲んでしまう子どももいたそうです。これは子どもの責任ではありません。子どもをそんな環境にさせた両親の責任であり、子どもと離れて暮らさなければならなくなった社会の責任でもあるのです。


(子ども達のために揃えられた図書。
学園の方針で充実しています。)
 旭学園の子ども達は逆境にも負けないで、地域活動や塾での学習に励んでいます。旭学園でいられる期間は18歳までです。その年齢を過ぎるとここを去らざるを得ませんから、旭学園での生活が厳しいと思っていますが、それ以降の年齢の時が社会の厳しさを実感することになります。
 しかし人生は平等ですから、苦しい期間が先に訪れると人生の後半は楽しい時期になりま
す。厳しい子ども時代を過ごしている子ども達が社会の風圧に負けないで、立派な大人になってくれることを心から願っています。実際に旭学園を訪れることで、福祉施策の本当の重要性が理解できました。

 地方自治体は福祉に関して冷たいと話してくれましたが、これは行政の担当者が体験していないことに起因しています。置かれた状況が厳しくても、負けない気持ちを持っている子どもと先生に接すると、子ども達の福祉施策の重要性が分かる筈です。ひとつでもふたつでも、現場の意見が実現することが福祉施策の前進につながるのです。国の方針に従うだけが地方自治体の役割ではありません。県内で九つの児童養護施設がありますから、現場の状況を知った上で子ども達への福祉施策を考えたいものです。
 そこで、10月に開催予定の旭祭りを盛り上げるため、それに合わせて慰問活動をすることに決定しました。これは小さい力ですが、そこから協働が始まると思って実践したいと考えています。

【貴志川線】
 和歌山電鉄貴志川線沿線に新しい駅を作るための運動が展開されています。場所は和歌山市津秦ですが、ここに新しい駅を新設したいと考えた取り組みがなされています。津秦には向陽病院や福祉施設の光苑がありますから、駅が出来ることによって常識的には乗降客が増える筈なのです。地域にとっても鉄道会社にとっても益が感じられるものです。

 ただし問題は費用負担についてです。新しい駅を作るためには、概算ですが約1億円が必要となります。鉄道会社が駅を作るのではなくて、地域から要望があると地域で資金を調達する必要があるのです。今の時代、タダのものは少ないのです。ただ1億円の資金集めとなると地域での負担や貴志川線の未来をつくる会の実力の範疇を超えています。地元企業の協力や全国からの支援が不可欠です。

 そして貴志川線の駅を新設するためには長さ50mが必要となります。貴志川線の車両の一両の長さが19mですから、二両編成の貴志川線では余力を見て最低50mが必要となります。そして津秦で新駅を作るための50mの土地提供者は存在していますから、やろうと思って行動すれば新駅建設は十分に実現可能なのです。
 もうひとつの問題は、1億円も支出して新しい駅を作っても、県と市からの補助施策の期限が満了する8年後に、和歌山電鉄貴志川線に撤退されると新駅の建設は無駄な投資になってしまうのです。手作りの活動ですから、潤沢な資金がある訳ではないのです。地域の皆さんの協力を求めながら、地域発展につながるような貴志川線の役割を模索したいところです。

【慰問打ち合わせ】
 慰問活動の受け入れに関する打ち合わせを行いました。施設のある場所は和歌山市山東方面ですが、地域の狭い活動範囲から脱していないようなのです。何かのご縁があって本日の打ち合わせがあったものです。慰問活動の時期は、福祉施設の夏祭りのなどの時期が過ぎた9月以降となりそうです。

【中心地活性化】
 和歌山市の中止地を活性化させるための計画が和歌山市活性化基本計画です。ここに掲載されている言語データは宝の山であリ、絶対にこれからの社会に必要なものです。
 地域としてはフォルテワジマさんに続く新たな投資を望んでいるところです。もう和島興産は地域再生のために十分な資金も人も出してくれています。後は既存の事業者の努力と、外部からの資金提供者を歓迎することです。小さなことを反対する地域に未来は感じられません。

【懇親会】
 夕方からは懇親会に入りました。島精機の島正博社長以下とフォルテ十番丁ビルのペントハウスでの懇談会を行いました。
 和歌山市の中心市街地なのに、まちの明るさがないことや街並みが暗いことが議題となりました。地球環境保全の問題から、無駄な照明はすべきではありませんが、防犯効果や街をきれいにするための取り組みとしては、一軒にひとつの防犯灯設置ではなくて、複数の防犯灯を点けておいて欲しいのです。照明の専門家が和歌山市

(フォルテ十番丁ビルのペントハウスから見た
和歌山城。この角度で見る和歌山城の景色は
今までありませんでした。)
に来てくれて市内を巡回した時の話です。専門家は「和歌山市は生きていませんね」と指摘してくれていました。暗いまちはそれだけで気分が滅入ってしまうものです。気持を明るくするためには外見を明るくすることから始めたいと思います。

 ある一人が自分の地域を明るくしたいと思ったら、その思いが伝染してその地域は明るくなります。小さな意思の集合体がまちの総合力となるのです。
 そしてもうひとつ。地域の活力が生まれるのは、成功者が自分達の利益のために資金を活用するのではなくて、地域が元気になるために余裕のある資金を活用することです。夜でもまちが明るい地域は犯罪も減少しますし、私達の気持ちも明るくなります。民間事業者と地方自治体、まちを元気にするための活動家が協働して地域再開発計画を考えたいと思っています。

 島精機は、和歌山市を活性化させるために予想以上の資金を投入してくれています。このことは誰にも知られていませんが、間違いなく中心市街地を初めとする元気づくりのために尽くしてくれています。フォルテワジマとフォルテ十番丁ビルが出来たことによる新規雇用は、約300名にも及んでいますから、企業誘致以上の雇用創出の効果があるのです。
 これらもフォルテが中心市街地に進出してくれたことによる隠れた実績です。
 懇談会を開始した時には、まだ明るい空の青にそびえていた和歌山城が、終わる頃には暗闇の中にライトアップされて浮かび上がっている和歌山城がありました。数時間の中で移りゆく光景を感じられることも贅沢な時間だと感じました。和歌山城に隣接している場所のエネルギーを感じられました。
7月23日(水) 「和歌山県の偉人」
【伸びる子】
 公立小学校は夏休みですが、学校の先生には夏休みはありません。子どもの頃には、学校の先生は夏休みがあるから良い職業だなぁと思っていましたが、長期の休みがあるのは生徒だけで、先生はカレンダー通りで休みはありません。基本的に学校に出勤しているか、夏休みの期間を利用した研修会に参加しているかのどちらかです。
 プールで生徒の声が響き渡っている中、市内の公立小学校にお邪魔しました。懇談した先生と、教育問題に関して意見交換しました。

 共通した認識ですが、伸びる生徒は性格では素直なこと、生活面では計画を立てて計画に基づいた勉強や生活ができる生徒です。
 性格は優しくて、感謝の気持ちを伝えられることが絶対に必要です。優しくなければ強さはありません。優しさの中に包まれた芯の強さがあることが伸びるための条件です。そして感謝の気持ちを持っていることです。何でも自分ひとりでやり遂げられると思っている人もいますが、絶対にそんなことはありません。周囲の支えがあるからこそ、勉強ができますし友達と過ごすことができるのです。自分の周囲には家族、兄弟、学校の先生、見守ってくれている地域の皆さんの存在があることを知り感謝の気持ちを持ち続けている生徒は伸びる子どもです。その時だけ感謝するのではなくて、感謝の気持ちを持ち続けることが大切なのです。

 先生は、その辺りのことは良く分かっています。ある事例ですが、先生がある生徒に対して「昨日の保護者懇談会に、急がしい中にも関わらず親が出席してくれたので、帰ったらありがとうとお礼を言っておいてね」と伝えると、その生徒は「今日、学校に行く時に、親から先生にありがとうって言っておいてと言っていたよ」と答えたそうです。
 先生は、この家族は感謝の気持ちを持っているので素敵だと感じたそうです。両親が他人に対して感謝の気持ちを持っている家庭は、子どもも他人に感謝することを自然に身に付けています。幸か不幸か、家庭環境が子どもの性格形成に大きく影響を与えているのです。子どもは親の鏡ですから、親が他人に対して感謝の気持ちと優しさを持って接したいものです。

 次に計画に関してです。計画と実際の行動にズレがあっても全く問題はなく、出来なかった場合にはその理由を自分で理解して修正できる能力があれば良いのです。修正できる生徒はその次の計画も立てることができます。
 そして最後は集中力です。決めたことを時間内でやり遂げることが集中力です。試験は制限時間がありますから、時間をかけて問題に正解しても実践では役立ちません。制限時間内で正解を求めるのが試験ですから、集中することが肝心です。尤も、試験の時だけ集中できる筈はありませんから、勉強においても時間を決めて問題を解くだとか、予定を定めて勉強するクセを付けておくことが大切です。

 生徒のことですが、大人にも役立つ教訓ばかりです。他人には優しさを持って接すること。感謝の気持ちを常に持っていること。計画を立てられることと修正能力があること。そして、ここぞという時には集中力を発揮することです。子どもに言うのは簡単ですが、言う立場である大人も、これらの能力を身につけたいものです。

【現実と将来】
 高校の大先輩達と懇談しました。一般的に和歌山県は保守的だと言われていますが、内心は変わっているのは間違いないと伺いました。この地域で年齢を重ねてきた人も、何十年も経っているのに和歌山県が余り変わっていないことに気付いています。経済成長の時代もあったことから、自分達のことを考える余り地域の将来について考えてこなかったと話してくれました。しっかり働くことで結果として地域が良くなると信じており、地域のことは行政機関や政治家に任せておいた結果が、今の姿であると反省しているようです。今まで無責任に地域運営を任せた結果、和歌山県が低迷しているのが現実ですから、現実を打破するためには、既存の体制を打破すること以外にないことも知っています。

 「もうこのままではいられない」。そう考えている方は多くいます。将来残すべきなのは、今のままの和歌山県ではなく、可能性の見出せる和歌山県であって欲しいのです。
 先輩方の意思は明らかに今までとは変わっています。現役時代を終えたので、しがらみや強制力に屈することはないと言います。和歌山県では、自分の考えで判断し行動することができる世代が増えているのです。これは明日への期待です。

【和歌山県の偉人】
 和歌山市といえば紀州五十五万石が今でも代名詞となっています。紀州徳川家が和歌山市のまち基礎を作っていることは間違いありませんし、歴史の重みのあるまちとして誇らしいことも言うまでもありません。ところが明治時代以降の郷土の偉人の存在は余り知られていません。個人的なことですが小学校で習った記憶はなく、偉人の足跡を訪ねたこともありませんでした。と言うより、訪ねられる訳がないのです。理由は簡単で、郷土の偉人のことを知らないからです。

 そこで偉人の足跡を訪ねるため、歴史に詳しいUさんに市内の案内と解説をしてもらいました。訪ねた場所は以外なところでした。

(和歌山市立児童女性会館内の
松下幸之助翁のレリーフの前で)
最初に訪れたのが和歌山城に隣接している岡公園です。岡公園は和歌山市に住んでいる子どもは誰でも一度は行ったことのある有名な公園です。しかし今日まで、明治時代に完成した歴史ある公園だと言うことを知りませんでした。
 この公園の中に和歌山市立児童女性会館があります。これを建設したのは松下幸之助翁なのです。松下翁は和歌山市が生んだ偉人であり、歴史を彩る巨人です。松下翁が建設したこの会館を入ると、松下幸之助翁と奥様のレリーフが飾られています。

 そして和歌山市立児童女性会館の入口には、保田龍門氏の作品「母と子の像」が設置されています。貴重な作品なのに、屋外ですから雨や風を凌げていないのです。
 松下翁と保田氏は郷土の女性と子どものために尽くしたいと思って、この会館建設のために協力し、また会館のために「母と子の像」の作品を寄贈したのです。

(和歌山市立児童女性会館の入口の
保田龍門氏の作品「母と子の像」)

 そして会館の隣には陸奥宗光公の象像が設置されています。この象像制作の発起人は当時の和歌山県知事、和歌山市長を初めとする財界の皆さんです。陸奥宗光公は勝海舟の弟子であり坂本龍馬と師弟でもあります。二人の巨人に育てられた陸奥宗光公は最終的に第二次伊藤博文内閣の外務大臣となりますが、その最大の功績は国家主権回復のために尽力し、不平等条約を是正したことにあります。

 1894年、イギリスとの間に日英通商航海条約が結ばれ、幕末以来の不平等条約であった領事裁判権の撤廃、関税自主権の部分的回復に成功し、不平等条約を取り除く契機になったのです。

(岡公園内の陸奥宗光元外務大臣
の肖像前で)
 当時、我が国の国家主権を取り戻すための最重要課題でしたが、今も歴史に燦然と輝く歴史的事実となっています。勿論、現在も外国に侵害されることのない国家主権確立は最重要なことですが、郷土の偉人がその回復のための中心人物であったことを誇りに思いたいものです。


(高橋克己農業博士の碑の前で)
 そして四人目の偉人は高橋克己博士です。ビタミンAを発見した農学博士で、今だったらノーベル賞級の大発見をしているのです。先の三人と比較すると知名度では劣りますが、その功績は勝るとも劣りません。

 次に向かったのは和歌山市民図書館三階です。

 市民図書館の二階までは行ったことがあるのですが、三階は初めてでした。目立たない三階の廊下はギャラリーになっています。飾られているのは和歌山市出身のヘンリー杉本画伯の絵画です。和歌山市で生まれたヘンリー杉本氏は13歳の時にアメリカに渡ります。しかし太平洋戦争が開戦されたことにより収容施設に入れられます。三年間そこで過ごすことになりますが、その体験を基にして収容施設の生活や出来事を画材として作品を仕上げているのです。市民図書館三階には、それらの絵画作品が展示されているのです。これも市民の皆さんには、余り知られていないことだと思います。悲惨な収容施設での生活を垣間見ることが出来ますし、その中でも明るさを忘れない人達の表情を見ることが出来ます。

 最後に訪れたのが和歌山市役所一階ロビーです。ここにはヘンリー杉本画伯の絵画が飾られています。これは伸び行く和歌山市の明るい未来が描かれた作品です。
 和歌山市に生まれアメリカで制作活動をしていたヘンリー杉本氏が夢見た和歌山市の未来は、現在、果たして実現しているのでしょうか。もしズレがあるとすれば、郷土の後輩である私達の責任ですし、これからその差を縮めるための取り組みをしなければなりません。

(和歌山市役所一階ロビーに展示されている
ヘンリー杉本画伯の壁画)

 郷土に脈々と息づく偉人達の足跡。岡公園、和歌山市民図書館、そしてお膝元の和歌山市役所にその形跡が残されています。市内の狭い範囲に五人の足跡を見ることが出来ます。
 中でも松下幸之助翁と陸奥宗光外務大臣は名誉市民として称えられていますが、その功績を郷土の後輩である私達は余りにも知りません。このことを素直に反省し、偉人が残してくれた郷土の優れたDNAを受け継ぎ、次につなげたいものです。

参照
陸奥 宗光
 1844年8月20日〜1897年8月24日、和歌山市生まれ。陸奥宗光は、弘化元年(1844年)に紀州藩重役伊達千広の第6子として、現和歌山市吹上三丁目に生まれる。文久2年(1862年)に紀州藩を脱藩し、翌年、勝海舟の主宰する海軍塾に入り坂本龍馬と知己を得る。その後、龍馬と行動を共にし討幕運動に奔走する。

 明治11年には立志社陰謀事件に連座して収監されるが、同16年出獄して外遊後、外交官として活躍する。21年にはワシントン在勤を命じられ、全権として日墨修好通商条約の調印に成功する。この日墨修好通商条約は、彼とロメロ駐米メキシコ公使との間で協議された条約で、近代日本国家が諸外国と締結した最初の平等条約であった。この条約が日本の国際社会における平等外交の始まりであると評することができる。
 同23年の第1回総選挙で和歌山第一区から出馬して当選、第二次伊藤博文内閣では外務大臣として不平等条約の改正に尽力し、同27年ロンドンで日英通商航海条約を調印する。これによって、治外法権撤廃と関税自主権の一部回復に成功する。

