3月31日(月) 「竣工式典」
【竣工式典】
 フォルテワジマ十番丁ビルが竣工しました。午前11時から招待客が集まり内覧会を行い、正午から式典が挙行されました。12階建てで和歌山城と同じく立ち並んでいる姿は、中心市街地の明日を感じさせてくれるのに十分過ぎる程です。和歌山城の高さよりも約6m低く抑えているため、フォルテワジマ十番丁ビルの最上階である12階からでも和歌山城を少し見上げる感じになり、最も美しい姿を眺望できます。城下町ですから、お城を見下ろす感じは避けたいところですから、オーナーと設計者の思いは一致しているのです。

 設計者の思いを聞くと設計の力が伝わってきました。
 和歌山城の北に位置する土地の力を利用することを前提に設計をしたそうです。つまりマンションの窓に飛び込んでくる和歌山城の眺めが、住む人にとって最高の「モノ」になりますから、その力を活かすことだけを考えれば良かったというものです。最高の「モノ」とは人によって解釈は異なります。「ステイタス」と感じる人もあれば、「贅沢感」或いは「癒されること」や「時間の流れ」と感じる人もいるのです。ここで暮らすことによってそれぞれが感じられる最高の「モノ」が窓から見えることが一日の始まりを爽快にしてくれますし、一日の終わりを静かに締めくくってくれます。どっしりとした重みと季節感を漂わせてくれる光景が巨大な窓から眺められます。今は桜、夏には新緑、秋は紅葉、そして冬は雪がありませんが、深みの出た枯れた風景を見ることができます。四季を感じることができる日本人が住む場所としては、和歌山市の中では最高のところのひとつだと思います。

 今日の眺めも和歌山市が誇る最高の桜と、絶好の角度に位置した和歌山城でした。この眺めは土地の持ち力であり価値を生み出すものです。その土地が持つ力を発揮させることがまちの活力につながります。今日のフォルテワジマ十番丁ビルと、同じく式典で訪れたフォルテワジマの二階から四階フロアがまちなかに登場したことは、中心市街地を復活させてくれるシンボルのように感じます。

 中心市街地にシンボルタワーが出現、県民のプロ野球チーム「紀州レンジャーズ」の結成、そして明日、平成20年4月1日に誕生するコミュニティFM放送「エフエムわかやま
 など、和歌山県が元気になるための春の訪れなのです。和歌山県の今の位置が冬から春に向かう季節だとすると、これから大輪の花を咲かせる夏が訪れます。夏の訪れを告げる企画はまだまだありますから、和歌山県はこれから楽しみな季節に突入していきます。

 それにしても、和歌山市のためを思って投資をしてくれる経営者がいてくれることに感謝するばかりです。今までは決して好転していなかった和歌山市中心市街地に投資の決断をすることは、まちを愛する気持ちと先を見通せる力、そして後がついて来てくれると決断する度胸などが必要です。つまり、優しさと将来のあるべき姿を描ける力、そして決断力を兼ね備えた人がまちをリードしてくれている状況にあります。この機会を最大で最後の機会と捉えて周囲も協力体制を取りたいものです。
 その時、季節は初夏に向かい盛夏を迎える筈です。和歌山県は冬よりも春から夏の季節が似合います。

【デザイン力】
 和歌山大学システム工学部を訪れ、デザイン力について話し合いました。デザインと言ってもウェブデザインを専門にしている先生で、印刷物のユニバーサル・デザイン・オブ・カラーのあり方についてまで及びました。入手の容易さではインターネット上の情報が優位ですが、取り扱いの容易さでは印刷物が優位性を保っています。これらを組み合わせることで両者の相互乗り入れが可能となり、利用者にとって好都合となります。

 ただユニバーサル・デザインは普及していますが加速度がつかないのは、未だにユニバーサル・デザインとは障害者や社会的弱者のためのものだと認識している社会や企業があるからです。通常の印刷物や製品と違う特殊な印刷やしくみを作らないといけないと考えるとコスト増につながりますから、踏み込むことに躊躇します。

 ですからユニバーサル・デザインを特殊なものと考えないで、誰でもが認識し易い印刷物を作ることや誰でも取り扱いが容易な製品やデザインを生み出そうと考えると、コスト負担にはつながりません。特殊なものを作る、から入るのではなく、デザインを変えることから入ることでユニバーサル・デザインが普及すればコストの問題は自然と解決していきます。

【教育】
 入試の季節が過ぎ、もう来年に向かって動き出しています。今年の受験結果から意見を伺いました。中学入試に関してですが、小学校六年生の頃は女子の成長が速いため、中学入試は女子が有利に働くのではないでしょうかと言うものです。確かに、女子の合格者が男子を上回っている中学校があります。一般的に共学の場合、受験結果を見て成績上位から合格者を決定しますから性別は関係ありません。性別で平均化を図ろうとしたら、募集定員で女子30人、男子30人などの枠を予め設けておく必要がありますが、受験生の保護者から同意が得られるかどうかは分かりません。

 ただ受験が全てではないということです。中学受験に合格したから幸せが約束されているものではありませんし、不合格だから将来が閉だされる訳ではありません。要は結果を受け入れて、与えられた舞台で最高の自分を発揮しようと取り組むことが大事なのです。
 そう思うと、成長段階の入口にいる中学受験のあり方を必要以上に論議しても正解はありませんから、それよりも全体的に中学校の環境を整えることが大切な気もします。子どもが大学を卒業した保護者は、「振り返ると、あの時代はどんな結果であっても関係ないことが分かります。むしろ中学時代は遊んだり家族で出掛けたりした方が良かったと思えます」と話してくれました。

 当事者には分かりませんが、過ぎてしまうとその結果を受け入れる他なく、良いと思ったことがそうではなくて、しまったと思ったことがその後、良い結果につながっていることもあります。一度や二度の躓きや失敗は、その後にそれ程大きな影響を及ぼさないものです。受験の成功はそれを糧として、受験の失敗はそれをバネとして、その後に立ち向かえば良いのです。
 
【その他】
 工事請負契約に関する意見交換。癌治療に関する相談。年度末の資金計画のあり方についての打ち合わせ。就職活動の現状について。都市部の地価の動向についての話し合いなどを行いました。年度末、そして月末の慌ただしい一日となりました。
3月30日(日) 「時間」
【仕事力】
 新年度を控えて今春の新卒者は研修などで慣れない生活を過ごしているようです。企業にとって人員計画に基づいた採用を終えていますから、中高年の人がこの時期に仕事を探すのは容易ではありません。また年度末を明日に控えて各企業では大変忙しい時期を迎えています。多くの企業は決算を控えた数字確定や、売掛金の回収などで今日も出社していると聞きます。和歌山県では今期の決算を乗り切れない企業もあると伺いましたから、経済状況に悪影響を与えないかの心配もあります。

 仕事を請け負うのは信頼できる会社だけ、基本は現金で小切手も二か月まで、手形は受け取らないなどの保全体制を取っています。取りはぐれや連鎖倒産を回避するための予防です。この資金循環の悪さが県内の経済を停滞させている要因です。資金が回らないし、信頼だけで仕事は請け負わないことから資金の流れがないのです。無理をして仕事を取らない姿勢の会社もあり体力勝負の様相もある程です。会社がそんな状態ですから、労働者への配分が増える筈はなく消費の停滞を招いています。社会負担の増大や給料の伸び悩み、そして圧し掛かる住宅ローンなどで家計は苦しく、こんな状態で域内経済が回復する筈はないのです。
 厳しい状況だけが伝わってきますが、これが現実社会なのです。実体を知らないで諸課題の解決は図れませんから、県内の会社が置かれている状況や労働事情を知ることは大切な機会です。これらの状況が重なり合ってくると、社会が大きな問題だと認識するようになります。そうなる前に、一人でも助かるように支援を行いたいと考えています。

【債権放棄】
 県の債権放棄に関して「債権の管理が甘いのではないか」、「どのような事情があるのか県は県民に知らせるべきだ」などの意見を伺いました。そして「県議会で債権放棄を認めなかったのは正解で、簡単に認めているようでは県議会の存在価値はないからね」と話してくれました。不良債権化している債権はどれだけあるのでしょうかと、県の姿勢に疑問を投げ掛けてくれました。

【衛生管理】
 東京から専門家を迎えて、病院や福祉施設などの細菌処理に関して話を伺いました。全国的に採用されている空気清浄方法ですが、何故か和歌山県だけ採用実績がないと言うもので、不思議に思って説明に来てくれました。今日のような情報化の時代に和歌山県だけないものがあることは不思議です。一昔前までは、大阪から一年遅れて情報がやってくるだとか、東京から五年遅れで流行が入ってくるなど言われたとこがありましたが、今はそんなことはあり得ません。

 ところが今なお、そんなことが存在していることに驚きました。情報が閉塞的な状態は、仕事の改善や人の交流による知識循環、そして資金循環を防ぐ作用があります。何故か良いものでも採用されない事例があるようです。
 そう言えば東京から市場調査に来た人から、「和歌山県は特定のモノや同じ種類の商業施設が多い地域で、一度市場が形成されると新規参入は難しい地域なのかも知れませんね」
と聞いたことがあります。他都市では当たり前のように競争している同じ業態の店舗が、和歌山県では少ないというのです。消費者にとっては、商品の選択肢や価格面で不利益を被ることもありますから、他都市と同様の正当な競争も必要かも知れません。知らないことは、実は不利益を受けることなのです。和歌山県モデルが全国の一般的なモデルなのか、たまにはチェックしておきたいものです。

【ブランド力】
 和歌山市内で商品開発を行っているIさん。良い品質のものや健康保持に有効な商品であっても、全国ブランドには敵わないと言います。全国ブランドは莫大な広告宣伝費を投じていますから、消費者の商品の認知度が高くなり好印象を与えるのは当然のことです。商品とは高品質と宣伝力の総合力ですから、品質だけが良くても売れ筋になりませんし、宣伝に費用をかけても品質が劣っていると消費者に行きわたりません。

 和歌山市内で製造しているものでも品質が良く、「これはっ」と思うもの度々あるようです。市場にある商品よりも品質は格違いに良く、これは売れると思って試作品を作ってみても全く売れません。ですから品質や性能が良いだけでは商品は売れないのです。
 地方の会社では多くの広告宣伝費は掛けられませんから、どうしてもブランド商品に太刀打ちできないのです。商品力では互角かそれ以上の自信があったとしても、ブランド力の前には屈する他ないのです。地域発の商品を全国レベルに仕上げることや全国で流通させるのは大変なことなのです。

 企業がブランド力を手に入れるのは時間と費用が掛かりますから、世代を超えた挑戦にもなりそうです。それでもブランド力を手に入れようとする地域の挑戦は、地域にとって素晴らしいものです。

【時間】
 時間は誰にでも同じだけ与えられていますが、時間の中身は使う人によって違いますから、どれだけ充実した時間を過ごすかが大事なことです。好きな仕事や趣味に打ち込むこと、家族と過ごす時間を大切にすること、素晴らしい友人達と交流することなどが時間の中身を充実させてくれます。

 今日は和歌山でフラメンコスタジオを開いて普及と地域活性化に努めている前田さんと森さん、そして報恩寺の松本恵昌さんと懇談する貴重な機会に恵まれました。それぞれが大変お忙しい立場の方なので一同にお会いすることは中々適わなかったのですが、日曜日の今日、ようやく実現しました。

 改めて前田さんのフラメンコに賭ける情熱をうかがい知ることができました。地方にあっても全国に通用するフラメンコを創出していますし、スペインでも公演できるレベルに高めたいと熱意を秘めています。むしろ秘めていると言うよりも熱風を発しています。
 ただ個人だけの活動で熱風を台風に昇華させることは容易ではありませんから、行政機関やマスコミ関係者などの支援を得たいところです。スペインの文化であるフラメンコですが、和歌山県で和洋を融合させ東京に、そして本場スペインに進出を果たし、日本の内に秘めた情熱を伝えたい思いを感じました。祖先に遡ると、西洋と東洋では、肉食と菜食、狩猟民族と農耕民族の違いがあり、同じことでも感じ方は違いますし、フラメンコの表現方法は違うのは当然です。

 日本人が踊る情熱的なフラメンコ、日本人が伝える和洋混成のフラメンコ。どちらも前田さんが挑戦していることです。良い意味で伝統に挑戦する革新的な取り組みは、一方では逆の評価をされることもあるようです。つまり「本格的なフラメンコはできないからだ」などの心のない言葉です。心のない言葉は、矛先となる人の心に突き刺さります。しかも冷たく深く、です。言葉によって傷つけられると行動にも影響を与えますから、批判の言葉は危険な毒薬のようなものです。

 いつの時代も、どんな分野でも批判をすることは簡単です。しかし人生を賭けて挑戦している人に対して、自分は安全な対岸にいて未知の大地に挑戦している冒険者を批判することは許されない行為です。ですから自らが冒険者の立場に立たない限り、決して批判はすべきではないのです。それ以上に、常に正々堂々とした本当の冒険者は、自らの行く先を切り開くことに関心があるだけで、人の批判はしないものです。人の批判に貴重な人生の時間を割く間があるなら、1mmでも前に進もうと考えるものです。冒険者の前田さんは、創作フラメンコの「祈りの道」や「炎の道成寺」などで新境地を切り開き、前進を続けています。

 さて松本さんの言葉です。「人に会う意味は、会う前よりも会った後の方が得られるものがあるからです」。
 その言葉の通り、お互いにとって貴重な時間です。良い時間を共有して、会う前よりも別れる時の方が、暖かくて心が安定している状態なることが人と会う意味なのです。人と会うことは成長することです。そして誰と会っても学べることがあります。会ったことはありませんが、ある人は一年365日の内、300日は違った人と食事を共にしているそうです。人脈とは、既に名声のある人や権限のある人と接触を図るものではなくて、自分と一緒に成長するであろう人と、無名の時代に知り合い交流を深めておくことにあります。相手も社会の階段を昇って行く、自分も負けないようにと自分の進む分野を昇って行く。気がついた時には、かつて自分が望んだように、誰かが自分に会いたいと望んでやって来てくれるようになっている。他人の動向に惑わされない、そんな自分だけの階段を昇って行く人生は素敵なものです。

 ところで前田さん。数十年前は、一ヶ月の生活費を5,000円で子どもと暮らした経験があるそうです。キャベツの芯を刻んでお好み焼きにして生活をした経験もあったけれど、フラメンコに出会って今も変わらずに成長を続けています。全ての経験は人間の根の部分に蓄えられています。根が太く深く拡がって決して倒れない幹となり、葉が芽生え花も咲くのです。いま咲いている花だけを見ていても真価は計れません。見えない根の部分にどれだけ経験を詰め込んでいるのかが将来の伸びしろの部分なのです。
3月29日(土) 「紀州レンジャーズ」
【紀州レンジャーズ】
 待望の和歌山県初のプロ野球チーム「紀州レンジャーズ」の初めての試合が紀三井寺球場で行われました。相手は独立リーグ、北信越リーグに所属で昨年度リーグ二位の強豪チーム富山サンダーバーズです。今日のために朝、富山県を出発して和歌山市に来てくれ、試合終了後帰りました。独立リーグの厳しさをうかがい知ることが出来ます。選手の一人と話をすると、厳しい環境の中でも試合が出来る喜びを感じている様子でした。

 さて紀州レンジャーズは、平成21年度に発足する独立リーグの関西リーグに所属することが決まっています。ですから将来に道がつながっている紀州レンジャーズにとって、今日の試合が最初の記念すべき試合でした。
 春の紀三井寺球場にプロ野球チームがやって来て試合をする光景は感動的でした。紀三井寺球場は高校野球やクラブチームの試合が組まれていますが、プロの試合を開催することは稀でしたから、今後、紀州レンジャーズ主催の関西独立リーグの試合は、ここで開催されると思うとワクワクしてきます。やはり箱モノには主が必要なのです。

 紀州レンジャーズのユニホームは黄色、富山サンダーバーズのユニホームは緑色ですから、派手でプロ野球らしい感じがしました。一塁側には吹奏楽の演奏が、三塁側には富山から来た応援団が鳴り物による応援を繰り広げ、盛り上がりを演出してくれました。
 また観客は約1,500人で、球場にはプロ野球チームが誕生したことへの期待感と賑わいが感じられました。和歌山県では地元でプロ野球を楽しむ文化はありませんでしたが、紀州レンジャーズの誕生は地域を変える可能性すら感じました。これからは、休日に独立リーグの野球の試合を、家族や友人達と楽しむ場面も多くありそうです。

 試合では地元チームらしい演出でスタートしました。男性デュオの「秋休」によるライブは試合前と5回裏の攻撃終了時の二回、紀州レンジャーの始球式や観客席での盛り上げ、そして皆さんへの選手紹介など、地元密着型のチームらしい始まりです。
 ところで紀州レンジャーズのテーマソング「夢のツバサ」は、「秋休」が作詞作曲をしてくれました。プロ球団らしいテーマソングを「秋休」が作成してくれて、盛り上げの一役を担ってくれています。今日は「秋休」がテーマソングも歌ってくれましたが、その時、紀州レンジャーズの選手たちがキャッチボールを中断して、大きく頭の上で手拍子のリズムを取り観客席に向かって呼びかけてくれました。後で「秋休」に聞いたところ、「紀州レンジャーズの選手が手拍子をしてくれたのは嬉しかった」と話してくれた程です。

 この紀州レンジャーズのテーマソングの「夢のツバサ」は、不安と挫折があっても夢に向かって何度でも立ち上がろうと呼びかけるもので、今スタートした県民球団の気持ちを見事に表してくれています。今年誕生した紀州レンジャーズも、メジャーデビューを目指している「秋休」も、今は小さな存在かも知れませんが、近い将来、それぞれ和歌山県と音楽シーンで欠かせない存在になると確信しています。部門は違っても競い合う良い関係で成長したいものです。

 ところで初陣は、富山サンダーバーズが紀州レンジャーズを8対2で下し、独立リーグの先輩の貫禄を見せてくれました。どちらも真剣勝負の見応えのある試合でした。敗れはしたものの一年後には、紀州レンジャーズも互角に戦える程に成長してくれている感触がありました。
 今日、関西リーグに向けてスタートを切った紀州レンジャーズ。ここに和歌山県民球団が誕生したことを素直に喜びたいものです。何もないところに可能性はありませんが、生まれたものには無限の可能性はあります。

【秋休】
 紀州レンジャーズのテーマソングを歌ってくれる「秋休」。試合終了後、夜8時から和歌山市内の居酒屋、中心屋で「秋休Live in中心屋」がありました。既にストリート系では全国的な人気を誇っているように、歌とトークで盛り上がります。メジャーデビューも近いとの評判もありますが、ファンと近い距離で活動している今を忘れないで羽ばたいて欲しいものです。
3月28日(金) 「春の出来事」
【元気ファンド】
 和歌山県の新施策である「わかやま中小企業元気ファンド」の説明会がありました。会場は超満員でファンドへの期待が現れています。それだけ県内の中小企業の資金計画は厳しく、しかし実現したいアイデアがあるということです。優れたアイデアも企画も、それを実現させるためには資金が必要です。その事業資金の一部を県が支援しようとする施策です。この中から新規事業が生まれることと、アイデアが実現することを期待しています。県内の企業が元気になることで地域に元気が生まれます。

【5周年実行委員会】
 和歌山ゴールドライオンズクラブ5周年記念式典の実行委員会が発足していますが、その全体の打ち合わせを行いました。和歌山市で9番目に発足した最も新しいクラブで、今年で結成5年目を迎えます。その式典のシナリオと準備するもの、役割分担などを決定しました。全体の流れを決定したので、後は各部で詳細を詰めることにしています。私は総務部長を担当し、招待リストの作成や式典と祝宴のシナリオの作成や準備を進めます。

