6月 30日(木) 「まちづくり意見交換」
【懇談】
 朝一番に、昨日傍聴に来ていただいた社長と懇談を行いました。行財政改革を行うに当たっては自身の問題から取り掛かるのが鉄則で、それをしないで外部へしわ寄せをするのでは納得を得られないのが民間の取引です。内部で出来る限りのことを実施して、それで取引先などの了解を得ることが前提ですが、和歌山市それが遅延しているのはリーダーの気持ちにあると指摘しています。絶対に行財政改革をやり遂げるのであれば、その気持ちで後の選挙のことを考えないで取り組んで欲しいというものです。その姿勢を市民の方々は評価してくれます。改革をやり遂げる強い気持ちを持って欲しいものです。
 
 本会議、一般質問三日目は三名が登壇して終了しました。

【まちづくりに関する会合】
 市議会終了後、まちづくりと貴志川線に関する打ち合わせのため市内に出向きました。鉄道に関心のある経営者とプランナー、貴志川線問題を考えている方との会合を持ちました。このプランナーの方は全国の地域おこしのための企画を行っています。東北から九州までまちの特性に応じた提案を行いプロジェクトの具体化をしています。東北新幹線の駅構内の展示についての企画や、九州にあるまちの駅前広場にシンボル的建築物の企画、建築も行っています。
 企画するのはプランナーの仕事ですが、後の運営により集客していくのは地元の方々の力の入れ方によって異なってきます。そのまちに合った地域振興の考え方を提案した後、一般的にはプランナーはそのまちを去りますから、地元の方々が集客出来るような運営を考える必要があります。企画会社や行政に頼っているようでは永続的な発展は見込めません。
 東北のまちでは駅構内にある展示スペースに、地元の方でまちの特長を表現する作品であれば誰でも展示することが出来るしくみを作っています。駅が完成した時よりも時間が経過した方が駅構内の展示物が充実していることになります。地元で駅構内の展示スペースを完成させるパズルに取り組んでいるような仕掛けをすることにより、管理運営のアイデアは地元の方々が行っています。
 九州のあるまちでは、その建築物が今では観光旅行の立ち寄り拠点になっています。当初、駅のシンボルとして考えられたのですが、福岡からバスで南下する場合の立ち寄り地として便利であることから、旅行会社の行程に組み込まれるようになりました。当初予想していなかった活用方法により駅周辺は賑わいを見せています。
 このように何もないと人の交流は図れませんが、ひとつ何かまちづくりのネタを提供してあげることで思わぬ拡がりを見せる場合もあります。地域づくりは机上での論議ではなく実践であることが分かります。
 とにかく議論に参加しないで傍観者の立場にいて、方向性が決定した後に文句を言う人がいると何も前に進まないのです。メンバーと議論することで良いアイデアが生み出されます。夜の飲食が伴う懇親会で意見交換され朝起きて覚えているアイデアがあれば、それが使えるものにつながることがあります。意見交換とそれに基づいて考えることが企画する上で最低限の条件です。
6月29日(水) 「一般質問」
 市議会一般質問二日目に登壇しました。本日3人目でしたから開始は午後2時40分からとなり、終了は3時50分でした。予定時間が遅くなったり早くなったりして、傍聴を予定してくれていた方々には大変ご迷惑をおかけしたことお詫びいたします。時間が度々変更なったにも関わらず約30名の方々が来てくれたこと、感謝以外の言葉はありません。改めてありがとうございました。

 一般質問の質疑についてはホームページに掲載する予定ですが、感想を寄せていただいていますので感謝の気持ちを込めて紹介させていただきます。

「難しいテーマでしたが分かり易かったので理解出来ました。今後の動きに注目していきます」
「初めて聞かせてもらいましたが緊張感がある議会でした。真剣に気論されている姿に触れて関心を持ちました。以前私がいた町は観光が収入源となっている町でしたが、観光協会のやっていることは同じようなものでした。和歌山市においても参考になるかも知れませんので改めてその町の活動を紹介いたします」

「市議会は初めてでしたが緊張感に包まれていました。議員のイメージはテレビの影響があるのですが、汚職や抵抗勢力といったダーティに思っていたのですが決してそうではないことが分かりました。委員会や次回の市議会も聞かせていただきます」

「行財政改革の必要性を感じました。必要なお金が捻出出来たら福祉と教育に投資してもらえるよう働きかけて下さい。文化のある町は経済基盤がしっかりしています。経済基盤を確立していないと住んでいる方が文化に親しむまでには至りません。和歌山市で文化活動が低調なのは経済基盤が弱いからです。指定管理者制度による公募に期待しています」

「議論の過程が楽しかったです。回答を直ぐにくれたら良いのに一回では良い回答をいただけないものですね。でもその方が過程の理解出来るので聞く立場では良く分かりました」

「質問が上手く展開出来るのか、自分のことのようにハラハラして聞いていました。指定管理者制度については最後で押さえるところは押さえていました。色々な要素が織り込まれていて聞き応えがありました」

「話し方が柔らかかったので聞いてもらえたのではないでしょうか。馴染みのない言葉でしたが意味と趣旨は十分理解出来ました」

「思い切った質問をしてくれていたので市民の代表として応援していました。市役所の対応には腹立たしい思いをしたことがあったので、聞いている途中、私達の思いを代弁してくれているようで感動で涙が出てきました。こんな経験は始めてのことです。真剣に問題意識をも持って切り込んでくれているのは嬉しいことですが、言い過ぎると反発もあると思います。注意しながらも今の姿勢を保っていて下さい。見ている人は見ていますから、発言内容や政治姿勢を正しているとそれが私達にも分かります」

「今日も本当に分かり易く課題を解説してくれたので市政が身近に感じました」

 たくさんのご意見ありがとうございました。心から感謝しています。

【環境保全対策特別委員会】
 一般質問終了後、環境保全対策特別委員会の打ち合わせを行いました。6月定例会での議題について議論しました。住友金属和歌山製鉄所が1,000億円を投じて設備投資を行うことについての環境対策がテーマとして取り上げられる予定です。

【会合】
 終了後、商工会議所内にてあるライオンズクラブの理事会を実施。組織体制が変わったため7月からの新年度の活動方針と予算案についての打ち合わせを実施。会合は新旧理事が集まり引継ぎをかねてのものとなりました。

【懇談会】
 夜は懇談会に参加。本日は上場企業の株主総会が集中していたため、それに伴い人事異動もありました。転出する人転入する人がありますが、慣れた環境から人が変わるのは寂しさを伴います。和歌山市内において企業の事業所は撤退しているところけが多いため、転勤となると大阪市になってしまいます。和歌山市在住の方にとって住環境にもよりますが、仕事よりも通勤の方が大変となることがあります。
 心機一転、新しい職場で活躍してくれることを心から応援しています。お別れの挨拶にはグッとくるものがありました。仕事や組織は人でつながっていることを改めて実感します。
 人材を大切にする組織が強い組織の条件なのですが、経常利益や売り上げばかりに注意が向く傾向にあります。どちらも大切でどの辺りでバランスをとるのかを決定するのがリーダーの役割で、そのリーダーの考え方で戦略は変わります。
6月28日(火) 「市議会一般質問開始」
【貴志川線】
 昨日、岡山電気軌道株式会社が県庁内で、貴志川線を運営する新会社の名称を発表しました。新会社は和歌山電鐵株式会社です。新会社名は、和歌山市長、貴志川町長、貴志川線の未来をつくる会の代表らが参加した新会社名選定委員会で検討されたもので、応募のあった694件の中から選ばれました。地域に根付き流行り廃りがなく、長期に亘って間親しみを持たれる名前として選ばれたものです。平成18年4月以降、わかやま電鉄貴志川線が運営することになります。岡山電気軌道の小嶋光信社長は「パークアンドライドなどの経営ノウハウを駆使して利用客を増やし、10年先に道筋をつけられるよう頑張っていきたい」と会見しました。
 和歌山電鐵株式会社本社は、和歌山市伊太祈曽に構え、役員は社長の岡山電気軌道株式会社の小嶋社長を初め4人となります。従業員は公募を実施し、約22人の採用枠に150人が応募しているようです。

【市議会】
 市議会において正副議長他、各委員長、副委員長が選出されました。私は教育民生委員会と環境保全対策特別委員会に所属することに決定しました。本会議では上着とネクタイ着用となっていますが、本会議を除く委員会ではクールビズで挑むことが確認されました。
 そのため一般質問は一人だけの登壇となったため、私の一般質問は明日29日、14時40分頃からの開始と見込んでいます。

【懇談会】
 平成17年6月17日、東京都千代田区紀尾井町のホテルニューオータニで、社会通信教育修了者の音楽通論コースで、文部科学省の田中壮一郎生涯学習政策局長より文部科学大臣表彰を受けた方と懇談の機会を得ました。音楽に対する姿勢は特筆もので、知識と技能を持ち合わせ、現在は和歌山市内で後進の指導を行っています。
 今年表彰されたのは全国で103名、和歌山県内では4名の方がいるだけの価値ある表彰です。和歌山県から表彰式に出席したのは和歌山市内在住の2名だけで、レポートの点数だけではなく日頃から文化活動に取り組んでいることが評価されてのものだと思われます。
 国からの表彰は大変名誉なことで、今までの活動が誤りでなかったことを認識させてくれるのに十分な価値があります。明後日の30日には受賞された2名が和歌山市内で会合を持ち、今後の活動についての意見交換を行う予定です。分野は違っても志を持っていることと和歌山市から声を上げたいとする姿勢は共通です。
 ひとつの分野で成果をあげた方々が和歌山市のために尽力してくれることに感謝しています。官民一体となった活性化対策として盛り上げたいものです。