 さらに、翌年下関で日清戦争講和条約調印全権団として臨み、日本で最初の対外戦争の戦後処理を行う。この調印直後、体調を崩し、以後大磯の別荘での療養生活を送る。陸奥宗光は、藩閥政府と揶揄される政府内にあって、紀州藩出身の官僚として不動の地位と多大な業績を残した。
 明治30年8月24日死去。浅草海禅寺で葬儀が行われ、同年11月、大阪夕陽丘に葬られる。
 岡公園に、陸奥宗光の全身像が建っている。
(出典:和歌山市ホームページ和歌山市の偉人・先人)

高橋克己
 高橋克己は、明治25年(1892年)3月9日、海草郡木本村(現和歌山市)に生まれる。
 大正3年(1914年)東京帝国大学農科大学農芸化学科に入学。同6年同大学院に進み、鈴木梅太郎教授のもと油脂成分の研究に取り組む。卒業後、財団法人理化学研究所でさらに研究を進め世界ではじめてビタミンAをタラの肝油から分離抽出することに成功した。当時動物の成長を促すビタミンAがバターや肝油に大量に含まれていることは知られていたが、分離抽出の方法が見つかっていなかったため、大正11年(1922年)の日本化学会での発表は学界の賞賛を浴びた。さらに、ビタミンAの性質や生理作用についても研究を重ね多くの病気(特に夜盲症や肺結核等)の治療に効果があることを発見し、「理研ビタミン」の名称で栄養剤として商品化した。この「理研ビタミン」は現在では想像できないほど栄養状態の悪かった当時の日本人には大きな福音となった。また、日本はもとより欧米各国にわたる「理研ビタミン」の特許権は、理化学研究所にも大きな収益をもたらした。

 大正13年(1924年)ビタミンAに関する業績により鈴木梅太郎とともに帝国学士院賞が授与され、賞金は彼の意志により母校である旧制和歌山中学校(現県立桐蔭高校)に全額寄附された。同校ではこれを基金として「高橋賞」を設け、大正15年(1926年)から昭和20年(1945年)に至る間、理化学の成績優秀な生徒に授与された。大正14年(1925年)農学博士の学位が授与されるが、8日後の2月8日、病のため逝去。弱冠32歳であった。
 昭和44年(1969年)、高橋克己博士顕彰会により和歌山市岡公園内に頌徳碑が、翌年生家門前に生誕地碑が建立されている。
(出典:和歌山市ホームページ和歌山市の偉人・先人)

ヘンリー杉本 (日本名 杉本 謙)
 ヘンリー杉本は、明治33年(1900年)3月12日、海草郡湊村(現和歌山市湊)に生まれる。
 旧制和歌山中学校(現県立桐蔭高校)修業後、19歳で両親が住む米国に渡った。農業に従事したが、後に画家を志しカリフォルニア州オークランド芸術大学を卒業し同州美術学校油絵科を修了。1929年パリに留学し新人の登竜門であるサロン・ドートンヌに入選する。1932年帰米し、サンフランシスコ世界博覧会美術展で金賞を受賞する等めざましい活躍を繰り広げた。しかし、1941年の日米開戦により日系人強制収容が始まり、彼もまたカルフォルニア州フレズノ集合センターからアーカンソー州ジェローム収容所を経て同州ロワー収容所に送られた。

 収容所時代密かに持ち込んだ絵筆の穂先3本と数個の絵の具によりシーツをカンバスにして日々の生活を描いた一連の絵画は、戦後、アメリカで日系人強制収容所の歴史的記録として注目を浴びた。昭和39年(1964年)二科会会員に推挙され高い評価を受けていた杉本ではあるが、ようやくこれらの絵画が祖国日本で公開されたのは戦後35年経た昭和55年(1980年)のことであった。同56年(1981年)に勲六等単光旭日章、57年に和歌山市文化賞を受賞する。1990年ニューヨークにて90歳で逝去。

 優れた画家であり物語性の強い絵を描く稀有な才能を併せ持ったヘンリー杉本が制作した入魂の収容所絵画は、米国スミソニアン博物館や東京国立近代美術館に永久保存されている。そして、こよなく故郷を愛した彼の意志により和歌山市には大壁画(2×8メートル)と36点の絵画、18点のスケッチが寄贈された。昭和52年 (1977年)以来市庁舎玄関ロビー正面を飾る大壁画は、まさに「故郷への錦」となって訪れる人を静かに見守っている。
(出典:和歌山市ホームページ和歌山市の偉人・先人)

【まちづくり】
 JRを中心としたまちづくりに関して意見交換を行いました。JRの駅を活用して賑わいを取り戻している好事例がJR金沢駅の東側にあるフォーラスです。駅周辺に賑わいを取り戻し、近隣の富山市や福井市からも集客しています。駅前の賑わいに対抗して、香林坊を初めとする中心地も店舗入れ替えなど工夫を凝らしたことで活気が蘇り、また市の海側に県庁が移転したことを受け新しい中心地が形成されたことによって、金沢市では三つの中心地が形成されています。

 JR金沢駅、香林坊、県庁所在地周辺がその地域で、お客さんは一ヵ所に集中することなく、それぞれの気分に応じて市内に繰り出します。そしてお互いが良いライバル関係にあり、みっつの商店街に循環バスを運行させているのです。他の地域を蹴落とす関係ではなく、共存できる関係を求めています。これが周囲の地域からもお客さんを呼び込めている理由です。

 そして鍵を握っているのが公共交通機関であるJRです。人が交流し交差する駅を中心にまちが拡がっているのです。電車の駅は単なる点ではなく、買い物に観光に、そしてビジネスの拠点として面に広がっているのです。それらの仕掛けをしているのがJRであり、核店舗と地元商店街であり公共交通機関なのです。

 金沢市に負けないように、富山市も公共交通を核とした地域づくりに取り組んでいます。路面電車や海側にも伸びている鉄道を活かした利便性の高いまちづくりを志向しているようです。これらの都市には明確な都市計画があり、地元と大手資本が提携してまちづくりを行える関係が構築されています。
 都市のエネルギー効率や公共交通の見直しがなされていることから、まちの中心地にあるJRの駅から始まるまちづくりが注目されています。

 和歌山市ではぶらくり丁とJR和歌山駅がふたつの核を形成できれば活性化につながります。そこに郊外リゾート型のマリーナシティを活かせれば、更にまちの姿が変わりますし人の流れが完成します。金沢市にあるみっつの中心地のように和歌山市にもみっつの賑わいポイントが形成できるのです。将来のまちの姿としては楽しみですし、そこには市の未来が感じられます。
 これからどこまで踏みだせるのか。挑戦することと可能性を広げる意味からも楽しみでもあります。

【ボーリング大会】

(ボーリング大会を開催しました。
チームの四人と。)
 夕方から市内でボーリング大会を開催しました。約100人が参加したためボーリング場が貸し切り状態になるイベントとなりました。今回の企画はチームプレイを重視したものになりました。四人一組でチームを構成し、第一投者が残したピンを三人目の人がフォローするようにしました。つまり二人でスペアを取るチームプレイを求めたのです。
 一人2ゲーム投げて順位を競いました。約2時
間のボーリング大会は、お互いの交流を深め、ストレス発散の機会となりました。さすがに2ゲーム目になると汗が滲んできたように、身体に良いボーリング大会となりました。
7月22日(火) 「ライオンズクラブ」
【休み明け】
 海の日を含んだ祝日明け、企業は一斉に動き始めました。暑い日が続く夏休みが欲しくなるような日が続きますが、接する皆さんは日々新たな活動を行っているので刺激になります。
 さて朝からのミーティングでは県下の動向の情報交換を図りました。和歌山県内では動いている様々なモノが他都市と比較すると少ないのですが、それでも毎週のように何らかの動きが発見できます。まちが生きている証拠なので、これらが大きくなるように見守りたいと感じます。

 続いて、市内まちなか活性化のための打ち合わせを実施しました。小さい案件ですが、今のところ和歌山市内にはないモノの提案をしました。普段から地域再生に関して具体的な話し合いをさせてもらっているAさんは、「可能性のあるものなら全て検討しないといけない状況がいまの和歌山市。より好みをしている場合ではなく、社会的に間違いのないものであれば検討するだけの度量が必要」だと話してくれました。Aさんとの話し合いは、今までもそうだったように全て具体的な提案を基にして話し合いを進めています。可能性のある案件はチームを編成して検討に着手します。チームは県内、そして交友関係のある県外の人も参加してもらっています。
 厳しい日差しの下でも、蒔いた種は発芽する可能性を秘めています。関わる人、資金、推進力、本気力、タイミングなどの条件にも関係しますが、まずは着手するための一歩を踏み出すことから始まります。

【NPOサポートセンター】
 続いて短時間ですが、NPOサポートセンターに関する意見交換を行いました。NPO活動家や支援組織が集まって慌ただしい動きを見せていました。和歌山県のNPOサポートセンターの今後の動向について問題が発生しているからです。和歌山県内の各種NPO活動は盛んで、この核となっているのがNPO法人の活動を支援しているNPOサポートセンターなのです。資金的には潤沢ではないNPO法人ですから、会議室やコピー機器などのOA機器が揃っていて、活動の相談に乗ってくれる専門の人が常時いてくれるNPOサポートセンターの存在は物心両面で心強いものがあります。

 ビッグ愛6階に位置しているこのセンターは和歌山県の施設ですが、費用対効果の観点から、現在は指定管理者制度によりNPO法人が運営しています。ここでは専門知識を有してNPO法人の活動支援をしてくれていますが、財政面からセンターを廃止するとの動きがあると聞きました。正確な情報が入っていないのでここに記すことは出来はませんが、NPO支援の核となる施設は、これから益々活動の領域が拡がるであろうNPO法人の活動のために、今後とも存続すべきセンターであると認識しています。私も幾つかのNPO法人との係わりがあり、同センターの存在価値は活動を通じて分かっています。この問題の動向は今後とも注視していきたいと考えています。

【ライオンズクラブ】

(ライオンズクラブ第一回キャビネット会議は
熱気が感じられました。)
 ライオンズクラブ第一回キャビネット会議が開催されました。地区レオ委員として出席いたしました。本年度のガバナーの活動方針を知る機会であり、各地区委員との交流を図れる機会となりました。
 ライオンズクラブの会員は社会奉仕を考えて参画している人ばかりですから、先輩方と話をすると社会の、そして人生の勉強になります。

 会社経営をして利益を上げることは、企業としての責任であり役割でもあるのですが、それだけでは不足しています。利益を自分と自分の会社のことだけに使うだけでは、その会社が真に社会に貢献しているとは言えません。資本主義の先進国であるアメリカからライオンズクラブの活動が始まったことがそれを物語っています。利益を上げた会社や個人は、自分と自分の利害関係者以外の、社会に貢献する活動にお金を活用することで社会的責任を果たしていると言えるのです。これは資本主義ではなく、進歩している私達の世界において、どこの国でも通用する普遍的原則なのです。

 社会貢献活動をするためには、まず自分が経済的にも社会的にも自立することが前提ですが、それらを安定させた後は社会全体を安定させるために尽力する必要があります。ライオンズクラブの使命は凄く大きいのですが、個人としての活動は、そこまで至りませんから、国が、地域が、組織が、個人の集団が協力し合って、個人で不足しているものを補いあって社会貢献に努めているのです。この活動に関われる幸運に感謝しながら、同じ志を持つ会員と知りあえることは新たな刺激になります。

 ある会員は、薬物中毒の人を救う活動を支援しています。ある会員は乳がん患者を支援するためピンクリボン運動を支援しています。ある会員は交換留学生の支援のための資金援助を行っています。またある会員は国内や自分の住む地域の枠に留まらないでベトナムの子ども達の教育のための支援活動を行っています。将来は学校を建設したいと話してくれました。

 志を持っているこれらの皆さんは、地域においても尊敬されている方々ばかりです。ところが現在、ライオンズクラブの会員数は減少しています。原油価格や原材料価格の高騰による会社経営の厳しさという現実があるためですが、少し寂しい気がします。昔はどこの地域でも旦那衆がいたと聞くことがあります。道頓堀を作った道頓さんが有名ですが、どこの地域でも私財を投入して地域の、今で言うところのインフラ整備をした人達がいるようです。

 かつてのように莫大な私財投入は困難な時代になっていますから、私は、資力に見合った社会貢献をしようとしているのがライオンズクラブだと捉えています。小さな貢献の気持ちと行動が集まれば、大きな希望と世界を動かせる行動に変化します。ライオンズクラブの活動は、和歌山市から関西地域へ、そして日本国から世界へと、個人の小さな社会貢献の動きが広がっていくことを実感できます。
7月21日(月) 「勉強」
【勉強】
 公立の小中学校、高校では夏休みに入っています。暑い夏、ゆっくりしたくなる時期ですが、最近の子どもはそうはいかないようです。進学に関しての競争は益々激しさを増しているように思います。進学塾では夏の補習が開講されていますし、図書館でも勉強する子ども達の姿があります。

 夏休みは一学期の復習をする絶好の機会であり、学力を伸ばせる機会でもあるのです。勉強に関して先生方と懇談する中に、社会生活にも役立つヒントがありました。
 努力することを大切にすること。
 最近の風潮として、努力することは格好良くないと思われています。努力という言葉自体も存在感が薄れています。私達は何事でも、なるべく楽に、汗を流さないで、近道を探すような歩き方をしています。人生を楽短で行けるなら結構なことですが、そんな訳にはいきません。実は努力することは格好良いのです。

 先生か子どもに質問していました。
「夏休みなのに野球部に所属している友人が暑い中グラウンドに立ち、ユニフォームを土まみれにして、汗を流して練習していました。通りかかった君が、この友人の姿を見た時にどう思いますか。

 ひとつ。格好悪いなあ。
 ふたつ。暑いのに何をしているのだろう。
 みっつ。無駄なことなのに止めたら良いのに。
 よっつ。頑張っている姿は格好良いなぁ。
 君は、どんな風に思いますか」と訪ねたのです。

 質問を受けた子どもは「よっつめの格好良いと思います」と答えました。
 そうなのです。汗にまみれていても、疲れてふらふらであっても、努力する姿は格好良いのです。

 もし君が努力している人のことを「馬鹿だなぁ」と他人に言うとすれば、それを聞いた良識ある人は必ずこう思います。「努力していない人が努力している人を評価することはできないよ」或いは「あなたは努力した経験がない不幸な人ですね」と人格を疑われることになります。努力している人を「馬鹿だなぁ」と思う人が格好悪いのです。

 勉強も同じことなのです。夏休みに勉強をしている人を格好悪いと思う人がいたら、その人が格好悪いのです。遊びたい夏休みなのに勉強しているのは、将来、目指しているものがあるからです。それに向かうためには、いま勉強をしなければならないことを知っているのです。
 練習をしないでいきなり試合に臨んでも、結果を出すことは出来ません。試合で結果を出そうと思ったら、練習をすべきなのです。練習をしても結果が伴うとは限りませんが、練習をしていなければ試合で練習の結果が出ることはありませんから、試合の意味が全く違ったものになります。勉強も同じで、詰め込んでやっても成果は現われません。毎日、少しずつでも勉強することが、やがてテストの成果として現れ始めます。勉強をそこそこにして試験に臨むことは、勝つための練習をしないで試合に臨むようなものなのです。

 楽しくなくても、みんなが遊んでいても、目指すべき試験で結果を出したいと思うのであれば、勉強する以外に近道はありません。
 努力をすること、勉強を続けることは格好の良いことなのです。そう思わない人がいるようなら、その価値観を転換しなければなりません。
7月20日(日) 「戦艦大和」
【戦艦大和】
 大東亜戦争の戦時中に明石の軍事工場にいた人から戦争の時の話を伺いました。敗戦濃厚の時に戦艦大和への期待は大きかったのですが、最高機密だったため、その姿を見ることのできた人は少なかったそうです。今でも、残された写真の少ないことからうかがい知ることができます。

 戦艦大和の船体は厚さ30cmの鉄で作られていたために魚雷や横からの攻撃にはビクともしない仕様でしたが、上からの攻撃には弱い弱点があり、そこをアメリカ軍に付かれたそうです。そのアメリカ軍がヒントにしたのは、先に日本軍がイギリス軍の当時、最強といわれた戦艦を戦闘機で撃沈させた作戦だったそうです。

 戦艦は飛行機による上空からの攻撃に弱いことを日本軍が知っていたのに、それを自軍の戦艦に活かせなかったことと、アメリカ軍の作戦の前に戦艦大和も屈したと話してくれました。