【春の出来事】
 春。新しい生活が始まる人達がいます。就職した人、転勤になった人、そして転職した人達がそうです。今までと違った環境に飛び込むのは勇気がいることです。人間は環境に適合するものですから、新しい職場環境よりも慣れた職場にいる方が気は安らぐのです。 慣れた職場に通勤することは精神的に安らぐものですが、そこに精神的に安住してしまうと、これからの成長が止まる危険性があります。

 春。新しく社会人になる人を見て、自分ももう一度、仕事を変えて新しい環境に飛び込もうと考える人もいます。前途が拡がる眩しい社会人一年生を見て、かつての自分を思い出すこともありますし、慣れた環境にいるとどうしても、これからの拡がりが感じられなくなりますから、思い切って夢に挑戦しようと思うことにも起因しています。ただ仕事をしている。そんな環境を断ち切って新しい環境に向かう。素晴らしいことですが、3月までの環境が4月になった途端に訪れるであろう大きな変化に、不安感を感じるのも当然のことです。自分で決めたことでも、いざ職場を変える段階になると不安感を感じるものです。

 3月初めの段階、つまり決心するまでに十分な期間があると内心は、『希望>不安』ですが、3月の終盤に差し掛かると『希望<不安』に逆転します。出来たら慣れた環境のまま居心地良く過ごしたいと思うようになるのです。

 人は未知のものを恐れる性質があります。人が深夜に不安を感じるのは、太古の昔、人がどう猛な動物に襲われる夜に恐怖を感じていた後遺症があると聞いたことがあります。人の遺伝子の記憶の中に見通しの良くない夜への不安が組み込まれているのかも知れません。この遺伝子の影響でしょうか、未知の世界に向かうことに対しても本能的に不安を感じるものです。これは誰でも挑戦することに対して感じる不安なのです。例え、好きな仕事が4月から待ち構えていると分かっていても、飛び込んでしまうまでは不安感を感じるものです。そして月日が近づくほどに不安感は増し、新しい職場に向かう前日の夜は最高潮に達します。

 しかしそれは自分が人生の主役を確かに生きていることの証拠なのです。自分が主役になるからその舞台での失敗は出来ないと思いますし、人から見られていることに対しての周囲からの圧力を感じるのです。

 主役でないと周囲からのプレッシャーは感じませんから、不安感を感じるのは主役を張っていることなので、その環境を楽しみたいものです。例があると分かり易いので記します。会社や学校の受験、資格試験では誰でも緊張します。議員の立場ですと、本会議で登壇する場合は緊張感が走ります。会社の命運を賭けたプレゼンテーションの場面は相当緊張するものです。全て自分が主役になっていることからプレッシャーを感じるものです。

 これに対して、当事者は凄い緊張感があると思いますが、自分では緊張しない場面があります。プロ野球開幕戦に指名された投手や世界タイトルマッチに挑戦するボクシング選手。将棋の名人戦の当事者となる棋士や日本ダービーの有力馬に騎乗するジョッキーなどは、私達の予想を超えるプレッシャーと戦っている筈です。しかし見ている私達にとって緊張感はそれ程ありません。理由は簡単で、その場面では自分が主役ではないからです。

 春。新しく迎える環境に緊張感やプレッシャーを感じるのは自分が主役だからです。プレッシャーから逃げてそれを楽しまないのは人生を楽しまないことです。不安だけれどもそこに立ち向かうことでプレッシャーはプレジャーに変わります。自分で行動を起こしたことによって襲ってくるプレッシャーは、自分が人生の主役であることを感じる絶好の機会です。それを楽しむことが人生を楽しむことなのです。

 そして今日、ある方は小学校の先生になることが決定し、新しい環境に飛び出すことになりました。素晴らしい出来事です。経験がないため最初は苦労の連続でしょうが、苦労の先に夢の実現が待っています。
3月27日(木) 「フォルテワジマ十番丁ビル」
【フォルテワジマ十番丁ビル】
 和歌山市中心市街地の今後に関しての意見交換を行いました。フォルテワジマ、そしてフォルテワジマ十番丁ビルのオープンを控えて、中心市街地の活性化への期待が高まっています。和歌山市にとって、民間事業者である和島興産が投資と協力を行ってくれている今が、和歌山市再生の最大のチャンスです。何となく、和歌山市中心市街地活性化基本計画が国の認定を受けて安堵感が漂っていますが、そうではありません。計画を書くことは出来るのですが、実行するためには相当な力を要するものです。事業主体を核として協力体制を整えたいものです。

 さてフォルテワジマの二階から四階までのフロアとフォルテワジマ十番丁ビルのオープンによる式典が平成20年3月31日に予定されています。年度内にオープンすることになりますが、関係者の皆さんの圧倒的な仕事量を伺うと大変だったことが分かります。このことに関して島精機製作所の島社長と話をすることが出来ました。大変感銘を受けました。

 単に商業施設とマンションを経営するのではなくて、和歌山市の中心地域を活性化させるための取り組みに努力され、自己資金を投入しています。フォルテワジマ十番丁ビルのエントランス部分には、けやきの木が植栽されています。けやきの木は和歌山市のシンボル的な存在で、JR和歌山駅から和歌山市役所に向かう通りは「けやき通り」と名付けられている程です。

 島社長は、フォルテワジマ十番丁ビルのエントランスにあるけやきの木を、栃木県から取り寄せています。この木は17トンもありますから、運搬に4日間、植栽に際してもクレーン車を使っています。また木の形が素晴らしいのです。当然のことですが幹は一つですが、枝が芸術的に八つに分かれているのです。イメージすると、蛸を逆さまにしたような形です。そしてこの木の姿には、島社長の思いが表現されています。

 まず一つは、中心市街地のシンボルタワーとするために日本一のけやきの木を植えることが必要と考えたのです。どこにでもあるような木だと通りかかる人は気付きませんし感動もありません。しかしこの木は、気付かない人はなく絶対に人の注意を惹くものだと思います。その大きさに圧倒され、その姿に感銘を受ける人もいる筈です。

 二つ目の理由です。けやきの木の八つの枝は情報や仕事の流れを表現し、幹は人の頭を表しています。つまり考える頭は一つなのに、昨今、情報は幾つも入ってきますし、仕事は多岐に及んでいることから、それらを上手く整理しないと無用の長物になるのです。情報は必要なものを選択して頭に入れておくことで、組み合わせて活用することが可能となります。仕事は専門化と知識化が進み、全ての工程を一人で賄うことは困難になっています。つまり個人においても会社においても、全工程をぶつ切りにして一部分だけを担っていますから、どうしても全体を考えて仕事が出来なくなってしまうのです。木を見て森を見ずの状況ですが、本人はそれが分からないのです。

 そこで情報や仕事の工程を表している八つの枝はそれらを上手く整理して、頭に入るようにしなさいという意味を込めているのです。その意味を私達に伝えるため、それを表現する形の木を日本中捜して栃木県で見つけたのです。
 本来必要な部分も投資ではありませんが、イメージとメッセージのために相当の費用を掛けているのです。夢を持ち計画を立て、熱意とメッセージ性を持って行動する。これがまちづくりを担う人の姿勢でありエネルギーなのです。

 頭は一つですが、頭を使うためには情報と知識が必要で、それらのものは沢山あるだけでは役立たないので、上手く整理しなさいと教えてくれたようです。
 島社長との懇談の後、現場で確認しましたが、植え込み作業中の職人さん曰く「こんな立派なけやきの木は見たことが無い。日本一です」とのことでした。確かに圧倒される存在感と強いメッセージを発していました。

【再起】
 会社更生法の適用を受けた経営者が、努力の末、そこから脱して再び立ち上がりました。訪ねてくれたのですが、「一度死んだ身なので怖いものはない状況からの挑戦です」と明るく話してくれました。好調時と会社更生法適用時の両方の体験から学んだことは、会社が好調な時には人は集まって来るのですが、倒産状態になると離れていくことです。しかし少数ですが、倒産の時でも近くにいてくれる人や励ましてくれる人がいたそうです。それらの人は信用できるし生涯付き合える仲間として認識していますが、離れた人たちとの関係はそうなりません。会社を復活させたことで再び人は寄ってはきましたが、信用度は違います。「人を見る力がつきました」とのことです。
 困った時に助けてくれた人は大事な人です。

【まちづくり】
 まちづくりに関する話し合いを行いました。和歌山市の人口は約37万人で中核市です。その玄関口となるJR和歌山駅には、西口と東口を結ぶ連絡道として地下通路があります。
 ここの通行人数は正式なものは把握していませんが、ある方の調べたところによると、一日約2,000人ではないだろうかとのことです。

 人口規模からすると相当低い数字だそうです。参考までに、青森市のJR青森駅前の連絡道の通行者は約5,000人から約8,000人だそうですから、和歌山市のそれは低いことが分かります。知る限りではJRの駅を中心として、その両側、つまり東西か南北に都市が出来ています。JR和歌山駅の場合は、最初に西口から発展し、今は東口の開発が民間を中心に進められています。西口は古い街並みが広がり、商店街と百貨店が立ち並んでいます。戦後からある商店街を歩くと、商店街の歴史を知ることが出来ます。

 まちの中心地がどこにあるのか定義は難しいのですが、間違いなくまちの中心にあるJRの駅は中心地のひとつとして考えても良いと思います。そしてまちは円方向に発展していきますから、その駅を中心に両側に広がりを見せるように都市計画が立てられるのが通常です。
 和歌山市の場合、中心市街地活性化基本計画から推察すると、西口は古くからの商業施設がある場中心市街地として、これからも発展を目指す方向だと考えられます。
 東口はデベロッパーが開発を進め始めていますから、これからに期待する新しいまちが生まれると考えられます。

 そこで都市計画の責任者である首長の役割は重要です。中心市街地の将来の姿をどのように描くのか、その手腕が問われます。JR和歌山駅の西口の小売店を中心として歴史的な環境を活かして再開発を進めるのか。それとも東西の連絡方法を整理して新しいまちである東口と西口の連携を図り人の往来を増やすのか。時間と資金の関係で、どちらかの選択をすべきですが、その選択によって和歌山市の姿は大きく変わってしまいます。

 具体的には、JR和歌山駅を中心点として円を描くように開発地域を広げるのか。それとも既に商店街が形成されている西口に重点を置いて、JR和歌山駅から半円を描くように西に開発を進めるのか。どちらかの選択が考えられます。
 まちづくりにおいて都市計画ほど重要な計画はありません。これがしっかり作成されていることが発展の可能性を担保していることになります。都市計画がはっきりしていない地域や、昔からの計画を見直しするだけに終わっている地域には未来はありません。都市計画に力を入れない地域には魅力が無く、企業や商業施設は進出してくれないからです。和歌山市の将来のあり方について議論する機会も少ないのが心配です。

【その他】
 企業の森のあり方について意見交換。新エネルギーを活用した地域活性化に関しての意見交換。エフエムわかやまの発足記念式典に関しての調整事項。そして夜は懇親会を行いました。
3月26日(水) 「ピンクリボン」
【ピンクリボン】
 乳がんの撲滅を図るための活動にピンクリボン運動in和歌山があります。乳がんと闘っている患者の会が中心となって啓蒙活動や癌検診の有効性などの普及に努めています。秋に実施している主要施設をピンク色にライトアップすることから認知度は高まっています。和歌山市でもこの活動が三年目を迎えています。

 さて今年初頭に奥さんを乳がんで亡くしたMさんは癌の撲滅を願っているため、ピンクリボン活動in和歌山の代表達と懇談する機会を持ちました。悲劇を繰り返さないためにも、同じ気持ちを持った人の集まりは力になります。ここから更にこの活動が広がることを心から期待しています。

 そしてピンクリボン運動in和歌山の代表Nさんも乳がん治療を継続しています。記憶に新しい昨年秋、和歌山市の紀三井寺をピンクにライトアップした一大イベントの疲れが今も残っています。スタッフの方々も全員乳がん治療を継続している皆さんですから、体力的に厳しいのです。今年の秋にも紀三井寺の協力を得てイベントを実施する計画ですが、未だ疲れが残っているため企画が出来ていません。命を掛けた壮絶な取り組みであることが分かります。

 そしてNさんの友人の二人は尊い生命を落としています。昨年夏には乳がんと闘ってきた友人が亡くなりました。闘病生活で残した言葉は「私のような不幸な人は私で最後にしたいので、乳がん撲滅のために最後まで闘いたいと思うのです」というものでした。そして平成19年12月、もう一人の友人が乳がんとの闘いに敗れてこの世を去りました。Nさんは、二人の友人の意思を引き継いでピンクリボン活動を、更に和歌山県下に発信することを誓ったのです。只でさえ辛い体なのに、懸命の取り組みしています。

 さて毎年10月は癌の撲滅の月間になっています。今年もイベントなどの実施計画がありますから、和歌山県から乳がん撲滅のための発信をしたいと思います。その後、Mさんと胸にピンクリボンを掲げたいと話し合いました。平成19年10月の月間では、宮崎県知事は胸にピンクのリボンを掲げていました。メディアを通じて報道されていますから、宮崎県知事の時代を先取りする姿勢は全国に知れ渡っています。このような姿勢などの良いところは見習いたいものです。

 ところで和歌山県紀ノ川市が最も、ピンクリボン運動in和歌山に理解を示しています。今年の秋にはピンクリボンのバッジを作成して啓蒙活動をする計画がある位です。紀ノ川市から計画が始まっているこの取り組みを県下に広げたいと願っています。乳がん撲滅のための取り組みは女性だけが取り組むべき問題ではありません。和歌山県は残念ながら、癌の発生率が全国一高い現状がありますから、改善するための取り組み、そしてと予算措置をしています。このまちに暮らしている全ての人が安心するために、県として癌の撲滅対策に全力を掲げる方針を示しています。
 
【仕事】
 春は各職場に新入社員が配属される季節です。中高年にとって新卒と競合する春の就職活動は厳しいものがあります。しかし家庭を支える中心人物にとって職場は大切です。遣り甲斐と家族を養うために必要な賃金を両立させることは容易ではありません。懸命の活動を行っている方と話し合いましたが、和歌山市において、中高年が仕事を探すのは大変なことなのです。経験のある人は社会でその能力を活かして欲しいものですが、その環境は整備されているとは言い難いものがあります。

 企業にとって労働力の確保が課題になっていますが、一方では企業にとって経営コストとしての人件費は抑制する傾向にあり、高賃金が必要となる中高年よりも新卒を優先させる傾向もあるようです。どちらを優先させるのかは企業の経営方針によりますが、年齢と同じように人の能力を評価する企業に期待したいところです。若い人も経験者も十分に仕事のある環境を作りたいものです。

【ゴールドライオンズクラブ5周年記念行事】
 平成20年5月27日に開催予定の、和歌山ゴールドライオンズクラブ結成5周年記念行事に関して、各担当部長と打ち合わせを行いました。結成5周年の式典は、これから10年、15年と続くクラブの歴史の最初の式典となります。成功させるために入念な打ち合わせと準備を行っています。

【その他の活動】
 障害者が置かれている現状に関する意見交換を実施。現場の実態を知らずして法律改正が成されているようです。法律を作る立場にある人は、本当に困っている人の立場に立って欲しいものです。困っている人の立場に立つということは、現場に入って現場の声を聞くことです。国の仕事は忙しいのは理解していますが、法律によって不利益を被る人の意見は最低限、聞いて欲しいものです。

 新エネルギー研究会発足に関しての意見交換を実施。新エネルギーは産業用を賄う位の主要電源にはなり難いのですが、京都議定書の発効後の取り組みとして、そして平成20年夏の洞爺湖サミット後の日本国としての取り組みにおいても、課題として捉えておく必要があります。多くの森林を保有している和歌山県としてはエネルギーと環境問題には先進的な取り組みをする必要があります。そのため新年度からの取り組みについて話し合いました。
 和歌山県が行っている企業の森の活動に関しての意見交換を行いました。まだまだ改善の余地がありますから、広く展開する可能性があります。
 和歌山大学観光学部のあり方に関しての協議を実施。そして、和歌山県元気ファンドについての意見交換を行いました。

【懇談会】
 夜には知事を交えての懇談会を開催しました。知事は地方自治体の運営責任者であり予算の執行者でもあります。そして議会は住民の皆さんの代表ですから意見が対立することもありますから、日頃から意見交換を図っておくことは大事なことです。対立するのではなく、良い意味で協調する関係が必要だと認識しています。
3月25日(火) 「エフエムわかやま」
【エフエムわかやま】
 和歌山市中心市街地の状況についての再確認。県外から進出計画の有無などに関して意見交換を行いました。

 その後、「エフエムわかやま」の概要について説明を実施。「エフエムわかやま」の概要については次の通りです。
 正式名称は、特定非営利活動法人エフエム和歌山。平成19年12月3日に予備免許の交付を受け、既に平成20年3月15日から試験電波を発射しています。本放送は平成20年4月1日から放送開始の予定です。試験放送を試聴できるエリアは、受信状態と受信機の性能にもよりますが、和歌山市のほぼ全域と岩出市や紀ノ川市などの地域となります。

 本放送からパーソナリティーやスタッフは一部番組を除き一般市民で運営いたします。平成20年4月1日からは、和歌山市を中心に生活情報や高音質のステレオで楽しい音楽を放送し、市民のコミュニティ放送局としての役割を果たしたいと考えています。

 なお概要は、本放送開始は平成20年4月1日、午前10時から。放送時間は、基本的に24時間放送で、全て市民参加の自社制作の予定です。放送局の概要については、呼び出し符号と名称はJOZZ7BE−FM エフエム和歌山。周波数87.7MHz、出力20W、聴取世帯数(まだ放送していませんので予測値です)は次の通りです。

・和歌山市は148,514世帯の内、約90%の約135,000世帯
・岩出市は18,804世帯の内、約90%の約17,000世帯
・紀の川市は24,306世帯の内、約50%の約12,000世帯で、合計164,000世帯、人口は約420,000人と推測しています。

 送信所は、ダイワロイネットホテル和歌山の屋上、地上高約100m。演奏所は、和歌山市塩屋5丁目5−43。開局後の愛称は、バナナFM(87.7MHzのゴロ合わせ)となっています。 

【ゴールドライオンズクラブ5周年記念行事】
 平成20年5月27日に開催予定の、和歌山ゴールドライオンズクラブ結成5周年記念行事に関して、会長と担当部長そして司会者とが集まり打ち合わせを行いました。主に式典の進行と祝宴のゲストとの調整に時間を費やしました。ゲストはショー的要素を極力排除して、おもてなしの心で来賓をお迎えするために、クラブ会員と会員の家族の方に出演をお願いしました。一人は会員の小林さんの奥様の詩吟、もう一人は会員の金田さんの奥様による歌謡、そして会員である北村さんの歌謡を計画しました。今週末に全員が集まり式典内容の確認を行い、その後実務作業に取り掛かります。

【講師】
 市内の公立中学校の講師で素晴らしい方の話を伺いました。市内の中学校でも、全国的な例と同様に不登校や悩んでいる生徒がいます。学校現場での苦悩は図り知れません。先生もそうですし、PTAの皆さん、そして地域の皆さんにとっても、わが地域の中学校での問題には頭を悩ましています。ある中学校の講師の先生は、困難に直面している生徒に対して力強くそして優しい相談相手になってくれています。講師ですが吹奏楽部の指導を任されているなど学校の信頼も厚いのです。リストカットの生徒を励まして元の学校生活に戻した事例もあり、PTAからも絶大な信頼を得ています。そのため、この心と情熱のある講師の先生に中学校に残って欲しいと思っている保護者がたくさんいるのです。講師は正規採用の先生とは異なり一年契約なのですが、人間的に素晴らしい方は学校に残って、生徒と共に教育を通じて成長して欲しいと願うばかりです。幸いにも保護者の願いが通じたのか、この熱心な講師の先生は次年度も契約延長することになったそうです。