【懇談会】
 夜は懇親会を開催、大変お世話になった方々が大阪に転勤となったため、送別の会を開いたものです。いつも一緒にいて当たり前と思っている方がいなくなるのは、言葉では表現出来ない位本当に寂しいものです。教えを乞い歩くべき道筋を示してくれた方に対して、何のお返しも出来ないまま離れるのは心が痛みます。
 和歌山市と大阪市ですから、通勤時間にしてわずか1時間ですが惜別の思いがあります。企業にいる人なら誰でも一度は定年や出向の転機を迎える時が訪れます。来て欲しくない時間ですが、誰の下でも時間は経過することは人生において避けられないもののひとつです。これからも長きに亘って指導していただけるようお願いします。長い間、お疲れ様でした。
6月27日(月) 「留学について」
 市議会一般質問について各部局との打ち合わせを実施。どの部門ともやる気を見せてくれていますが、総論になると全体を思いやる気持ちになり中々踏み込めないところもあります。指定管理者も城フェスタも和歌山大学観光学部も、全て前向きな姿勢があるのですが公式になると慎重になってしまいます。思いは共通しているのは間違いありませんが、何らかの壁も感じるところです。

【留学について】
 世界に向かう日本からの留学生は多いのですが、和歌山市においては、私の周囲だけかも知れませんが、留学をしていると聞くことは少ないのです。情報化と市場化により世界の距離は近くなっているため海外との交流がもっとあっても良いのですが、和歌山市内にいると海外との交流の少なさを感じます。
 自身が高校時代に留学した経験を活かして、若い世代を本格的に、あるいはショートの留学の手助けをしている組織があります。和歌山市にこのような留学を支援してくれる組織があったことは驚きですし、心からうれしく思います。

 代表者は留学経験がありその素晴らしさを伝えるために、この留学サポートチームを設立しました。ただ設立に至るまでには10年以上の年月を要しています。留学をサポートするための前提は安全と安心で、これを徹底するために海外の都市調査と現地留学支援組織との個々に提携しているため、そのシステムを築くのに時間がかかったようです。現地調査をするためにアルバイトにより資金を貯める、貯まった資金を活用して再び現地調査に向かい、帰国後アルバイトを行う繰り返しの末、自身が納得出来るシステムがようやく構築出来ました。そして留学経験のある信頼出来る方達と巡り合い共同で事務所を開店させています。

 華やかに見える留学体験も一歩間違うと危険と背中合わせですから、危険に巻き込まれない場所と現地の支援体制を万全にしています。このように長い年月を要して安心出来るサポート体制が確立されています。代表は若い頃だから無茶も出来たと笑いますが、今でも(今も若いのですが)行動力を示しています。認知してもらうための飲食店やスーパーへの飛び込み営業活動や、公的な国際交流組織への働きかけなど、話をしていると実行力が今を支えていることが実感出来ます。
 ショートの留学では単に英会話を学ぶプログラムではなく、フラワーアレンジメントやゴルフレッスン、高齢者施設へのボランティア、動物との共生を図るためのプログラムを設定しています。いずれも大手とは異なるきめ細かな体験プログラムを主としたショートの留学プランとなっています。旅行は観光から体験へと移行しつつありますが、和歌山市内で海外と提携して、英語と体験を組み合わせた旅行を企画している団体があることを嬉しく思います。

 和歌山市在住者の中に留学希望者があっても、相談窓口がなかったため夢を実現出来なかった若い人がいる筈です。まず体験してもらってから本格的に留学を考えることも可能となります。人生の選択肢が拡がることは間違いありませんし、やり直せるなら一度は留学をしたいものです。
 逆のケースとして海外からのお客さんを和歌山市で受け入れるためのしくみとして、和歌山市だけの体験をツアーに組み込み誘客するしくみを考案中です。これも海外からのお客さんの要望があることを調査して実施しているもので、民間レベルでの国際交流や文化の交わりにより若い人達の世界観を変えることが期待出来るものです。
 志と夢を持って収入を度外視した取り組みを行っています。伸びようとする今までにない新しい芽を成長させていきたいものです。芽が定着する土壌を築くのが市政に関わっている者の使命です。
各分野で嬉しい動きが起きていることに心が元気になりました。

【ホームページ】
 昼間に偶然、ホームページをいつも見てくれている方とお会いしました。一般質問の予告で和歌山大学観光学部設置についての告知を行っていたところ、それを見てくれて是非観光学部設置に向けて取り組んで欲しいと要望を受けました。毎日見てくれていることに感謝しつつ、意味のある活動報告にすることを改めて感じる次第です。

【懇親会】
 夜は約40名が集まっての懇親会です。気を許せる方達との交流は安心感を持つことが出来ます。快い時間を過ごせるだけでも恵まれていると感じます。現代人は緊張感のある中で生活していますから、たまには安心出来る環境に身をおかないと心身とも疲れ果てます。
プレッシャーのかからない会合の良さを実感出来ました。
6月26日(日) 「一般質問作成」
 水曜日に一般質問を予定しているため、終日一般質問の原稿作成に時間を費やしました。
 一般質問は、指定管理者制度について、法定受託事務制度について、市長の施策についての三点で、市長の施策についての内容は城フェスタと和歌山大学観光学部です。
指定管理者制度とは、平成15年9月に改正地方自治法が施行されたことにより、公的施設の管理運営を民間企業、NPO法人などに任せることが可能となったもので、公募により運営者を決定しようとするものです。
 指定管理者制度の目的は、民間の所有する能力を活用すること、行政サービスの向上を図ること、経費の削減を図ることが目的になっていることから、競争原理を導入して複数の公募を原則にするものです。従来、公的施設の管理を任されていた地方公共団体が出資する団体も公募に応募して、コンペで競い合うことにより税金で賄われている経費削減と行政サービス向上を図ることになります。
 いずれにしても公募で競争することが原則ですから、公募をしないで従来から管理を任されていた地方公共団体が出資する団体に委託するとこは、法の精神に反するものです。非公募にするための理由は余程の個別事情がない限りありませんし、下手な理由を取り繕うのであれば市民から痛烈な批判に晒されます。和歌山市で公募対象施設は4件にすぎませんから、この点について質疑を行います。

 二点目の法定受託事務制度については次のようなものです。地方自治法改正によって機関委任事務制度が廃止されていることです。かつて、地方自治体の仕事の大半は国の方針に従うだけで仕事になっていました。市民の皆さんから問い合わせがあった場合、県や国に問い合わせを行ない、その問題に対する見解と判断を仰いでいたらある程度仕事になったので、問題解決能よりも決められたことが出来る人材であれば事なきを得ていた訳です。
 あるいは、他の中核市の事例を調査し「他の中核市でもやっていますから」と一言返答すればそれ迄で考える必要もなかったのです。
 ところがその前提となっていた機関委任事務は既に廃止され、法定受託事務制度に移行しています。
 今まで通りか他の事例を調査するのかの選択肢が仕事の基本になっていたのですが、これらを無条件に受け入れるのではなく、自分の頭で考えることが大切になっています。細かいことを知っているのが自負であり誇りでしたが、今の時代は新しい事例や制度を考えて作ることが仕事上の誇りとすべき時代になっているのです。地方自治法改正に基づいた仕事と意識の変化が必要となっています。この点についての意識改革について現状はどうなっているのかについて質疑を行います。

 三点目は城フェスタについてです。
今年5月に城フェスタの一環として将棋の名人戦が開催されましたが、皆さんに余り知られないままに終了しています。折角の名人戦なのにもったいない話です。旅行業関係者への広報が十分ではなかったこと、観光協会の総会は6月13日に行われて平成17年度の活動方針案を示したため、和歌山城での名人戦は既に終わった後となっていました。この辺りの連携が不十分であったこと問題点のひとつです。
 今後も継続する城フェスタですから、このような問題点と観光施策の深層部分についても指摘していきます。

【通夜式】
 夜はお二方の通夜式に参列させていただいたところ、通夜式を務めてくれた僧侶からご高説をいただきました。誰しも突然の死が訪れることがあります。車に乗って会社に出かける道中で交通事故に遭遇するなど死の原因は突然です。今朝見送ったのが最後の別れになるとは思わないまま分かれる場合があります。ですからその日一日を全力で生きることをしないと人生の意味はありません。
 いずれ無になるから何もしなくても良いのではなく、何かを達成するために日々全力を尽くすことが人生の意味です。死を意識することで生が分かります。
 いつもながら思うことは、人生の幕を閉じた方に接すると様々な人生がありドラマを演じていたというものです。世間で知らないところで日々演じられているドラマがあります。 
 人と接することはその一部に登場することですから、全力で接しないと失礼だと感じます。疲れている時や気分が乗らない時もありますから、いつもその気持ちで接しているのか反省させられます。
6月25日(土) 「指定管理者制度勉強会」