 そして戦艦大和の建設費用は約137,802,000円。現在の価値に換算すると東海道新幹線を建設するのと同等の予算だと伺いました。正確な比較なのかは分かりませんが、その規模で国家の威信を賭けた壮大な国家プロジェクトだったことが分かります。
 今も九州沖に眠っている戦艦大和ですが、その当時のことを知っている人も少なくなってきました。

(珍しい戦艦大和の写真です。)
 戦艦大和の写真もいただきましたが、これは波しぶきの立っている勇壮な姿です。

【意見提言】
 最近のことに関して意見をいただきました。「不満ばかりですが」と前置きして話してくれました。

原油高騰に関して政府の無策と対応の酷さに驚いています。暫定税率を延長させたことが裏目になっていることは明らかです。漁業や運送業は直接的な打撃を受けていますし、間接的に打撃を受けている事業者は数え切れないと思います。今回の原油高は原油への投機目的によるものとして、資源としての原油価格は安定しているような見解がありますが、投機目的であっても、原油高騰は現実に起きている問題ですから、投資家だけの問題ではありません。人ごとのような政府筋の発言は無責任さを感じています。

和歌山県の土地価格が下落していることから、不動産の取引件数は減少しています。取引が減少していることは不動産価値を引き下げているもので、当面、上昇するとは思えません。これも市場原理ですから、どうしようもないことですが、政治で何とかならないものでしょうか。

中心市街地に活気が戻っていません。フォルテワジマだけが点灯されていて、他は寂しい限りです。学生や若い人に聞いても、ぶらくり丁に行ったとは聞きませんし、「二丁目」と言っても「二丁目ってどこ?」となって通じません。若い人達は二丁目が中心市街地だと思っていない様子もあります。行政機関が計画を策定して本気で活性化を図ろうとしているのであれば、民間の支援を強力に推し進めて欲しいと思っています。

先日のNHKの番組放送を見て腹立たしく思いました。ぶらくり丁がシャッター通りだとして県関係者が対談しているものですが、ぶらくり丁の現状の酷さを訴えているだけで、対応策が全く示されていませんでした。この人通りの少ない映像と県関係者のコメントを聞いた人はぶらくり丁のことをどう思ったのでしょうか。この番組は関西版だったので、県外の人も見ている筈です。活性化を図ろうとする意欲が感じられない番組内容で、行政施策のまずさに失望しています。
7月19日(土) 「慰問活動」
【慰問活動】

(オラン座の皆さんと一緒に慰問活動を行
いました。オラン座は和歌山県初登場でした。)
 市内の福祉施設に慰問活動に行ってきました。本日、ご一緒したのは劇団「オラン座」で、和歌山県内では初公演となりました。平成16年に結成したこの劇団は県外で公演活動を行っているのですが、何故か地元、和歌山県で公演していなかったのです。先月、劇団とご縁をいただき、本日の初公演を行うことにしました。劇団員は100人もいて、会場の大きさや演目によって編成をしています。

 本日は13名の劇団員の参加がありましたが、和歌山県初登場ということで私も友情出演?をしてきました。とても熱い日中でしたが、涼しい衣装と舞台出演のお陰で暑さが吹っ飛びました。

 オラン座の特徴は、5分くらいの寸劇を時間に合わせて数種目行うことです。今日は大奥から始まり、北島三郎さんの歌、水戸黄門の寸劇、南中ソーラン、日本舞踊が披露されました。
 劇団のキャッチフレーズ「笑いと感動」のとおり、観劇した皆さんは笑いと感激に包まれた様子でした。私も出演を終えてから控室に引き上げようとしたところ、劇を見ていた一人の人が手招きしてくれました。「本当に素晴らしい劇で感激しています。本当に笑って楽しめました。是非とも次回も来て下さいね」と涙ぐんで話してくれました。

 この姿に接した時、ここに来て良かったと思うと同時に、一緒に出演させていただき良かったと感じました。劇団の皆さんも暑さに負けない熱演で、外の暑さと舞台の熱さが重なって暑さが打ち消されたようです。
 ところで舞台衣装として水着を着用したのですが、驚いたことに胸元には「SPEED」のマークが印字されているスピード社の水着でした。北京オリンピックの水泳競技の話題をさらっているスピード社の水着ですが、着用してみると身体が締め付けられる感じがありました。実際の水着は小さくて着用すると身体に合わせて伸びてくれます。身体が締め付けられて水着の形に身体のラインが作られる感じがあります。

 確認のために劇団の一人に尋ねると、「レーザー・レーサーではないけれどスピード社の水着です」と答えてくれました。話題のスピード社の水着が着用できたことは幸運でした。ニュースで聞くだけではなくて、体験することで自分の言葉で相手に話しをすることができるからです。
 約1時間の公演はあっと言う間に過ぎました。オラン座の8月公演は4回予定されているそうです。全て県外での公演予定ですから、これを契機に和歌山県内での公演も仕掛けたいと思います。
 そのひとつとして和歌山市を題目にしたシナリオ制作を依頼しました。「和歌の浦」がそれですが、劇団のシナリオライターは早くも構想を描いているようです。

【情報交換】
 HさんやOさんと情報交換を行いました。偶然ですが、二人とも大阪市内で仕事をしてきたところでした。和歌山県内には仕事従事者に見合うだけの仕事の絶対量が少ないようで、大阪に出向くことが多くなっています。本当は地元のための仕事をしたいのですが、生活のためにそうは言っていられないようです。ただ交通費などの面倒は見てくれないので、やはり地元の仕事が一番良いのは言うまでもありません。
7月18日(金) 「文教委員会」
【文教委員会】
 文教委員会が開催されました。平成20年6月に常任委員会の構成が変更となり、私は経済警察委員会から文教委員会に所属が変わりました。この一年間は教育委員会を所管する文教委員会で審議を重ねることになります。また先の議会で承認をいただき、文教委員会副委員長を務めさせていただくことになりました。

 最初の委員会は教育委員会に関する継続審査を要する項目について、現状報告を受けました。継続審査項目は次の6項目です。

・学校教育の充実について
・高等学校等の新増設について
・人権教育の推進について
・体育・スポーツ施設等の整備について
・社会教育施設等の整備ついて
・生涯学習の推進について

 以上についての報告を受け委員会を終えました。

【NPO活動】
 NPO法人青少年国際福祉教育協会では、三年前から紀州子ども語り部養成講座を開講しています。子ども達に和歌山市と和歌山城の歴史を学んでもらい、実践的な活動を通じて青少年の健全育成と自分達の暮らす和歌山市に誇りを持ってもらうことを目的にしたものです。今春も養成講座を開講し最終回の紀州子ども語り部コンテストを終えたばかりです。

 ところで昨日の観光カリスマ講座における全国の事例の中に、「児童・生徒による観光地域づくりへの参加事例」の報告がありました。国土交通省観光部門の事例報告ですから国レベルの好事例紹介の筈です。
 山形県の遊佐町立西遊佐小学校では「旧山本家」のボランティアガイド活動を行っています。松阪市文化財センターでは、中学生が「はにわ館」のガイド活動を行っています。新潟県佐渡市立小学校では「宿根木」観光ボランティアガイドを行っていますし、広島県甘日市市立宮島中学校では「宮島」ボランティアガイドを行っています。このように小学生や中学生が自分達のまちのことを学び、観光に訪れた人のために子どもガイドを行っている事例があります。

 しかし私達のNPO法人では、三年も前から和歌山城の子ども語り部を養成し、場合によっては観光ガイドも行ってきたのです。この子ども達は地域の財産ですし、この活動は全国に誇れるものだと再認識しました。この取り組みの立ち上げ時期には和歌山市の「市民の底力」事業の採択を受けましたが、それ以降、地元行政が余り関心を持ってくれていないのが残念です。
 それでも、これらの活動があちらこちらで行われていること事例を知り、紀州子ども語り部は和歌山市が全国に誇れる事業であることをNPO関係者で確認し合いました。

【景観条例】
 和歌山県では平成20年4月から景観条例の適用を始めています。この条例に基づく実務面での規則を現在策定中です。和歌山県ではパブリックコメントを求めていますが、このホームページで公開されている案について意見交換を行いました。
 景観を守ることには異論はありませんし推進すべきですが、驚くべき内容が含まれているので指摘しておきます。建築物や工作物に関して、和歌山県内全てにおいて高さは13mまで、建築面積は1,000uまでに規制する案となっているのです。但し適用は和歌山市と高野町は除きます。

 つまり景観を重視する余り、県内の経済活動を止めてしまうような案となっています。13mとは建物でいうと三階建て相当ですから、大規模なマンションは景観を害するものとして建築できなくなりますし、1,000uというと100m四方の大きさですから、企業進出の面でも大きな制約となります。つまりこの条件を超える建築物を建てようとする場合、届け出対象行為が必要となるのです。届け出が必要となると審査期間を要しますし、結果として認可されるとしても他府県と比較して建築工程が遅れることを意味しますし、何よりも、和歌山県では規制が厳しいので進出を見合わせる動きが出ないとも限りません。そうなると企業立地の面では比較劣位になりますから、益々企業誘致活動は厳しくなります。

 同様に電柱建柱においても問題が発生します。一般的に市内地域の電柱の高さは15mですから、景観計画面で届け出が必要な行為となります。これが問題で、インフラを担っている企業では現在、電柱の本数を減らすために共架しています。分かりやすくいうと、電力会社やNTT、ケーブルテレビや光ファイバー回線を扱っている企業は、それぞれに電柱を建設すると街中が電柱で溢れますから、可能な限り一本に電柱に電力、通信、光ファイバーを乗せようとしています。これらの電線類を共架させるためには必然的に電柱は高くなります。
 景観計画で高さ規制をすることでこれらの共架ができなくなり、各々が電柱を建柱することになると電柱の本数は増え、かえってまちの景観が悪くなるのです。まして和歌山県としては、全県にブロードバンドが行き渡るように推進しようとしている途中ですから、この規制により光ケーブルの敷設が限られることになります。デジタルデバイドの解消の遅延や解消が図れないことにもつながるものです。

 通常、どこの地方自治体でも、景観を保護する地域に限定して条例で規制を掛けています。琵琶湖周辺の地域、奈良公園周辺、鳥取県では大山周辺などですが、景観を守るべき地域は守り、企業立地を初めとする経済活動をすべき地域は適用外としています。
 和歌山県の場合でいえば、世界文化遺産の熊野古道周辺と高野山や那智の滝界隈が該当する地域だと思います。それ以外の町中にも景観計画による届け出規制をすることは、景観面でも経済活動面でもむしろマイナスとなります。

 マンションも建たない、企業立地にも制約があり他府県らはない届け出が必要な地域に県外から事業者が進出してくれるのか疑問です。小さなことを気にして全体を駄目にしてしまう、つまり「角を矯めて牛を殺す」ことになるような気がします。
 地域によって経済活動優先なのか景観保全が必要なのか違いますから、バランス感覚を以って景観計画を策定して欲しいことを伝えたいと考えています。

【その他】
 バリアフリー旅行について。電柱への大災害時の非難路の看板取り付けについて。和歌山大学観光学部支援方策について、などに関しての打ち合わせを行いました。
7月17日(木) 「和歌山ゴールド倶楽部」
【和歌山ゴールド倶楽部】
 和歌山ゴールド倶楽部に参加しました。株式会社140B取締役編集責任者の江弘毅さんから「家族の解体とシニア世代の消費社会」について話を伺いました。
 現在はアメリカ型消費社会の核家族の時代よりもさらに微分化された核家族に変化しています。家族の欲望から個人の欲望を追求する社会に変化を遂げています。家族であっても他人の認識で、家族の消費から個人の消費への嗜好が変わっているのです。そのため従来のマーケティングは通用しないので、問いに対して導かれる答えが用意されていないのです。雑誌の編集にしても個人の塊に満足を与えられませんから、発行部数を伸ばすための編集をしようとしても、全てに通用する答えは用意されていないのです。

 イベント情報を満載した情報誌「ぴあ」やファッションカタログ的要素を持った「ポパイ」などありましたが、これらの情報誌は現在、苦戦しています。インターネットに取って変わられたのではなく、微分化された個人の嗜好に対応し切れなかったのが原因です。
 私達が欲する情報はイベント情報を集めたものやカタログ的情報を集めた媒体ではないのです。つまり消費を促すだけの情報は、以前ほど重視されなくなっています。それにとって変わるものが何なのか分かり難い時代に入っています。ですから何がヒットするのか、何が受け入れられるのか、専門家でも予測は難しくなっているようです。

 ところで個人の嗜好といっても、極めて定義は難しいのです。個人の嗜好イコール他人の嗜好でもあります。自分では不必要だと思っているのに、身につけているものや購入するものがあります。代表的なものがブランド商品です。ブランドバッグに関心がなくても、持っていると安心できるものです。その理由は、誰からも「センスが悪い」だとか「時代遅れ」など言われることはないからです。
 つまり自分で似合っていないと思っていても、ブランドに興味が無くても、他人の嗜好に自分を合わせているのです。このように、他人の嗜好が自分の嗜好になっていることがあります。まちに溢れている同じブランドの商品。他人の好みが蔓延していることから、自分の思ったとおりに過ごせない社会でもあるのです。

 事例は違いますが、自己責任や自己決定についても、自分ができないことを棚に上げて簡単に主張することがあります。自己責任や自己決定をすることは社会的な責任と実力を伴います。「この会社を辞めて毎月100万円稼ぐ」、「医者になって稼ぐ」や「弁護士になって社会正義に生きる」など、その立場にない人がこれらの発言をしても、自分以外の誰も「素晴らしい」と思いません。それは、出来ないことが分かっているからです。出来ないことを言っている人に自己責任や自己決定はできないのです。

 自己責任や自己決定とは、その実力が社会で通用する人が言うべきことで、成長過程の人や今に安住している人が簡単に使える言葉ではないのです。
 ファッションに戻りますが、ブランドバッグを持っていることを自己決定しているように思っていても実は他己決定されていたり、ファッションを批判された場合には、販売店やメーカーの責任に転嫁するなど、自己決定したことの責任を取ることもしないものです。
 社会の中の自分の存在とは一体何者なのか。とても難しい問題だと思いました。

 江さんのお話の後、私から「関西独立リーグ」と「紀州レンジャーズ」について皆さんに報告させていだたきました。平成21年度に発足する関西独立リーグと、和歌山県から紀州レンジャーズが参画することの意義を述べ、皆さんからの支援をお願いいたしました。
 和歌山県に新しい娯楽が誕生したことや、家族や友人と楽しめる取り組みであると評価していただきました。微分化された家族ですが、せめて核家族にまで戻し、家族で楽しむことができる娯楽であり、家族で行動できるための野球観戦に仕上げたいと思っています。
 崩壊しようとしている家族や地域社会を、もう一度蘇らせてくれるのが紀州レンジャーズの取り組みです。家族の崩壊と消費するだけの社会から、家族が家族であり、消費だけの楽しみから同じ時間を楽しむ価値を共有できる社会のために、和歌山県に誕生した紀州レンジャーズは役立つものと確信しています。

【備長炭入りソックス】
 地元素材の備長炭を練り込んだソックスを製造しているのが朝日ソックスの川端社長です。毎日、和歌山県の産品を売り出すために活動的に走り回っています。訪ねてくれたので、最近の状況について伺いました。「現在はどの産業でも厳しいので、乗り切れるように頑張っています」と話してくれました。今を乗り切って和歌山県発のソックスを発信して欲しいものです。
(地域おこしに熱心な川端社長と。)

【観光カリスマ講座】
 夜には和歌山大学観光カリスマ講座を受講しました。会場のフォルテワジマのイベントホールは超満員で、観光が旬のテーマであることと和歌山大学観光学部への期待が感じられました。
 