 違う学校に行ったとしても、この講師の先生の行った善意の授業は、生徒にも保護者の胸にきっと残ります。そして何年か経過した後、この講師の先生が教師として今の中学校の教壇に立つ日が来ると思います。希望の明日は必ずやって来るのですから。

【次年度に向けて】
 今年の入社日が未だなのに、早くも次年度の就職活動が展開されています。新四年生になる前に就職活動が全盛を迎えているのです。経済が停滞期に入ろうとしているため、企業の次年度の人員計画にも影響があるかも知れませんから、就職を控えている学生にとって厳しい試験が続いています。その現状を話し合いました。
 
【懇談】
 東アジアからの誘客も含めて、観光や医療による和歌山県活性化に関して話し合いました。和歌山県の可能性はこの分野にあることを再確認しました。韓国にあるアジア最大の病院は湖の畔にありますが、和歌山県立医科大学付属病院は海に面していますからロケーションでは勝っていると思います。地域に公立病院が存在していることの価値は計り知れないものです。今ある地域資源を活かした地域づくりと観光や医療を組み合わせることで、外国からも人も資金も呼び込めそうなのですが・・。如何なものでしょうか。
3月24日(月) 「年金問題」
【堺市の状況】
 大阪府堺市からお客さんが来てくれました。堺市と言えば、シャープ株式会社の新工場の建設作業中で市内が好景気だと噂を聞きますが、その辺りの感想も聞かせてくれました。新工場の建設に加えてさらに規模が大きくなるとも言われていますし、太陽光発電システムの導入も決定、新工場で使用する電力量は100万kWと推定されている程です。100万kWとは原子力発電一基分に相当しますから、その工場規模の大きさが分かります。

 仕事の増加と消費、雇用の増大が見込まれるなど景気拡大が見込まれていますが、他都市からすると隣の芝生のように映る部分もあるようです。何故なら、大きな建設工事と言っても予算範囲がありますし、事業者間の競争が激化している中、受注合戦となり受注単価が低くなっている場合もあるようなのです。
 そうは言っても大企業が進出してくれて活気のある光景は、和歌山市から見ると羨ましい限りです。

【年金問題】
 年金の未納問題が話題になっていますが、それ以外にも過去からの継続性において問題があると指摘がありました。厚生年金を受給するようになっても、以前とは違って受取額が生活をするのに十分でない様なのです。様と言うのは、受けり額を調査していないからなのですが、年金受給者からすると、現役時代にかなりの掛け金を支払ってきたのに、受けとる段階になると減額されていることは納得し難いと率直な感想がありました。

 自分が年金を受給する時にならないと実感は湧かないのですが、収入が年金だけになると今の政府の対応には不安を感じる様です。「真面目に働いてきた人に報いていない」状態だけに、政府の対応への不安感があるようです。
 「年金の問題も道路の問題も同じ体質の中から生じた問題です」と話してくれましたが、今までこの事実を隠されていたことに憤りがあります。参議院も政府与党が多数を占めていたとしたら、今回明らかになったような事実は表に出なかった可能性もあります。地方議会においては地方議会が執行部のチェック機能を持ちますが、国政においては参議院がようやくチェック機能を持ったのです。次々に明らかにされる目的に沿っているとは言い難い特別会計の使用実態。政府は納得出来る説明責任を果たして欲しいと思います。

【ジャズ】
 今年で芸能生活50周年を迎えた和歌山市在住のジャズ奏者、瀧さん。記念式典の打ち合わせを兼ねた懇談を行いました。芸能生活と地域の音楽活動の活性化のため後輩達を指導するための音楽教室も主宰しています。生徒の中には瀧さんと同じ舞台に立っている実力者も誕生しています。今日は地方紙の取材を受けている生徒もいて、和歌山市のジャズの音楽シーンで欠かせない人物になっています。
 生徒の一人が演奏のために舞台に立った時の心境を「(緊張して)客席が見えない」状態であると表現してくれました。客席が見えない状態になるような緊張する演奏を50年も続けている瀧さんの凄さが分かります。そして50周年も途中経過に過ぎませんから、これからも活躍してくれることと信じています。

【その他】
 和歌山市中心市街地以外の活性化の方法についての話し合い。JR和歌山駅付近の活性化についての話し合い。和歌山大学留学生が殺された事件について。音楽による和歌山市活性化のアイデアについての相談。和歌山ゴールドライオンズクラブ5周年チャーターナイトの打ち合わせ。和歌山大学観光学部と中心市街地活性化についての協議などを行いました。
3月23日(日) 「信用創造」
 日本銀行総裁が空白になりましたが、これは戦後初めてのことだそうです。日本銀行のトップが不在と言うのはどうしても不安定さがあります。地方に暮らす者としては、会社の社長がいない、学校の校長先生がいないと言う感覚でしょうか。白川副総裁が代行するため実務的には問題は生じないでしょうが、問題は信用です。トップが不在だと言うことは最終決断者がいないことです。そして日本銀行の場合、この信用が最も大事なことなのです。日本銀行の重要な役割はご存じのとおり、公定歩合政策、公開市場操作、予金準備率操作の金融政策です。いずれもわが国の経済を調整する役割を担っているもので、これらの政策の組み合わせで経済の安定を図っています。

 さてこれらの金融政策は重要ですが、個人的に思うのは、それらと同等かそれ以上に重要なものは信用創造です。これがないと日本銀行は機能しないのです。
 ところで小学生向けの新聞に「朝日小学生新聞」があり、この平成20年3月20日発行の新聞に「きのうのあしたは」の記事がありました。日本の歴史を紹介する記事で、後醍醐天皇の建武の新政の時のエピソードの中に紙幣の話がありました。朝廷にお金がなくて困ったことから紙のお金をつくろうとしたのです。国民は「紙切れで物が買えるものか」と怒り、紙幣の発行は失敗したそうなのです。当時、お金は貨幣そのものが価値を持っているから交換手段として流通していたのですから、そのものに価値のない紙切れを交換手段として流通させようとしても無理があったのです。しかし後醍醐天皇が日本で初めて紙幣を発行しようとした人物だったようなのです。

 ここに紙幣の秘密が隠されています。現代社会で暮らしている私達にとって紙幣の流通は当然のことで何の疑問もありませんが、紙幣が価値を持っているのは日本銀行が支えているからです。紙幣は紙切れですが価値を持っているのは国に信用があるからです。国が1万円紙幣には1万円相当の物と交換できる保障をしているから、私達は信用して労働の対価などで紙幣を受け取っているのです。

 もし国が不安定でクーデターなどで覆る危険性が潜んでいるとしたら、紙幣の流通は行われなくなります。国民は自分の国の紙幣を受けとらずに、例えばドルで労働対価の受け取りを希望するでしょうし、貿易相手国もその国の貨幣ではなくドルでの支払いを希望することになります。つまり国に信用があることが紙幣流通の大原則なのです。紙幣を発行出来る権限を国から付与されている日本銀行は国の信用力を背景にして紙幣を流通させているのです。

 つまり信用が紙幣に紙幣としての役割を与えているのです。銀行の役割で重要なことはこの信用創造です。銀行の資金力は実際に金庫にあるお金ではなく、預金残高などの名目の資金力で評価されています。銀行は金庫にお金を保管しておいてもお金を増やすことは出来ませんから、企業への貸付などを行っています。金庫に保管しているのは必要最小限のお金なのです。でも手持ち資金が少なくても、その何十倍以上の預金残高と貸付残高があるのです。そんなことが出来るのは信用創造が為せる技なのです。

 手持ちの資金以上に貸し借りが出来る銀行の機能を信用創造と言いますが、それが銀行の最大の強みであり役割なのです。日本銀行は銀行の銀行ですから、最大の信用を創造しているのです。信用創造こそが経済規模を維持し、拡大させているのです。
 信用創造している日本銀行の総裁が不在なのは信用問題ですから、好ましい状態ではありません。信用されるべき国や日本銀行の信頼が揺らいでいることは、金融の根幹を揺るがしていることなのです。

 福田総理は否決されるような人事案件ばかりを提案していますが、金融界に人物がいない筈はありません。適切な日本銀行総裁の人事案を提案して、金融の信用を安定させて欲しいところです。
3月22日(土) 「応対力」
【応対力】
 和歌山市内の会社経営者Aさんからの問い合わせです。事務所に新しいビジネスシステムを導入するためにK社に相談したところ、同社の法人営業部が担当することに決まりビジネス導入の取り組みを提案してくれることになりました。ところがその後K社からは何の提案も連絡もない状態が続いています。新年度が間近に迫ってきたため資金計画や導入計画を立てる必要があるため、Aさんは一向に進まないことに焦りが生じました。K社に問い合わせたところ法人営業部からの答えは「すみません」を繰り返すだけでした。ビジネスシステムの説明も何もなかったのです。

 そしてシステム説明の回答を求めて電話を切って二日後、契約申込書が郵送されてきました。説明がないことからシステムを理解出来ていない状態で契約書が郵送されたことに驚き、呆れて相談がありました。「こんな不親切な会社に任せることは出来ないですよね」。
 その通りです。AさんにK社を紹介した責任があるため、K社に現状を問い合わせました。法人営業部が休みだったためお客様相談室につながり、その部署では親切、丁寧に応対してくれました。部門が違うため仕事の流れが把握出来なかったため月曜日に回答をいただけることになりました。

 問題点として、K社がAさんに「すみません」を繰り返したのは、ビジネスシステムの導入が無理なので謝ったのか、システムの導入が図れるのだけれども説明が遅れていることから謝ったのか、どちらなのか分かりません。年度末ですから早期に説明をいただき採否を決めたいところですが仕事の流れが停滞しています。判断するための材料を提供してくれないことには次の展開はありませんから困ったものです。
 今日のところはこれ以上進まないことをAさんに報告し、結論は来週に持ち持ち越しとなりました。

【打ち合わせ】
 会社経営者のTさんと諸課題に関する打ち合わせを行いました。過疎地域で高齢化が進展している地域での福祉事業の可能性について。和歌山市内での託児施設の必要性について。中国からの冷凍食品の輸入の現状について。食品は安全性が何よりも優先されるべきであり、加工工程での安全性が確認されるまでは食するのに躊躇しているのが現状です。
 人は自分に関わっていない事件は忘れやすいのですが、食品を扱う関係者の皆さんには、食の安全確保を最優先にお願いしたいところです。

【写真展】
 毎年恒例の和歌山市三田地区の有志による写真展が開催されています。案内をいただき作品を見て来ました。この写真展を目指して一年間をかけて撮影を行ってきました。会員の方は自分たちで会費を集めてバスを用意し、毎月一回撮影旅行を行っているのです。
 何事もそうですが、自分のお金を出さないと成果は得られません。仕事や学習などもそうですが、仮に写真撮影旅行のためバスを毎月無償で提供してくれているとしたら、満足な作品は得られないように思います。自分達がお金を出しているから、撮影地を選ぶのも厳選しますし、現地での撮影も真剣になります。お金を出した分は成果を挙げたいと思うからです。

 今日も季節や朝夕の明暗を感じる作品が飾られていました。写真は朝か夕方に撮影されたものに惹かれます。朝日の輝きには人生の希望を感じますし、沈む夕陽には人生の休息を感じます。写真には撮影者の思いもありますし、鑑賞者はそれぞれの思いも沸き出してきます。感性を磨く機会には極力接したいものです。帰りには「来年も案内するから」と声を掛けてくれました。

【懇談】
 本日最終は三人の方と懇談しました。全国的な経済の停滞と共に和歌山市からも、元気が失われていることを実感しているようです。それは土地価格の下落や商業施設の進出が進まないことなどから、これからもしばらく停滞するのではないかと見通しを話してくれました。こんな時こそ地方自治体のリーダーの資質が問われます。第二の夕張市になることを防ぐことは大切ですが、希望の持てる施策を打ち出して元気付けて欲しいと要望がありました。
3月21日(金) 「土地事情」
【土地事情】
 住宅環境に関しての打ち合わせ。和歌山市内の場合ですが、校区によって土地の価格にバラツキがあるようです。住宅の購買層は幼児や小学生がいる家庭が多く、子どもを中心に考えて住居を構えることがあります。その場合、校区は重要な要素になってきます。人気の高い校区内の土地価格は高くなります。土地は生産品とは異なり代替不可能な商品ですから、特定の地域の土地が市場に出るのは限られています。そのため人気の校区内にある土地、収益性が高いと見込まれる土地価値は高まるのです。

 ただ景気の先行きが不透明な状況で土地価格が下落傾向にある中、高い収益性が期待できる土地の所有者は強気の価格設定をしています。和歌山市内の土地価格は上昇する要素が少ないと聞いていますが、他都市から進出計画が持ち上がると不思議なことに忽ち上昇します。他都市の事業者は、この和歌山流の土地価格変動に苦笑いしています。首都圏などから地方都市に進出を考えている事業者は、同時並行で幾つかの物件を調査しています。当然、市場価格と市場を調査していますから、当該用地の適正価格を弾いています。それ以上の土地価格を提示されると計画は中断してしまいます。

 「別にそこに行かなくても良いんだよ」との言葉だけを残して、和歌山市内への進出計画は消えてなくなるのです。後には、和歌山市の商売のやり方の評判が流布されるだけなのです。これらの評価が積み重なると、全国展開している事業者から相手にされなくなってしまいます。
 こんな繰返しを見ていると寂しくなります。

【打ち合わせ】
和歌山県紀南地域の現状の報告を受けました。企業や大型商業施設の進出を欲している様子が伺えました。
食品衛生に関して打ち合わせ。消費者は安くて安全な食材を求めていることから、飲食店などでは中国製品は使用を見合わせていますが、お客さんの立場や価格競争などからコストに上乗せ出来ない状況があり、安全と安さの両立の厳しさの一端が伺えました。
国民年金の記録漏れの不安に関する相談。和歌山市の社会保険事務所に問い合わせをしたところ、明確な回答がなく不安が増したと相談がありました。国の機関は高齢者の年金をどう考えているのか。自分のことではないので親身になってくれないように思うと感想を聞かせてくれました。心のない人が扱うと心のない仕事になります。仕事や制度自体は悪くないのですが、仕事は携わっている人によって違いが生じます。
地震に備えた室内対策について打ち合わせ。重要施設について室内対策の現状を確認しました。
ピンクリボン運動in和歌山の活動について打ち合わせ。乳がんの患者の皆さんで結成しているこの会では、乳がん撲滅のための活動や講演会を行っています。一人でも多くの人の生命を癌から守りたいと思っての活動です。少しでも支援したいと考えています。
昼間の告別式、夜は通夜式に参列いたしました。
福祉の仕事について、指定管理者制度の現状について打ち合わせを実施。
和歌山城公園での今春の花見のお客さんへの親切な対応に関して依頼を行いました。今年は3月25日から和歌山城内に桜まつりの提灯の飾り付けが行われる予定です。
印刷業界のユニバーサル・デザインに関しての話し合いも行いました。
和歌山県の人事異動の内示がありました。ある幹部職員さんから、「議会には県の仕事を変える力がある」と話してくれました。議員の正義の力を持って、県の仕事の重要性を職員さんに知らせて欲しいと話してくれました。
3月20日(木) 「人事案件」
 日本銀行総裁の人事が難航しています。平成20年3月19日で福井俊彦総裁の任期が切れましたから、どうしても後任の総裁人事に注目が集まります。わが国経済の舵取り役のため空席になるのを避けたいところですが、武藤総裁の人事が参議院で拒否され、続いて田波総裁の人事案も否決されたので日銀総裁は空席となりました。

 ところで人事案件について国会と地方議会では違いがあると思いますが、和歌山の場合について説明します。人事案件は、市の助役や教育長、教育委員や人権擁護委員などに関して議会に人事案として提案し、過半数の同意が必要となります。人事議案資料には、氏名や経歴などが記載されているのですが、議場で登壇する機会がないため、考え方やその役職で何を実現させたいのかなどが分からないので、どういった人物なのか分からない場合が大半です。顔写真の記載もないので外観からのイメージも分からないのです。ですから人事議案として当局から提案されても、その役職位に適切な人物なのか、任せられるのかなどの判断材料が極端に少ないので、余程のことがない限り当局を信頼して「賛成」することになります。

 地方自治体の首長が適任と考えて提案する人事ですから、人事案件はその信頼関係から賛成票を投じるものです。ですから実はその候補者が適任かどうかは分からないのです。再任の人事案件の場合も同じで、その役職位で何の実績があったのか、何に取り組んできたのかなどの活動実績は示されませんから、賛成して良いのかどうか分からないのです。賛成する理由は、繰り返しになりますが当局への信頼です。

 私の少ない議員経験からですが、人事案件で議論になったのは一度だけです。それは、教育委員の人事案件に関して、特定の政党に所属している人を候補者として提案してきた時だけです。教育委員ですから、政党色のある人が就任することは歓迎すべきことではありません。その時もその人物に会ったこともありませんし、考え方も分かりませんでしたが、その経歴から適切でないと判断しました。もしかしたら教育に熱心で政党と一線を画した人物だったかも知れませんが、そう判断出来る説明も資料の提示も当局からはなかったのです。勿論、議会に候補者は登場しませんでした。つまり人事案件は、否決されることはないと言う暗黙の前提があり機械的に提案されているような気がします。その証拠に、重要議案で賛同を得なければならないものなら当局から議案説明や根回しがありますが、人事案件で根回しがあった事例はゼロです。ただ和歌山県内のある市では、否決も予想される人事案件があり、議員に相当根回しを行ったと聞いたことがありますが、私は当事者ではなかったので真相は分かりません。
 一般的に、人事案件には関心度は少ないことや当局との信頼関係から賛成することになります。

 日銀総裁の場合は地方自治体の役職位とは持つ意味が違いますから、このことは当てはまらないのですが、今回の事態を鑑み、人事案件については適切な人物であることを十分確認した上で態度を決定すべきだと考えます。その役職に誰が就任するのかで施策が違ってきますから、人事案件に関しては候補者の話を聞いてみたいものですし、適任かどうかを判断出来るだけの資料も確認したいと考えます。
3月19日(水) 「卒業式」
【卒業式】
 和歌山市内の公立小学校では卒業式が挙行されました。卒業された皆さんおめでとうございます。月並みですが、あっという間の小学校生活だったことと察します。ランドセルの方が背中よりも大きかった新入生の頃、逞しさを増していく頃、そして最終学年になると一気に少年、少女の時代を卒業する時期に近づいていきます。

 それにしても今の子ども達は元気があります。歌や別れの言葉を大きくて元気の良い大声で発してくれました。
 今でも自分の小学校の卒業式のことは思い出せますから、卒業式と小学校時代の思い出は一生涯を通じて心に残るものです。私が小学校を卒業したのは昭和49年でしたから、今から34年も前のことになります。卒業式には、クラスのみんなと離れる寂しい気持ちの思い出もあります。本当に月日が経つのは早いものです。

 卒業式を終えた体育館から自分のクラスの6年3組の教室に向かったあの時は、まさか大人になって和歌山市にいるとは思っても見ませんでしたし、まさか和歌山市議会や和歌山県議会に挑戦するとは思ってもいませんでした。当時は今のように小学生にとっては豊富な情報を得られませんでしたし、職業体験などもありませんでしたから、将来の夢を具体的に描けていなかったのです。