(指定管理者制度勉強会)
 和歌山大学生涯学習センターにおいて、公共施設の運営を考えるための指定管理者制度の勉強会がありました。主催はわかやまNPOセンターです。
 立命館大学産業社会学部の秋葉武助教授から「指定管理者とNPO、行政」をテーマとして講義を受け、その後パネルディスカスが行なわれました。パネリストは秋葉武助教授、和歌山県の幸前裕之NPO協働推進課長、森綾子宝塚NPOセンター事務局長の3名でした。

 要旨は次のようなものです。

 従来は施設管理者に裁量が殆どありませんでしたが、制度導入で変わることは受ける側に一定の裁量の余地が発生することになります。地方自治体でのメリットは事業コスト削減が図られることで、財政が厳しい自治体ほど積極的に取り組んでいます。
 指定管理者が導入されると公の独占を排除できるため、市民が公共的仕事の担い手になれる機会が現れます。行政の硬直化したマネージメントに対峙する機会が現れ、市民の利益になる方向に転換することが期待出来ます。行政の抵抗が強いところがあれば、それは自分がプレイヤーでありたいという気持ちが強く、コーチの役割では満足できない気持ちが潜んでいます。そのためには職員の意識転換が必要で、意識転換と制度導入が図れないと当該地方自治体は早晩財政がもたなくなります。

 和歌山県としては、NPO法人に力をつけてもらって公募に応じて欲しいので、民間企業と同様の扱いとして門戸を開放するように各部局に依頼してくれているように民間参入を強く希望しています。
 そして、和歌山県下の市町村では指定管理者制度に対する動きがものすごく遅いことを指摘していました。他府県の市町村と比較して動きに鈍さがあり、それに応じて導入も遅延しているようです。県からは従来のような単なる管理では駄目であると伝えてくれているようですが、どこまで浸透しているのかは定かではありません。
 指定管理者選定のための審議を行なう指定管理者選定委員会構成は行政が恣意的ならならないように、委員構成には大学の先生、公認会計士、弁護士、NPO法人の代表などを選出する意向を示してくれました。
 指定管理者制度を導入しても非公募扱いとするのなら、行政だけで委託先を決定することになりますから市民や議会の意思や判断が加えられなくなります。それに対して公募を行なうと、有識者による構成された指定管理者選定委員会で審議されますし、市民代表の議会での審議を受けますから、二重のチェックを受けることになりますから、恣意的要素を排除することになります。

 地方自治体が直営にする、あるいは外郭団体に委託することを勝手に決めることは真におかしな決め方で、その様なことがあれば委員会や議会に関与させない姿勢を取っている民意を反映させない地方自治体だといえます。公募することで民意を反映させた委託先を選定することが可能となりますから、公募をすることが指定管理者制度を機能させるための最低条件です。
 参考までに何人かの有識者の方に和歌山市の指定管理者導入案を示し、確認のうえ評価していただきました。
 和歌山市の案とは、公募にするものは4件に過ぎず、外郭団体やあらかじめ和歌山市が指定する団体に委託する、直営にすること予定になっています。
「政令市ではこのようなことはまず考えられないし、中核市でもないのではないでしょうか。それよりも一定規模以上の都市でもあり得ないことでしょうね」
「ホームページには恥ずかしくてあげられないでしょう」
「和歌山市の姿勢はおかしいと言う以外に言葉がありませんね」
「取り組みも意識も遅れていますね。他都市では考えられないことです」
「市民の意思を無視した取り組みで、発展性は感じられない地方自治体と言えますね」などが挙げられました。

 本日の参加者は100名を越え熱気があり、参入を考えている団体、組織の方からも具体的質問が出るなど、市民の間では指定管理者制度に参入して民の力で和歌山を良くしようとする意欲が見られます。それに立ち塞がるように和歌山市では非公募の扱いをしている、そこに民の代表である議会の意思を聞き、民の力を導入して一緒に活性化を図ろうとする姿勢はありません。
 民間が参入しようとすることに対して障害として立ち塞がってる和歌山市、市民の利益を守ろうとしているのでしょうか、不思議です。
 指定管理者制度による最大の受益者は私達市民です。私達市民は行政機関に対して、私達のための仕事をすることを委任しているのですから、それを忘れてもらっては困ります。
 民は信頼できるものであるとの意識を持って欲しいものです。

【その他】
 勉強会終了後、あるテーマでの懇談のため一軒訪問、引き続いて高齢者福祉に関する打ち合わせのため事務所を訪問しました。
6月24日(金) 「6月定例議会開会」
 平成17年6月議会が開会となりました。一般会計補正予算案は約980万円で、和歌山市西庄の産廃処分場の建設許可取り消しに関して係争中だった民事訴訟の和解金約6,800万円と、貴志川線への援助金の内容などを貴志川町と一緒に検討する運営協議会の負担金約200万円も提案されています。スカイタウンつつじヶ丘事業の特別会計では、つつじが丘7丁目3-2に老人保健施設建設のために5,310平米メートルの用地売却を行ない、歳入として1億3,115万7,000円を計上しています。売却先は、医療法人弘愛会黒田医院です。
 他に議員への費用弁償額を5,000円に定める条例案も提案されました。これは「和歌山市非常勤職員の報酬等に関する条例」の一部を改正するもので、第7条1項において「本会議、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会に出席したときは1日につき5,000円」と明示されることになりました。今では、本条例には金額が掲載されていないため金額の出処が明らかでなかった訳です。施行されるのは平成17年8月1日からですが、第7条の規程は平成12年8月1日までに遡って適用される附則がつけられています。また同日から平成17年7月31日までの間は8,000円を適用することを附則としてあげられています。

 終了後、一般質問の指定管理者制度に関する当該部局との打ち合わせを実施。和歌山市では公募するのがわずか4件となっていてこの制度の本旨から遠くはなれた対応方針となっています。今議会での条例改正案は「和歌山市営自転車等駐車場条例の一部改正」が提案されているに過ぎません。条文では第11条に「駐車場の管理は、指定管理者に行なわせるものとする」と指定管理者による管理にすることに変更されています。
 自転車駐車場以外他の市営施設の改正案については今議会では提案されていません。
 他の施設についての考え方と公募、非公募について確認をしていきます。
 尚、和歌山市6月定例議会は本日24日に開会、7月15日までの22日間の会期です。
 私の一般質問は29日水曜日の予定で、指定管理者制度、法定受託事務制度、市長の施策についてとして、城フェスタ、和歌山大学観光学部についての質問を行ないます。

【懇談会】
 引き続いて懇談会を実施。久しぶりの顔合わせもあって大いに賑わいを見せた会合となりました。いくつかの出会いがあり絆は時間と共に深まりますが、やがて別れ行く時が来ます。惜別の複雑な思いが交錯する中、包み隠すようにして時間は過ぎていきます。明日になれば、また新しい旅が始まります。
6月23日(木) 「意見交換会」
【県議会】
 県議会を傍聴、指定管理者制度についての質問に対して木村知事が考え方を示しました。指定管理者制度には地方自治体を変える手段になることを期待し、施設の運営を非公募にする理由はないし、もし恣意的な考えを持って非公募にするならば効果をなくすものである主旨のことを答弁しています。
 和歌山県の施設で非公募にするのは障害者施設など先生と子どもの信頼関係が構築されているもので、先生が変わると子ども達に影響が出るものについては非公募として従来の管理者に運営を任せる施設に限定されています。真に明確な非公募の理由です。それ以外は公募することにしていますから、行財政改革に関わる木村知事の強い姿勢が印象的でした。

【クラブ総会】
 明日からの市議会開会を控えてクラブ総会を開催しました。議長、副議長などの案件については未だ分かりませんから、明日の開会まで調整が続くような気がします。

【風営法】
 大型店舗立地について確認、パチンコ店を出展する場合大店法の対象外となり風営法による届出をする規制があるだけだと知りました。所管は警察本部となり、届出先はそれぞれの警察署になります。
 大型店舗の出店に関しての情報確認は業態に応じて届出先が異なりますから注意が必要です。

【指定管理者制度】
 県の指定管理者制度について考え方を再度確認。木村知事は県議会において4回指定管理者制度についての答弁を行っています。一貫して公募する方針を示しているように、民間活力導入とコスト低減を同時に図るための取り組みに本腰を入れています。トップが姿勢を明確に打ち出して陣頭指揮を執ると実務は動き出します。

【観光施策】
 観光施策について意見交換を実施。言語データだけなのですが、城フェスタの認知度は
低くイベント内容に至っては殆ど知られていません。何のために実施しているのかも分からない、民間との関わり方についての説明がないなど課題が続出しています。例えば城フェスタイベントである将棋の名人戦については、チラシが一枚あるだけだったたる広報効果はそれ程なく宿泊客には何の影響も与えられなかったと聞きます。
 あるホテル関係者は、主催場所のアバローム紀の国に行った時、フロアに張られていたポスターを見て、初めて名人戦が和歌山市で開催されることを知ったそうですから驚きです。観光産業従事者にも周知徹底されていない事態をどう評価すれば良いのでしょうか。
 観光は単にイベントを打つだけではなくて、和歌山市の産業としての観光を将来に向けての誘客どう展開していくのか企画する必要があります。将棋の名人戦との関わりを何らかの形でつなげていくのか答えを持っておくべきですし、単発イベントと思われないためには、和歌山城で行われた徳川吉宗の城将棋についてのエピソードについても周知すべきです。和歌山城と将棋の関係や当初計画にもなかった名人戦が突然出てきたことについても誰も正確な意味を知りません。これの情報連携の悪さと責任者が誰であるのか不明な点、つまり責任の所在のあいまいさが問題なのです。
 個々人に問題はありませんから、行政組織として観光にどう取り組んでいくのか検討すべきです。行政が観光に取り組んでも効果が無いと判断される場合、或いは和歌山市に観光産業は定着しないと責任者が判断すればもう施策を中止すれば良いのです。それ位の気概を持たないと、地域活性化のため観光産業振興は各地で取り組んでいますから対峙することは叶いません。
 和歌山市の活性化のために観光産業に力を注いで欲しいものです。