【その他】
 地域の夏祭りについて。土地流動化について。金融と地域活性化の関係について。
 年金問題の不具合について。これは、ある人の年金未納の問題に意義あることの申し入れに対して、第三者機関が調査した結果、その時代にその会社に在籍していたことを証明できないので年金の支払はできないと結果通告をされました。当時の従業員証明書や名刺が証拠として存在し提出しているのに、年金を支払っていた証拠として認められなかったのです。「証拠を信用できないのなら、会社か当時の関係者に聞きとりに行って欲しい」と依頼しても「調査権がない」との回答で、現場に出向いてくれない様子です。「調査権もないのに何が調査のための第三者機関なのか分からない」と怒りを隠せない様子でした。「年金を支払っていた国民を信用しないで、政府を守るための調査なら必要ない」と、政府に失望しています。もう政府与党に国政を任せられないと、当人と家族の怒りと悲しみが充満しています。
7月16日(水) 「コンクリート」
【コンクリート】
 紀伊半島では耐久性のあるコンクリート素材が少なくなっているようです。良い素材から掘り起こして利用してきたため、良質の砕石場からも良い材質のものは少なくなっていると聞きました。万一コンクリートの品質が低下するとしたら、橋脚や道路の耐久性に問題が発生します。
 技術者と関係者で集まって、この件に関しての話し合いを行いました。東京からも専門家に来ていただき、全国的な傾向と和歌山県としての取り組みについて意見を伺いました。
 即効性のある対応策はありませんが、中長期的視点で考えると違った方策が見つかるものです。良く言われる話ですが、10%の品質改善やコストダウンを図ろうとすれば、方法を少し変えるだけで済みますが、50%の品質改善やコストダウンを図ろうとすると抜本的に方策の見直しが必要です。それと同じように既存のコンクリートの品質を向上させようとすると難しい問題ですが、抜本的な改革を実施するとしたら方策はあります。

 全国的には数社の大手企業が新しい取り組みを実施していますが、関西ではありませんし、当然、和歌山県での取り組みもありません。耐用年数が100年、強度は今のコンクリートの3倍もある素材で、さらに環境に優しいものだとしたら検討に値します。
 ただし最大の問題が横たわっています。新しい技術が世に出るために立ち塞がるものですが、それは既に形成されている市場です。市場が形成されている分野では新規参入は容易ではありません。特に大手に立ち向かうのは至難の業なのです。しかし耐用性、安全性の確保、環境への負荷などを考えた場合に新しい技術に優位性があるとしたら、取り入れる試みも大切です。

 年齢を重ねた経験者の人が話してくれました。「もう引退しようと思っていたけれど、次の世代に引き継ぐものを見つけた場合には引退できないと考えました。新しい技術を取り入れ、一般化させるまで頑張りたいと思っています」というコメントです。
 引退を撤回させるほどの魅力的な技術を和歌山県での導入を図りたいものです。

【水質の問題】
 飲み水だけではなく循環させている水の品質の問題も言われています。福祉施設などのお風呂では、浴槽の水を濾過し循環させている場合があります。十分に殺菌を行わないと、レジオネラ菌などから健康への影響を受けます。飲み水ではない水質の問題も議論され始めました。この分野の専門家にも東京から来てもらって懇談する機会を得ました。
 この分野でも和歌山県での取り組みを期待していてます。

【レオ会議】
 ライオンズクラブ組織の一部であるレオ活動について、和歌山レオクラブ会長と副会長と三者で平成20年度の活動について協議しました。和歌山レオクラブの新年度は今年7月から来年の6月までとなっています。来月、レオ育成委員会を開催し活動計画案と予算案の承認を受けることになっていますが、今日の話し合いに基づいてその議案を策定することにしています。

【保田龍門】
 和歌山県が生んだ画家であり彫刻家の保田龍門。郷土の偉人ですが、現在は忘れられた存在になっているようです。その作品は和歌山県庁や和歌山城近くの岡公園、岡公園内にある和歌山市立児童女性会館、和歌山刑務所に飾られ、また紀陽銀行本店の壁面などを飾っています。しかし飾りつけている訳でもなく無造作に配置されているため、凄い作品だと気付く人は少ないようです。
 和歌山城の周囲には文化財が眠っていると聞きましたが、和歌山県の文化とり歴史を知る上でも、一度訪ねて見るつもりです。

【防災対策】

(災害対策を話し合いました。)
 地域防災対策に関して話し合いました。防災訓練や耐震補強工事は実施していますが、家屋内の対策を講じている人は少ないので、耐震補強を施した家屋が残り、人がいなくなる恐れもあります。それは本末転倒で、このことは生命よりも財産が大事と思う人が多いのか、行政からの情報発信力がないのかのどちらかが原因です。
 たまに、生命よりも財産の方が大切だという人に出会うことがありますが、大多数は財産よりも生命を大事にしている筈ですから、東南海・南海地震の危険性を分かっていながら、ここに住を構えて暮らしている人に室内対策の重要性を発信していない行政の情報発信力に問題があると考えるのが自然です。中国四川省や岩手県で地震による大きな災害が発生しています。これらの事例を他山の石として、実施しておくべきだった対策を講じておくことが必要です。災害を研究している民間事業者には、阪神淡路大震災以降の事例と生命を守るための対策について、既に十分なノウハウが蓄積されています。これらの災害現場から学んだノウハウを活用しない自治体で大地震が発生し、経験から学んだ事前対策を講じていたとしたら生命を落としていないと思われる人が生命を失ったとすれば、自然災害ではなくて人災と言えます。そんなことは絶対に避けなければなりません。生命と安全を守ることが行政機関の大きな役割です。

【ライオンズ理事会】
 夜には和歌山ゴールドライオンズクラブ理事会に出席しました。当面の活動方針の確認と例会の議題に関して確認しました。

【知識と知恵】
 知識は本や冊子、今ではインターネットから得るものだと思っている人が多くいます。しかし知識は人と会うことで得られるものだと言います。人と会って話を聞くだけで得られるものがあります。そして一人では決して得ることのできないものが、人と会うことで得られることが多いのです。

 習得した知識は自分の言葉に置き換えることで知恵になります。そこまで自分の中で熟成して初めて、自分の知恵となるのです。知識は人から学ぶもの、知恵は課題解決に向けた方策を自分の言葉で表わせるもの。一人では、知識も知恵も身につけることは難しいものです。
 今日の体験から言うと、保田龍門のことを知らないと、県庁や紀陽銀行本店を訪れても、その作品に立ち止まることはありませんし感動することはありません。保田龍門を知らないことには自分の知識にはなりませんし、知識がないと保田龍門の作品を活用した地域振興や文化振興策を検討するための知恵にも至りません。

 保田龍門の凄さを知って初めて知識になりますし、和歌山市内に残された作品をどう活かすか、知恵を使って方策を考えることができるのです。
7月15日(火) 「四国・九州アイランドリーグ」
【四国・九州アイランドリーグ】
 独立リーグの四国・九州リーグ。早朝からフェリーに乗船し、日帰りで四国まで往復してきました。
 そこで香川県の方と懇談したところ、独立リーグは地域として盛り上がっているし、今では野球チームは地域に無くてはならない存在になっていると伺いました。広島県からやってきて、現在、香川県に移り住んでいる方は、「広島にはプロ野球、プロサッカー、交響楽団があるけれど、香川県にはひとつもない」と思ったそうです。そこで何とかして、この三つを香川県に作りたいと思って行動を開始したそうです。今では独立リーグ所属のプロ野球チームとJリーグを目指すサッカーチームができていて、後は交響楽団を残すだけとなっています。

 地域にプロスポーツと交響楽団が存在することの意味は、地域の元気と品格の面でとてつもなく大きいものです。特に県庁所在地には、プロスポーツと優れた芸術と文化活動の拠点が欲しいものです。これが県庁所在地の持つ品格だと思います。
 昨日、石毛さんが話していました。「紀州レンジャーズをつぶすようになっては、和歌山県が他の地域から笑われますよ」と。誰が発足させたとしても、発足させる時のエネルギーは無限大のエネルギーを注いでいますから、実は本当に大変なのです。できた後で後ろ向きの意見を言うことは極めて簡単ですが、独立リーグのチームを発足させることのエネルギーは、今まで地域にないような複数人のまとまったエネルギーが必要なのです。

 このような大きなエネルギーを注入して発足させたチームを、今度は地域で応援して育てて欲しいと思いますし、生みの親は関係者だとしても育ての親は地域の皆さんなのです。
 地域の力が図られる取り組みが独立リーグなのです。チーム結成と関西独立リーグへの参画という大きな関門は突破しました。後はチーム運営を安定させ地域に定着させることです。四国では熱意を持った人と地域の人の支援で四国アイランドリーグが、四国・九州アイランドリーグへと発展を遂げています。四年目を迎えてすっかり地域に溶け込んでいます。経営を支えてくれる地元の事業家も誕生しています。

 経済的に厳しい環境にある四国ですが、スポーツと文化に地域を挙げて取り組んでいます。和歌山県が出来ない筈はありません。独立リーグの先輩地である香川県から学ぶことがありました。

【夏祭り準備】
 恒例の小学校の夏祭りに備えて景品を揃えるなどの準備を行いました。いつもお世話になっている小林さんの事務所にお邪魔してゲーム用景品を揃えて運び出しました。小林さんはイベントの企画と運営を行っている会社の経営者で、夏は各地のイベント事で休みがないほど走り回っています。地域の祭りで顔を合わせることも多いように、地域イベント欠かせない存在となっています。
 そして単にイベントのお手伝いをするのではなくて、屋外広告物の研修会を受講するなど、法令順守とまちの景観保全にも務める形でイベントの企画を行っています。

【オイルマネー】
 オイルマネーや政府系資金の流れについて、その当事者から意見を伺いました。言うまでもなく産油国であるアラブ諸国のオイルマネーはケタ違いで、先端技術への投資を続けています。

(地域夏祭りの準備を行いました。)

(イベント企画の小林さんと。)
そこでは世界一のものを競って集める傾向にあり、記すまでもないのですが、世界一の高さを誇るタワー、タイガー・ウッズが監修するゴルフコース、人工島での別荘、巨大ショッピングセンターなど事業化が図られていますが、さらにフェラーリー博物館などの収集品の展示も検討中です。そして最先端技術を導入する意欲は旺盛で、特に新エネルギー、医療技術、自動車などを求めています。電気エネルギーが不足していますから、新エネルギー技術を欲していますし、産油国から環境保全を訴えるためにも脱石油燃料の自動車技術も求めています。水で走る自動車などは極めて有望です。

 これらの技術を世界で一番早く導入したい意欲があり、技術的には進んでいても利害関係が多くて実用化まで時間を要する日本よりも、良いものは取り入れたいとするアラブ諸国の方が技術導入は早いような気がしています。
 日本とUAEを結ぶ人が存在していることで、アラブ諸国を身近に感じることができました。日本国内の事業スケールと、どの分野でも世界一のものを取り入れようとしているUAEのスケールの違いを感じることのできた時間でした。
7月14日(月) 「関西独立リーグ」
【同級生】

(同級生の石本雅彦君と。石本君は時計店
「ANOTHER TIME」を経営しています。)
 小学校と中学校時代の同級生の石本雅彦君と会いました。石本君はJR和歌山駅東口付近で時計店「ANOTHER TIME」を経営しています。昨年の同窓会で時計店を経営していることを知ったのです。このお店は販売だけではなく、買い取りや修理などアフターサービスを充実させています。面談してお客さんの好みに応じた提案をしてくれるお店でとなっています。
 ところで2009年1月3日にロイヤルパインズホテルで同窓会をするので、現在、同級生探しをしているのです。所在不明の同級生は、あと十数人のところまで漕ぎつけていますから、すごい調査能力です。少しの手掛かりを基にして複数の同級生が集まって探し出しています。中学校を卒業してから30年が経過していますから、仕事も、現在、住んでいる地域も様々ですが、前回の同窓会では時間を超えましたし、次回の同窓会では100人を超える同窓生の参加を呼び掛けています。

 いつしか、当時の先生と同じような年代になっている自分達がいますが、石本君と話したところ、私達の気持ちは全く変わっていないことで一致しました。いつまでも好奇心と向上心を持ち続けたいと思っています。

【関西独立リーグ】
 平成21年4月、関西独立リーグが開幕します。和歌山県の球団「紀州レンジャーズ」の参画が決定していますし、平成20年6月には、株式会社とNPO法人の設立も終えて準備が整い始めています。関西独立リーグは和歌山県、大阪府、滋賀県に各1チーム、兵庫県の2チームの合計5チームで構成し、年間約80試合のリーグ戦方式でリーグ優勝を競い合います。プロ野球チームが存在し、野球の盛んな関西で初めての独立リーグですから、先発している四国九州独立リーグや北信越リーグとは異なったスタイルになりそうです。
 近い内に、独立リーグに所属するチームは約20チームになると予想されているように、地域活性化のために野球は有効な競技だとされています。

 本日は関西独立リーグの中村社長と最高顧問の石毛宏典さんが和歌山県に来てくれました。和歌山県庁の仁坂知事を訪ねて約30分、関西独立リーグと紀州レンジャーズの活動に関して懇談しました。
 石毛さんによると、独立リーグが地域に出来ることで経済波及効果は約15億円から20億円だそうです。四国や北信越にこれだけの経済波及効果があることは、ない状況と比較して確実に経済活動の底上げを図ってくれています。加え

(知事室で関西独立関係者と関西独立リーグ
に関して知事と懇談。)
て、どこの府県や地域でも観光で集客を図り地域振興につなげようとしていますが、観光の掛け声だけでは集客することは出来ませんし競合地域が全国の地域ですから、観光で人集めは容易ではありません。

 そこで地域に独立リーグのチームが存在し、年間約40試合をホームゲームとして所在地で試合をすることの集客効果は、他の地域よりも優位に立つことになります。そして休日に家族や友人と、地元の野球場で野球観戦をする楽しみが新たに加わることになります。今までになかった娯楽がひとつ増えることになるのです。
 そして独立リーグのチームは県代表チームのような位置づけになり、ノンプロの夏の都市対抗戦のように、各地に誕生した独立リーグで、自分達の県のチームが競い合う状況に発展して欲しいと願っています。

 そして独立リーグの大きなテーマは、地域振興と共に青少年育成があります。野球を通じて青少年の健全育成に関わることです。独立リーグのシーズンは4月から10月までですから、11月から2月までの四ヶ月はオフシーズンとなり、選手は地域に入って少年野球の指導や社会貢献活動を行うことになります。地域の産業に関わってその地域を知ることもその一環で、和歌山県での農業体験やサービス業の体験を行います。厳しいことですが、野球で食べていける選手は少ないのが現実ですから、折角、ご縁があって和歌山県のチームに所属したのですから、選手を引退した後も、和歌山県を好きになってもらい、地元で仕事をしてもらいたいこともあります。

 参考までに四国独立リーグでは発足以来一件も不祥事がなく、健全な地域づくりにも資しています。野球をしているお兄さんが、グラウンドで野球少年を教えている光景が地域にあると嬉しくなります。

 このようにスポーツは青少年の育成につながります。将来は紀州レンジャーズ組織の下部組織にジュニアチームを作り、ここから紀州レンジャーズやプロ野球に進む選手が誕生してくれると地域として良い循環になります。そして遠い将来ですが、紀州レンジャーズのジュニアチームで育って日本プロ野球に進み、現役を引退した選手が再び和歌山県に戻ってきて、今度は指導者として紀州レンジャーズに所属して欲しいと思います。それが地域振興に関わり、地域文化として定着することなのです。


(関西独立リーグ最高顧問の石毛宏典さんと。)
 そして最後に、独立リーグは選手の夢を叶えてくれる場所でもあり、方向転換の場にもなります。野球が好きでも生涯、野球に関わっていける選手は極めて少ないのです。そこで最後にプロ野球への夢を掛けて挑戦する場所が独立リーグなのです。一年独立リーグで過ごしても次の年も選手として所属できるとは限りません。技術が伴わなくてチームを去る選手も出てくると思います。
残念なことですが野球を諦めて違う人生を歩むための決断を下させるのが独立リーグでもあるのです。セレクションを潜り抜けて独立リーグでプレイした選手は、野球人として、ある水準以上のレベルにあり、社会人としても認められた選手たちです。そして独立リーグというプロで技術も精神力も鍛えられた選手たちですから、野球から方向転換しても必ず成功する素養があるのです。厳しいようですが、野球から別の道に進むためのリーグでもあるのです。最後に好きな野球で人生に挑戦したと言える何かを与え、別の道を目指し、そこで人生の勝利者になって欲しいと願うのが独立リーグなのです。

 関係する人が地域のために何かを目指すのが独立リーグで、関わっている人と地域の挑戦が独立リーグだといえます。
 地域活性化と青少年育成。夢をかなえる場所、そして方向転換の場所が独立リーグの舞台なのです。厳しいこともありますが、地域に存在してくれることが地域の元気になり、地域の力を底上げしてくれる役割も果たしてくれると確信しています。
 知事に対して紀州レンジャーズの特別顧問に就任を依頼したところ、快諾をいただきました。関西独立リーグの活動に大きな弾みがつきました。