 私の通学した宮前小学校は、みんな仲が良くて本当に楽しかった思い出だけが残っています。最終学年の6年3組は特に仲良しで、担任だった尾崎加代子先生のことは今でもはっきりと覚えています。昨年の県議会に当選させていただいた翌朝、電話をくれたのも尾崎先生でした。30年の時が経過しているように本当に久しぶりでしたが、何時までも覚えてくれていて、そして見守ってくれている担任の先生の有り難さを感じています。先生と話をすると小学生に戻ったような気がするのです。何故か会いたくなってきました。

 さて今日卒業した小学生の文集を拝見すると、具体的な夢や思っていることがしっかりと書かれていて、昭和の時代に小学校を卒業した私達よりも優秀で成長が早いことを感じさせてくれます。

 当時の卒業式は「蛍の光」が定番で、「今日の日はさようなら」なども卒業式で歌ったと思います。その後、時代と共に卒業式の歌も移り変わっているようです。自分の卒業式の歌で記憶しているのは、「贈る言葉」や「サウンド・オブ・サイレンス」「つゆのあとさき」などです。今だと「桜」や「蕾」が卒業式の思い出の曲として記憶されるのでしょうか。

 小学校を卒業すると一気に親から離れていきます。参観日や遠足なども親と一緒ではなくなりますし、運動会を観覧する機会も減少します。子どもと一緒に遊びに行く機会も減りますし、親は子どもが離れていく寂しさを感じるのかも知れません。
 小学校の卒業式は、子どもにとっては大人に向かう途中の節目であり、親にとっては子どもが自分から離れていく予行演習のための一日のようです。嬉しくもあり寂しくもあります。人は幾つになっても、卒業の言葉には特別の感慨があります。

 卒業。それは同じ気持ちで再びその場所に戻れないこと。
 卒業。それは次の段階に進むことを余儀なくされること。
 卒業。それはいつまでも心に深く沈み、消え去らないもの。
 卒業。それは過去と決別する不安と未来への期待が入り混じったもの。
 卒業。それは広い世界を目指す可能性が解き放たれること。

 今日の日、それぞれの意味と思いを持って旅立ちました。寂しさもあるでしょうが、4月には中学生としての新しい学生生活を向かえることになります。その頃には期待が不安を上回っています。

 もうひとつ、第三者として参加して気付いたことがあります。校長先生から卒業生一人ひとりに卒業証書が渡されましたが、その光景は次の世代へのバトンタッチだと言うことです。校長先生になることはその時点では定年が迫っていることなのです。校長先生でいられる期間は長くて数年ですから、自分のことをするよりも社会を支える次の世代を育てることが仕事であり使命なのです。卒業証書を渡している姿は「おめでとう」の姿勢ではなくて、「次の時代を背負うのは君達だからがんばれよ」と励ましている姿勢に見えました。

 6年間で成長した子ども達にバトンをつなぐこと。それが学校の先生という仕事の意味なのです。今日小学校を卒業する12歳の卒業生が成人するのは8年後です。その8年後には、今日の校長先生も50歳代後半の担任の先生も現役でいませんから、確実に世代交代することになるのです。小学生が卒業するこの時、将来は遠くにあるように思いますが、世代交代の時期は思っているよりも近いのです。
 卒業式は世代をつなぐリレーのように感じました。今日の宮小学校では和歌山市内で最も多い172人の卒業生にバトンが渡されました。それぞれ進む道は違いますが、今よりも遠いところまでバトンを運んでくれることを期待しています。

【献血】
 ライオンズクラブの献血活動に参加しました。クラブでは、社会奉仕活動の一環として毎年の献血活動には力を入れています。海岸の清掃や献血などを通じて、自分達を育ててくれている社会に恩返しが出来ていると思っています。今日は雨で献血者が少なかったのです。そんな中、400ml献血をして少しはお役に立てた気持ちになりました。

【その他】
 商業施設誘致と地域活性化に関して打ち合わせ。ゴールドライオンズクラブ理事会に出席。他に年度末に関係する案件の処理を行いました。
3月18日(火) 「県議会閉会」
 当初予算の審議を行った重要な定例会が終わりました。提出された議案の内、議案第66号「権利の放棄について」は継続審査として分離されましたから、それを除いては全て賛成多数で可決されました。私も議案第66号以外の議案には全て賛成しました。

 また議員提出議案第1号「和歌山県未成年喫煙防止条例」と、議員提出議案第2号「和歌山県防災対策推進条例」、そして議員提出議案第3号「議会の議員報酬の特例に関する条例の一部を改正する条例」も可決されました。この「議会の議員報酬の特例に関する条例の一部を改正する条例」とは、議員報酬を減額する期間を更に一年間延長させる条例改正です。議員報酬に100分の6を乗じた額を毎月の報酬から減額させるものです。

 継続審査となった議案第66号「権利の放棄について」とは、県が民間事業者に貸し付けた債権が回収不可能と判断して、この債権を放棄する議案です。この制度は「中小企業高度化資金」で、債権は約26億4,200万円もあり、これを放棄しようとするものです。

 現実的には、債務者が行方不明または自己破産していることや、連帯保証人も自己破産や相続放棄をしているため、今となっては取り立てる手段はないのです。本来は、貸付の際の審査を厳格にしておくべきでしたし、経営状況をウォッチしながら債権の回収手段を講じるべきでした。しかし今振り返っても当時の関係者は全ていなくなっていますから、最終的に債権放棄はやむを得ない手段かも知れません。しかし議会は債権回収のために講じた手段には納得していませんし、県が県民の皆さんに対して説明責任を果たしているとは考えていません。

 次回までにこれらの債権が回収できなくなった経緯を含めて説明して欲しいと強く要請しています。ただ、いつまで経っても回収出来ない負の債権を隠さないで表面化させたことは納得出来るものです。また今議会で示されたように、この「中小企業高度化資金」の県が持つ債権の未償還額は約108億円もありますから、今回のように詳細な経緯の説明がなく簡単に債権放棄を認めることになると、後々の処理に関しても問題を及ぼすことになります。これらの点を勘案すると継続審査として取り扱うべき案件だと考えています。

 また議案第52号に関して付帯決議を全員賛成で可決しました。付帯決議は「和歌山県プレジャーボートの係留保管の適正化に関する条例案に対する付帯決議」で、条例の施行に当たって特段の配慮をすべきだと意見を付すものです。
 また意見書に関しては次の8件提出され、全ての意見書が採択されました。

和議第26号 「ひきこもり対策を求める意見書」
和議第27号 「原爆症認定制度の抜本的な改善を求める意見書」
和議第28号 「シーシェパードによる調査捕鯨妨害活動に対する適切な措置を求める意見書」
和議第29号 「紀伊半島沖における東南海・南海地震の観測体制の強化を求める意見書」
和議第30号 「配合飼料価格の高騰に関する対策の充実強化を求める意見書」
和議第31号 「原油価格の高騰に関する更なる効果的な緊急対策を求める意見書」
和議第32号 「地上デジタル放送の受信対策の強化を求める意見書」
和議第33号 「道路特定財源の暫定税率等の維持による道路財源の確保を求める意見書」
和議第34号 「2016年オリンピック競技大会並びにパラリンピック競技大会の東京招致を支援する決議」

 この中で、和議第33号「道路特定財源の暫定税率等の維持による道路財源の確保を求める意見書」に対しては、会派「真わかやま」としては採決に加わらないで退席しました。
 理由は、(1)平成19年12月県議会で同様の意見書を採択したことから、ほぼ同じ内容のものであること。(2)本法案に関しては国会で審議されているところで、最終局面を迎え本法案が与野党間で修正されることも言われている中、改めて今までと同じ内容、つまり単に道路特定財源の暫定税率の維持という意見書を政府に対して提出する意味は感じられないこと。(3)国会での質疑やマスコミ報道などによって、道路特定財源の活用に関して不明瞭な支出が次々に発覚していることから、疑問を払拭出来ない中で暫定税率を10年間も維持すことに疑問があること。などです。

 従いまして、和歌山県にとって道路が必要なことは充分理解していますし、必要性を前提とした上で、単に道路特定財源を維持することを求めるには予算の使われ方などに疑問があり、この主旨の意見書には賛成することは困難であり、また和歌山県にとって道路の必要性は理解することから反対姿勢も取るべきではないと判断し、採決に加わらないことにしました。
 以上が県議会最終日の結果です。

 さて、議会での新年度予算が可決されたことによって、県の施策は平成20年度に向かって一気に進むことになります。気がつくと春が近づき、そして私達を覆い始めています。木々は蕾のままですが、希望を持った新年度の到来はもう直ぐそこです。

 引き続いて「エフエムわかやま」での打ち合わせ。地震対策に関する打ち合わせ。そして健康対策に関する打ち合わせなどを行いました。
3月17日(月) 「金融施策」
【県議会】
 県議会も大詰めに入りました。常任委員会が全て終了し、本日は開会後に予算特別委員会が開催され、予算案の議決が図られました。審議は終了しているため採決では、議案第1号「平成20年度和歌山県一般会計予算」(案)を初め、提案された議案第16号までの特別会計と事業会計など予算に係る全議案は可決されました。私も全議案に賛成いたしました。
 その後、クラブ会合が開かれ、明日の議案採決に向けた話し合いと請願の審議などを行いました。

【金融施策】
 地域経済活性化のためには金融施策が大切です。地元金融機関の対応も大切ですが、地方自治体が金融施策に関心を持ち施策に取り入れることも大切ですが、現在のところ金融に関する取り組みは行っていないようです。県では様々な活性化対策を講じていますから、活性化につながる予感も感じられます。しかし肝心のお金の流通に関しての取り組みはない状態では、真の活性化まで展開しないのです。

 地元金融機関と連携した活動を行うことによって、地元企業にお金が回るしくみづくりも構築して欲しいと思います。一般的に県の第一地銀の全体から見た県内融資の比率は約90%だと聞きましたが、和歌山県の第一地銀が県内での融資している割合は50%を超えた程度です。50%近くの融資は大阪府下の企業向けとなっています。銀行は民間企業ですから、投資する対象は自由に決められますし、より将来性のある会社や、融資額を利息とともに安全に回収出来る企業に貸し付けるのは当然のことです。そして優良企業への融資に対する利息とそれ以外の会社への貸付金利には差があります。これは金融機関の政策ですから当然のことですが、県内企業にプレミアム金利を適用して欲しいと思うのは、危険のない立場にある第三者的な発想と承知しながらも、現実的には考えて欲しいところです。

 これらの貸し付け対象の選別や金利差などから、地元の資金が県外に流れていることにも起因して、県内企業の設備投資が不活発にあるとも思われます。経済は投資と消費が因数ですから、域内での投資が少ないと自然に経済活動は停滞するのです。地元の企業に対する融資を行って欲しいところですが、銀行側の事情もありますから簡単ではありません。融資に関しては危険を回避したいですし、将来有望な企業があれば進んで融資を持ち掛けますから、それだけ県内には銀行の御めがねに叶う会社が少ないと思うべきかも知れません。
 ただ地域経済活性化のために金融機関の担う役割は大きいものがありますし、県としても地元金融機関と連携した金融施策への取り組みも考えて欲しいところです。

 そうしたところ県の平成20年度の新施策に「中小企業中核人材導入支援」事業がありました。昨日の経済警察委員会でも質問して新施策なのですが、これが全国初の素晴らしい施策なのです。地方自治体が金融施策への関心を示す全国初の施策であり、世界と比べても先進的な取り組みをしようとしているのです。しかし現時点で余り注目を集めていないのは残念なことです。

 そこで和歌山県のこの取り組みについて紹介します。
 事業目的は、人的資源が充実するなど条件が整うと成長する期待のある県内中小企業に対して社長の参謀になれる人材を紹介し、企業で採用してもらうことで、当該企業の一段の成長を促そうとするものです。事業名称は「中小企業成長請負人制度」と期待感を抱かせるもので、主体は「わかやま産業振興財団」が務めます。公募により選定された県内中小企業の望む人材を、主体となる財団がコンサルティング機能を有した企業に参謀人材の獲得を依頼します。

 企業と参謀人材が上手くマッチして企業で採用することになった場合、財団から紹介してくれたコンサルティング機能を有した企業に成功報酬を支払います。成功報酬額は、参謀人材の年俸の30%を予定しています。つまり県内A企業が参謀人材Bを年俸1,500万円で採用したとします。この場合、コンサルティング機能を有した企業への成功報酬は450万円となります。当初予算案は900万円ですから、この場合は二社が対象となります。

 県内中小企業の一般的な特徴は、社長が一人で総務、企画、営業、人事などの仕事を抱え忙しく走り回っています。社長の指示に基づいて従業員は仕事を行いますが、社長の参謀とも言える人材が存在していないことです。つまり社長一人の活動では、一定規模以上に成長することが容易ではないのです。社長を支える人材が一人いることで企業は次の段階に移行することも可能なのです。県が中小企業への人材確保のための支援を行おうとしているのです。企業は人、カネ、モノ、技術とも言われますが、中でも重要なものは人なのです。人材のあるところに人は集まりますしお金も集まります。人材確保が企業にとって最も重要な要素であることは間違いありません。

 そしてこの施策が誕生した背景には、県と地元金融機関との若手職員の研究会があります。平成20年5月に発足したこの研究会は行政と金融がマッチしたもので、今まで存在しなかった組み合わせです。聞くところによると、県のある若手職員さんが金融のことを聞くにも地元金融機関とパイプがないので電話をすることも出来なかったそうです。今では電話で施策の打ち合わせも出来るまでに人脈を確立していますから、これは県組織にとっても個人にとっても有益な人脈なのです。

 そしてこの研究会から出され企画が県の施策として何点か採用され、平成20年度に予算化されようとしているのです。そのひとつが人材育成施策の「中小企業中核人材導入支援」事業の900万円であり、競争力強化のための「成長企業育成支援」事業の250万円なのです。
 そして県庁と地元金融機関の紀陽銀行が戦略的互恵関係を構築するために、「連携協力に関する協定書」を締結しています。目的は県内企業の育成支援、産業人材の育成などを図ることとしています。その一環として今春から県の若手職員が銀行に派遣されたり、銀行から県に出向したり人材交流も予定されています。
 
【その他】
 和歌山県の施策である、中小企業高度化資金高度貸付事業の債権放棄に関する懇談が二件。尚、この議案は経済警察委員会では継続審査として取り扱われています。また都市再生に関する調査への出席。そして最後は懇親会に出席いたしました。
3月16日(日) 「シャンソン」
【シャンソン】
 仲の良い和歌山シャンソン教室の生徒3名が記念式典を行いました。招待を受けたので会場となったホテルグランヴィア和歌山に行ってきました。集まったのは出演する3人と交流のある150名の方々でした。大勢の方が見守る中で約2時間の熱演でした。趣味で始めたシャンソンが、この日の舞台につながったことは素晴らしいことです。

 出演者の一人Tさんは会社勤めを終えた後、和歌山シャンソン協会の橋本先生に出会ってシャンソンを習い始めました。それから数年経ち、「まさか趣味で始めたシャンソンで自分がこのような舞台に立つことになるとは夢にも思っていなかった。そして皆さんに聴いてもらえるとは、これもまた夢にも思わなかった。幸せです。」と話してくれましたが、ひとつのことに着手したことが周囲にも影響を与えていますから、この行為は素晴らしいことなのです。自分が動くことで周囲にも影響を与えること。これが生きていることなのです。

 今日の場合、もしTさんがシャンソンを初めていなかったとすれば、今日の舞台はありませんでしたし、もしTさん抜きの式典だとしたら、集まった人も違った筈です。一人の小さな行動による影響は大きな影響に発展しているのです。これも北京の蝶々のひとつです。

 式典の席でお隣に座ったSさんとも話をしました。Sさんは6年前に奥さんを亡くしたことで悲観し、笑顔を失いました。眉間にしわを寄せるような表情に変わったことから、更に幸せは遠のきました。そこでシャンソンに出会い、人生を楽しんでいる会員の皆さんと触れている中で、自分を不幸にしているのは環境や他人ではなく自分だったことに気付いたのです。幸せになる秘訣は簡単なことでした。それは笑顔になることです。しかもこれは他人の影響を受けるものではなく、自分で心掛けたら出来ることなのです。

 それ以来、Sさんは常に笑顔になりました。笑顔が幸せを招くこと、それはシャンソンとシャンソン協会会員が気付かせてくれた人生の法則でした。Sさんは仕事では厳しい人でしたが、今は笑顔に包まれた人生を過ごしています。何と素晴らしい仲間に囲まれているのでしょうか。シャンソンは生涯の友人となっています。

 同じテーブルのOさんのご主人さんは66歳でピアノを習い始めました。今も毎日自宅でピアノの練習をしているそうです。会社勤めを終えた人生の時間でピアノを始めて、毎日練習を継続していることは、人生に遅すぎることはないことを示してくれています。上達のレベルや技術は関係なく人生の幅を持たせてくれる意味で、毎日、自分から取り組めるものがあることは素晴らしいことなのです。物事を始めるには遅すぎることはない。生きた教訓を教えてくれるようでした。
 それにしても3名の生徒の皆さんが記念式典をしようと思い立ってから、企画を立て準備と参加案内、その間に舞台の打ち合わせと練習を続けて来ました。イベント立案の経験がない3名の方が今日を迎える迄には大変なご苦労があったと推察出来ます。その苦労の分、「やって良かった」と思っていることと思います。シャンソンと出会ってから十数年、式典の企画と主演の舞台を成し遂げるまでになりました。ゼロから始めた取り組みが十数年を経て成果につながりました。シャンソンを始めたことと、練習を継続したことが成果に結びついたのです。
 一歩を踏み出して継続させること。これは近道ではないけれども、全てに通じる王道なのです。

【懇談】
 シャンソンの式典を終えた後、夕方から懇談のためアバローム紀の国に赴きました。和歌山ゴールドライオンズクラブのチャーターナイトや、エフエムわかやまの式典なのに関して話し合いました。
3月15日(土) 「日米関係」
日米を舞台に活躍している方が、東京から和歌山市に来てくれたので懇談する機会を得ました。日米の政治や経済活動に関して意見交換が図れました。秋のアメリカ大統領選に向けて共和党と民主党は、それぞれ激しい候補者選びが続けられています。その結果、共和党はマケイン氏が候補に決定しましたが、民主党はヒラリー氏とオバマ氏が依然として激しい争いを繰り広げています。次の大統領が誰になるのか分かりませんが、日本政府は共和党との関係が深いため、ビル・クリントン氏以来となる民主党が政権を獲得した場合の関係構築が鍵を握っています。民主党は日本に対して強硬姿勢が予想されるため、今から関係を構築しておくことが必要なのです。そのため政府関係者がアメリカ民主党との関係が深いキーマンとの接触を図ってきているようです。

 いずれにしてもアメリカ大統領選の行方次第では現在の日米関係に変化の可能性がありますから、誰が大統領になったとしても良好な関係を確立出来る体制は整えておきたいものです。

 さて金融問題では日本の低金利政策が継続されていますが、アメリカでこのような低金利政策が実行されたとすれば暴動が起きると話してくれました。それどころか世界中でこのような低金利政策が出来るのは日本だけだそうです。低金利政策は増税と同じような意味を持っていますから、日本以外の国だと「間違いなく暴動が起こるけれどね」とのことです。消費税や所得税の増税が議論されると国民は怒りを表しますが、低金利に対しては寛容です。年金生活の方などは低金利で生活が苦しいと話している場合がありますが、大勢はそうではありません。何故か日銀の政策に関心は少ないのです。そのため日本銀行の総裁が誰になるのかに関しては問題も疑問も感じていないのです。日本銀行の総裁の考え方によって金利政策が左右されますし、その結果経済動向も変化するのです。中央銀行は銀行の中の銀行だと言うことを再認識したいところです。