【本部大会】
 夜は白浜町で開催されている関電労組の本部大会に出席いたしました。約1,000人が関西から集まり活動方針案など意思決定を行う重要な大会です。本日から二日間の日程で議案審議と活動方針の樹立を目指しています。
 本日は質疑と意見要望が多く終了は夜の8時となりました、終了後も意見集約など作業があり最終日に向けての打ち合わせが続けられています。
6月22日(水) 「城フェスタ」
【クラブ総会】
 クラブ総会で各常任委員会構成や議長、副議長について意見交換を行ないましたが、市議会として未だ確定するものはありませんでした。

【懇談】
 コンサルティング会社の方と懇談の機会を持ちました。和歌山の市場は縮小傾向にあり中々仕事がない状態が続いているのですが、打開策は見つからないままです。企業進出や新産業に力を注がないと、今まで以上に事業所を撤退する企業も出てきそうな気配です。
 民間と地方自治体が情報を共有しながら地域計画を考えるしくみを築くことが第一歩ですが、情報公開が進んでいないため上手く機能していません。
 新しい旅立ちの時期も迫っています。

【城フェスタ】
 城フェスタに関する意見交換会を実施。将棋の名人戦が開催されましたが、余り知られないままに終了しています。折角の名人戦なのにもったいない話です。単なる単発の行事としての位置づけの感じがあり、和歌山市から関西へ、全国へ広報発信しているような施策が見受けられません。メディアを活用することで、会場に来てくれる人だけの行事から拡がりを持たせることが可能となります。
 名人戦を和歌山城で行うことを観光の機械と捉えてプロモーションをすることで効果が上がったのでしょうが、それが出来ていなかったため低迷したことも要因です。市内だけの広報ではなく全国目掛けての広報施策と視点が必要でした。和歌山城を活用して何ための城フェスタなのか目的が不明です。
 城に観光客を呼び込むことが目的ではなく、城フェスタを通じて全国に和歌山市を売り出すことを目的にしなければ単発行事を実施しただけで終わっています。今後の城フェスタ行事の内容を見ると単発イベントを集めただけの印象があります。行事間で連携した取り組みとストーリーを描かないと和歌山城を中心にした情報発信まで至りません。プロモーターの存在が不可欠なのですが、存在していないことが弱点です。
 和歌山市では2001年度と2002年度には観光客が増加した実績があると聞きました。それ以降は減少傾向にあるようですから、高野熊野の世界遺産指定の恩恵も受けていないのです。他の観光資源と連携した観光施策になっていないことから、和歌山市が観光ルートに入っていないのです。
 これを解決することを目的として城フェスタを実施すること、そのための行事とすること、そしてメディアとの連携を図ることが成功への道です。

【お悔やみ】
 先週、79歳で生涯を終えられた方がいます。アルツハイマーになり自分のしていることが分からなくなってしまい病気を併発したものです。各病院に通院したところ親切に診ていただけたそうです。亡くなる一週間前になると随分以前に27歳で亡くなった弟が呼びに来たようだと独り言を発していたようです。何十年も弟の話をしたことがなかったのに、弟がお迎えに来てくれたと話していたのは不思議です。私達の周囲には分からないこと、解決出来ない問題はたくさんあります。

【打ち合わせ】
 夜会合を持ちました。懇談の内容は和歌山市の観光施策に関してのものです。城フェスタに関しては、市内でホテル、旅館、飲食店を経営している或いは関係者で将棋の名人戦が行なわれたことを知っているのは、限られた人だけだという事実が出てきました。この件に関して観光協会からの連絡はなく、他の和歌山市が主催する行事でも周知は不十分で、開催の1週間前位に突然ポスターが送られて来ることは珍しくないようです。問題提起を行っても今ではそれが当たり前になっているため、民間事業者間では和歌山市が行なっている観光施策に期待をしていないようです。
 観光協会からの連絡は総会を年に一度だけ開催するだけで、行事の主旨や目的、市と一緒の取り組み方についてなどの話し合いの機会は皆無です。将棋の名人戦についても事前に連絡はなく、共通した取り組み方についても盛り上げ方策もなかったのです。単に将棋の名人戦固有の話だと思っていましたが、その体質に問題があることが分かりました。一般的に考えると将棋の名人戦クラスになると突然会場が決まって開催することはあり得ないといいます。1年以上前から対局の都市、場所が決定しているようです。和歌山市の場合、4月になって初めて将棋の名人戦が行なわれることが判明したような気がします。如何にも初動が遅いものですし、誘客への準備期間が不足しています。
 まち全体として集客が図れ、テレビにより全国に発信でき、経済効果もあるような成功には至っていないのが民間で観光に関わっている人達の評価です。これからも同じことを続けるのでしょうか。体質で片付けられない問題が潜んでいます。
6月21日(火) 「和歌山巴里祭」
【和歌山巴里祭】
 和歌山巴里祭が近づいてきたため、関係者が集まり打ち合わせを実施。参加者見込みとパンフレットの制作、当日の運営体制などについての意見交換と役割分担を行いました。
 開会するまでには、ポスターの掲示やチケット、そして印刷協力など多くの人の支えがあることが良く分かります。一人で沢山のご支援とご協力をいただいている方もいます。舞台に上がるまでの準備が大変ですが一人で何役も行い成果を挙げることから舞台は完成に向かいます。目的を持ち時間を区切っての活動はメリハリがつき短期間で成果を挙げられることを教えられます。

【会合】
 観光関係者との会合を持ちました。和歌山城を中心にした地域で城フェスタが開催されています。先には将棋の名人戦が開催され賑わいを見せたようです。ところが思ったほど集客効果は現れていません。和歌山市内の宿泊者数は増加していませんし、名人戦開催の決定が遅かったことから広報活動が後手に回り、旅行会社や宿泊施設との連携が図れなかったことが大きな原因です。事前に十分な時間と名人戦を実施する情報があれば、和歌浦や加太においても名人戦観戦をパックにした広報活動が可能になった他、宿泊客専用の送迎用バスを会場となる和歌山城まで走らせることも出来たのです。
 旅行業関係者への広報が十分ではなかったこと、観光協会の総会は6月13日に行われて平成17年度の活動方針案を示したため、和歌山城での名人戦は既に終わった後となっていました。この辺りの連携が不十分であったこと問題点のひとつです。
 折角の良い企画なのに活かしきれていないのは勿体ないことです。和歌山市のホテルはビジネス客が中心の構成で観光客の需要は思うほど大きくありません。ビジネス客を集めるのは市のまちづくりの方針と大きく関係しています。中心地の活性化、起業家の育成によるビジネスの交流などかせ重要になってきます。観光客を増加させるためには城フェスタも良いのですが、宿泊客増加や市外から訪れてくれる方の増加が図れる内容のもの、そのための広報宣伝活動が重要となります。狙いを定めて活性化策を打ち出す必要があります。単に人が来て賑わいを見せるだけではなく、経済効果が見られるものに仕上げることが地方自治体における経営感覚のひとつです。経済効果が図れるような形での今後の城フェスタ開催に期待しています。