【初勝利】
 創部四年目にして夏の甲子園大会和歌山県予選で初勝利を挙げたのが私立慶風高等学校です。昨日、一回戦で田辺工業高校に勝って二回戦に進みました。田辺工業高校はシード校ですから、この勝利は選手と関係者にとって格別のものでした。理事長を訪れてお話したところ、学校には祝辞が数多く寄せられていました。そして選手たちは初勝利の後も学校のグラウンドに戻って二回戦に備えて練習を行ったそうです。
 二回戦も溌剌とした闘いを期待しています。
7月13日(日) 「和歌山巴里祭」
【和歌山巴里祭】
 今年もやって来ました、和歌山巴里祭の季節です。この日のために和歌山シャンソン協会の会員と応援してくれている人達が懸命の練習を行って来ました。ひとつのイベント開催の裏には決して表に出てこない活動の積み重ねがあるのです。今回は、シャンソン以外にも、車椅子ダンスや地元高校による大太鼓の演奏、フラメンコの踊りなど、活動の輪を拡げた内容になりました。
 和歌山巴里祭10周年記念の気持ちもあるのですが、和歌山巴里祭をもっと盛り上げたいと願う会員の皆さんの熱意の賜物でもあります。今年の舞台も本当に素晴らしいものになりました。関わっていただいた全ての皆さんに感謝申し上げます。
 本日のプログラムでの皆さまへの挨拶は次の通りです。

 「ごあいさつ 和歌山シャンソン協会顧問 和歌山県議会議員 片桐章浩
 第29回市民文化まつり参加、和歌山巴里祭、第10回チャリティー・シャンソン・フェスティバルが皆様のご協力のお陰で今年も盛大に開催されます。早いもので昨年のあの素敵なコンサートから1年が経過しました。この間、「いよいよ来年は10周年ですね。期待しています」の声をたくさんいただきました。会員一同が今回の和歌山巴里祭に向けた練習に取り組み、今年も感動の舞台の準備が整いました。
 併せて皆様が入場していただいたことによる収益金は、社会福祉に貢献している団体に贈呈させていただくなど、シャンソン協会では文化活動の向上と社会貢献活動に取り組んでいます。和歌山巴里祭の舞台は、私達が交流できる素晴らしい機会となっていることを実感しています。
 出演者が心を込めたシャンソンステージは、皆様にシャンソンを楽しんでいただける絶好の機会になると確信しています。ご来場いただいた皆様方とステージが一体となった素晴らしいフェスティバルになり、どうか皆様の心に残るフェスティバルになりますように心から願っています。
 本日はご鑑賞いただきましてありがとうございます。」

【打ち上げ】
 和歌山巴里祭終了後、和歌山シャンソン協会と今回のお手伝いをいただいた皆さんで、和歌山巴里祭の打ち上げを行いました。お互いに一年間の活動の労いをすると共に、早くも次年度の開催に向けた取り組みをスタートさせました。区切りの10年が経過したことで、新しい気持ちで11年目を迎えることになります。
 「さらに10年」のお声もいただきましたが、会員一同で気持ちを一つにして、まずは平成21年度の開催に向けた行動を起こすことにしています。

(和歌山巴里祭関係者の打ち上げ。
橋本佳代先生の挨拶。)
 懇親会での挨拶の主旨は次の通りです。

 こんばんは。今日のコンサート、本当に良かったですね。大成功で皆さんの喜ぶ声が届いています。今も携帯電話に「本当に良かったです」と電話が入ったばかりです。一年間かけて会員の皆さんが努力を続けてきた成果が実ったものだと思っています。
 今回は橋本先生を初めとするシャンソン協会委員の皆さんの歌声が素敵に会場に響き渡り、高校生による太鼓の演奏、車椅子ダンス、そしてフラメンコなど、文化の香りに溢れた和歌山巴里祭となりました。市長にも認定してもらっている和歌山市民祭ですから、今回は10周年を記念して本来のシャンソンに加えて横の文化のつながりを求めて連携した和歌山市民祭に相応しい内容のコンサートに仕上がったと思います。
 これも文化活動をしている皆さんと連携を図り、より和歌山市の文化の発展を願っているシャンソン協会の会員の皆さんの思いが伝わってくるものでした。
 区切りの10年が過ぎて、もう明日から11年目に向かってスタートを切ることになっています。そしてまた次の10年を目標に文化的な活動を続けたいと思います。
 皆さんの本当にありがとうござました。
 以上です。「挨拶、良かったよ」と参加したくれた俳句の先生からお声をいただきました。ありがとうございます。

【白浜まで】
 和歌山巴里祭の打ち上げ終了後、白浜町に向かいました。白浜で観光に関する懇親会があるためです。全員が和歌山市在住の方なのですが、夏前の白浜で懇親を深めようということになりました。和歌山市から白浜までは約1時間の時間距離ですから、充分に日帰りコースとなりました。学校の夏休みまで、あとわずか。家族で賑わう白浜がやってきます。
7月12日(土) 「慰問活動打ち合わせ」
【慰問活動打ち合わせ】
 今月中旬に実施する福祉施設への慰問活動では落語を予定しています。本人を交えて福祉施設で打ち合わせを行いました。ここの施設は、音楽でも作業でも本物を入居者に提供することを方針としています。極論すれば、慰問のための出し物ではなくて、お金を出してでも出掛けたいようなものを歓迎しています。それは「健常者でないから芸術や音楽は分からないだろう」という偏見を許していないからです。誰が見ても面白い、素晴らしいと思えるような音楽などを迎え入れています。

 先日、施設の理事とお話していた時に「誰か落語をする人は知りませんか」と依頼があり、今月それが実現することになりました。和歌山市には紀州落語研究会という組織が発足していて、これから活動を開始しようとしています。丁度、タイミングが合ったので、出演が決定しました。
 落語は言葉を理解して場面を想像することや笑いがあり、頭の体操に適していますから、福祉施設への慰問活動としてさらに普及することを願っています。

【講演会】
 友人が勤務している会社の講演会があり参加して来ました。友人のお話もあったのですが、その前に話をしたところ本人は相当緊張していました。その時に友人の胸のピンクのバッヂが映りました。そうです。ピンクリボン運動のシンボルバッヂだったのです。胸に付けている理由を聞くと「会社でピンクリボン運動を支援」しているというものでした。
 そこで「和歌山県でもピンクリボン運動を実施していますよ」と投げ掛けたところ、和歌山県内での運動は知らない様子でした。早速、和歌山支社の責任者を紹介してもらって、ピンクリボン運動in和歌山の活動を紹介しました。秋には紀三井寺や和歌山城の城壁をピンク色にライトアップしていること、和歌山市が主催している和歌浦ベイマラソンwithジャズで啓発活動を行っていることなどについてお話し、今後、さらに和歌山県内での運動を拡大したいと協力を要請しました。
 気持良くピンクリボン運動in和歌山の役員と会ってくれることを約束してくれました。

【懇談】
 世間には様々なタイプの会社がありますが、今日聞いた会社は凄いものでした。既に一昨年に倒産しているのですが、その会社の元従業員の方から聞いた従業員構成に驚きました。同僚には、元ヤミ金の取り立て人や自称詐欺師、これも自称空き巣狙いなどがいたそうです。上役もヤミ金融出身だったそうで、曰く「今思うと凄い会社だった」ようです。

 人材が人材だっただけに、この会社が倒産したのは社会の要請だったような気がしますが、仕事は環境保全に適しているとされる商品を売りつける営業だったそうです。環境問題に真剣に取り組んでいる人が大多数ですが、中には環境を語っている組織もある様子でした。二酸化炭素の排出や環境保護活動の中には直接的に視覚で確認できないものがあり、実態把握や効果の検証が難しいのです。そこに付け込まれる場合もありますから、組織の実態の確認や誰が所属しているのか誰からの紹介なのかなど人物の確認も必要になっています。信じること自体が難しい今の社会の現状を打破したいものです。
7月11日(金) 「関電労組地区大会」
【関電労組地区大会】
 平成20年度の活動方針を樹立するための第56回関電労組和歌山地区本部定時大会が開催され、お招きをいただき出席いたしました。また挨拶の機会をいただきました。挨拶の主旨は次の通りです。

(関電労組地区本部定時大会での挨拶。)
 第56回地区定時大会のご盛会、誠におめでとうございます。来賓のご挨拶をお聞きしていますと、改めて歴史と伝統の重みを感じました。先輩達が積み重ねてきた歴史を守り、発展させる必要があると実感しています。
 さて和歌山県議会に送っていだたいてから丁度1年間が経過しました。その間、地域活性化のための活動に全力を尽くしてまいりました。
 特に初年度は経済の活性化と雇用問題に着手したいと考え経済警察委員会に所属させていただき、これらの課題に取り組んで来ました。
この一年の間に、紀北筋への企業立地を促進するための「紀ノ川企業集積ベルト地帯構想」計画が策定され、国の認定を受け、それを元に平成20年6月議会で不動産取得税と三年間の固定資産税を免除する条例を制定しました。それらの制度を活用することで本年度もさらに企業立地を促進する体制が整いました。

 参考までに、三年前の平成17年度の企業立地件数は4件、平成18年度は10件、平成19年度は17件と着実に伸びを示しています。本年度も昨年度と同等の企業立地が図れると予想していますから、経済活性化と雇用の確保につながるものと期待できるものです。
 そして平成20年6月議会において、経済警察委員会から文教委員会に委員会を移りました。この一年間は経済活動を中心に取り組んで来ましたが、それに加えて子どもの教育問題にも取り組みたいと考えて委員会を変わったものです。本年は教育委員会に関する諸課題にも着手する予定ですので、引き続きましてご意見をいただきますようお願いいたします。

 さて和歌山県でも例にもれず、原油高による燃料費と材料費の値上がりによる資金繰りが悪化しています。中小企業を中心に経営環境が厳しいことを受けて、県の施策として原油高に関する資金融資や、中小企業向けの運転資金の融資制度などを整えて対応しているところです。要望に応じて制度化しているのですが、この制度の効果についての反応はありません。

 制度活用に関しては意識の問題だと思います。折角ある制度を活用し切れない最大の要因は「面倒くさい」という思いがあるからです。制度を活用したい旨の依頼をしたり、窓口の紹介などをするのですが、後が続かないことが多いように感じます。その理由は「面倒くさい」からです。人がやってくれるのであればやってもらいたいと思うのですが、実際に自分でやるとなるとやらないのです。繰り返しますがその理由は「面倒くさい」からです。書類を整えることや書類を作成することは確かに面倒な作業ですが、自分のことは自分でしなければならないのです。
 ちょっとした意識の差が融資を受けられることになるのか、書類の申請もできないことになるのかの差となって現われるのです。「面倒くさい」と思うのか、融資の受けるために仕事をするのかの少しの差が、結果として大きな差になるのです。

 ところで7月の洞爺湖サミットが終わったと思ったら、もう8月には北京オリンピックが始まります。夏のオリンピックで思い出すのは、馴染みの少ない競技なので皆さんは覚えていないと思いますが、400m走、金メダリストのマイケル・ジョンソンです。背中を反って走る特徴のある選手で、アンタッチャブルレコードと呼ばれる、今後とも破られる可能性の低い400m走の世界記録を持っている選手です。

 この選手がオリンピックで金メダルを獲得した時の話が、深く記憶に残っていますので紹介いたします。それは次のようなものでした。
 「金メダルを取るために頑張ってきたので、今その夢がかなって嬉しい」。金メダルを獲得した結果のこのコメントは、ここまではそれほど凄くないのです。しかしこの後が凄いのです。続けます。
 「高校時代の記録は53秒でした。あれから10年が経過して49秒台の世界記録を達成しました。縮めたタイムは約4秒なのです。その4秒を縮めるために頑張ってきたのです」。凄い言葉だと思いますし驚きでもあります。高校生のタイムが53秒で、世界一のタイムが49秒なのです。その差はわずか4秒です。高校生レベルのタイムで終わるのか、世界一の400m走のランナーになるのかの違いは、わずか4秒だったのです。世界一と高校生のタイムの差は4秒、この事実に驚きませんか。ほんの少しの差が大きな違いとなっているのです。そして、そのわずか4秒のタイムを縮める努力を継続したことも素晴らしいことです。10年もの間、たった4秒縮めるために努力をしてきたのです。

 世界一とそれ以外を分けたものは少しの差だったのです。
 先ほどの「面倒くさい」と思うか思わないかの少しの差や、マイケル・ジョンソン選手の自分が縮めたタイムの差。運転資金を作ることや世界一になることと、そうならないことの間には、ほんの少しの違いがあるだけだったのです。
 私達の活動も全く同じだと思います。しんどいけれどもあと少しだけ頑張れるか、面倒くさいので諦めるか、その少しの意識の差が、結果として大きな差となって現われるのです。結果で悔しい思いを味わいたくないとすれば、ほんの少しの頑張りをしたいものです。
 今後とも、このような活動を皆さんと一緒に行いたいと思っていますので、引き続きましてご指導をお願いし、大会の挨拶とさせていただきます。本日はおめでとうございました。

【元気な会社】
 経済環境の厳しい和歌山市内で業績を上げている会社があります。平成20年度四半期の売り上げが対前年比200%もあるのです。原油高や原材料調達コスト、エネルギーコストなど外部要因に左右されない強靭な経営体力があるのです。丁度、訪ねた時に社長が事務所にいたので、この優良企業の経営者と懇談しました。

 業績好調の理由は複数ありますが、最大の要因は人材にあります。厳しい経営環境の中にあって、国内他社や諸外国企業との勝負を左右するのは、やはり人材です。
 この会社の採用条件は厳しくて、残念ながら地元には条件に見合う人材は中々見当たりません。この会社に就業するための条件を記します。性別、国籍は問いませんが、年齢は37歳以下。母国語以外に英語と中国語、特に北京語の二か国語が話せ、しかも外国語でビジネスができること。ケミカルの知識を有していること。東アジアと欧米との人脈がありこれらの国の商慣行に精通していることです。

 如何でしょうか。条件を満たしている人がいましたら、是非ご一報下さい。
 これだけの条件を満たしている人材は少なくて、定期的な採用は難しいので、人材が見つかった都度、適宜試験と面接を行っています。最近二名採用していますが、一人は東京から、もう一人は地元からの採用となっています。これらの条件に適合した優秀な人材はいるものです。
 このような人材が在籍していることが、この会社の強みです。参考までにこの会社の従業員は全員、英語でビジネスが可能です。事務所の電話では英語が飛び交っていますから、忙しい時間帯には外国の事務所に来たような感じがあります。
 このように人材が揃っている会社は、会社内で解決が困難な外部要因に邪魔されない元気な会社が多いのです。

【川口清一氏をはげます会】
 32年間、関西電力労働組合の活動を行い、その中でも25年間もの長きに亘って本部役員を行った川口清一さんが今年の本部大会をもって本部委員長を退任し、現在は連合大阪会長に就任しています。
 退任されたことを受けて、今までの活動のご苦労を労いするための会合が開催されたのです。32年間は、実に会社生活の大部分を組合活動に捧げてきたことを物語っています。
 川口会長。本当に長い間お疲れさまでした。これからのさらなるご活躍を期待しています。

【紀州よさこい】
 今年も紀州よさこいの季節が巡って来ました。一年間が経過するのは本当に早いものです。来月の紀州よさこいの本番を控えて、本日はよさこいの連の合同練習が行われました。
 練習会場は、踊りの練習によって凄まじい熱気で、心から楽しんでいることが分かる程でした。夏の暑さは熱さで吹き飛ばしていました。

 よさこいは踊り子だけで成り立っているものではないのです。楽曲の提供者、練習会場を貸してくれる人、振り付けを指導する人、そして資金協力してくれる人などです。
 どの役割の人が欠けても、紀州よさこいは成立しないのです。練習に入って踊ってみました。手を挙げることが気持ち良いのです。ステップを踏むことが気持ち良いのです。声を出すことで元気になれるのです。身体を動かしての汗は気持ち悪くないのです。これらの要素を兼ね備えた紀州よさこいが若い人を中心に受け入れられるのは当然のことです。和歌山市在住の人は、エネルギーを発揮する場所を求めているのです。

(よさこいの練習は熱気で溢れています。)

(練習終了後、めんばーで記念撮影。)