 勿論、中央銀行のトップを誰にするのかで揉めるような国もないようですから、国の中央銀行のトップが不在になる事態はやはり異常なのです。世界から見た日本の政治は遅れていると言われていることに気付くべきなのです。

 続いて経済です。東京の土地が好調だったのは約2年前までだったそうで、現在は外資の引き上げなどによって経済は失速傾向にあると伺いました。統計にあるように東京の経済が好調だったのですが、首都圏だけで好景気の恩恵を享受していたそうです。名古屋圏はトヨタ自動車が存在していることから経済を引っ張っていましたから、首都圏の好景気とは違う意味合いがありました。ですから関西圏までは首都圏の好景気の波及効果はなく、当然、和歌山県は何の影響も及んでいません。及ばない内に景気が失速してしまったのです。

 テキサスの原油価格の先物買いが入っているため価格が高騰し続けていますが、原油価格の高止まりにより、全ての消費材価格に影響を与えています。食料品や日用品は勿論のこと、鉄などの素材も値上がりが予定されています。鉄の価格がトン当たり2万円も価格が上がるとも言われていて、自動車一台に換算すると3万円の価格転換に相当するようです。企業が値上がり分を吸収するのか、価格に転換するのかで違ってきますが、給与が上がらないのにインフレ傾向になると、不景気下のインフレ状態、つまりスタグフレーション化すると経済対策は厄介です。
 この危機を感じていないのは、政治と経済に関心を持っている人が少ないからなのです。
 講演には政治家を呼んでくるよりもお笑いの方が人は集まる(お笑いを下げているのではなく、政治への無関心を表現したものです)と比喩していましたが、政治と金融、経済は密接に関係していることを知っておき、関心を持ちたいところです。
3月14日(金) 「行政改革・基本計画等に関する特別委員会」
 行政改革・基本計画等に関する特別委員会が開催され、議論を交わしました。この委員会に付託されたのは、「和歌山県長期総合計画」案と「新行財政改革推進プラン」の素案です。「和歌山県長期総合計画」に関しては、既に委員会で議論が交わされてきましたので、この議案は委員全員の賛成で可決されました。

 今回初めて提出されたのが「新行財政改革推進プラン」の素案です。この素案に関する議論が交わされました。私の質疑に関しては次の通りです。
Q. 歳入の確保に関して質問します。企業誘致や観光振興が税源の拡大に効果があり、歳入確保につながると記載されています。企業誘致は県の重要な施策であることに異論はありませんが、果たして企業誘致が税収の拡大につながるかどうかは分かりません。確かに県全体としては固定資産税など市町村の税収は増えますが、県税にはそれほど影響を与えないのではないでしょうか。企業誘致と税収増加に関して、その効果の検証が必要ではないでしょうか。
A. 企業立地が進むと事業所税が県に入りますから、税源確保にある程度つながると思います。但し、その企業が黒字であった場合に限るのですが。また企業誘致しいたことによる税収効果については議論されていないと思います。

Q. そうですよね。誘致企業が黒字であれば事業所税が県税として確保出来ますから企業誘致活動の効果があると言えますが、黒字化が見込めない企業がどれだけ多く立地出来たとしても県税拡大の効果は分からないのです。大阪湾岸沿いに立地しているシャープやパナソニックなどの企業立地が図れたとすれば、黒字化に関して何の心配もありませんが、そうでない場合は、直接的な効果が見込めない場合もあると思います。
 勿論、企業誘致は大切な施策ですから継続した活動を行うべきことであるのは言うまでもありません。その前提に立って、例えば今年は9件の企業誘致に成功した、今年は20件の企業誘致に成功したと言っても、進出に伴う補助金を支出している訳ですから、その支払った費用に見合った税収が図れることで企業誘致活動の真の成果があると思うのです。
 この点に関して、今後の行財政改革を進めるに当たって検討をして欲しいと思いますが如何でしょうか。
A. 企業誘致と税収との関係、効果の検証について、その視点を持って検討出来ないかどうか、考えたいと思います。

Q. 次に和歌山県土地開発公社などの外郭団体の取り扱いに関しての質問です。行財政改革の対策としては従来通りの一般的なものが列挙されています。この負債の主なものは、コスモパーク加太によるものですが、思いきった施策が組み込まれていません。県としてはコスモパーク加太に企業誘致を図ろうと努力していますが、なかなか上手く進んでいません。理由としてはインフラ整備が遅れていることや工業用水の問題もあるのでしょうが、実は県が債務保証をしているため、土地の売却要請に応えられないことも阻害要因だと思います。つまり企業がコスモパーク加太に進出をしようと考えても、当面は賃貸借契約で進出してもらって平成36年になって初めて、企業が土地を欲すれば県が売却に応じると姿勢ですから、企業としては最初に購入したら必要のないお金、つまり進出してから平成36年までの賃貸借費用を支払い続ける必要があるのです。こんな条件で進出してくれる企業は少ないのではないかと思います。
 勿論、今直ぐに県が企業にコスモパーク加太用地を売却してしまうと、一気に隠れている負債が表面化しますから、簡単に対応出来ないかも知れません。しかしこの場所に企業進出の機会が得られることはそれほど多くありませんし、企業誘致活動をしているのではあれば、売却の要請にも応えられる決断も必要です。
 決断するタイミングの機会はあるのですか。また最終的に売却を決断するのは誰なのですか。
A. 和歌山県土地開発公社の問題に関しては、県としては土地を現状のまま置いておくことは得策ではないので、企業誘致等により土地の利活用を推進していくものと考えています。その際には、時として、金融機関との調整、場合によってはむ、決定そのものの変更が必要となる可能性もありますが、その時々の県の財政状況と土地の利活用による雇用拡大等の便益などを比較考量しつつ対応していくことにしています。対策にはこのような精神を込めているとお考えいただきたいと思います。
 また最終決断者は知事となっています。

Q. 地方の財政に関しては国の税制にも影響されるので外部要因から、将来の見通しが不安定だと思います。また部長が話していたように、県が自助努力をやってからでないと国にモノ言えないのだと思います。一方、行政改革に関しては、県が外部要因に左右されずに対応が可能です。県が国の方針に対応できるように体力をつけておくことは自分のところで出来る対策です。ですからこの行財政改革推進プランを、行政改革と行政改革に分離するとしたら、どの部分が行政改革に該当するのでしょうか。財政改革に関しては仕上がっていますし、税制の見通しが不透明など状態ですから、ある程度の予測を込めた数字合わせになると思いますが、行政改革は独自で書けると思います。
A. 事務事業の見直しに関しては別冊の行政改革に関する取り組みについてまとめています。
平成17年3月の新行政改革推進プランなのですが、その中で人員削減などの項目についても触れていますし、内容は今回のプランにも取り入れています。例えば人員削減については、平成18年度の事業見直しを行った上で180名の削減としていますし、平成20年度と平成21年度の人員削減に関しても2事務事業の見直しをした結果から、200名の削減が可能だとして今回のプランに記載しています。

Q. 数年前だったと思いますが、事業の見直しや仕事の棚卸をしたことがあると思います。今回のプランでは新規事業の事業評価を行ったりの項目はありますが、既存の仕事の見直しは既に終わっていると判断して取り組みとしていないのでしょうか。
A. 2年前に実施した事業見直しに関しては、それを受け継いだものして今回のプランを作成しています。例えば、本プランによる改善効果の金額は、平成20年度から平成24年度までの合計で1,377億円を見込んでいますが、この内半分程度が、その時の事業見直しによる効果分、つまり新行政改革推進プランの効果だと考えています。

Q. 要望です。行財政改革では組織改正や仕事の見直しは必須項目です。勿論、財政確保を図ることは最も重要なことですが、それを支える仕事の見直しとそれに応じた組織改正も考えて、このプランの推進を図って欲しいと思います。

【エフエムわかやま】
 昨日、夕方からエフエムわかやまの試験放送が始まっています。周波数をFMで87.7に合わすと聞こえてきます。きれない音楽が聞こえてきますが、地元、和歌山市での放送開始ですから感激ものです。皆さんも是非とも聞いてみて下さい。
 愛称周波数87.7からエフエム・バナナとなっています。

【その他】
 教育に関する打ち合わせ。スカイタウンつつじが丘に関する打ち合わせ。都市計画税の課税誤りの説明責任に関する打ち合わせ。市民文化祭に関しての打ち合わせなどを行いました。
3月13日(木) 「経済警察委員会」
【経済警察委員会】
 経済警察委員会が開催されました。主な質疑の速報版は次の通りです。
 警察関係については、道路交通法施行令改正についてと青色防犯灯の現状について質疑を行いました。

・道路交通法施行令改正について
Q. 平成20年6月1日に道路交通法施行令改正が予定されています。その中で自転車利用者に関してのものがあると聞いています。自転車利用に関しての改正内容は具体的にどのような内容になっていますか。
A. 現状では自転車は歩道を通行することが出来ません。しかし児童や高齢者を交通事故から守るために条件がありますが、歩道を通行出来るように改正するものです。
 通行可能となる対象者は、13歳以下の子ども、つまり児童や幼児と、70歳以上の高齢者、そして身体障害者となります。また大型車などの通行が頻繁で交通危険個所などのやむを得ない事情がある場合には、その場所も対象箇所となり自転車が通行可能となります。

Q. 新しいルールと自転車通行環境の整備など、自転車の安全対策に関して、どのように捉えていますか。
A. 春の交通安全週間などでの周知や学校関係者への周知を考えています。昨年から毎月一回交通安全の重点指導日を設定して学校で活動を行っています。これを次年度も継続させたいと考えています。また道路管理者との連携による危険個所の点検なども検討していきます。

Q. 今回の改正において、歩道を走行出来る対象から漏れている中学生や高校生の通学に関する自転車の安全対策は何か講じる予定はありますか。
A. 交通安全教育、毎月一回程度を通じて意識を高める対策を講じていきます。学校に対しては交通安全対策を重点にしてもらっています。

Q. 県内でもモデルケースとして自転車専用道路の設置もあると聞いていますが、どの地域に設置されたのですか。また自転車専用道をさらに増やしていく考えはありますか。
A. 和歌山市内で二か所あります。和歌山市駅前と吹上、砂山地域で自転車専用道路を設置しています。効果の検証は未だ行っていませんが、これらの効果測定が図れた場合、増やすことも検討していきたいと考えています。

Q. 県内で自転車利用による事故発生状況はどうなっていますか。
A. 平成19年度は1,104件発生していて全交通事故の14.2%の比率を占めています。対前年度比はプラス16件となっています。交通事故は減少傾向にありますが、自転車事故は増加していますから対策が必要だと考えています。

・青色防犯灯について
Q. 平成12年、イギリスの都市グラスゴーで景観改善のため街路灯を青色に変えたところ、犯罪発生件数が年間1万件以上減少したことで注目されています。国内では、平成17年6月に奈良県内で設置されたのが最初で、現在は奈良県、広島県、静岡県など全国の各自治体に広がっていると聞いています。
 青色防犯灯の犯罪抑止効果の科学的な解明は未だですが、実施した多くの地域で犯罪の減少が報告されているようです。そこでお伺いさせていただきます。県内での青色防犯灯の取り組みの現状と効果をどのように捉えていますか。また同様の取り組みとして、地域における青色回転灯自動車によるパトロールを行っているところもあるようですが、その現状と効果についても教えて下さい。
A. 平成18年5月、JR岩出駅の駐輪場で採用したのを最初として、橋本駅や和歌山電鉄貴志駅の駐輪場、県立医科大学付属病院の駐輪場、海南駅高架下、海南市内地域など24の場所と地域に設置しています。犯罪は減少していると報告を受けていますが、効果の検証は行われていません。それは青色防犯灯だけではなく、地域の見守りや犯罪抑制のための啓発看板の設置など、地域の人の協力があって減少しているとも言えるからです。
 また青色回転灯の自動車は地域の見守り活動として、現在のところ33団体、81台が活動しています。752人の方が参画しているなど効果があると思っています。

 質疑は以上で、警察に関係する議案は全て賛成全員で可決されました。
 
続いて商工労働部の議案審査が行われました。主な質疑の速報版は次の通りです。
Q. 成長産業育成支援事業の約250万円に関して、専門家チームを編成して県内企業への経営指導をする施策ですが、専門人材を派遣する費用としての250万円は如何にも少ないと思います。この金額で果たして経営指導出来るような人材は確保可能なのでしょうか。しかも継続的に派遣する計画ですから、専門家の配置は大丈夫なのですか。
A. 中小企業診断士を派遣しますが、非常勤の扱いで、派遣の頻度は月一回程度の予定です。

Q. 中小企業中核人材導入支援事業の900万円ですが、企業の中核を担えるだけの人材を導入する割には費用が少ないと思います。わずか900万円で人材が確保出来るものなのか疑問があります。
A. 企業から人材が不足しているので採用したいと依頼があれば、対応するために外部コンサルタントと契約しています。その人材確保のために活動してくれるコンサルタントに向けての費用です。

Q. 分かり難いのですが、これは人材確保に関わる費用で当該企業の人件費補助ではないのですね。
A. 人件費は人材を採用した当該企業に関係して支出するものです。

Q. 優秀な人材は相応の給与が必要ですから、県の施策によって企業が人材を得た場合の年収の一部を補助すると考えて良いのですか。
A. 企業には支払われません。外部コンサルタントに人材紹介費用として支払いを行うものです。

続いて、中小企業の高度貸付資金の債権放棄に関して質疑を行いました。
Q. プラスパフーズ協業組合に関して、先の本会議一般質問では、組合員全員が連帯保証人になって債権保全対策を講じたと答弁していましたが、連帯保証人の資産の審査はしていたのですか。
A. 貸付時には、土地建物等の担保を設定し、組合員の責任の所在を明確化するため、全員が連帯保証人になるなど、債権保全策を図ったところです。

Q. 担保物件を競売しても1億円にしかなっていません。元々これらの物件に貸し付け相当額の担保価値はなかったのではないですか。
A. 土地の評価につきましては、土地売買契約の前に国土利用計画法第23条に基づく土地売買等届出を行い、平成8年3月1日付けの不勧告通知によりu単価、66,000円については許容範囲であったと考えています。
 なお、競売価格につきましては、評価基礎価格に市場修正率0.7と競売市場修正率0.5を掛け、最低売却価格は、さらに0.7を掛けて積算するため取得価格とは、かなりの乖離がございます。

Q. 平成14年度の包括外部監査によると「当組合の土地建物の購入先は、当時の組合代表理事の子の経営する建築会社であり、このような利害関係者との取引との際には、上記の問題が生じないように、鑑定評価の実施、相見積を入手する等の指導が必要である。限られた財源を投入する以上、より慎重な審査、指導が不可欠である」。そして「返済能力の分析など審査が十分だったか疑問」と報告されています。
 これらの包括外部監査での不透明な貸付であるとの指摘に対して、当局の見解を示して下さい。
 またプラスパフーズ協業組合に関しては、貸し付けに対して1億5,600万円だけを返済してその後返済していない状況ですが、身内による土地売買であったなどの点に疑問点など感じなかったのですか。土地はH住建、建設工事をしたのがH建設で、どちらもプラスパフーズ協同組合の代表理事の子どもでした。どう見ても不自然だと思いますが、如何でしょうか。
A. 高度化資金の貸付実行にあたっては、中小企業庁の通達に従い、企業診断を行い、呼び申請の段階から中小企業基盤整備機構と協議を重ねながら、同機構による審査も受け、承認を得たうえで貸付決定をしています。
 土地の評価につきましては、土地売買契約の前に国土利用計画法23条に基づく土地売買等届出を行い、第平成8年3月1日付けの不勧告通知によりu単価、66,000円については許容範囲であるとの手続きを踏んでいます。
 ただ先の本会議におきました知事が答弁致しましたとおり、特にこういう時には慎重に、少し余計めに審査をすることが必要であったと考えております。

Q. 経緯をひも解くと、H住建がK株式会社から、平成6年4月22日に当該用地を購入し、その後平成6年5月に予備申請、協業組合の設立は平成7年12月12日となっています。時系列で見て不審な点は感じませんか。
A. 融資の事務手続きにつきましては、事務スタートは平成6年5月に組合代表から、旧桃山町を経由して借入予備申請書の提出があり、現地調査や組合員ヒヤリング等を実施いたしました。この当初借入予備申請書に、建設用地の所有者が株式会社阪和住建となっておりまして、当時の事務手続き上、その前の所有者の調査までは求められていなかったと思いますが、先ほども説明させていただきましたとおり、少し余計めに審査をすることが必要であったのではないかと考えております。

Q. 土地売買等届出書にあるように譲渡人がH住建で、譲受人がプラスパフーズ協業組合Fさんになっています。ところがH住建の登記によると、H住建の取締役にFさんが名前を連ねているのです。包括外部監査の指摘では同族会社間の商取引であったとありますが、実態は同一人物が譲渡人の会社と譲受人の協業組合の代表理事を兼ねているのです。この点の審査は十分になされていたのでしょうか。また今の当局関係者から見て、この事実は不自然に思いませんか。
A. 事実関係についてご説明申し上げます。株式会社H住建の登記簿謄本によれば、Fさんは平成7年10月31日に当社の取締役を退任しており、平成7年12月12日のプラスパフーズ協業組合の設立時、また平成8年3月27日の土地貸付決定時は、役員とはなっておりません。

Q. 続いて時系列に整理します。平成7年12月12日、Fさんがプラスパフーズ協業組合代表理事就任。平成8年4月26日、土地取得費用10億円を県から融資を受けています。
 平成9年1月14日、建物設備費用約14億円の融資を県から受けています。平成9年10月23日、Fさんが代表理事を辞任。翌日付けで第三者が代表理事に就任しています。県から約24億円の融資を受けてから10か月後、関係者が同協業組合から姿を消し、融資を受けた関係者から第三者の協業組合に変化しているのです。また平成9年10月14日、H住建が破産宣告を受けているなど、この時期、明らかに変化が起きています。
 土地取得費用はH住建に、建物設備費用はH建設に渡っていますし、代表理事が融資を受けてから数か月後に経営から退いています。つまり県が融資した先の関係者全てが協業組合からいなくなっているのです。融資を行ってからわずか10ヶ月で残ったものは、
約1億円の担保価値のある不動産と返済能力のない連帯保証人だけとなっています。
 県の融資を引き出しておきながら、直ぐに経営陣がいなくなるという事実はしゃくぜんとしません。人とお金がなくなっているのです。ですから、この時点で対策を講じられたと思いますが如何でしょうか。
A. 組合の登記簿謄本によれば、平成9年10月24日に新代表理事が就任しておりますが、この新代表は当初からの組合員です。