【懇談会】
 民間から国土交通省へ2年間遣され、今年4月に戻ってきた人を始めとする方々との懇談交流会を行いました。国土交通省で受け入れてもらい勤務するためには、一度企業を退職して受け入れていただく必要があります。企業で適用されていた全ての福利厚生制度や賃金体系を一度リセットして行くことになります。
 異なる文化での体験は大変だったようですが、誰でもが体験できる訳ではない貴重な経験です。中央官僚は朝まででも仕事をするのが平気で施策に関しては、大変な調査と研究を行っているように、仕事遂行に対する厳しさを持ち合わせていることが理解出来ます。
 他に集まったのは企画、IT、サービス産業などの各分野で活躍している方々です。社会と時代を切り開くために活動している話に触れることができ、改めて気持ちが引き締まりました。
6月20日(月) 「植樹」
 6月は国の環境月間です。本日は環境月間行事として高齢者福祉施設に植樹活動に赴き、ヒラトツツジ30本を入居者と一緒に植樹を行うことにより環境問題を考える契機としました。一年間をかけて育てたヒラトツツジを高齢者福祉施設に寄贈するのは自分の子どもを旅に出すのと同じような気持ちになります。本日の植樹はサツキに関する指導者の指導の下行ないました。知らないことが多いのに自分でも驚いたように、どのような物事でも奥義を極めるのは奥深いものです。
 ツツジを植栽するに当っては、葉っぱ剪定を行なうのは当然のこと、根もカットすることが必要です。子どもの頃植栽をした経験では根は切ってはいけないと思っていましたが、花以外では根も刈り込むことで根が張るらしいです。
 ツツジの植栽は時期的には少し遅いくらいで、今植栽することで来年には根が張り、再来年には大きな花を咲かせる見込みです。今までも植栽活動は数多く行なってきましたが、本日のように丁寧にしかも専門家の指導を得ながら植樹したのは初めてのことです。
 プランターの底に軽石を敷き詰め、その上に土を敷いてツツジ植えた後に土の乾燥を防ぐ意味で布を土の上に敷いてたっぷりと水を与えます。プランターから溢れ出る位に水を与えたら植栽が完了です。後は夏の間一日二回、水を十分に与えることで花を咲かせます。
 本日の植栽に関わったのは約10名、入居者の方にも手伝っていただき15のプランターにヒラトツツジを30苗植えることが出来ました。植栽に当ってはプランターと土の種類に気をつけたことは当然のこと、水の乾燥を防ぐことが大切であることが分かりました。
 今年92歳になる方の指導は的確で、効率的に植栽を行なうことにつながりましたが、改めて再来年に花をつけた時には呼んで欲しいと要望を受けました。花は言葉を発しませんが人の行動を分かってくれていま
す。それはツツジから聞くのではなく、一緒に植栽を行なった方から聞くことにより理解出来るものです。
 今日は梅雨の合間で晴天の内に植樹を行えましたが、暑い中高齢者の皆さんと一緒に植樹した経験は末長く心に残るものであることを期待しています。
 国の環境月間に当って植樹活動が持つ意味の重要性が理解出来ますし、形だけではなく心の篭った植樹活動にすることが大切であることが分かります。これは実際に現場に立って状況を見ないことには分からないものです。

【クラブ総会】
 6月議会を目前に控えて意思疎通を図る必要が生じています。積極的に発言するのか、それとも黙っているのかでは今後の施策に影響を与えます。既定の路線に拘らずに理想の姿を現実社会において描けるようなしくみを持つことが必要です。
 人は夢を思い描くことで現実を見ることが可能となります。
 引き続いて懇談会に移りました。和歌山市の施行対策に関しては、皆さんから思い切った施策が求められていることは肌で感じています。
 いずれにしても民主主義では数が力となることは否定出来ません。まとまりのない数であれば将来的な期待感はありませんが、改革をしようとする数には期待が大きいのです。
6月19日(日) 「お見舞い」
【お見舞い】
 お見舞い。検査の結果少しだけ数値に異常値が見られたため入院を延長された方がいます。まだまだ元気でいてくれるものと信じて会話を交わしてきました。昨日別の方から、一緒に写した写真を預かったので本日手渡しました。元気に食事会をした時に撮影したもので、笑顔が満ちた写真です。
 永遠に続くように感じる日々ですが、過ぎ去れば一瞬の出来事の積み重ねであることが分かります。
 夕食でも懇親会でも、そこで出会う人と接する時間は2時間から3時間程度です。一日の内でも一瞬の時間ですが、それがかけがえのない時です。同じメンバーで同じ場所で出会える機会は思うほど多くはありません。
 年齢を重ねた人が話すことで多いのは、今まで築いてきた思い出の数々です。それも人との出会いに関するものが多いようです。人生は人との出会いにより、積み重ねられるものであることが分かります。一人で歩いただけで登場人物が少なければ、思い出として語るほどの物語は描けないのです。
 そして人生の物語となるためには、何かを成し遂げるために共同で仕事や活動をした経験が必要です。単に一緒にいるだけではなく、プロジェクトを担ったチームや事業を一緒に遂行した体験などが強烈なものとして残ります。 
 長く生きることはそれだけで素晴らしいものですが、その中にたくさんの物語が詰まっていると年齢を重ねても精神的支柱となり得ます。現役時代に目の前に出現する課題やチャンスは避けないで果敢に取り組む姿勢を持ちたいものです。金銭ではない大きな財産となるのは間違いありません。

 またこの方は先月、和歌山出身の会合へ出席のため東京へ行き、貴志川線存続問題について依頼をしてくれていたのです。「和歌山市に帰ってきた際には是非貴志川線に乗ってください。和歌山市で過ごした思い出がきっとよみがえります」とのメッセージを伝えてきてくれました。東京での会合出席者は約100名、貴志川線が存続の危機にあったことを知った方から応援をいただきました。少しでも出来ることはやり遂げておきたいと考えるのがこの方の責任感ある生き方です。
 その後貴志川線の事業主体が決定し長期的存続に向けての枠組みが出来ていますが、その影には精神的に支えていた人や地道に支援を呼びかけている人がいます。大きな課題は直接関わる人だけで解決出来るものではなく、誰にも気づかれなくても活動してくれている方達がいます。多くの方の支援によって物事が前向いて動いていくことが分かります。小さな力が集まることで大きな力になる、当たり前のことですが中々信じられないことを感じることが出来た事例です。

【プランター】
 明日の高齢者福祉施設への植樹活動に備えて、花を植えるためのプランターを選定するため花に関する活動をしている方と一緒にショップを訪れました。プランターや土の種類は数多く、知識がないと選ぶことは難しい状況です。プランター30個と必要なものを揃えて明日の植樹活動の準備が整いました。

【文化活動】
 文化活動に協力してくれている方のお宅を訪問。7月の行事と10月に計画している行事についての打ち合わせを行ないました。どちらも和歌山市に音楽文化を定着させようとする試みで、広く協力を呼びかけています。
 7月17日には和歌山巴里祭、10月22日は和歌山市出身の方による演歌歌謡ショーを予定しています。
6月18日(土) 「海草・向陽同窓会総会」
 本年度の海草・向陽同窓会総会が、同窓会長、現役の校長先生以下の出席があり開催されました。本年度は創立90周年の記念の年で秋には記念式典を計画しており、次の100周年に向けた第一歩の年と位置づけています。
 本年度は、今まで続けてきた海草・向陽塾の記念誌を発刊する計画があります。この塾は卒業生が講師として、向陽高校で現役の学生を相手に講演をしているものです。回を重ねて実績があるため冊子にして配布しようとするものです。
 過去に講師を務めた経験のある方と話をすると、高校生を相手にして講演をするのはとても難しいそうです。この方は講演会の講師を何度も務めているのですが、一番難しかったと話しています。その理由は反応がないので、話をどう展開させるべきか迷いが生じることです。あるテーマで話しても無反応、関心がないと思ってテーマを変えても無反応、冗談を交えても無反応だったそうで、講演の持ち時間の90分がとても長く感じたようです。
 他の講師の方に聞いても同じ答えが返ってきました。高校生とは関心事異なるので仕方ないかも知れませんが、世代の違う相手を対象に講演することの難しさを理解することが出来ます。

 塾では高校生が関心を持たないかも知れませんが、各界で活躍する先輩から20年から30年先の人生を考える契機になるようなテーマで講演を行なっています。高校時代には、将来何になりたいのか分からないまま過ごす人がいるのではないでしょうか。医者や弁護士、スポーツ選手など専門的な知識や厳しい練習が必要な職業を目指している人なら、目的意識を持って高校生活を過ごしているでしょうが、そうでない人は目指すべきものを見つけることに迷う年代です。経験者達がそれを少しでも支援するために交代で講師を務めていますが、何を目指すのかはやはり年月を重ね経験を積まないと理解できないものかも知れません。
 席上、ある方が人生の賞味期限と消費期限について話をしてくれました。
 ある程度の年齢になれば仕事と権限を後輩に譲っていくことが求められます。賞味期限は美味しくいただける期限ですから、自分でまだやれると思っていれば権限を持った地位に留まり活躍すべきです。周囲も必要として認めてくれる筈です。

 ところが誰でも年齢を重ねますから、いつしか賞味期限を通り過ぎて消費期限を迎えます。これを越えると権限は後輩に譲るべきです。地位のある人になる程、周囲から引退を勧告することは難しくなります。周囲は消費期限だと分かっていても最終的に消費期限であることを感じ取り、幕引きの決断をするのは本人以外にありません。その立場にいることで組織や他人に迷惑をかけるようになっていることや、時代感覚にズレを感じるようになれば決断の時です。ただ、既に時代感覚にズレが生じているのであれば、自分が時代と合っているのか合わないかも分からない状態ですから、それを感じにくいものです。
 他人に迷惑をかけていても周囲からはなかなか言い出せませんから、最終的には自分で気づく以外はないのです。賞味期限までいることは許せても消費期限を過ぎて、尚そのことに気づかないのでは、それまでの全てを無にしてしまいます。
年齢を重ねた人にとって、引き際の美学を持ち実行するのには迷うが生じるものです。
6月17日(金) 「エネルギーソリューション」
 ある団体30人と一緒に、エネルギーソリューション&蓄熱空調フェアの会場インテックス大阪へ勉強のために向かいました。平成17年2月に京都議定書が発効されたため、日本は二酸化炭素排出量を1990年レベルから6%の削減を図ることが義務付けられました。やや上向いてきた産業活動に水を差す恐れがあります。
 しかし地球温暖化問題への対応を考えると官民を挙げて取り組むべき課題であり、自分は例外、あるいは自部門は産業を支えているので適応除外だと思うのは誤りです。効率の良い空調システムを導入することや熱源構成を検討すること、ISOを取得する取り組みを行うことなど身近なところから実施することです。そのためには、最新の空調やヒートポンプシステムを知っておく必要があります。効率の良い機器を採用することだけで、二酸化炭素排出量の低減を図ることが可能です。