【デサフィナード】
 和歌山市内にデサフィナードというカフェがあります。オーナーの木下晴夫さんは地元を初めとする音楽家の活動を支援しています。店内に一流の楽器を配置し、若手やストリートミュージャンのライブの支援をしているのです。和歌山市の人にとっては、生のライブの迫力を実感できる場所でもあり、木下さんにとっては音楽好きな人が交流できる場所を創造することにつながっています。
(デサフィナードオーナーの木下さんと。)
 このお店は和歌山県内よりも首都圏の音楽家に良く知られています。その理由は木下さんの広い交友関係もありますが、JASRACからの訴訟を受けて立っているからです。この業界のことは詳しくは知りませんが簡単に記すなら、ミュージシャンの活動支援するために店内でライブをしている行為に対して、JASRACが音楽著作物使用料を求めてきたようです。木下さんはボランティア的に若い音楽家の音楽活動を支援しているため、それらのライブでは利益は上がっていません。しかしJASRACは、お店が音楽によって利益を得る活動だとして音楽著作物使用料の支払いを求め訴訟を起こしたのです。

 木下さんが自由な音楽活動を支援していることを知ったミュージシャンが、東京や大阪などからデサフィナードにライブ活動に来てくれているそうです。
 現在もこれに関わる損害賠償請求は継続中となっています。和歌山市にあるのに和歌山県よりも県外の人が、このことをよく知っている状況は不思議な感がありました。無関心からは活性化につながることはありません。頑張っている人が報われる和歌山市であって欲しいものです。

【その他】
ある飲食店Mさん。ある人がここを訪ねると、「片桐さんは良く来てくれるよ」と話してくれたそうです。第三者から聞こえてくる噂の真相部分は大切にしたいと考えています。
ソフトテニス組織の副会長が他府県へのソフトテニス合宿の結果報告のため、訪ねて来てくれました。
レオクラブの存在意義について、そして存在している意味について考えました。レオクラブが育った後の活動の拠点として各地域にはライオンズクラブがありますから、ライオンとレオの関係については考えてみたいテーマです。
7月10日(木) 「関西独立リーグ」
【地域開発】
 和歌山市内の開発計画に関して関係者の皆さんと話し合いました。ご存じのように和歌山市内での土地の流動化は余り図れていません。そのため土地価格は下落傾向にありますし、回復の見込みは何時になるのか予測しにくい状況です。
 土地の所有者も土地から収益を上げ運用を図っている人も、そして土地取引のプロも、この先が分からない状況が続いています。何となくですが、土地に投資するための資金提供者が少ないことも、土地価格を低迷させている要因だと思いますし、売り手と買い手が良いタイミングで出会えていないようです。

 そこで難しいのは、情報が市場に出回ってしまうと、人が絡んできて取引成立が難しくなることです。土地売却の噂が流れると会社の経営不安も付いて回りますし、情報が流れないとタイミングを逸してしまいます。開発計画を持っている人が誰と出会うかは偶然が支配する場合もありますが、それによってまちの動向も左右されることもあります。

【関西独立リーグ】
 関西独立リーグに関しての打ち合わせ。来週、リーグ関係者が和歌山県に来るため日程調整とリーグ概要説明を行いました。関西独立リーグは中村さんが代表を務め、元西武ライオンズ、福岡ダイエーホークスに所属した元プロ野球選手の石毛さんが最高顧問を務めています。石毛さんは四国独立リーグを立ち上げた実績もあり、関西のプロ野球チームであるオリックスの監督も務めた経験があることなどから、関西で独立リーグを立ち上げたい意向もあったようです。

 和歌山市議会当時、和歌山県で独立リーグを立ち上げて四国リーグを核とする黒潮リーグ構想を提案したことがありましたが、それも石毛さんとご縁をいただいたことから実現の可能性を見出したためです。
 早くからチーム設立のための活動を行ってきたため、関西独立リーグの中で最も早く立ち上げたのが和歌山県の紀州レンジャーズです。石毛さん達とも連携を図りながら設立まで漕ぎつけました。
 いよいよ来春開幕を迎えますから、残り半年余りとなってきました。選手も夢と希望を持ち、関係者は野球を通じて地域活性化を目的としながら、選手の夢を応援していきます。地域に芽生えた夢の力をみんなの力で大きな花を咲かせたいものです。

【95歳】

(95歳とは思えない元気な氏家さんと。
明日から東京に行くそうです。)
 今年で95歳になる氏家さんが県庁を訪ねてくれました。丁度、県警察と打ち合わせをするために県庁に行った時に、タイミングよく訪ねてくれたのです。氏家さんは、7月13日に開催される東京での和歌山県人会に出席されますから、事前に知事に挨拶するために訪れたのです。
 生憎、知事は出張していたため面会はできませんでしたが、階段の多い県庁内を元気よく歩き廻ってくれました。
 ところで東京での県人会当日は和歌山巴里祭と重なったため、こちらのコンサートは欠席となります。毎年、氏家さんが出席してくれていただけに残念ですが、その分、友人に声を掛けてくれています。
 「白寿までもう少し」だと屈託のない笑顔で話してくれましたが、白寿とは言わずその先まで元気で楽しくご一緒させていただきたいと願っています。

【その他】
 防犯灯設置についての協議。会社移転に伴う諸手続きの相談について。東南海・南海地震に備えた自治会活動についての話し合い。和歌山巴里祭についての打ち合わせ。慰問活動の日程調整について。私のホームページを見ての感想に基づいた意見交換について。
7月9日(水) 「二順目国体」
【二順目国体】
 学生時代から剣道をしているSさんは、今も小学生の指導を行っています。競技人口が減少していることや指導者も高年齢化していることから、二順目国体に向けた新たな展開が必要だと話してくれました。初めて知りましたが、昭和46年に和歌山県で開催された黒潮国体以降、和歌山県は国体の剣道で三連覇を成し遂げているようです。これは後にも先にもない快挙で、それほど和歌山県の剣道は強豪として知られた存在でした。ところがそれ以降の国体での順位は下がっています。

 何が原因なのかは明白だそうです。選手補強を継続していなかったこと。子どもへの指導体制が整っていなかったこと。他府県の強豪チームに有力選手がスカウトされたことなどです。指導者においては特に30歳代の層が薄くなっているそうです。現役選手に年齢が近い若い層の指導者が少ないことは問題です。30歳代の指導者はこれからの剣道界を支えていく人達ですし、兄貴分のような存在でもあるからです。

 そしてこの年代10年間の空白を埋めるためには、今後10年以上の年月を必要とするほどです。それほど人材の空白を埋めることは困難で、取り戻すためには長い期間が必要となるのです。予算面などから人材の継続性を断ち切ると、短期的には競技力や組織力を保つことが可能ですが、長期的には失うものの方が大きいのです。
 競技力や技術の継承を図るためには人材の継続性が絶対に必要です。小学生の選手時代から競技選手へ、そして引退後は指導者へと歩むこと。地域にその循環があることが競技力を保つために大切なものです。

 和歌山県の場合、有望選手や有力選手は大学進学のために県外に出て行き、就職先も県外になってしまいます。県外の実業団で選手として活躍した後はその地域に留まり、今度は指導者としてその地域の子ども達を育成することになります。和歌山県に受け皿がない限り地元に戻ってきてくれないのです。人材を失うことは地域にとってどれだけ損失になるのか、良く分かります。
 二順目国体開催まで後7年です。小学生や中学生の育成と指導者の存在は一体のものであり不可欠です。空白の期間を埋めるための同等の時間を確保することは、既に困難な時期に差し掛かっています。人材の確保と育成が大きな課題だと認識しています。

【レオ会議】
 ライオンズクラブの組織にレオクラブがあります。主に20歳代の学生が会員となって社会奉仕活動を行っているもので、親クラブのライオンズクラブが支援しています。和歌山市内にもレオクラブが組織化され、新年度も活動を行っています。
 335B地区事務所において、組織内のレオクラブ顧問が集まって支援方法について協議を行いました。若い人たちの社会貢献活動を支援するのがライオンの役割であり、後に続く人を育成することが最大の社会奉仕だと思います。福祉施設への慰問活動やクリスマス会、献血活動などの活動を一緒に行いたいと考えています。特に新年度となる本年は、和歌山ゴールドライオンズクラブがメインスポンサーとなっていますから、可能な限り活動に参画していく予定です。

【レンタカー】
 和歌山県知事や和歌山市議会議員による選挙時のレンタカー契約を巡っての公費負担問題が連日報道されています。
 本日の情報では、仁坂知事は過大請求分の約12万円を県に返還することを申し出ているようです。そこで昨年春の統一地方選挙での議員の選挙活動のレンタカー契約について、県では調査を行うことになったようです。このことは所管箇所から連絡を受けました。参考までに、昨年の選挙で私は和歌山トヨタレンタリースから選挙活動用の自動車を借りていましたので、ここでそのことを報告いたします。
(連日、軽自動車で走っています。)

【その他】
 関西独立リーグに関する打ち合わせ。ピンクリボン運動in和歌山の今後の活動についての打ち合わせ。県立中学校の是非論と高校入試の前後期制の廃止に関する意見提起への対応。土地価格下落への対応に関する話し合い。外国の木材輸出禁止などに伴う国内林業の重要性についての打ち合わせ。和歌山市長選挙に関しての意見交換、などを実施しました。
7月8日(火) 「組織について」
【組織について】
 ある会社組織に関して相談があり話を伺いました。この会社では人の入れ替わりが多いそうです。新しい社員が入社しても定着しないので入れ替わり率が高く、困っているようです。定着しない理由は様々でしょうが、話の中から問題点が見つかりました。

 ひとつ。社長が従業員の話を全く聞かないで、自分の思ったことだけを押し付けてくること。従業員からの提案に対して聞く姿勢が必要ですし、ポイントを突いたものであれば検討部会を設置するなどして実現に向かう方向に仕向けることも大切です。トップダウンだけでは組織は強くなりません。

 ふたつ。余りにもライバルの弱みに付け込む経営姿勢があること。市場の奪い合いは厳しさを増していますが、資本主義以前の人としての最低限の暗黙のルールがあります。例えば、ライバル会社の顧客リストを秘密裏に入手してそこに営業攻勢を仕掛けることはルール違反どころか法令順守の観点からも失格です。

 また中間の立場にいる組織からメーカーなど有力者を紹介してくれた結果、取引関係が成立した場合の出来事です。最初は紹介してくれて有難いと思っていたものが、やがて直接取引した方が利益率は高なりますし社会的評価も高くなるので、紹介してくれた中間者を飛ばして取引関係を結ぼうとすることもあります。ところが、メーカーと中間の立場の人が信頼関係を構築していた場合などには、メーカーからの信頼を失い取引を中断されたり、紹介者を飛び越えようとしたことで業界の評価を落とす場合もあります。今、ここにある利益を増大させたいと思ったばかりに、将来の利益を失うことになったり信頼を失ったりすることになるのです。

 私達は、井戸を掘ってくれた人のことを忘れてはいけないのです。中間に存在してくれている人は、一見、利益を生み出していないように見えますが役割があるのです。それは両者をつなぐ信頼です。どれだけ利益が見込まれる取り引きでも、取引相手またはつないでくれた人との信頼関係が成立していないと、仕事は上手く進みません。
 信頼は最も大切にすべき価値のひとつなのです。間に入ってくれている人の存在があるから、取引関係を結べた両者の利益は最大化されるのです。

 全く知らない相手と商取引をしようとしても、窓口が分からないばかりか取引関係に至るまでには相当の時間を要します。一般的に大手と取引をするためには、事業者登録してもらうだけでも大変ですし、運よく登録事業者になっても、実績がないことから初年度は入札にも入れない場合が殆どです。
 信頼関係にある中間者がいると、それらに要する時間をショートカットできる場合もありますから、コストの観点からすると経費削減と、時間という大きな利益を生み出しているのです。そこを大切にしないで何を大切にするのでしょうか。
 組織発展のためには井戸を掘ってくれた人の存在を忘れてはなりませんし、井戸が枯れたとしても後々まで大切に見守ることが大切です。

【市長選】
 早いもので、もう次回和歌山市長選挙の話題が街中で賑わっていて、新しい希望を求めているようです。希望は遠くからやってくるものではなくて、自分達の中から自然に発生しなければなりません。かつての村や自治会長などのように、誰から見ても「あの人になってもらいたい」と思えるような人が理想です。ただ和歌山市のように37万人都市になると、全てが一致して「あの人に」という人は存在しないのです。
 和歌山市に希望の星は現われるのでしょうか。皆さんの関心が高まっています。

【フラメンコ】

(森久美子先生のスタジオ。フラメンコアカデミア
ラ・ダンサアンダルシアです。)
 フラメンコの森先生がスペインから帰国しました。森先生の凄いところは、教える立場になっても常に原点を忘れないで、本場のスペインに出掛けて技術を習得し続けていることにあります。芸術に終わりはありませんから、立ち止まった時に成長は止まります。学び続けている限り成長は果てしないのです。それを続けるのは言葉で言うのは簡単ですが、実行している人は限られていると思います。

 芸術の分野だけではありませんが、技術や表現力などは常に進歩していますから、生徒に教えるのに十分な知識があると思っていると、その場所は陳腐化しますし、生徒との距離は縮まっていきます。自分の技術をと夢を託せる優れた生徒に追い抜かれるのは幸せなことですが、自分が怠けて生徒に抜かれることは先生にとっても生徒にとっても不幸なことです。生徒にとって先生は常に追い続けたい対象ですし、目指すべき頂でいて欲しいものなのです。
 森先生の夢は、先の公演で大成功した創作フラメンコの道成寺のもっと先を見据えています。和と洋を折衷した私のフラメンコを、本場スペインで公演しようと思いを巡らせています。そしてその思いは期限付きですから、思いと熱意、行動と期限という具体化できるだけの要素は整っています。
 森先生のスタジオには夢がいっぱい詰まって、和歌山市にアンダルシアの風を吹かせています。

【その他】
 防犯灯設置場所の現場調査を実施。中心市街地活性化のための打ち合わせ。和歌山市内での大型商業施設の可能性について打ち合わせ。関西独立リーグに関しての打ち合わせ。電気料金改定に関しての意見聴取などを行いました。

【武者小路実篤】
 ある会社にお邪魔し応接室に通していただいたところ、壁に武者小路実篤氏の書画が飾られていました。思いがけない出会いは心を幸せにしてくれます。歴史上の人物との対話は、今の時間から解き放ってくれる効果があります。今の時間の延長線上ではないような、かといって過去に戻っているのと違う感覚があります。時間の隙間に二人だけが存在しているような、得をした気持ちになります。

 重力は光をも屈折させて時間の進行をずらせる程の力がありますが、好きな歴史上の人物との出会いは、時間の進行を遅らせるような力があるみたいです。時間を止める重力ともいえるもので、ほんの数秒、歴史上の作者との対話の時間が贈られるのです。
「この道より我を生かす道なし この道を歩く」。武者小路実篤氏が話し掛けてくれたようです。

(武者小路実篤氏の書画。)

(思いもかけない出会いとなった
武者小路実篤氏の書画の前で。)
7月7日(月) 「環境問題」
【ピンクリボン運動in和歌山】
 和歌山県内でもピンクリボン運動が盛んになっています。今年の秋も紀三井寺をピンク色にライトアップしたり和歌山市の行事でのPR活動を予定しているようです。会員の皆さんの身体を張った活動には心から敬服するばかりです。体調の問題などから長い時間立っての作業や講演は困難なのですが、それでも可能な限り先頭に立って乳がんの怖さや定期健診の必要性を訴え続けています。認知度を高めるためには行事の都度、会場に出掛けて一人ひとりに訴える他ないのです。
 会員の皆さんの心を受け取った人が、心から賛同してくれるようになります。身体的にもキツイですし、ピンクリボン運動の理解層を増やすのも壁がありますが、それでも一歩進む度に変化は現われます。和歌山市もピンクリボン運動in和歌山の味方です。今年も一緒になった協働活動につなげたいものです。

【環境問題】
 本日から洞爺湖サミットが開催されています。環境と食糧、そしてエネルギー問題を中心に議論が進められると報道されています。そのせいか地球環境問題に関して街の話題が多いように感じます。人類は使用できるエネルギーの総量に応じて人口を増やしてきましたし、生産能力の向上や経済活動の規模を拡大してきました。利用できるエネルギーの総量が自然界の持つ浄化能力を超えてしまっていることから地球環境に変化が現れているのです。化石エネルギーとは、太古からの地球に蓄えられたエネルギーのことですから、放出することは過去のエネルギーを現代に蘇らせていることになります。本来、使われることなく化石化してしまったエネルギーは地球上に出ることはありませんから、永久に地球の懐に蓄えられたままになります。しかし採掘され、エネルギーとして放出されると地球環境に影響を与えるのです。