Q. 私が今議会の一般質問で、この問題の事の重大さに気付きましたから、まだ先週金曜日の出来事です。そして数日で調査して今、質問したように当時の事情が浮かび上がりました。議会開会中で活動範囲が限られている中、そして情報量も県と比較して何千倍も少ない議員が数日だけ調べてみても、不審な点が判明してくるのです。
 県の情報と組織力を持ってすれば、もっと審査は厳格に出来たことでしょうし、融資した直後に代表理事が変更し経営者が変わったことに気付かない筈はありませんし、調べたら直ぐに事態が分かり手段を講じられた筈です。
平成14年度の包括外部監査では、貸付資金の財源が県民からの税金を中心としている以上、今後債権回収の見込みのない回収困難な債権について県民の理解を求めることが必要であり、この説明責任を果たすことなく、貸付事業を継続して実施していくことは出来ない。したがって徴取停止処理のみでは十分と言えず、今後議会承認を経て不能欠損処理を行っていくことが必要と、あります。
 議会の承認は県民の意向を踏んでのものですから、これを認めると議会の責任も生じると思います。十分な説明責任を果たして欲しいと思いますが、如何でしょうか。
また未償還額は約108億円ですが、債権放棄に関する方針みたいなものはあるのですか。これを契機になし崩し的に債権放棄になるようでは県民に申し訳が立ちません。今回の議案に出されている債権放棄以外の債権は、今後とも回収努力を継続すると思っておいたら良いのですか。
県民の皆さんから預かっていることを強く意識して、全庁を挙げて回収に全力を尽くしたいと考えています。今後とも法的処理等を積極的に活用しながら、債権回収に邁進し、延滞債権の早期縮減に取り組んでまいります。そのため、担保物件の評価見直しや、組合等の財務諸表のチェック、適切な運営診断、指導等の実施などを行い、最後の一円まで取る努力を行いたいと思っています。何卒、ご理解をいただきますようお願いいたします。

 以上が主な質疑でした。委員会に付託された議案に関しては、議案第47号「和歌山県露店営業条例を廃止する条例」と議案第48号「和歌山県営工業用水道事業条例の一部を改正する条例」は全員の賛成で可決されましたが、議案第66号「権利の放棄について」は委員全員が、当局は十分な説明責任を果たしていないと判断し継続審査となりました。

【県政報告会】
 夜には県政報告会を行いました。お仕事を終えたばかりのある会社の職場にお邪魔して、皆さんに今議会の議案説明や議会と私達との関係、そして地域活動への取り組みに関して、報告をさせていだきました。集まってくれた皆さんが県政について、そして議会活動が私達の生活や仕事に密着していることに理解を示してくれたと思います。その後も代表者の方達と意見交換の機会を持ち、議論は夜遅くまで続きました。やはり議会では何を議論しているのか、議会の役割は何なのかを理解してもらうことが、関心を持っていただくために必要なことです。日頃からの情報連携や意見交換の機会が大切であることを、改めて実感しました。今日の機会が持てたのは、会社代表者の方から「一度会社に来て報告会をしてくれないだろうか」と相談を受けたことから始まりました。従業員の皆さんにも地方政治を身近に感じてもらうためにも、これからの議会と地域活動に皆さんの意見を取り入れるためにも有意義な県政報告会になったと感じています。
3月12日(水) 「県議会予算特別委員会二日目」
【県議会予算特別委員会二日目】
 県議会予算特別委員会二日目の一番目に登壇いたしました。今回の議会では一般質問に18人の議員が、予算特別委員会では8人の議員が登壇し、合計26人の議員が質問を行いました。当初予算議会ですから、特に活発な議論が連日繰り広げられました。

 質疑の内容は改めて記することにしますが、質問の概要については次の通りです。
1. 温室効果ガス排出抑制対策2,280万円について
家庭での太陽光発電の普及促進について
和歌山県は商業価値とは異なる環境価値についてどう考えているのか。また、家庭用の太陽光発電システムは一般的に3kWとすれば、イニシャルコストは約200万円ですから、その10%に当たる程度の補助金だとすれば、導入のための強い動機付けになりますが、現時点での一件当たりの補助金の考え方について確認しました。
本制度の将来あるべき姿について
環境省の補助制度を活用しているため、会計年度の問題から、将来発生する環境価値までは取り込めなかったので、一件当たり10万円の補助になったと思いますが、本来、この問題は県レベルのものではなくて国策であり、県費の支出ではなく、環境価値を認める点を勘案して国で取り組んで欲しい施策です。この支援制度に関して、そしてこの制度の将来のあるべき姿について説明を求めました。

2. 中心市街地住宅供給促進事業6,885万円について
人口減少傾向の和歌山市の中心地に集合住宅を建設のために進出してくれる事業者がいることは有り難いことで、行政として十分な支援をして欲しいと思います。そしてその有効性を認めて補助事業としているのですから、何としても成功して欲しいと思っていますが、計画が遅れていることを心配しています。
ただ現時点において特定業務代行者が決まっていないのですが、当局は問題ないとの認識なのでしょうか。特定業務代行者が決まっていないのに施工認可されるのは一般的なのかについて質しました。
この事業は、三年で総額8億8,800万円の補助事業ですから、認可や今後の進捗を相当精査する必要があると思ってのものです。

3. 青少年の体力・競技力の向上について
芝生化促進事業1,372万3千円について
小学校の運動場を芝生化することに関して、芝生化するための一校当たりの費用と公募のための条件はどんなものなのか。また小学校の運動場を芝生化する目的について確認しました。課題は、毎年の芝生管理や夏芝や冬芝の張り替え費用などランニングコストの負担をどうするかです。
きのくにジュニアスポーツ推進600万円について
中学校の団体競技スポーツのクラブ活動などで活用を図る「きのくにジュニアスポーツ推進」について。スポーツの面からしても、県立中学校は歴史的にも文武両道を目指していると思いますが、団体競技系のクラブが少ないのが現状です。小学校時代にスポーツで活躍していた生徒が県立中学校に進学したため、部活動が出来ない状況も発生しています。
スポーツ競技で三年間のブランクは競技選手としては致命的ですし、青少年には部活動も大切ですから、県立中学校で団体競技スポーツ活動を希望する生徒のための活用は図れるように依頼しました。

4. きのくに共育コミュニティの形成1,000万円について
学校を拠点とした基盤づくりや共育フォーラムなど、事業化予定の1,000万円の内訳について確認しました。また、展開を図るために実際に活動してくれる地域コーディネーターや地域の方の活動費に関して議論しました。

5. 小学校英語活動等国際理解活動推進プラン2,702万円について
東南アジアの国々でも、子ども達は自国語と英語は勿論のこと、第二外国語も含めて、言葉を道具として活用出来るマルチリンガルの時代に入っています。
この施策は2年間だけの事業予定になっているものですが、平成23年度の小学校への英語教育の本格実施に備えるための施策だとすれば、引き続いて継続の必要がありますが、今後の見通しも含めて議論しました。

6. 外国語指導助手配置9,137万円について
公立高校の英語施策である外国語指導助手配置9,137万円について、その実施内容について議論しました。

 予算特別委員会は終了し、明日からは常任委員会に入ります。終了後、常任委員会に関して当局と打ち合わせを行いました。

【春闘】
 電機や自動車など春闘の妥結が相次ぎました。業績の良い会社で昨年並み、それ以外の会社では昨年以下の妥結金額となっているようです。わが国を取り巻く現在の経済環境は厳しく、それ以上にこれからの経営環境が更に厳しくなることを織り込んでいますから、会計的には固定費となる従業員への配分はどうしても固くなります。結果として、経済においては一国の総理の賃上げ容認発言よりも経営者の意思の方が強いことを示すことになりました。GDPを叩き出しているのが民間企業ですから、政府よりも実態経済の先行きの不透明さを感じ取っているのかも知れません。

 ところで春闘に臨んでいる組合役員は、先週から組合事務所に泊まり込みが続いています。団体交渉を終えた後に、その話し合いの結果を元に執行部で条件について協議を行い、方針を固めます。組合員さんには翌朝に周知するために夜を通して情報周知ビラを作成し、朝出勤して来た組織員に配布します。その繰り返しが連日続いていますから、疲労はピークに達しています。激励に訪れましたが、今回の春闘の最後の日となるかもしれない事務所では、緊張感と期待感、そして疲労感が入り混じっていました。疲れが顔色に出ているのは、毎日事務所に泊っている状態にあり、しかも睡眠時間は2時間から3時間だからです。昼間の態度を見ていると分かりませんが、こうした組合の役員さんが従業員さんの給料など福利厚生を陰で支えてくれているのです。

 あと少しの踏ん張りですから、大変ですが、従業員の生活のために、そして地域経済を元気にするためにも最後まで頑張って下さい。心から祈っています。
3月11日(火) 「県議会予算特別委員会」
【予算特別委員会】
 本日から明日にかけて予算特別委員会が開催されます。質問者は両日とも4人となっています。平成20年度当初予算案に対する質疑がこの委員会で行われることになりますから、重要な委員会だと認識しています。私の質問は明日の午前10時からの予定です。本日予算編成や長期総合計画に関する総論も議論されましたので、明日は各論に関して質疑を行う考えです。

【夢】
 夢を持つことで人は明日を迎えることが出来る。そんなことを感じました。ある女性は学校を卒業してからアルバイト生活を過ごしています。その職場の人は良い人ばかりで、正職員と変わらずに仕事を教えてくれますし、親切なつきあいをしてくれています。職場と仕事の現状には満足しているのです。ところが30歳近くになって人生への疑問を感じ始めました。このままアルバイト生活を送っていても良いのかの疑問です。現在にそれなりの満足を感じていますが、職場に置かれた身分からすると将来の発展は保障されたものではありません。現在の満足が明日の満足であるかも知れませんが、5年後や10年後の満足は保障されたものではないのです。

 現在の満足と将来の満足を内心で比較して、将来の満足を追いかけた方が満足感のある人生だと思い始めた時、人は現状から脱却する意思を持ちます。今まで比較的責任が少なく楽しい職場であったとしても、それは現在の生活を楽に過ごせているかも知れませんが、楽イコールやり甲斐や生き甲斐に直結するものではありせん。

 目標を持った苦労がある方が生き甲斐を感じられるかも知れませんし、将来の満足につながるものです。そして現在の比較的楽な生活に疑問を感じ始めた時、目指す方向のヒントは子どもの頃の夢にあります。この方は子どもの頃からピアノを習っていて、学校もピアノ関係の学部に進学しました。現在もアルバイトの合間を見つけて子ども達にピアノを教えているのです。しかしアルバイトと言っても平日は朝から夕方まで職場で時間が拘束されているため、ピアノに費やす時間は決して多くありません。

 少し前までは現在に満足していたため、ピアノの時間が少なくても今の生活の満足感が夢を上回っていました。ところが30歳近くなって、今のままで良いのか疑問を感じた時に、子どもの頃から接していた大好きなピアノを人生の中心に置きたいと感じる様になったことや、子ども達にピアノを教えることを職業にしたいと目覚めました。

 この方の内心は、現在の生活を継続することの満足よりも、今行動を起こしたことによって将来得られる満足の価値が上回ったことを示しています。夢が現実を上回ったのですから、座っているよりも行動を起こすことに気持ちが傾いたのです。
 このように人はほんの少しのきっかけで、飛躍するための階段を昇り始めることがあります。それは置かれた環境であったり、年齢であったり、接する人からの影響であったり、人によって様々ですが、現在からこの先も続いていくと思っていた道が、決して正解ではないと気付く瞬間なのです。勿論、夢が正解とは限りませんが、夢に近づこうとする過程で夢を見られるだけでも人生で得をするのです。

 結果は終わってみないと分かりませんが、結果で満足を得られることも夢の過程で満足を得られることも人生においては大切なことです。結果の満足は現在の延長線上にあるのか方向転換した方が得られるのか分かりませんから、気付いた時から自分の描く夢を目的にする方が満足感は得られます。

 人生の分岐点は思わない時に、思わない出来事から始まります。そこで踏み出す勇気を持って、行動に移すことでこれから歩く方向は変わります。気をつけることは、躊躇していると現状が夢を侵食していくことです。躊躇していると思ったら、自らが夢を追い掛けていて、背中を押してくれる人を見つけることです。その人が決断を促してくれます。

【その他】
 エフエム和歌山に関しての意見交換。いよいよ平成20年4月1日、午前10時に放送開始予定です。飲食関係者との研修会の日程を調整。二か月後の5月下旬に実施することにしています。春闘に関して意見交換。道路特定財源に関しての意見交換を行いました。
3月10日(月) 「県議会一般質問最終日」
 本日で一般質問の最終日となりました。そして明日から予算特別委員会に入ります。和歌山県の場合、平成20年度予算案の審議は特別委員会を設置して審議することになっています。質問時間が30分、答弁時間が20分、委員一人当たり計50分が持ち時間ですから、全ての予算に対して質問することは出来ませんので、項目を絞って質問を行うことになります。私は明後日の12日の午前10時から質疑を行います。

 本日通告した質問項目は次の通りです。
1. 温室効果ガス排出抑制対策2,280万円について
・家庭での太陽光発電の普及促進について
・本制度の将来あるべき姿について
2. 中心市街地住宅供給促進事業6,885万円について
3. 青少年の体力・競技力の向上について
・芝生化促進事業1,372万3千円について
・きのくにジュニアスポーツ推進600万円について
4. きのくに共育コミュニティの形成1,000万円について
5. 小学校英語活動等国際理解活動推進プラン2,702万円について
6. 外国語指導助手配置9,137万円について

 環境問題、和歌山市中心市街地活性化の問題、そして学校教育の問題の予算案について質問を行います。

 さて本日、予算特別委員会の質問項目を通告しましたが、実は昨日の日曜日とその前日の土曜日の二日間、答弁作成のために県部局の職員さんが出勤してくれました。そしてメールと電話を中心に、質問の主旨とそれに対する答弁についての意見交換を行いました。昨日の日曜日は、午前9時頃から午後9時頃まですり合わせを行いました。答弁は比較的短くなりますが、一字一句に思いが宿ったものなのです。

 今の時代、県政は結果を出さなければなりません。「やったけれども駄目でした」は通用しないのです。私も予算案に関しては、関係者や民間の事業者なども含めて支出が妥当かどうかの調査をしていますが、そのことによって予算案を批判することよりも、県の活性化のために結果を出すことが大切ですから、当局と前向きに仕事が進むように連携を図ることがより大事だと考えています。
 批判からは前向きな姿勢は生じませんから、課題を乗り越えるための情報交換と連携を図り、仕事が停滞しないように監視することも目的です。人は見られていると良い方向に物事を進めようとするものですから、疑問に思ったことや大切なのに日陰に置かれている仕事は、問題として取り上げることが大切だと考えています。

 それにしても県職員さんの熱心な仕事態度に感心しています。言葉の言い回しや、意味に応じた単語の変更など、仕事の理解度と日本語力が試されます。適度な緊張感を持って仕事をすることは、緊張のない仕事よりも成果が表れると信じています。

 議会終了後、和歌山県内で撮影された映画「ふるさとをください」が議場で上映されました。和歌山市にある障害者作業所を画材として取り上げたものですから、上映されたのです。
 夕方からは会派の懇親会に出席しました。
3月9日(日) 「都市計画税」
【都市計画税】
 和歌山市では都市計画税の課税誤りがありました。都市計画税とは街路や下水道などの整備に使用される目的で課税される目的税で、市街化地域の土地と建物に課税されるものです。平成20年2月、Kさんに市役所から書類が送付されてきました。その内容は、Kさん所有の土地と建物に対して都市計画税の課税漏れがあったと言うものです。そのため過去5年間遡及して課税をすることになったとの通知でした。同封されていたのは課税漏れを報道する新聞のコピーで、市からの説明はそれ(新聞のコピー)で代替するような文面でした。

 Kさんには勿論落ち度はありません。毎年納税していたのですが、市のミスによる課税漏れにより一度に都市計画税を支払うことになりました。突然の郵便に戸惑っています。
 しかもKさんは、市役所から文書が郵送されてから未だに説明を聞いていないと言います。Kさんは事業家で全国を駆け巡っているなど土日休みがない位ですから、連絡がつかないのかも知れません。私も会って話しましたが、次に会える機会は今月だと。後一日の日程が空いているだけなのです。

 民間はタイム・イズ・マネーです。仮に市役所から説明に来てくれたとしても、課税漏れの経緯と遡及の必要性、そして今後の再発防止策などの説明を聞くために相当時間が割かれます。仮に説明に要する時間が1時間だとするとKさんがその時間に稼ぐであろうと思われる収入がなくなる訳です。あることをしたために、別のことをしていたとすれば本来得られるべきものが得られないこと、つまり機会を失うことによる逸失利益なのですが、市役所のミスによって都市計画税が遡及された上で課税されますから、納得するためにはその原因と言い分を聞く時間が必要となります。

 時間の無駄とはこのことです。市役所で勤務していると時間がお金を生み出していることが分かりません。生産性がない仕事の性質上、やむを得ないことかも知れませんが、事業家からするとあり得ない話なのです。
 人が動くとお金が必要となりますし、人の動きを止めると、本来、得られる筈のお金が入らなくなりますから、見えない損失となります。ですから都市計画税の遡及精算によって支払いが発生するばかりか、現在の事業収入も阻害されることになるのです。市役所としては、本来課税されるべき不動産だから民法に照らし合わせて、遡及して請求することは法律上正しいことになりますし、説明したら仕事は終わりだと思っているのかも知れません。

 しかし実業界はそうではないのです。実業家は逸失利益の概念を持っていますから、利益が得られることの優先順位を付けて行動しています。市役所が本来の仕事をしてくれていたなら、Kさんの支払うべき都市計画税は銀行から引き落とされていますから、憤慨することも市役所への対応をする時間も必要なかったのです。

 さて平成20年2月8日に新聞報道がされてから約一ヶ月が経過しています。Kさんに対して市役所からの説明は未だ実施されていませんが、この先どうするのでしょうか。Kさんは支払うべきものは支払うと考えていますが、納得出来る説明があること、そして何よりもKさんに説明を聞く時間があるかどうかが問題です。市役所からの説明を聞く時間が何故ないのか、皆さんはもうお判りですね。

【春闘】
 休日でも各地では春闘の交渉や各委員会が繰り広げられています。交渉を続けている役員に「福田首相が経済団体に話してから状況は変わりましたか。」とお聞きしたところ、「全然変わっていないですよ。今回は全く厳しいですね。」との回答でした。総理大臣の発言も春闘に効力がないのは残念だと思います。鉄鋼や電力はいよいよ来週が回答日の予定になっています。どんな結果になるのか、総理大臣の言葉に重みがあったのか、要求額と妥結額で判明します。

 参考までに福田首相のメールマガジンから関係する個所を抜粋して再度記します。
「日本経済全体を見ると、ここ数年、好調な輸出などに助けられて、成長を続けています。企業部門では、不良債権などバブルの後遺症もようやく解消し、実際は、大企業を中心として、バブル期をも上回る、これまでで最高の利益を上げるまでになっています。
 これらは、さまざまな構造改革の成果であり、そうした改革の痛みに耐えてがんばった国民皆さんの努力の賜物にほかなりません。
 だからこそ、私は、今こそ、こうした改革の果実が、給与として、国民に、家計に還元されるべきときがやってきていると思います。
 今まさに、「春闘」の季節。給与のあり方などについて労使の話し合いが行われています。
 企業にとっても、給与を増やすことによって消費が増えれば、経済全体が拡大し、より大きな利益を上げることにもつながります。企業と家計は車の両輪。こうした給与引き上げの必要性は、経済界も同じように考えておられるはずです。政府も、経済界のトップに要請しています。」出典:福田首相のメールマガジン(2008年3月6日)
3月8日(土) 「地域の問題」
【地域の問題】
 市内で宅地造成の開発が進んでいる地域があります。朝から問題点の打ち合わせに行ってきました。新しい住宅地が開発されると以前からの住宅地の方との連携が大切です。最初の印象は、開発事業者と住民との関係に左右されます。開発事業者の印象が良ければ、引き渡し後も良好な関係が築けますが、逆の場合はそうなるのに時間がかかります。

 さてこの場所では、新しい住宅地への水道の引き込みに関して、今の住宅地に住む人の土地の下に水道管を通過させる必要があります。そのため地主との交渉を行っていますが、地元住民に十分な説明を行っていないのです。説明内容は「大丈夫なので判を押して下さい」だけなのです。住民は水道の専門家ではありませんから、何が大丈夫なのか不安がありますし事業者への不信感が募っています。