 200カ国を訪問した経験を持っている方は、導入すべきシステムやしくみのヒントを得るために毎年海外へ出掛けています。常に刺激を持っておかないと停滞期に転落するのは早いのです。低コストで良いものを導入するには、まず見て知ることから始まります。ビジネスにつなげるのにパンフレットだけで判断することは危険です。まず実物と現場を見ることから改善は始まります。
 問題意識を持って現場に挑むと発見はあります。今日はその意識を持って地球温暖化問題と私達がすべきことについて学習する機会となりました。

 ある飲食店舗の方は、開業してから約30年経過していて飲食のプロを自負しています。
ビールを注ぐコップも飲み物の種類によってお客さんが気づかなくても変えていますし、水割りの氷にも秘密があります。一例として勝ち割り氷は、グラスに入れる時の響きが良くて雰囲気をつくるため採用しています。
 またウイスキーは高級になる程まろやかで飲み易くなるため、水と割る比率を高めても喉越しが良いのです。品質の良いウイスキーは通常のものよりも飲み易いので会話が弾むように、少しの配慮でお客さんに喜んでもらえます。その道のプロには独自の強みがあるものです。

 帰路は第二阪和国道を途中まで通行し確認を行ないました。大阪府下から進行すると箱造、岬町の2キロメートル手前まで完成しています。今後は和泉山脈にトンネルを通過させる工程があり、総延長完成までにはまだ年月を要しそうです。この道路は意外と通行した人は少なく、どこまでつながっているのか現地を走ることで確認出来ました。

【入院】
 いつもお世話になっている方が入院検査を行ないました。今日夜に結果が出て連絡をいただきました。ある臓器の数値が良くないので、あと一週間程度入院を延長するというものです。電話の声は元気でしたが、いつもと違い不安感を感じている様子が伝わってきました。暑くなる季節ですから体力的な面でも心配です。学校の先輩で、郷土を愛し卒業した学校を愛している心が透き通るほど綺麗な方です。
 自分の体の心配だけで大変なのに、明日の同窓会は欠席だと連絡をいただきました。早い復帰を心からお祈りしています。
6月16日(木) 「人件費」
【人件費】
 上場企業の株式配当が増額されていることなど、全国的に経済が回復基調にある報道がされています。有効求人倍率が改善されていることなどから、企業は人材が必要で雇用情勢も改善されていると聞きます。本日は人材派遣会社経営者の方々と雇用問題についての情報交換を行いました。有効求人倍率が上向いていますが、過去のトレンドの延長線上にあるか否かは微妙なところです。それは求人増加の内訳から推測出来ます。有効求人数の2/3は派遣社員の募集で正社員の求人ではないのです。労働力が固定費だった時代から、現在は企業が人件費の削減を目指して変動費へとその性質を変化させています。
 変動費にすることで景気変動にもしなやかに対応が可能となりますから、派遣社員の採用が増加しているのです。雇用形態は何が正しいかはありませんから、時代に即した対処方法が派遣社員のしくみです。
 さらに正社員となる道として紹介派遣のしくみもあります。これは派遣会社から教育訓練を受けた人材を企業に派遣し、目処として六ヶ月仕事をしてもらいます。六ヵ月後、派遣された人がその企業に留まることを希望し、企業側もその人材を雇用したいと願えば、その時点で正社員として採用するものです。企業にすれば雇用しようとする人材の能力を確認できる期間が六ヶ月あること、企業に合わない人材だとしても本人に解雇通告をしなくても期間満了で契約を打ち切ることが出来ることなど利点があります。
 人材派遣登録をしている人にとってはいきなり正社員になるのが難しい雇用状況ですから、希望する職種を登録しておくと条件に近い企業で働ける機会を得られること、能力次第で正社員になれることなどが利点です。
 人材が不利益を被ることも予想されますが、雇用が流動化しつつある状況ですから上手く活用することで失業率の改善と雇用を安定させることにつながる期待があります。しくみが出来たら批判をして活用しないよりも、まずやってみてからしくみの是非を判断することが大事です。考え方によっては、新卒採用が王道だった時代だったなら、ある時期を逃すと正社員になれる機会は限りなく失われましたが、採用時期が不確定になっているため新卒でなくても能力や技能次第で正社員になるチャンスは拡がっています。
 問題があるとすれば、労働者側にとっては人件費を抑制される傾向にあることで、企業が収益をあげたとしても、収益配分は人件費に回されないで株主配当や商品価格の低減に活用される場合が多くなっていることです。所得が減少すると当然のこと支出は抑えられます。支出が増えないと通貨の流通が減少しますからその地域の経済は停滞します。地域内経済が低迷しだすと将来への不安が脳裏をよぎり将来に向けて現在の消費を減らして貯蓄に回そうとすることから、必要以上に消費を抑える気持ちが働きます。個人消費を刺激することが経済対策の根本ですから、必要以上の人件費抑制はそれに反することになります。
 時代は物事が行き過ぎると、反対側に向かうよう自然に修正してくれるように何事もバランスが大切です。
  
【クラブ総会】
 6月24日から市議会が開会する予定のため、一般質問や常任委員会構成などの打ち合わせを実施しました。ほぼクラブとしての案が固まりました。市議会の会期は一般質問の人数により違ってくるので最終日は未定です。

【研修会】
 ある事務所へ赴き、明日の日帰り研修会の打ち合わせを行ないました。行程と参加者の確認を行い準備完了です。

【防災打ち合わせ】
 民間で防災対策に取り組んでいる企業が集まり熱の入った打ち合わせを行ないました。民間企業でもある程度の規模に成長すると公益性が求められます。それは社会の公器である企業は地域社会から育てられることから必要なものです。どの様な形での社会貢献でも良いのですが、出来るなら企業の優位性が活かせる部分で貢献することが効果的です。食品会社なら防災対策として非常用食品を提供すること、あるいは非常時には供給体制を確約することなどが挙げられます。
 広告会社なら防災用のセンスの良い広告をまちに掲出することが考えられますし、製造工場であれば敷地を避難場所として活用することを行政と確認することもあり得ます。兎に角まず何が出来るのか実行しないと、何が協力出来て何が協力出来ないのかさえ分からないのです。アイデア段階を過ぎある程度の企画が出来たなら、次の段階として実行することが大切です。

 企画を元に上司や関係箇所と会議を重ねていても実現に向かいません。未だ取り組んでいない案件は現場で実証出来ていないこと、市場での評価も分からないことからやらないための理由は簡単につけられます。やらない判断は簡単ですが、現状維持で良いと考えると間違いなく後退につながります。
 公共に還元する意思を持って施策の経営判断を行なうと、きっと市場からの支援は得られます。例えば、景観に配慮し街並みが明るくて色彩が鮮やかでセンスが良い広告看板を取り付けるとすれば、楽しいまちにすることも可能です。行政指導が入った街中の看板は、景観に似合っていないものがありますし、見ても元気になるものではありません。ところが印刷技術が格段に進歩している現在において、昭和40年代の古い通達に基づく広告規制に準じて景観保護を訴えているところもあります。

 40年も前の通達を奉って団体や市民から提言があっても、通達に記されていることを盾にとって改善するでもなく、ひたすら遵守するのは如何なものでしょうか。日本人のセンス、流行、印刷技術の進歩による美観効果などを総合的に勘案した上で適切な判断することが責任ある仕事です。
 単に通達にあるから駄目だと門前払いをするのでは、意識も実務も横並び行政から脱皮していないもので自立した地方の実現は遠い夢となります。しかし他の地方自治体と違うこのまちだけの特長を活かそうと考え、法律ではないものを改善する熱意を持つならば、民間がある程度の公共部分を担う動きが出てきます。市場化の中生き残ってきた企業が持つ技術と人材、センス、スピードは地方自治体の経営センスを凌駕するものです。

 特にスピードの違いに温度差を感じます。自転車で走るのと自動車で走るのでは見える景色は明らかに違います。何でも早ければ良いものではありませんから、自転車と自動車を比較しても無意味です。でも自転車だけを持っているのと自転車と自動車を持っているのでは必要に応じて使い分けることが可能ですから選択肢は拡がります。
 スピードが必要な案件に対しては自動車を運転するがごとく取り組むことで物事を早く改善することが出来ます。そして一度でもスピード感のある仕事を行なう経験を持つことでスピード感覚が養えます。晴天でも雨でも雪でも台風でも自転車だけを利用するような施策では遅すぎます。状況に応じた対策とスピードを持つことが必要です。

 和歌山市で市民に安心を提供することが行政サービスのひとつですが、地方自治体が民間の技術と協調することでスピード感を持ってやり遂げることが可能です。
 前例がない、通達がある、他の地域とのバランスが必要、予算がない、などの理由をつけていては、全ての条件が揃うことはありませんから永遠に施策が実現出来なくなります。
これを打ち破るのは関わる方達の熱意だけですから、チームメンバー構成が最も大切な要素です。今日の会合では熱意を感じ前向きに進む感触を得ました。