 化石エネルギーの使用量を制限するには、生産活動を減少させることやクリーンな代替エネルギーを利用することが考えられ、大きく捉えると人類の活動を停滞させることが必要となります。
 そして経済活動と環境保全の両立を図るために考えられたしくみが二酸化炭素などの排出権の取引です。現行のまま生産活動などの経済活動を行った場合と、環境保全対策を講じた上で同様の生産活動を行った場合の二酸化炭素排出量の差を計算し、取引対象にしているのが

(自動車には「エフエムわかやま」の
ステッカーを貼っています。
排出権です。それを、経済価値を図る貨幣で売買しているのですが、そこの部分が分かり難いのです。どけだけの量の二酸化炭素の排出が抑制されたことになるのかは机上値ですから、本当の排出量が分からないのです。

 つまり取引に際しては国際的には国同士と国際機関の信頼関係が前提となりますし、排出量を分割して小口の証券化にした場合の取引も同様で、売主と買主の信頼関係が前提となって成り立つものです。計測可能な実体がないものであり、確認し辛いものの取引だからです。誰が排出権の元になっているのか、その機関に信頼があることが排出権取引成立の前提です。

 小口証券化されると購入しやすくなりますが、その分、実態が確認できなくなっていきます。元が分からなったり、途中にブローカーが存在していても、そのことに気付かない場合も発生します。
 信頼関係に基づく取引は経済活動の大前提ですが、政府や企業、そして偽装など社会的信頼の約束事がグラついていることから、その大前提が成立していないのです。そんな中で不動産や動産と比較して実態が分かり難い二酸化炭素の排出権取引は難しくなります。
 空気を取り引きするような感じがありますから、空手形にならないように排出権の総元締めの実態管理の情報公開を図って欲しいところです。

【人事の不思議】
 ある経営者と懇談。人事の不思議について話してくれました。短期的に見ると人事とは不公平なもので、得をする人もいるし損をする人もいます。上司に受けの良い仕事をしている人は、その上司の能力が曇っていたら良い地位を与えてもらえますが、所詮それだけのことです。その人が実力や信望以上の地位に就いたとしても、社内は誤魔化せても社外からは組織の末期を見ているように映っています。
 社外の人にとって肩書はそれ程重要なものではありませんから、人として信頼できるか、人格が優れているかなどが付き合いをする評価となります。信頼できる人とは一緒に仕事ができますが、そうでない人とは協働できません。
 人事とは社内のものではなくて、社会の評価を聞いて行うべきものだと教えてくれました。人の事は外から見ると良く分かるそうです。

【その他】
 防犯灯設置の基準について打ち合わせ。街の景観に関する打ち合わせ。道路管理に関して打ち合わせ。ライオンズクラブの活動に関して打ち合わせ。物価上昇に伴う生活の厳しさについての意見を聴取。
7月6日(日) 「貴志川線」
【貴志川線】
 昨日、「貴志川線の未来をつくる会」の皆さんと懇談したのですが、本日も貴志川線に関しての意見をいただきました。

 「昨日何年ぶりかに貴志川線に乗りました。それもラッキーなことにおもちゃ電車でした。
 見慣れた田園景色が広がり楽しかったです。
 仙台に住んでいると言うアメリカの女性が乗り合わせていて少しずつ知名度がアップしていることが確認出来ました。
 何故乗ったか? 車に乗れないからです。車社会に慣れてしまった私は、和歌山は本当に交通の便が不自由なことが痛感させられている今日この頃です。
 本当に必要としている人達それは老人とハンデキャップを持った人達(今、私がそうだから)また通勤、通学の方だと思います。

 それを考慮に入れると、日前宮から神前の間、住宅が増えているのにどんどん走ってしまう。大きな病院なんて無視して、これ見たかの状況の様な気がしました。その間にあと二つくらいは駅があってもいいのでは?交通センター前から岡崎前の間隔の箇所が必要だと感じました。
 宝塚の今津線や大阪から出発する宝塚線なんて住宅街を走っていますよね、そりゃ感覚的に百メートル位しか進んでいない様な気がします。でも宝塚線では住宅街のまち並みと緑を楽しんで乗っています。只、向こうに宝塚が待っていることも加味してですけど」


(貴志川線の全ての駅には、このような
旗が掲げられています。)
 仙台市からもお客さんが来ているように、貴志川線では知名度と集客力が増えています。
 存続活動の中心となった「貴志川線の未来をつくる会」では沿線の人から沿線外の人にまで活動の範囲が拡がり、今も継続していることが貴志川線を守っている力になっています。
 貴志川線の旅は、田園風景が広がり穏やかな気持ちにさせてくれました。そして終着駅の貴志駅ではスーパー駅長のたま駅長がいてくれて
います。ご意見にあったように宝塚線には宝塚があるように、貴志駅にはたま駅長がいることで、それを目的に乗車してくれる人もいるようです。

 そしてもうひとつの視点が、新駅の設置に関してのものです。沿線には、病院や福祉施設もありますし、新しい住宅も立ち並んでいます。利便性の高いところに駅を増やしても良いとの意見がいくつか発生しています。これも市民からすると、貴志川線の利便性向上となり乗車機会が増えることになりますし、環境問題解決のための地域としてのひとつの手段ともなりますし、まちとしての公共交通の活用促進にもなります。
 まして自動車に乗れない人達にとって、貴志川線で病院へ通院することが可能となるなど、交通弱者に優しいものになります。

 現在、日前宮駅と神前駅の間に新しい駅を造りたいとする動きがあります。この区間には向陽病院や福祉施設光苑があり、新駅計画の意味はあります。何人かの方から、「病院に行くために日前宮駅で下車して向陽病院まで歩いています。高齢者にとっては少し歩く距離が遠いので近くに駅があると嬉しいのですが」などの意見も伺っています。
 新駅計画が実現可能かどうかも含めて調査したいと考えています。
7月5日(土) 「地域開発について」
【街路灯】
 数ヶ月前、夜間に歩道を歩いていた方が誤って水路に転落し、救急車救急で運ばれる事態がありました。原因は特定できませんが、状況から察するところこの歩道周辺は街路灯がないので夜間足元が見えにくいのです。そのため歩道があると思って踏み出した時に水路に転落したものと思われます。自治会長と協議を行い、街路灯設置の方向で進めることにしました。
 この地域は田んぼが多く家屋がなかったので街路灯を設置していなかったのですが、近年、マンションや住宅が増えているため周辺事情が一変しています。そして昼間と夜間の景観は全く違いますから、夜間の景観は指摘をいただかないと中々把握しにくいのです。
 街路灯は通行の安全と防犯の役割を果たしてくれますから、夜間、安全な環境を整えたいものです。ただ設置するに伴って自治会の会計負担が増えますから、安全確保にもお金が必要であることを感じることができます。

【地域開発について】
 ある地域で、地域を開発する計画があります。自治会長と一緒に開発計画の内容について話を聞きました。最近のまちづくりは、住宅と周辺環境の安全と快適で住みやすい環境、そして公園の設置など安らぎの環境づくりが前提になっています。話によると、それらの条件が満たされていますし、自治会からの安全確保と防犯に関する意見も聞き入れてくれる様子があり、安心できるものでした。

 自治会からは、新しい生活空間ができると進入路の安全確保を求めました。つまり新しく設置される道路と公道が交差する地点が、新たな交通上の危険地域になる恐れがあり、標識や信号などの設置の必要性を求めたものです。丁度この地域にある歩道を広げる計画もあり、歩行者と自動車が共存可能な地域づくりにつながるものと思っています。
 もうひとつは、地域を明るくするための街路灯を多く設置し、地域防犯対策にも力を注いで欲しいというものです。

 どちらも地域の安全確保のために必要なもので、お互いに理解を深めることになりました。比較的大きな計画であれば、自治会と計画者が協議を行い納得できる計画に仕上げてから事業化を図ることが大切です。以前、この地域の開発を計画していた事業者は県外事業者であったため、地元同意の行為をとらないで立ち入り禁止などの看板を設置し開発を進めようとしていたため計画は頓挫したことがあります。もう大手事業者が法律に基づく範囲内で強引に進められる時代ではありません。法令順守は最低限のことで、地元との調和や地域環境を守るための開発計画に仕上げることを求められているのです。そのことに気付かない事業者は地域から受け入れられません。
 仕事は人がするものですから信頼関係からスタートし、信頼関係を保ったまま終わることが必要なのです。誰が仕事に関係するのかで、その仕事の中身とスピードは大きく変わっていくものです。

【貴志川線】
 和歌山電鉄貴志川線に乗りました。どうしても自動車で活動する割合が多いことから、久しぶりに乗車したのですが、昔ながらの光景があり元気に走り続けてくれていることに感謝したくなりました。貴志川線の平成19年度決算は、前年比プラス3億2,351万4千円で、輸送人員はプラス4.099人の年間211万8千人となっています。南海電鉄の最後の時代の平成17年度は192万人でしたから、和歌山電鉄に変わってから大幅な伸びとなっています。
(貴志川線甘露路駅で下車して、会の皆さんのところに
向かいました。)

(貴志川線沿線のお店で懇談しました。)
 この地方鉄道の経営姿勢は素晴らしく、いちご電車やおもちゃ電車を走らせたり、貴志駅には猫のたま駅長が勤務?しているなど、話題づくりにより全国から集客を図っています。
 そしてこの貴志川線の存続には「貴志川線の未来をつくる会」の存在を抜きにして語れません。本日は貴志駅まで乗車して、会員の皆さんと貴志川線の最近の動きなどに関して交流を図ってきました。
7月4日(金) 「通学路の安全確保」
【打ち合わせ】
 和歌山市活性化計画の進捗と欠けていると思われることに関する意見提議をいただき、話し合いました。大型商業施設立地に関する諸条件に関する話し合いを実施。ピンクリボン運動in和歌山に関する意見交換。タクシー業界の状況に関する話し合いなどを行いました。
 また市内で事業を営んでいる田畑さんと、市内の事務所ビルから事務所が撤退することよる賃貸ビル不況の問題や、電気料金の値上げの報

(田畑社長の事務所にて懇談しました)
道によって今後の事業停滞の予測などについて話し合いました。

【通学路の安全確保】
 一昨日から続けて訴えている市立宮小学校の通学路の安全確保について、宮小学校を訪ねて校長先生と教頭先生と懇談してきました。この危険場所は、県道秋月海南線、津秦交差点信号待ちスペースのところで、過日の夕刻、この交差点に自動車が突っ込んで民営駐車場のフェンスを破損する物損事故が発生しました。幸い下校の生徒はこの場所にいなかったため事故には至っていませんが、登下校の時間と重なっていたとすれば、惨事に発展している可能性もあった訳です。

 ところで通学路であるこの交差点は、保護者による春の危険個所の調査で、過年度からずっと危険個所であることを指摘し続けている場所なのです。学校でも危険個所として認識していて、通学路の地図でも危険個所として印が付けられるなど、先生も保護者も認識しているところです。
 この交差点が危険なのは、交通量が多いことや道が狭いことなどが原因ですが、改善するのが難しいのです。狭い道路の周囲は民有地で占められているため拡幅はできません。また交通量にしても、和歌山市内中心部への通勤道路となっているため、交通量を減少させることは困難なのです。

 ですから当面、打てる対策は、注意喚起や保護者や生徒への周知、保護者会での事故事例報告などに限られてきます。学校でも、早速現場の状況確認と先生方の会議、そして保護者本部役員との会合でテーマとして取り上げるなどの対応策を講じてくれることになりました。実行可能な短期的対策としては効果があると思われますが、長期的には生徒が事故に遭遇しないようにハード面での歯止めを掛ける必要があります。これが難しいのですが、潜在的な危険個所から物損事故発生により具体的な危険個所に昇格した訳です。
 必要箇所は全個所まわって物損事故の状況と対応の必要性を説明してきました。次は人身事故になる危険性もありますから、警察の交通安全対策と教育委員会、小学校と道路管理者で対応策を検討して欲しいと思っています。

【土地価格下落】
 和歌山市内の土地価格下落に関して関係者と懇談しました。土地価格の下落は担保価値の下落でもあり、地域の金融にも影を落としています。一般的に金融機関は、経営者の人物評価や将来性などではなく、担保価値で貸し付けの判断をします。市内のある経営者によると、「和歌山市では金融の締め付けがある」とのことでしたが、金融機関も担保価値が減少すると、貸付も慎重に為らざるを得ないようです。
 お金は価値のあるところを探して移動する性質を持っています。和歌山市にお金が入ってこないのは、残念ながらお金がこの地域の価値を知っているからです。何とか現状突破を図りたいと考えています。

【測量準備】
 和歌山市内で卓球施設を造る計画があり、オーナーと打ち合わせを行いました。現場では測量士と建築士なども揃って、建築に向けて今後のスケジュール確認などを実施しました。早速、測量に着手すると共に設計にも取り掛かることにしています。オーナーの夢か詰まった計画ですから、早期竣工を図りたいと考えています。
 今回のチームメンバーも同じ考えですから事業化が楽しみです。

【懇談】
 本日の最終は、福祉施設への慰問日程の調整、市内の土地問題、潜在経済成長率の問題などについて懇談しました。最近、市内の経営者と懇談すると、以前にも増して土地価格や経済問題が話題になってきたことから、市内の経済問題への関心の高まりを感じています。それほど景気停滞が深刻な状態であることを示しています。17年連続して土地価格が下落していることと、潜在経済成長率が全国で唯一マイナス成長と予測されているなど、将来に期待できる数字がないことで不安感も増しているようです。
 それでも一所懸命に仕事に取り組み、将来の夢を語っています。明るい人の存在が希望を運んでくれています。
7月3日(木) 「危険箇所」
【危険箇所】

(物損事故の起きた通学路。
フェンスが倒れてしまいました。)
 昨日、依頼を受けた津秦の県道付近の通学路の危険箇所について、県警察本部には現場調査と安全確保のための対策を依頼していますが、本日は教育委員会にも安全対策を講じてくれるように依頼いたしました。通学路の安全確保は最優先事項ですし、自動車が点滅信号時の待機場所に飛び込んできた物損事故が発生した直後ですから、何よりも安全確保のための手段を講じて欲しいと願うのが保護者と地元で
子ども達の通学字の安全を見守ってくれている方達の願いです。
 物損事故があったのに何の対応もしない内に、何か発生すれば後悔することになりますから、可能な限りの最善を尽くしたいところです。
 依頼した内容は次のようなものです。

「小学生の通学事故予防対策。県道秋月海南線、津秦交差点信号待ちスペース設置の要望について」
 最近、交差点で信号待ちの児童の列に車が突っ込み、大きな事故が発生した、と良く報道されていますが、この付近の点滅信号交差点も非常に危険度が高いと思われます。
 私達、子ども見守り隊は、毎日登校、下校時に交通整理を行い事故防止に努めていますが、登校時間帯の交通量が多く、安全通過が難しいので改善を要望いたします。
要望箇所
県道秋月海南線、津秦点滅信号交差点(津秦159番地付近、日前宮から南へ900m)
要望概要
交差点西、北側に1m×2m程度のスペースを確保して欲しい。現状は駐車場で、道路とフェンスで仕切られています。
要望理由
信号待ちの場所が秋月海南線道路と路肩と駐車場フェンスとの間で幅が非常に狭く(70cm程度)、児童が四〜五人並ぶと一部は道路の端で待つようになり、極めて危険です。また交差点に至る枝道が狭く、普通車がすれ違うと児童は通過できません。
参考
登校時に信号を渡る児童は約60名です。
登校時間帯は秋月方面からの右折車と県道への信号待ち車で渋滞が多い。

 以上の要望を行いましたが、実際は学校現場での対応となるようです。早急に学校に物損事故のに概要を報告し改善策の要望を行いたいと考えています。

【ピンクリボン運動】
 ピンクリボン運動in和歌山の会員と話し合いました。既に協力を求めていた紀の川市では、乳がん検診率日本一を目指して、和歌山県紀の川市ピンクリボンキャンペーン推進本部を設立しています。紀の川市で製作を行ったオリジナルバッジを販売する計画もあるほどです。紀の川市といえば、江戸時代に麻酔薬を完成させ乳がんの摘出手術に成功した華岡青洲の出身地です。このため乳がん撲滅キャンペーンとして、国際的なピンクリボン運動を協力に推進することを打ち出し、実践に踏み切っています。