 しかも事業者に疑問点を聞いた結果の報告もないまま、宅地造成だけが進められています。不親切な地元対応に対して、事業者は信頼に値しないので和歌山市の指導を求めたいとの意見がありました。
 このような地域の問題は、お互い専門家だけで進める訳ではありませんから、親切で丁寧な説明をすることが大切です。ある分野の専門家がその分野の素人に説明する時は、見下したり、馬鹿にしたような態度をすべきではありません。違う分野では立場が逆転するのですから、交渉する相手は誰であっても親切にすべきなのです。

 例えば、この場所で不動産事業者が交渉している相手のことを知りませんでしたが、その中に金融機関の方がいました。金融機関では不動産も手掛けていますから、土地交渉の慣例や対応による会社のレベルも良く知っているのです。交渉相手に不信感が先に立つと、その会社そのものへの不信感に進展し、その結果、事業そのものへの不信感に発展していきます。
 民間の交渉事ですが水道行政に関わる問題ですから、適切な指導を求めたいと考えています。

【懇談】
 和歌山市市内の某会社に移動して懇談を行いました。国道沿いの用地に大型商業施設が立地するのですが、国道が混雑するため道路を拡幅する計画があります。既に国土交通相の認可を受けていますが、道路拡幅に伴い通信線や電線を地下埋設する必要が生じたのです。現場で話し合い、状況把握をして来ました。

 引き続いて田辺市への大型商業施設進出に関しての打ち合わせを行いました。田辺市には大型商業施設が立地可能な用地が少ないようなのです。地域発展のために上手く決まると良いのですが。進展を見守りたいと思います。

 続いて金融機関の方と地域経済に関しての懇談を行いました。地域経済を活性化させるためには金融機関の役割が大切だとの認識の下、設備投資のための資金貸し付けなどによって市場にお金を回す必要があります。事業者からすると金融機関が貸し付けを渋るので必要な事業や投資が出来ないとなりますし、金融機関からすると、事業者が貸し付けを決断出来るようなまともな事業計画を提出して来ないとなります。このように両者の意見が一致しないため地域で金融が回らないのです。

 金融機関は優良な会社に貸し付けたいと考えていますし、事業者は事業発展のための設備投資などのために借り受けたいのです。それが上手く合致すると地域経済は上昇します。地域の金融機関が果たす役割は非常に大きいのです。
3月7日(金) 「県議会一般質問四日目」
【県議会一般質問】
 今週初めから始まった一般質問も四日目を迎えました。当初予算議会でもあり、連日激しい議論が交わされています。昨日は道路特定財源の問題について話し合われましたし、本日は南海電鉄の老朽化した橋梁について、そして県の事業である民間企業への高度貸付資金の債権放棄の問題点について深い議論が交わされました。議場はいかにも議会らしい空気に包まれています。

 南海電鉄本線の紀ノ川に架かっている橋梁は平成20年で築105年が経過しています。老朽化のために強度に不安感が感じられます。南海電鉄本線の利用者からすると、不安感がありますし、県からすると県民の生命と安全を守るためにも橋梁の架け替えを求めて欲しいところです。
 議会で問題となったのは、平成12年12月20日に南海電鉄の鉄道営業本部が、「南海本線紀ノ川橋梁の改築計画について」の報告がなされている内容に関してのものです。この報告内容の主なものは次のようなものです。

「97年の経年による劣化が著しく、構造的にも多くの問題点を有しています。
ま、耐震性に欠けた橋梁であり南海道地震の再現周期も近づいていることから、平成10年7月22日付けの常務会において、全面改装の方針で詳細設計の実施と河川協議の開始を進めることを可決いただきました。〜中略〜 今回、改築計画の概要がまとまりましたので、本案により実施設計及び許認可申請準備等を引き続き実施したい。」とあり、具体的には、工事計画のスケジュールは、「工事開始は平成17年頃、新橋切替は平成22年頃」と記載されています。

 つまり10年前に紀ノ川橋梁劣化が認められ耐震性が疑問視されているのです。この時に改築計画の必要性が示されているにも関わらず、平成20年3月現在、改築計画の発表も着手もされていません。それでも鉄道は走っていますから安全対策を講じて欲しいと思うばかりです。
 本会議では結論が出されませんでしたので、昼間にクラブ会合を開催し、私達の会派「真わかやま」から調査のための特別委員会設置を議長あて求めました。
 また高度貸付資金の債権放棄については、貸付時の審査の問題点から債権放棄をすることに対する県の責任について、そして再発防止に関して議論が交わされましたが、議論をする程に問題点が浮かび上がってきました。

 知事からは、県の貸付事業は民間の金融機関の貸付とは性質が異なり、返済の安全性を求めるものではないとした上で、地場産業の振興を目的にしているのだから貸付時のリスクはあると答弁しています。貸付審査を厳しくすると地場産業が成り立たないこともあり、地域経済を停滞させる恐れもあるのです。適度な厳しさと緩やかさのバランスが必要との見解が示されました。この点に関して調査をしてみます。

【すり合わせ】
 議会の合間に予算委員会のすり合わせを行っています。予算委員会は来週の3月11日と12日で、私は12日の一番目で質問を予定しています。予算の項目の中で取り上げられる項目は限られていますが、ただ今精査しています。

【その他】
 議会終了後、和歌山市に都市計画税の課税誤りがあったことと対応の不誠実さの問題について。スカイタウンつつじが丘に高層階建築物が建てられていることから電波障害が発生していることに関しての問題について。また、小口物流に関して。春闘の激励のための訪問について。和歌山県の産品についてなどの打ち合わせを行いました。
 春闘については来週が山場ですが、昨日の福田総理の経営者への賃上げ要請が話題になっています。直ぐに効果は表れていませんが、首相の考え方を受けた経営者判断の中で効いてくる筈です。首相の言葉が経営者から受け入れられないなら影響力に問題がありますから、そうならないと嘘です。
3月6日(木) 「県議会一般質問三日目」
【公共交通】
 和歌山県で暮らしている人が通勤や移動の手段は自動車の場合が多いのです。それは公共交通機関の体制が弱いからです。和歌山市から紀南へはJRが走っていますが、一本ですから内陸部に入る場合は乗り換える必要があります。公共交通機関が空気と同じように地域にあって当然と思うのは間違いです。公共交通機関と言っても民間企業ですから採算計算を行っている筈です。仮に赤字だとしてもJR西日本は大企業ですし、懐の深い会社ですから、少しくらいの収支不足は企業全体の中で吸収してくれていると思いますが、甘えてはいられません。利用者が減少するとしたら、列車増便やダイヤ改正などの要求は通らないばかりか、赤字路線の継続にも影響を与えるかも知れません。

 通勤客の増加対策は民間企業の役割ですが、観光施策においては県や市町村と協力体制を取ることで観光客の増加につながりますから考えて欲しいところです。春のダイヤ改正ではJR紀勢本線の藤並駅に特急電車が停車する計画がありますし、紀南地方の観光対策にも力を入れてくれると聞いています。
 和歌山県の観光施策の話し合いをしている中で公共交通機関の話題になりましたが、和歌山県に力強い企業が存在してくれていることに感謝したい気持ちになりました。鉄道輸送の力は通勤や通学、そして観光に威力を発揮してくれています。もしなければ大変なことになりますから、有難さを感じたいものです。

【MUD】
 印刷業界には(MUD)メディア・ユニバーサル・デザインと呼ばれる取り組みをしている団体があります。ユニバーサル・デザインやユニバーサル・カラーなど、障害者や視聴覚障害者にも優しい機能を持たせた印刷を提案しているのです。その中に、視覚障害者の方が印刷物の文字を聞くことが出来るように、バーコードで読み込むしくみも実用化されているのです。可能であれば、せめて行政機関が発行する媒体にもバーコードを印刷して、公的機関が発行する媒体は誰でも読めるような体制を整えて欲しいところです。
 尚、この分野では静岡県と三重県が先進県だそうです。静岡県ではユニバーサル・デザイン課が設置されているとも伺いました。昼間を利用して印刷業界で熱心にMUDに取り組んでいる方達と話し合いました。夢は「未来への印刷」で、和歌山県の印刷が全国で一番、社会的弱者に優しい地域になることだそうです。大丈夫、夢は叶うものです。

【県議会一般質問】
 県議会では一般質問が行われています。議場では道路特定財源問題の議論が熱心に交わされるなど充実した一般質問だと感じました。違う意見が本会議で出され議論することが民主主義ですから、真剣勝負の様相を呈していました。
 また一般質問に引き続いて「議員定数問題特別委員会」が開催されました。次回の統一地方選は平成23年3月の予定ですから、それまでに議員定数の在り方の結論を出して、次回の統一地方選に反映させることになっています。議員定数を決定する根拠となる国勢調査の速報値が発表されるのは平成22年12月の予定で、その数値が法定議員数を決する根拠になります。和歌山県の人口が100万人を下回ることが公的機関の人口予測で明らかになっていますから、100万人を下回ると自動的に次回の統一地方選の県議会議員定数は、現行の46人から45人に減少することになります。
 ですから統一地方選の1年前には、県議会議員定数と地域割を決定しておく必要があります。その点を確認し合いました。

【激励】
 春闘真っ只中です。本日の福田総理が企業経営者に対して賃上げを容認する旨の発言をしたと聞きました。またメールマガジンでも同様の配信をしています。(下記*に記しています)経済の失速感が感じられる中、個人消費を刺激するための賃上げ効果を狙ったものだと思いますが、株主への還元やお客さんサービスの向上などと比較して自社の従業員への配分は手薄です。従業員も勿論、会社を取り巻くステークホルダーですから、会社への貢献意欲を求めるために形を変えた利益配分対策が必要です。お客さんへのサービス提供を行う直接の窓口は従業員ですから、従業員を大切に思わない企業はお客さんへのサービスも「その程度」なのです。
 従業員を大切にする企業の商品やサービスは向上し、お客さんのための企業であり続けます。

*引用は時事通信(2008年3月6日)
「福田康夫首相は6日夕、首相官邸に日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)を呼び、今春闘の労使交渉で経営側に賃上げへ一層の努力を要請した。首相が春闘期間中に直接、経済界トップに賃上げを求めるのは異例だ。
 会談後、御手洗会長は「景気浮揚のために賃金をぜひ上げてほしいという首相の意向は十分理解している」と述べた。また、会談で同会長は「所得税減税なども検討が必要ではないか」と述べ、家計の手取り収入増加の観点から個人減税など政府側の政策対応を求めた。
 同席した経団連の草刈隆郎副会長・経営労働政策委員長(日本郵船会長)は会談後、「景気に悪い材料が出ており、中小企業の賃上げは非常にしんどい状態だ」と述べ、中小企業の労使交渉も今後の焦点になるとの考えを強調した。」

*福田首相のメールマガジン(2008年3月6日)
「果実を分かち合う。福田康夫です。
 3月を迎え春の訪れが感じられるようになりましたが、このところ食料品などの値上げのニュースが目立ちます。みそやしょうゆ、乳製品など、いずれも毎日の食卓に欠かせないものばかりです。
 昨年来、パンや食用油から、ティッシュペーパーといったものまで、実にさまざまな食料品や日用品の値段があがっています。スナック菓子の中には、袋の内容量が減ったものもあります。
 メルマガへのご意見でも、「生活費ばかりが上がっている」といった声が少しずつ増えています。
 「1円でも安いものを」と、毎日の家計のやりくりをしながら、多くの皆さんが、同じような感想を抱いておられると思います。
 こうした値上げの背景には、わが国が外国に依存している原油や穀物の価格が世界的に高騰したことがあり、やむを得ない部分がありますが、この機に便乗値上げのような悪質な行為が行われないよう、厳正に監視していきます。
 物価が上がっても、皆さんの給与がそれ以上に増えれば、問題はありません。しかしながら、働いている皆さんの給与の平均は、ここ9年間連続で横ばい、もしくは減少を続けており、家計の負担は重くなるばかりです。
 日本経済全体を見ると、ここ数年、好調な輸出などに助けられて、成長を続けています。企業部門では、不良債権などバブルの後遺症もようやく解消し、実際は、大企業を中心として、バブル期をも上回る、これまでで最高の利益を上げるまでになっています。
 これらは、さまざまな構造改革の成果であり、そうした改革の痛みに耐えてがんばった国民皆さんの努力の賜物にほかなりません。
 だからこそ、私は、今こそ、こうした改革の果実が、給与として、国民に、家計に還元されるべきときがやってきていると思います。
 今まさに、「春闘」の季節。給与のあり方などについて労使の話し合いが行われています。
 企業にとっても、給与を増やすことによって消費が増えれば、経済全体が拡大し、より大きな利益を上げることにもつながります。企業と家計は車の両輪。こうした給与引き上げの必要性は、経済界も同じように考えておられるはずです。政府も、経済界のトップに要請しています。」

 以上です。時代も変わっているようです。

【懇談】
 夜は小売店の店主と懇談。話は多岐に亘りましたが、「年金のお金や道路財源を利用して自分達の利益を享受するために、例え一部だとしても使用している実態が明らかになるにつれて不信感が募っている」「国会で議論されるようになったことから、今まで隠されていたことが次々に明白になっているので、良い方向に向かっていると思っています」などの意見に代表されるように、政府への信頼が失墜していると話してくれました。「地方の小売店が政治に関心を持つようになったのだから今までとは違うので、この国も和歌山県も変わるよ」と微笑んでくれました。

【その他】
 新エネルギーの活用について。紀州レンジャーズについて。ビジネスホテル進出など、和歌山県の東の玄関口としての橋本市の発展について。道路に関する条例改正案について。
 ところで本日、関西独立リーグ構想の記者発表がありました。和歌山県の紀州レンジャーズも当初からの計画通りに関西リーグに参画する予定です。関西独立リーグに関する記者発表記事を紹介します。

・時事通信(2008年3月6日)
「関西にも野球独立リーグ=来年4月から4チームで
インターネットメディア会社ステラ(中村明社長、大阪市淀川区)は6日、大阪市内で同社が運営母体となる野球の独立リーグ「関西独立リーグ」を来年4月に始める計画を発表した。2005年に発足した四国アイランドリーグ(今季から四国・九州アイランドリーグ)、昨年始まった北信越BCリーグ(今季からベースボール・チャレンジリーグ)に次いで国内3つ目の独立リーグ。プロ野球オリックスの元監督で、四国リーグを創設した石毛宏典氏がコミッショナーに就任する予定。
 リーグは兵庫2、大阪、和歌山各1の4チームで構成され、1チーム当たり年間72試合を行う。選手は1チーム20人。今秋に入団テストを行ってメンバーを固める。監督にはプロ野球OBを迎える予定。近畿の他府県にチームを増やし、将来的に8球団にする構想もある。
 石毛氏は「四国を立ち上げた時から、こういったリーグを全国に…と思っていた。地方の埋もれた若者に野球をする環境を与え、1人でも多くの選手をプロに送りたい」と語った。」

・読売新聞(2008年3月6日)
 「国内3番目、関西に4球団の「独立リーグ」誕生
 大都市圏で初めての野球の独立リーグが来春、関西に誕生することになり、コミッショナーに就く元プロ野球オリックス監督の石毛宏典氏らが6日、大阪市内で記者会見を開いた。
 リーグ名は「関西独立リーグ」。四国・九州アイランドリーグ、北信越・群馬のBCリーグに続き、国内3番目となる。
 インターネット・メディア会社「ステラ」(中村明社長、大阪市淀川区)がリーグ運営会社の母体となり、石毛氏に協力を働きかけた。
 和歌山県に昨年発足した「紀州レンジャーズ」のほか、大阪府と兵庫県神戸、姫路両市に設立される新球団の計4球団でスタート。将来は大阪も2球団とし、京都、奈良、滋賀の各府県を加えた8球団に拡大する構想がある。
 監督、コーチには元プロ選手を起用し、今秋に入団テストを行う。」
3月5日(水) 「県議会一般質問」
【地上波デジタル化】
 2011年からの地上波テレビのデジタル化を控えて、難視聴地域対策の必要性が高まって来ました。朝からの民間事業者との打ち合わせでは、当たり前だけれども価値の再発見が出来ました。それは立地条件の良い収益物件であってもテレビが見られないとすれば、価値はないと言うことです。つまりテレビの視聴できない部屋に人は住まないのです。これは書くと当然のことなのですが、現場に立った感じと違う価値観です。現場では立地条件や道路事情などは確認出来ますが、電波は見えませんからテレビの視聴の可否は現場では分かりません。地上波テレビが映るのは当たり前と認識しているため、一般的には改めて確認しないのです。

 でもマンションの価値は立地条件だけではなくテレビが映るかどうかで違ってきます。テレビの見られない部屋に人は住んでくれませんから、収益物件としての価値は減少します。地上波デジタル化は国策ですが、対応するのは民間事業者の課題でもあり、地方自治体の課題でもあります。

 ただ有線テレビをつなぐと毎月、見るための費用が掛って来ますから、今まで無料であったものにお金を支払うことに抵抗がある人も多いのです。インターネットでニュースや情報を得られますから、それに加えてテレビ放送にお金を支払うことに価値があるのかどうか、当たり前と思われていた価値観が見直されています。

【県議会一般質問】
 本日も県議会一般質問が行われました。四人が登壇して県政の課題に関して議論が交わされました。さて私は来週3月12日の予算特別委員会での質疑の予定ですから、一般質問終了後に当局の皆さんとすり合わせを行いました。予算案に関して意見交換を図ることが出来ました。本日の意見交換を基にして質問内容を詰めていく予定です。質問予定項目は次の通りです。

芝生化促進事業、1,372万3千円について。
・小学校の運動場の芝生化について。
・県立中学校の団体競技クラブ活動への支援について。
温室効果ガス排出抑制対策、2,280万円について。
・家庭での太陽光発電の普及促進について。
・和歌山新エネルギー構想に関する予算措置について。
中心市街地住宅供給促進事業、6,885万円について。
きのくに共育コミュニティの形成、1,000万円について。
外国語指導助手配置、9,137万円について。
小学校英語活動等国際理解活動推進プラン、2,702万円について。
観光資源の売り出し促進について
・人材の育成について。
・快適観光空間の創造について。
和歌山大学観光学部との連携について。
・JR藤並駅を活用した観光プランについて。

【その他の活動】
 太陽光発電システム導入に関して。大型商業施設店舗の取り扱いについて。食の安全について。新しい紀州特産品について。道路特定財源について。商店街活性化の課題について、などです。
3月4日(火) 「瀧さん」
【中心市街地】
 平成20年度は和歌山市が実施する城フェスタがあることから、中心市街地の賑わいがありそうです。ただ地元からの要望は、単なるお城だけの、またはお城の中のイベントだけで完結すると、ぶらくり丁の賑わいが取り戻せないのでイベンの開催の意味はそれ程感じなくなると伺いました。イベント開催の主旨は、イベントを契機として訪れた人に、ぶらくり丁の良さを改めて認識してもらい、賑わいの創造を図り地域の経済振興を図ることにあります。ただお城に人が集うだけでは、中心市街地でのイベント開催の意味はありません。

 でも今夏からお城を中心として開催される城フェスタに期待している層がありますから、ぶらくり丁店主や地域の皆さんの意見を取り入れながら賑わい創出を演出して欲しいところです。 そう考えるなら、お城を中心としたイベントも歴史的な意味があると思いますが、現在人が行き交っているぶらくり丁での賑わいを重視すべきだいと考えます。