【旅行業】
 夜はある旅行会社を訪問し懇談しました。5月は旅行シーズンだったのですが、6月になると少し観光客の動きは止まるそうです。観光業界も営業が大切ですが、5月は旅行シーズンのため連日添乗業務があるため営業活動が出来なくなります。6月は梅雨に加えて営業不足が重なり観光の閑散期となっているのです。どの業界でも平準化が図れたら収益があがり効率的なのですが波があるものです。平準化するのが良いのは分かっていても難しい。
6月15日(水) 「活動全般」
【指定管理者制度】
 朝一番である行政機関の方から連絡があり、指定管理者制度についての考え方と導入事例の現状について意見交換を行ないました。NPO法人が運営しているが上手く機能していること、周囲との協調も出来ているので心配はしていないことを教えてくれました。基本的に、余程特殊な事例を除き制度があるのだから活用する方向性を示唆してくれました。

【紀州語り部】
 紀州語り部事業についての意見交換と今後の進め方について打ち合わせを実施。事業化を図り語り部コンテストまでを第一弾とします。事業計画に基づく今後の動きについて意思統一を図りました。出来ればコンテストまでのサイクルを毎年繰り返せるような計画としていきます。

【指定管理者制度】
 午後から指定管理者制度についての打ち合わせ。改正地方自治他方に基づく考え方についての整理を行ないました。改正により行政サービスを向上させる、コスト低減が主体となりますが、それに加えて今までにない行政サービスを付加させることが、法の主旨に沿うものであることの指摘がありました。
 従来どおりの行政サービスを継続させるだけなら民間活力を導入する意義は薄れます。時間延長や休日シフトは基本的なもので、利用者の要望を把握してそれに応えられる必要な行政サービスを加えられる団体が受託すべきです。それが外郭団体でも民間企業であってもNPO法人でも良いのです。

【文化活動】
 文化活動についての打ち合わせを実施。和歌山市で文化活動の一環として社交ダンス教室が人気になっているようです。今日お会いした方はダンスを習っていますし、話し合いの後早速茶道教室に向かいました。文化活動で自分を磨いている人は知識に溢れて魅力的です。社交ダンスも一度経験すればその良さが分かるといいます。体験は私達の活動領域を拡げてくれます。

【懇談】
 ある企業経営者を訪問。和歌山市議会の日程を確認しました。議会の雰囲気を体験したいので一般質問の日時が決まれば教えて欲しいと依頼がありました。付き合いのある勉強熱心な地方議員からのまちづくりに関する報告書を提供していただきました。行政区を越えて連携を深めるための協力をしてくれることになりました。良い施策があれば地域間交流を行なうことでお互いのレベルアップにつながります。

【リフレクソロジー】
 英国から来たフットリラクゼーションにリフレクソロジーがあります。足裏にある反射ゾーンとポイントを刺激することで、血液とリンパ、エネルギーの流れを活性化し人間が持っている自然治癒力を呼び覚ませてくれます。技術や施術の流儀はたくさんありますが、この分野で名前が響いているマキ・フジタさんから技術を習って和歌山市で施術しています。近々店舗を新築する予定です。
 和歌山市で健康予防をすることに意味があり、和歌山市で健康予防を図るための取り組みを行ってくれています。自分に投資した知識と技能を活用し和歌山市での普及を図りたいと希望を語ってくれました。
6月14日(火) 「指定管理者制度」
【指定管理者制度】
 指定管理者制度についての調査と懇談を実施。既に指定管理者制度を利用してNPO法人に委託を行なっている施設があります。ここではしがらみを除外し、民間活力を活用することを第一に考えて導入したものです。行政外郭団体の管理能力が高くNPO法人が劣っていることはありません。仮に外郭団体が優れているのであれば公募してコンペで優劣を争えば良いだけのことです。

 NPO法人も管理運営能力と当該分野に関する固有の専門知識があれば、民間企業や外郭団体などと同格との判断をしています。自主事業が可能で地域との連携を図れることが選定された理由です。既に1年前から指定管理者制度を導入した例があるため、今議会では思い切った提案が可能となっているように感じます。行財政改革を行なうためには地方自治法改正は絶好のチャンスで、これを活かす姿勢を示さないと行財政改革は絶対に断行出来ません。指定管理者の委託期間は3年から5年が標準的ですから、今回非公募扱いにすれば次回の民間活力導入の時期は早くても3年後となります。もう時既に遅しですから、仮にそのような判断をトップが行なうようなことがあれば、行財政改革意欲の限界を感じます。
 特に問題となっているのが団塊の世代の定年退職ですから、退職金がピークに達する2年後を考えても、今から指定管理者制度による公募を行い委託費の軽減を図るべきです。それをしないと問題の先送りと言わざるを得ません。

 どの地方自治体でも6月議会で公的施設を見直し公募を行なうための条例改正案が示されています。行政改革を進めている所や改革意欲のある地方自治体は、大半の公的施設を公募により委託先を決めようとしています。当たり障りのない所だけ公募を行い、後は現状維持を決め込むような形だけ取り組む姿勢を見せている所は、知る限りですが先進的な取り組みをしている地方自治体においてはありません。
 本気で取り組む姿勢を示している所が殆どですから、平成17年6月議会を見れば行財政改革に対する姿勢がうかがい知れます。
 民間組織は動向を注目しています。

【苦情への対応】
 市民の方から職員の応対に対する苦情がありました。問い合わせをしても情報を隠そうとする姿勢で、肝心なことはポイントをずらして明確に答えないことに対する不満が爆発して訪問してくれたものです。意見を提言してくれる人がお客さまだという感覚を持ち合わせていないことを語ってくれました。
 引き続いて大橋市長が掲げている「城より始めよ」に関する提案を行ったところ、検討することもなく即座に断られた事例がありました。中期的視点に基づいての提案でしたがあっけなく却下されたそうです。体系的だとは思われないような「城より始めよ」行事計画になっている点の指摘があり、本当に参画を求めているのか疑問に感じる旨の意見をいただきました。
 当局には、提言された意見に対して納得出来る説明責任を果たして欲しいものです。

【懇談1】
 ある経営者と懇談を実施。経営者として地方自治体としての和歌山市を見ると、縮小傾向に向かうだけで反転する兆しが見られないばかりか、反転させようとする意欲が感じられないことを伝えてくれました。つまり経常収支比率が高止まりであることから投資的経費がないことを理解しながらも、節約ばかりで投資にお金を活用しないと経済規模は小さくなるばかりです。
 投資的経費を少し使うと乗数理論が働いて何十倍にも波及効果が期待できます。ところが呼び水すらもなく、行財政改革も核心部分に踏み込めていないので期待は薄いとのことです。自前で投資的経費が調達出来なくても、活性化を図る施策があれば賄う方法は幾つでもあります。それをしないのは方策を知らないのか意欲がないのか、見えてこないようです。
 現状では打開策がなく厳しい状態が続くと覚悟を決めていますが、何とかして欲しいとの思いがあります。

【懇談2】
 夕刻、行財政改革についての懇談を実施。和歌山市が指定管理者制度を活用する意欲に欠けているような気がするとの意見です。和歌山県では事前に競争原理を大幅に導入する情報がありましたが、和歌山市からは示されていないことからの危惧です。半数以上の公的施設の公募するのか、それともしないのか、大橋市長が行財政改革を本気でする覚悟があるのか否か分かるので注目していると話してくれました。
 平成17年度予算では聖域を設けないでカットしているのですから、指定管理者制度についてもその姿勢を貫くのは同然ですし、当然それを期待しています。

【懇談会】
 夜は経営者3名と懇談の機会を持ちました。いずれも辣腕の社長ばかりですから勉強させていただく場となりました。成果主義や情報化社会といっても本当に大切なのは人とのつきあいであり、つながりであることを強調したいと思います。人を知るのと知らないのとでは後工程は全く違ってきます。一人で全てを完了させることは至難の業ですから、信頼出来る相手との協調活動が大切なことを知っておきたいものです。
6月13日(月) 「イベント打ち合わせ」
 午前中、今週案内するイベントの打ち合わせを実施。午後一番で、某社長と和歌浦振興策についての懇談。指定管理者制度についての問い合わせが二件ありそれぞれ応対しました。来年度から試行されるこの制度の行方と地方自治体の行財政改革への取り組みの真意が分かることから、市民の皆さんの関心毎になっています。
 本日開催された大橋市長以下関係者と庁外委員が出席した行政改革推進協議会では、指定管理者制度についても議題にありました。詳しい懇談内容の確認が取れていませんが、地方自治法改正に基づき手続きを進めているといったところです。
 市役所窓口で心身障害者の医療費についての確認を行ったところ、湖上に迅速で丁寧な応対で、対応の良い民間企業におけるお客さん応対と同様の感触を得ました。応対してくれる職員さんの印象が良いと市役所に対する見方も変わります。
 
【打ち合わせ】
 夏に実施する企画についての打ち合わせを実施。詳細を詰めているところですが、全国に発信できる内容のイベント企画です。日時と場所、関係者のスケジュール、予算の概算算出などの調整を行いました。1年間を要して事前調整を行ってきた結果、実現する運びとなった企画なので、未だ現実のものとなっていませんが私達の前には現実のものとして見え見え始めました。
 実施は平成17年8月前半ですから、作業の洗い出しと役割分担を明確にする作業に取り掛かります。和歌山市から全国、世界に向けて平和の意義と子ども達の未来をどう築いていくのかを問いかける、そして関心を高めるための仕掛けを検討中です。何もないところからスタートさせた企画ですが、私達の考えと企画案が主演者の意向と一致したことから、本年8月和歌山市からどうしても発信したいメッセージを読み上げます。
 発表できる段階になれば公表しますので期待して置いて下さい。