 ピンクリボンバッジのデザインは、華岡青洲が麻酔に使ったマンダラゲを形取ったものと、青洲をデザインした「青洲くん」の2種類があります。紀の川市の平成19年度の乳がん検診率は36%ですが、乳がんは早期発見が大切ですから日本一の検診率を目指す取り組みが開始されています。
 それに対して和歌山市在住の会員からは、「和歌山市では乳がん検診の無料で受診できる施策がなく後進市となっています。乳がん撲滅のための活動に着手して欲しい」と依頼を受けました。

 がん予防対策は早ければ早いほど良いもので、ゆったり構えている暇はありませんから、早速、説明と要望を行うことにしています。
 また和歌山市がピンクリボン活動in和歌山の取り組みに理解を示していると聞いたため、早速、所管箇所に行ってきました。予算面もあるため即座の対応は難しいかも知れませんが、対応可能な施策から実現できるように頑張りたいと考えています。

【飲食関係者】
 飲食関係者と懇談の機会がありました。食の安全や食の産地偽装などの問題が次々と起こり外食を初めとする食への信頼が揺らいでいます。飲食関係者は危機感を持ち、対応を急いでいます。飲食組合会員への情報提供や研修会開催による意識向上策を講じようとしていますから、研修会のお手伝いや支援に関して協議を行いました。HACCPに関する資料提供など、即効性のあるものから順次実施したいと考えています。

【土地調査】
 和歌山県の土地価格下落報道の衝撃を受けて、関係者と土地の取引状況の調査のため市内を周りました。そこで分かったことは、国の調査とは関係なく、立地条件の良いと思われる土地の実質的な取引価格はに変動はないということです。つまり調査結果と関係なく高止まりとなっているため、余計に土地の流動性が阻害されているのです。また和歌山市内の土地取引は和歌山市内の人が多数派で、実勢価格はあまり関係ないように感じます。他府県からは和歌山市内の土地に関心のある人はそれほどなく、限られた市場で限られた人が取引を望んでいることから土地取引の動きは少なく、実勢価格は下落していないようです。それが余計に他府県からの参入を阻害することになり、土地の流動化が図れていないようです。この限られた市場内での循環が土地価格の上昇を防いでいるようなのです。

【懇談】
 夜には久し振りの顔と会いました。普段は中々会う機会がありませんが、ホームページを見てくれていると話してくれました。「活動しいている毎日の様子は良く分かっています」と聞きましたが、地方においても新聞記事になるような取り組みをして欲しいと要望を受けました。政治家は自分の利益だけを考えて行動している人が多いので信頼感に欠けるとした上で、新しい活動をしている人だから「いつも応援しています」と励ましの言葉を預かりました。ありがとうございます。
7月2日(水) 「慰問活動打ち合わせ」
【太陽光発電】
 朝一番で自然エネルギーに関して話し合いを実施。太陽光発電のセルパネルの生産が追い付かない状況にあると伺いました。太陽光のセルもそうですし、原材料のシリコンも入手困難だそうです。主にドイツを初め環境問題に熱心に取り組んでいる国に輸出していることから、海外需要が活発だからです。
 それに加えて平成21年度から、家庭用の太陽光発電システムに関して経済産業省の補助施策が有力視されているため国内需要も増大する可能性を秘めています。期待感が増すばかりですが、本年度は厳しい経済状況と補助金の適用を受けるための買い控えの動きもあり、新エネルギー産業の動向も現在は厳しいところです。
 先般、記者発表された福田ビジョンに関しても、地方自治体には詳細情報がなく動向を見守る他ありません。現材料不足と旺盛な海外需要、来年度からの国内需要増加など、新エネルギーを取り巻く環境は激しさを増すばかりです。

【通学路】
 和歌山市内の市立宮小学校への通学路の一ヵ所に、昨日の夕方、自動車がハンドル操作を誤り突っ込んできました。幸い、生徒がいない時間帯だったため人的災害には至りませんでしたが、地元で子どもの交通安全を見守っている皆さんの心配は深まっています。その場所は以前から、危険地域であることを学校にも告げていましたが、改善されていない場所なのです。
 改善されない理由は、自動車の通行量の多さと比較して道路幅が狭く、その上、歩行者が信号待ちする場所がないからです。狭い道路の両側は民有地で、道路を拡幅することはできない状況にあります。安全対策を講じることは難しいのですが、人的災害が発生してからでは取り返しがつかなくなりますから、何とか出来得る限りの改善対策を講じて欲しいと思います。

 本日、この通学路の安全確保に関して地元から要望をいただき、早速県警察本部と協議を行いました。昨日の物損自己の直後ですから、冷めないうちに現場調査を行い、何らかの対抗策を検討して欲しいと要望いたしました。生徒が危険にさらされている事態は解消されなくてはならないのです。
 分かっていたのに何も対策を講じないのが一番いけない状態なのです。ハインリッヒの法則にあるように、重大事故の陰には300の事故にならなかったハットヒヤリ体験があり、30の軽易な事故が潜んでいるのです。今回の物損事故は軽易な事故ですから、重大事故を表面化させないように防止したいと考えています。

【水質管理】
 昨日、東京で水質管理に関する会合があり、和歌山市内からもお二人の方が参加してきました。全国から参加者が集まってきたそうです。水質管理は工場だけの問題ではなく、福祉施設やホテル、学校など水を扱っている事業者全てが考えなくてはならない問題だからです。水の汚濁防止、飲み水の安全性の確保、そして浴槽などの水質管理など、私達の身体を守り健康を維持するための水質管理の重要性は高まっています。
(東京での会合の報告を受けた事務所では、
紀州レンジャーズも応援してくれています)

 その証拠に、某県の知事、大手飲料水メーカー、銀行、生命保険会社など様々な業種から参加していたのです。
 参加した人からは「会場にいると熱気を感じた」と聞きました。企業として地方自治体として、人の生命と健康を守り社会貢献するための水質管理に万全を喫したいとの強い意欲を感じたからです。同じ志を持つ人が集まると同じベクトルの熱を発しますから、目的に向かってのエネルギーの量は増大します。これらは報告書には現れないもので、現場に居合わせた人だけが感じるものです。ですから大切な用件や報告会の場には極力出向いて、その熱意を体感することが必要なのです。

 「東京では熱を感じたけれど和歌山県に帰ったら誰も関心を持たないので、何となく意気消沈しそうになります」と感想を話してくれましたが、地域が有難くない消火作用の役割を果たすようではいけません。
 地域に熱があることが活性化の最大の要因です。熱がある地域とは熱意を持った人が存在していることです。まちづくりや祭り、環境保全や福祉事業などに加えて、これから始まるであろう水質管理の分野でも同じです。熱意を持った人が熱意を持ち続けられるだけの地域力が欲しいものです。

 「今までの経験からすると、この取り組みがモノになるまでには13年はかかると思う」と所見を伺いましたが、大きな取り組みを成就させるためには時間がかかります。
 今直ぐの効果が期待できないものであっても、将来に向かって地域の環境保全を図るためには、それでもだれかが実行しなければならないのです。新しいことの推進役を担うには、強固な壁に立ち向かう覚悟が必要です。まさに水の如く、壁に少しずつの力を与え続けて窪みから小さな穴へ、そして貫通させるだけの時間を要するのです。
 
【慰問活動】

(前田さんや加門さん達による演奏会)
 恒例の慰問活動がありました。演奏者は前田さんと加門さん達です。昨年のクリスマスの時期の慰問活動を行って以来、毎月一回、この福祉施設を訪れて演奏会を継続しています。入居されている皆さんも、施設のスタッフの方も楽しみにしてくれていますし、終了後には翌月の慰問時期を設定している程です。
 入居されている方に聴いてもらうためには新しい演奏曲目も必要ですし、技術を高める必要も
あります。施設長は「入居されている皆さんには本物を提供したい」と話しています。それは「福祉施設だからこの程度で」という好ましくない慰問活動もあり、入居している皆さんの退屈な反応で分かるからです。
 押しつけるような慰問ではなく、入居者と一緒になって楽しめるような慰問活動を歓迎したいのです。どこへ行っても通用するようなレベルのものを慰問活動に持って来てくれたら、入居者の皆さんは心から楽しんでくれるようです。

【慰問活動打ち合わせ】
 今月中旬に実施する予定の慰問活動に関して福祉施設を訪れ、施設長と打ち合わせを行いました。今回の慰問はオラン座の皆さんです。オラン座の皆さんの活動の考え方は、その時だけではなく家族と一緒にいるような感覚を持ってもらうことにあります。見せる、見るではなく、出演者と観客が一体感を持てるような舞台に仕上げたいと抱負を聞かせてくれました。
 出演者も観客も、生きてきた過程において色々な人生を持っています。その一瞬かも知れない接点を大切にすることで、その出会いが意味を持つことになります。出会いは全て必然で意味があると言いますが、出会いを意味のあるものに仕上げることが大切なのです。

 ただ単に会って別れるだけでは、その出会いに意味は見出し難いものです。電車の中に居合わせても、映画館で隣に座っても、それは出会いとは言いません。単に同じ時間に同じ塊の中にいるだけでは意味がないからです。
 長い人生において、今日出会った人のことは直ぐに忘れてしまいます。しかし今日を振り返る時には、出会った人に感謝し、そこから何を得たのか確認しておきたいものです。

【打ち合わせ】
 本日の最終は、携帯電話の可能性についての打ち合わせです。和歌山県では情報格差の問題は携帯電話がつながる地域と不通地域との格差を指す場合がありますが、全国における情報格差は、携帯電話やインターネットを活用した情報をどう生かすかで、経済的格差につながっていることを指します。しかも情報活用のツールはパソコンから携帯電話に移行しつつあります。これからの携帯電話ソフトの可能性と和歌山県の現状を照らし合わせると、10年近く遅れているような気がしました。

 今日は知人が大阪から来て説明してくれましたし、一緒に話を聞いた和歌山市内の経営者の皆さんも携帯電話の将来象は同感の様子でした。情報関連の会社経営者は新しい情報を得るために毎月、大阪や東京に行って情報産業の動向を確認する内心の作業を続けています。
 都会と地方の情報格差は、地方にいると情報ツールを使いこなしていないため気付きにくいものですが、歴然として存在しています。情報産業からは、次々と新しい道具を発信してくれていますから、後は利用者の意識の問題です。ハード面でないソフト面の情報格差を縮めたいものです。
7月1日(火) 「活かす力」
【打ち合わせ】
 朝9時から立て続けてお客さんの訪問をいただき、諸課題の打ち合わせを実施しました。
 平成20年分の路線価が今日、国税庁から発表されました。今年も和歌山県の地価が関西で唯一下落していることを受け、不動産関係者からは落胆の意見が寄せられました。「何故、和歌山県だけが下落し続けているのか、疑問がある」というものです。参考までに全国では、14都道府県(北海道、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、兵庫県、奈良県、福岡県、滋賀県、京都府、大阪府)が上昇していますが、他の県は下落していますから、全国的には和歌山県だけか下落している訳でないことを申し添えておきます。

 和歌山県に投資しても期待する収益率が見込めないと市場や投資家から判断されていることが原因だと思いますが、その背景には、市場の脆弱さと人口減少による意欲的に購買する層が少ないことも考えられます。民間事業者の積極的な投資を見込みにくい状況ですから、行政が都市計画を打ち立てて発信することも大切です。和歌山県では、紀北地域に企業立地を呼び掛ける意味を込めて、その基本計画「紀ノ川企業集積ベルト地帯構想」を策定しています。和歌山県は企業誘致に本気で取り組んでいることを訴えるツールとして効果を発揮していますが、企業誘致以外にも全国レベルの錦の御旗を掲げることで地域としての魅力を発信でき投資の可能性も起こり得る筈です。

 石油が出ないというアラブ諸国にとっては最大の弱点を抱えているアラブ首長国連邦のドバイが、観光都市として、また魅力的な投資先として世界の注目を集めていますが、この戦略も参考になります。少し前までは砂漠のまちだったドバイに何故、投資が集まっているのか。世界と日本の一地方ではスケールは違いますが考えることも方法だと思います。
 ドバイには次々に世界一のものを作り出していることが優位性を保つ秘訣です。世界一のものやこの地域だけのものは、それだけで魅力的ですから新しい市場を作り出すことができるのです。充分な利益率が期待できるまちには投資意欲が起こる筈ですから、日本一以上を目指したいところです。

 続いてニット業界の問題の打ち合わせに入りました。ニット製品は人件費の安い中国からベトナム北部、そしてカンボジアへと拠点を移し始めているようです。勿論、中国の工場は主力工場なのですが、より低賃金で製品を仕上げられる国に工場は移動しているようです。それに国内で対抗している訳ですから、和歌山市内の中小規模の経営者達は大変です。低価格に対抗するためには、高品質なものや安全な素材を使用した健康に資する製品などを考案しています。
 ブランドマークの入っていない高品質で付加価値のある製品を送り出すことが、和歌山市内の中小事業者の挑戦です。マークがなくても一流のもの。市場は評価してくれると信じています。

【投資】
 来年度に向けて建物のリニューアルを計画している経営者がいます。二桁億の数字ですから、和歌山市を取り巻く経済状況を前提とした場合、新たな投資に対して相当悩んでいるようです。投資額の回収見込みと利益率を勘案して、収益率を算定しているところです。
 一民間事業者の集客力には限りがありますし、地域としての力が必要なところですから、市政や県政にも強い関心を寄せています。「このまちでビジネスが成り立つのか」。いま事業家による見極めが始まっているように映りました。

【活かす力】
 先月出席した会合で、主催者が話してくれた感動的な話を、私流で理解してその心を違う言葉をもって発信しました。そのことが主催者の知るところとなり私の言葉を読んで下さり、その結果、本当に有り難い言葉をいただきました。
 「みんなの前で話をしても、それを聞き流している人が大半です。良くても「うん、うん」と頷く程度か、良い話をしてくれているとその場で思う人が残りです。ところが他人の話で良いと思ったところを自分の中に取り込み消化し、それを活かすことの出きる人は余りいないのです。他人を活かす力とでも言うべき力は、自分の力になってくれるものです」

 他人の力を活かすこととは、他人が培ってきた人生の経験を良い意味でいただくことです。人は経験していないことを表現したり、他人に伝えることは難しいのです。自分で経験したことと同じくらいに、他人からいただいた経験を他の人に伝えることができたなら、世の中はもっともっと前進する筈です。
 自分の限られた人生において、自分の経験だけで物事の全てを判断することは危ないもので、他人の叡智や先人が残してくれた書物など

(ある事務所に貼ってくれていた私のポスター。
皆さんの力をお借りしていることを
実感できます)
を自分の中に取り入れながら、最終的には自分の価値で判断することで誤るリスクを軽減できますし、やってしまったことの後悔が少なくなります。

 ところが人は自分を中心に地球が廻っていると思うもので、他人の力を取り入れることを素直にしない傾向にあります。他人が自分よりも勝っていることを素直に受け入れられないからです。しかし、それも良しです。自分の与えられた社会の領域の範囲で生きていく限り、他人の経験はどれほど役立つか分からないからです。

 しかし大海に航海に出ようとすれば、先人や先輩の素晴らしい経験や困難に直面した経験、そして感動した話などは必要不可欠なものです。
 未だ挑戦段階にある人にとっては、人生という航海を照らす明かりを授かったようなものだからです。いつも道の傍に人生の先輩がいてくれる訳ではありませんから、授かった言葉や考え方は、少しでも自分のものとして取り込まなければなりません。取り込むためには、今度はどこかの場面において、自分の言葉と態度で表現する以外にないのです。それに人目に晒される実践の場面が必要です。

 人前で、自分が経験したことのない話を、自信を持って人に伝えようとすることは、強くて優しい気持ちと勇気、そして自分の言葉を必要とします。
 その経験を積むことで、他人の力が今度は自分の力となります。
 感動的な話や素晴らしい話に遭遇した時に、頷くだけで終わるのか、自分のものとして取り込み消化するのかで、その後に遭遇する人も事象も違ってきます。自分の力に他人の力を加えた良い人格の下には、良いストーリーが訪れてくれるのです。

 そこにはコップの中で争うような低次元の事件は起こりません。同じ人生なら、コップの何の嵐に対処するよりも、大海の嵐に挑戦する方が力を試すことができます。コップの中にいて嵐が過ぎ去っても、同じ光景の中に漂っているだけですが、大海の嵐の後には未だ見ぬ世界を発見することも可能です。
 他を活かす力を備えて、そんな人生の航海に挑戦したいものです。

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