 そして和歌山大学観光学部です。既に観光学部設置に関して中心市街地への進出断念を発表していますが、可能な限り中心地への呼び込みを行っています。このように歴史は繰り返されています。まち中に大学生がいる環境は好ましいと考えていますが、一部の人からは、大学生がまち中に来ても個人消費増大につながらないので、観光学部が来てくれるよりも、観光学研究施設に来てもらいたいと話してくれました。
 現時点では、何が進出してくるのか分からない状況ですから、市内の用地確保の問題と、既存の事業者の商品取り扱い方法の協議が大切です。

【瀧さん】
 和歌山のジャズ奏者の瀧さん。今年で芸能生活50周年を迎えることから、これまで支援してくれた方への感謝の気持ちを込めて、アバローム紀の国でディナーショーを予定しています。今日は案内状のゲラ刷りが出来たので持って来てくれました。企画が形になっていくことで味わえる嬉しさが表情から感じられました。お話をしているこちらも嬉しくなって来ます。嬉しいことは伝達するものです。

 瀧さんの素晴らしいところは、今までの芸能活動を振り返るのではなくて、常にジャズのこれからを考えていることです。和歌山県をジャズで一杯にしたいとの思いから、高校生にもジャズの指導を行っていますし、その中からプロになっている生徒も現れています。
 毎年5月に片男波海岸の野外ステージで開催している高校生のジャズフェスティバルはすっかり定着し、今年はジャズの名門である高砂高校のジャズクラブが特別参加としてやって来る程になりました。高いレベルの高校と一緒の舞台に立つことで、和歌山県内の高校生のジャズのレベルは向上します。
 困難を乗り越えて、瀧さんの仕掛けが実り始めています。50年経った今も、次の世代に自ら歩んできたジャズを伝えようとしています。

【やすらぎ】
 大阪から知人が訪ねてくれました。県議会開会中だったため、大変お忙しい方ですが、打ち合わせのために和歌山市まで来てくれました。和歌山市で所有している別荘を、病気で苦しんでいる人達のために活用したいとの相談でした。この方は会社経営の傍ら子どもの健全育成のためのNPO法人代表も務めているなど、社会貢献活動にも参画しています。

 今回、自らの別荘を療養施設として活用しようと思ったのは、弟の胃がんが発見され治療を行い始めたことから来ています。病院からは、末期がんと診断されたのですが、弟の生命を助けたいことから抗がん治療を拒否し、自ら経営している会社の健康製品と体に良いとされる水、そして自らの経営している岩盤浴などを組み合わせて治療を続けています。
 治療を始めて一ヶ月半で、末期がんと宣言された程の癌細胞が半分位の大きさに小さくなり、痩せて顔色が悪かったのに、今ではふっくらと健康色になっています。治療が効いているのか現時点では分かりませんが、近くにいる姉として効果を実感しているのです。

 このことから、弟のように癌などの病気で苦しんでいる人のために尽くしたいと考え、環境の良い和歌山市内にある別荘を改造し、療養施設として活用するために相談に来てくれたのです。
 これから施設改造、宿泊体制と健康メニューの確立、体に良い水の導入などを進めることとしています。

【遊休地活用】
 ある企業が保有している遊休地の活用に関して打ち合わせ。しかし近隣に住宅があるので活用方法は難しいところです。企業と言えども周辺と地域生活を行うのですから、迎え入れてもらう必要があります。良い関係が構築できると、地元として企業が近くにいることによる利点はありますから、共存関係が成り立ちます。遊休地の活用の場面でも、所有者だけの意思で動かせないことがあります。時間がかかりますが会社や人が調整機能を持つ必要があります。

【話し合い】
 和歌山市で開催予定のイベントに関して話し合いを行いました。地域を元気にするためには経済活動の活発化を図ることが幹になりますが、祭りや祭典などのイベントも地域の元気な枝を上横に伸ばすために必要なものです。そしてイベントを成功に導くためには実施主体や地域、そして地方自治体の所管箇所が意思疎通を図り楽しく進めることが欠かせません。
 今年は和歌山市では和歌山城を中心として城フェスタが開催されます。新年度の盛り上げを図るために期待は大きいのですが、その分成功させるための企画力も求められます。

【その他】
 介護施設の運営に関して。JR和歌山駅前付近の再開発計画について。飲食関係の見学会について、などでした。
3月3日(月) 「春闘山場」
【春闘山場】
 地域の経済活動を活発化するためには、業績の良い会社が従業員の可処分所得を増やしてくれることを望みたいところです。今週から来週にかけて、次年度の賃金改定のための条件交渉が山場を迎えることになっています。上場企業を初めとする会社では、経営者と労働者の間で話し合いが交わされています。

 そこでこの件に関して檄文の依頼があったため、次のような文面を贈りました。
 「連日、大変ご苦労様です。先週から和歌山県議会が開会となり、平成20年度の予算案の審議や新施策のスタートに向けて頑張って活動しています。
 私達の生活力向上のために、労働組合が担う役割と地方政治が担う役割がそれぞれあります。それはどちらも欠かせないものです。
 労働組合は組織内の条件向上のための活動を行ってくれています。賃金を上げることや福利厚生の充実など、直接的に私達の生活条件の向上を図るための活動を行っているのです。特に春季生活闘争は全組織を挙げての最大の闘いで、私達の生活向上のための条件を勝ち取るためには組合員の皆さんの絶大なる応援が必要です。執行委員はみんなの支えがあるから、みんなのために頑張れるのです。今回の条件を勝ち取るための闘いは労働者全員のためなのです。数字の上で景気拡大と言われているのに生活者にとって実感がないのは、労働者への利益配分が行われていないからです。今こそ、みんなで執行委員を応援して下さい。
 そして私は議会活動で頑張っています。組織内の条件整備は執行委員がその役割を担ってくれていますが、議員は、私達の給料から差し引きされる部分を抑える、または引き下げるための役割を果たすための議論を交わしています。給料を増やし源泉徴収される部分を抑えること、しかも将来に亘って。
 私達の生活を充実させるための両輪を、執行部と組織内議員が分担して、連日、経営陣や県当局と議論を交わしています。私達の活動を是非とも応援して下さい。そして一緒に飛躍の春を迎えましょう」

 以上の内容です。地域の消費を増やし経済活動を活発化するためには、可処分所得の増加は欠かせません。給料が増えないと将来不安から、所得の余裕分は貯蓄に回すことになります。ゆとりを感じるためには物価消費上昇に見合った賃上げが必要で、経済は気持ちから派生する要素が強いのです。気持ちにゆとりを持つためにも、地域の経済循環のためにも。経営者と労働者の話し合いが上手く折り合うことを期待しています。なにしろ春なのですから、明るく行きたいものです。

【チャーターナイト】
 平成20年5月27日に和歌山ゴールドライオンズクラブが結成5周年を迎えるため、チャーターナイトを開催する計画にしています。そのためゴールドライオンズクラブ会長と一緒に、関係者の皆さんへ祝辞を依頼するため訪問をしてきました。県知事、和歌山市長、和歌山商工会議所会頭を初めとする皆さんにご協力をお願いいたしました。特に、和歌山市長には、和歌山市内で活動している全ライオンズクラブの名誉顧問に就任していただいているように強い関係があります。和歌山市のライオンズクラブの歴史において、和歌山市長が参画してくれたのは初めてのことであり、会員一同が感謝しているところです。

【中心市街地活性化】
 和歌山市中心市街地活性化に関する次年度予算に関して打ち合わせを行いました。和歌山市中心市街地活性化基本計画は昨年夏に国の認定を受け進められています。そのため計画に記載された項目に対する予算措置があるのは当然のことですから、民間事業者が参画し易い、そして計画が進展するように行政機関の後押しの姿勢が大切です。支援費を支出して後はお任せではなくて、計画終了まで一緒にまちを作っていくための予算出動にしたいところです。
 
【10周年】
 平成20年度は和歌山県の熊野古道とスペイン、ガリシア州の祈りの道サンティアゴ・デ・コンポステーラの姉妹道提携を行って10周年を迎えます。ガリシア州では2010年に聖ヤヤコブ祭があり、それに向けて日本からの誘客を図りたいと考えていますし、和歌山県でも姉妹道提携10周年を契機として友好関係を強化すると共に、スペインから和歌山県への観光客の誘客を図りたいと考えているため、お互いの観光交流を行うことを基本施策として、和歌山県とガリシア州でのイベントの他、東京やPRに適した都市でも記念イベントを実施する計画になっています。
 またガリシア州との交流機会がありますが、民間の交流機会を含めて、未来に続く友好関係を強固なものにしたいところです。和歌山県にあるスペイン文化に関わる活動家の皆さんとの協力も必要だと考えています。
 折角の記念の年ですからスペインと国際交流の機会を楽しみにしたいと思います。和歌山県でも和を取り入れた独自のスペイン文化でお迎えしたいところです。

【懇談会】
 夕方から懇談会を行いました。丁度、県議会定例会が開催されているため、皆さんからの意見を伺うのに良い機会のため実施したものです。先日、意見を伺うための訪問活動をしたところTさん達から懇談会を持とうとの話をもらったことから、本日実施することになりました。
 ご一緒したNさんからは、65歳を迎えると、この国は人を人扱いしないことを強く感じると話してくれました。昨年から地方税はたくさん引かれるし、国民健康保険の負担金も大きいことから、実質的に所得は減少しているからです。高齢時代を迎えて生活が厳しくなっていますが、これでは何のために現役時代に税負担をしてきたのか分からないと話しています。このように生への希望を無くさせるような感覚は、65歳になってみないと分からないそうです。
 かつては、当たり前のように過ごしていたTさん達との時間ですが最近は能動的に作らないと時間がなくなっていましたが、本日は十分に時間を取ることが出来た懇談会になりました。
3月2日(日) 「就職事情」
【生活環境】
 二人目の赤ちゃんが生まれたご家庭にお邪魔してきました。いつもそうですが、子どもの笑顔を見ていると安らぎますし、新しいことを発見して遊び始める姿は可愛いものです。安心して子育て出きる環境の必要性も感じています。安心して子育て出来る環境とは、主体となる奥さんの生活環境を整えることもそうですが、家庭で子育てするための経済環境が必要だと言うことです。幸い、この家庭は上場企業で働いているため安定していますが、上場企業が少ない和歌山県では働いて経済定期に安定する環境が望まれています。自分の子どもが和歌山県内で働けるような県になって欲しいと思うのが親の気持ちです。故郷を愛する気持ちを子どもに抱かせるためには、偉人や歴史を学ぶだけでは不足しています。誇りを持って働ける職場が必要なのです。

 大阪府や兵庫県のように、和歌山県でも上場企業の工場誘致を図って欲しいと依頼もありましたが、必要なものは生活の安定に欠かせない安定した職場です。子どもを持つ親の意見は将来に向けて大切な声だと認識しています。
 そう言う観点からも、業績が良い会社では従業員の可処分所得を増やして欲しいと思います。現在、次年度の賃金決定のための取り組みが、上場企業を初めとする会社経営者と労働者の間で話し合いが交わされています。景気の良い春を迎えるためにも頑張って欲しいところです。

【懇談会】
 午後からは友人のお誘いを受けて懇談会に出席、学ぶことがありました。いつもそうなのですが、未知のテーマの研修会などに参加すると得られることがあります。今日学べたことを少しばかり記します。

 運命について。命とは心の持ち方のことです。心の持ち方によって生命の強さが変わりますから、運も変化していくのです。心の持ち方が運気を変えること、つまり運命とは決められたものではなく自分の心掛けで変えられるものなのです。映画「ターミネーター」でも、「運命ではない(No fate)」と言う主役女性サラ・コナーのセリフがありましたが、未来を決めるのは自分の心であり、決して決まっているものではないのです。全ての出来事には意味があることしを再認識することになりました。
 
【打ち合わせ】
 和歌山市内の福祉関係の就職事情に関して打ち合わせを行いました。福祉関係職場の課題は体力的な厳しさと賃金だそうです。介護に関わろうとすると体力が必要で若い人でも続けるのは厳しいようです。また将来に希望の持てる賃金体系にすることも課題だと伺いました。比較的新しい職種ですから現場では課題はありますが、これかに人材も入ってくることからも、若い人達が働く場所として選択し続ける職種であって欲しいものです。超高齢化社会はこれから始まるのですから。

【就職事情】
 早くも来春の入社に向けた就職活動が行われています。大企業では5月頃、中小企業では夏頃が山場だそうです。来春の就職を控えた学生は卒業のための単位取得と就職活動で、既に活動期に入っているのです。

 さて就職問題になると、残念ながら和歌山市の状況は依然として回復していません。和歌山市出身者が県外の学校に進学し、卒業した後は和歌山市内の製造業職場で働きたいと思っても、職場が少ないのです。和歌山県の県外への大学進学率は、唯一のひと桁パーセントとなっていて全国で一番高いのです。それだけ若い人が県内に少ないことを示していますし、一度県外に出てしまうと再び戻ってくることは少ないことから、人口増加の条件が厳しいことを表しています。

 来春大学を卒業する学生が、日曜日の今日、和歌山市に戻ったので会って話し合いました。彼は明日の朝に出発するので、ゆっくりしている時間はなかったのです。故郷で働きたいとの希望を持っている大学生ですが、就職活動においては和歌山市内では新卒を募集する会社が少ないので相談がありました。「将来、卒業後和歌山市に戻ってくる学生のために職場を増やして欲しい」と。企業誘致や新産業創造は地域活性化をねらいとしていますが、その担い手として新卒の就職口を増やすことが根底にあるのです。安心して和歌山市に戻って来られる環境を整えることが大きな課題です。

 彼は陸上部出身で、故郷に戻って仕事をしながら子ども達に陸上競技を教えたいとの希望を持っているため、和歌山市内で就職を考えているのです。和歌山県の国体成績は寂しいものがあり、二順目国体で総合優勝を果たすためのお手伝いをしたいと話してくれました。仕事の能力もスポーツの分野でも、成績を高めるためには人材確保が必要です。人材のあるところが成績を残しますし、そんな企業や地域に人材が集まります。和歌山県から他府県に飛び立った若い人を再び故郷で迎え入れる環境を整えることが、人材確保であり地域の将来性を高めてくれます。
 若い人と話をするのは楽しい時間です。たっぷりと時間のある彼らに期待しています。
3月1日(土) 「意見聴取」
 本日は朝9時から夕方6時まで、皆さんのところを訪問して県政に関する意見交換を行って来ました。在宅していた皆さんは、歓迎と気持ちの良い応対をしてくれました。ありがとうございました。県政だけの話題に留まらない意見交換となりました。主な意見を記します。

MIさん。昨年末に会った時にホームページを公開していることを聞いたので、それから毎日見ています。ですから活動の様子は良く分かっていますよ。体に気をつけて私達のために頑張って下さいね。

MAさん。本当に良く来てくれました。私も以前、ある市議会議員の活動を応援したことがありますから大変さは理解しています。ですから忙しい合間を縫って時間を作り、今日のように来てくれることを嬉しく思います。議員の活動も様々ですが、今のやり方は正しいと思いますので継続して下さい。応援しています。

ITさん。地球環境問題に取り組んでいるのですね。和歌山県は環境を大切にしてきた県ですから新エネルギーの活用を図って欲しいと思います。新年度の家庭用の太陽光発電システムへの補助施策は歓迎です。この活用を図り、一人当たりで言うと全国一クリーンエネルギーを利用している県になって欲しいと願っています。また風力発電への期待もしています。和歌山市内で適切な用地を確保して、新しい風力発電システムを導入して欲しいと願っています。和歌山県が新エネルギーの先進県になるような取り組みを実施するなら協力します。

Iさん。夫の体が不自由になって初めて夫の仕事の大変さと医療費の三割負担が家計に響くことを実感しています。通常の生活をしている時は気付かなかったことですから、社会保障の必要性を感じています。和歌山市は財政難ですが、困っている人のためにも医療費を抑えるための施策を講じるようにお願いします。健康で社会生活をしている人には分からないと思いますから、役所も議員のように直接意見を聞きに来て欲しいと思います。現場を知らない人が施策を作っているので、生活者の感覚とかけ離れたものに仕上がるのです。今日は良く来てくれました。私も働いていたので夫と私は、ある意味二人とも互いに自立した生活をしてきましたが、今はそうではありません。どちらか一方でも身体に不具合を生じると日常生活は忽ち困難になります。社会保障の充実をお願いします。

Kさん。平成20年2月議会の質問は何時ですか。テレビでも拝見していますが、いつも楽しみにしています。今回は予算関係の質問を予定しているそうですが、私達の生活に直結する県予算の審議ですから正義感を持って行って下さい。期待しています。

Tさん。早いもので定年になってから20年が経過しました。自分ではそんなに過ぎていると思わないのですが、本当にあっと言う間です。ついこの前に70歳になったと思っていたのですが、もう80歳を超えました。70歳の時は人生80年と言っていたのですが、自分がその年になると、そうは思いません。

 定年になってから陶芸、絵画、書道、俳句、そして社交ダンスを習いました。人生を有意義に過ごしたいと考えたからです。しかし振り返ると会社生活で何を残せたのか分かりません。今になって思うことは、結局、何も残せないままに年齢を重ねたように感じていることです。生きている限り社会で、自分のいた会社で何かの成果を残したかったと思います。気がついた時は遅いこともありますから、今をしっかりと活動して下さい。出来る時に、出来る立場にある時は人生において大切な時間です。直ぐに時間は過ぎ去って、やることのない時代に突入します。

 人生で努力をしても何の結果も残せないかも知れません。でも努力することは何よりも大切なことなのです。努力しなくても前に道は広がっていますが、努力した方がより良い道が開けて来ます。その道で出会う人は必然の出会いですから、大切にして下さい。出会うことのない人は決して出会わないものですから、人の出会いには何かの意味があるのです。今日の出会いも大切に考えて下さい。

 私は生きる意味を考えさせられる経験があります。私の兄は第二次世界大戦の特攻隊で亡くなりました。それはまだ18歳の時でした。私も兄の後を継いで志願兵になろうとしたのですが、兄から「国のために続いてくれることは歓迎する。しかし父母を大切にして欲しいと思います」との返事がありました。この意味は前の言葉は飾り言葉で、本心は、「私(兄のこと)は仕方ないけれども、お前は決して志願するな。命を大切にして私の代わりに父母を守って欲しい」と言うものでした。兄はその後、特攻隊で死亡しました。命の大切さを、兄は身を持って示してくれたのです。

 父からは、「志願兵にならなくても恥じることはしない。今は迷っていても必ず新しい道は開かれるから心配することはない」と諭してくれました。家庭の事情で小学校を出たら働こうと思っていたのですが、担任の先生から、「是非中学校に進学させてあげて欲しい」と言われ、奨学金をもらって進学しました。そのお陰で、鉛筆と口だけで仕事をする幸運に恵まれました。人生とは分からないものです。

 10歳代の時に命の大切さと人生について学んだのですが、結局、人生で何を残したのは分からないのです。それ程、生きる目的を持つことと、それを達成することは難しいものなのです。議会活動で全力を尽くして下さい。まだまだ大きくなると確信しています。

Wさん。あなたはずっと以前から、誰に対してもいつも気持ちを込めた応対をしていたことを思い出します。何と心の大きい人だなぁと思っていましたが、議員になったのですね。身近な人がそうなってくたれたことは嬉しいことです。ずっと頑張って下さいね。

Sさん。和歌山県の新施策である家庭用太陽光発電システムへの支援制度に期待しています。国の補助金が打ち切られてから導入件数は減少していると思いますから、和歌山県の取り組みは時代を先取りしたものとして期待しています。施策が具体化されたら概要を教えて下さい。

 以上が本日の活動でした。

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