【指定管理者制度】
 夕方から指定管理者制度についての打ち合わせ。明日、先行して公的施設をNPO法人に委託している具体的事例について、導入までの経緯、管理運営体制などについての話を伺えることになりました。全国的にも難しいといわれてきた図書館、美術館、観光施設なども指定管理者制度を導入して民間委託をしている事例がありますから、余程の事情がない限り導入出来る筈です。和歌山市の公的施設に関しての調査を続けます。
 
【歳費】
 議員の歳費、特に政務調査費と費用弁償についての問い合わせが多くなっています。理由は、名古屋市議会における政務調査費の不正請求事件が起きたこと。名古屋高等裁判所で費用弁償についての判決が出され、それを受けて全国から地方議員が名古屋市に集まってシンポジウムを開催したことが取り上げられていることが要因です。
 それぞれの歳費を支出することについての根拠となるのが地方自治法です。
 政務調査費については地方自治第法100条に定められています。政務調査費とは、研修などの目的に対して各会派に対して交付される費用で、和歌山市議会においては議員一人当たり月額17万円が支給されています。
 議員に対する費用弁償は、地方自治法第203条の議会の規定に基づいて支給されているものです。和歌山市議会については本会議や常任委員会、特別委員会に出席した場合に一日当り8,000円が支給されています。
 この問題については別途掲載する予定です。
6月12日(日) 「慰問」
【慰問活動】

(三味線による慰問)
 高齢者福祉施設で長唄と三味線による慰問活動を行いました。入居者の方と近所の方達が集まってくれた中、約1時間一緒に音楽を楽しみました。舞踊、長唄、三味線では演奏の後一緒に唄う時間を取ったところ、次第に声が大きくなり屋内に響き渡りました。演奏会後は座ったままで簡単に実施できる健康体操を全員で実施、わずかな時間でも汗が流れる程でした。指先を動かす習慣をつけることで握力低下を防ぎ、きちんとお茶碗と箸を持つことで美味しく食べ物をいただくことが出来ます。日常の行動の中に簡単な機能を維持する動きを取り入れることで健康でられます。

 最後に入居者を代表して挨拶をいただきました。「今日を楽しみに待っていました。とても楽しい時間でした。私達は高齢者ですから健康に留意して長生きすることを希望にしています。是非再びここにお越し下さい」
 立派なご挨拶を受け満足感を持って帰路につきました。
 ところで三味線は生きもののようです。晴れた日は車中に20分も置くと三味線の皮が破れてしまう程気を使うものです。今日は雨の気配があり空気が湿っていたため、調整に時間がかかりました。気温や湿度、場所によって三味線のコンディションは変わりますから、

(入居者の方々)
準備のために早い目に演奏場所に到着するようにしています。
 わずかな時間の本番での演奏ですが、良いものに仕上げるために十分な時間を準備に費やしています。

【見舞い】
 終了後、過労のため入院された方を見舞いました。色々な世話役活動を行っているため少しずつ疲れが積み重なったようです。地元和歌山と東京支部における高校の同窓の準備と実施、大学の同窓会の準備、文化支援のためにも尽力を尽くしています。
 世話役活動は経済的には得をすることはないのですが、長年に亘って続けられています。今日も自分が入院したため動けないことで他の人へのしわ寄せを気にしていました。文化活動支援のため前売り券を知り合いに引き受けてもらうように依頼すると反応は様々であることを教えてくれます。出来る範囲で快く引き受けてくれる人がいる反面、ある団体のチケットを以前購入したのにそこに頼みに行くと断られたケース、自分の店の商品を購入してくれたら引き受けますと断られたケースなど、反応は様々なようです。
 小額であっても金銭が絡む問題は扱いにくいものですが、金銭とつきあいを天秤にかけられる場合が度々出現します。付き合いの程度や行事内容、その時の経済状態によって判断することになりますが、後々を考えると結構難しい問題です。
 ただイベントなどの主催を経験すると広報力と営業力がどれだけ重要で大変なものかが分かりますから、何かの引き受けを依頼されると相手の気持ちが良く理解出来ます。無理をしない範囲で引き受けるのが基本と考えています。ただ引き受けてもらって当然という態度であれば問題外です。
 同窓会は今月、文化活動は来月と期日が迫っている中での入院で焦りがあるようですが、気になることを抱えていると体にも影響しますから暫くゆっくりと休んでください。退院してからお会いすることを楽しみにしています。
6月11日(土) 「和歌山地域医療情報ネットワーク協議会」
【和歌山大学観光学部】
 早朝から和歌山大学観光学部設置に関する打ち合わせを行ないました。先の6月9日、和歌山大学の小田学長と和歌山商工会議所女性会のメンバーが文部科学省を訪れ「和歌山大学観光学部の設置について」の要望書を読み上げ手交してきました。
 文部科学省からは高等教育局担当の徳永保審議官と高等教育局国立大学法人支援課長の清水孝悦氏の二名の方が、要望書と15,000名からの署名を受け取ってくれました。少子化の中新規学部の設置は厳しいものがありますが、関係者と地元からの要望により受け入れる状況を作り始めています。観光産業に従事する人材を育て観光産業を分析、提案出来る人材を新しい観光学部で育成することで、和歌山県はもとより国の観光振興に寄与することが要望の骨子です。宛名の中山成彬文部科学大臣にも熱い要望は伝わっている筈です。
 その後、二階代議士、竹中大臣、世耕参議院議員、鶴保参議院議員にも挨拶を行い観光学部設置についての協力を求めています。学部と学科の折衷案も出てきているように計画は前向きに進むことを期待しています。
 
【和歌山地域医療情報ネットワーク協議会】
 和歌山県で保健医療の地域連携を行い、保健医療の質的向上を目指す新しい協議会が誕生、本日は設立会合に参加しました。
 基調講演は札幌医科大学辰巳教授、事例発表は和歌山県情報政策室の高田課長から「わが国と和歌山県の情報政策動向」について、和歌山県立医科大学臨床検査医学の森教授から「医療情報ネットワークと遠隔病理診断」について、伊都医師会小西先生から「ゆめ病院の現状と課題」について、サイバーリンクス道本氏から「一人の患者から見た医療情報」についての4件がありました。

 辰巳教授は情報によって病気を治す考えを持っています。薬は、草を飲んで楽になることから薬と名づけられています。ITを草冠にするとITで楽になるので薬になるとした上で、
医療機関からワンクリックで適切な情報を個人に提供するとこで病気にならない、つまり予防するしくみを検討しています。
 情報で病気にならないとは考えられないと思いますが、情報の威力は凄いものがあります。インターネットに書き込まれた文字で、自殺者が出る、他人を傷つける、犯罪心理が働くなど、既に文字によって影響を与える事例は幾つでも社会で現れています。文字により人が動かされる社会状況があり、情報によって人は動くこと、心理的変化を与えることは不可能ではないのです。

 またインターネット禁煙マラソンにより生活習慣病を改善している事例もあります。アメリカの禁煙プログラムの成功率が約30パーセントですが、インターネット禁煙マラソンによると約70パーセントの成功率になっているようです。このようにITを活用することで病気の予防にもつながる場合もあります。単に情報提供だけではなく、励ましのメールやインターネットを通じて禁煙に成功した人からの激励などがあり、孤独な状況に追い込まれないことも大きな要因です。
 インターネットと行動科学理論が上手く組み合わされた事例です。
 このように生活習慣病を予防するための情報を、個人の健康状態に応じて適切に提供することで病気を治すことも可能だとするものです。情報によって病気を治す時代は20年後位には訪れているかも知れません。
 文字には威力があることを再認識出来ます。
6月10日(金) 「指定管理者制度」
【指定管理者制度】
 行政分野の学識経験者と懇談する機会を得ました。ある中核市において行財政改革に関する懇話会委員の経験がある方ですから、和歌山市以外の進捗と考え方に触れることが出来ました。論議のテーマは指定管理者制度と地方自治法改正についてです。
 指定管理者制度は平成15年9月に改正地方自治法が施行されたことにより、公的施設の管理運営の委託を民間企業、NPO法人などに任せることが可能となりました。むしろ民間の所有する能力を活用すること、行政サービスの向上を図ること、経費の削減を図ることが目的になっていることから、競争原理を導入して複数の公募をすべきです。従来、公的施設の管理を任されていた地方公共団体が出資する団体も公募に応募して、コンペで競い合うことにより税金で賄われている経費削減と行政サービス向上を図ることになります。
いずれにしても公募で競争することが原則ですから、公募をしないで従来から管理を任されていた地方公共団体が出資する団体に委託することは、法の精神に反するものです。非公募にするための理由は余程の個別事情がない限りありませんし、下手な理由を取り繕うのであれば市民から痛烈な批判に晒されます。

 和歌山県の指定管理者制度は 41施設の内25施設は公募対象となっています。非公募の16施設は知的障害者援護施設を初めとする施設、児童福祉施設など、子どもの立場を考慮すると誰が見ても代替が難しいものに限定されています。それ以外は全て公募ですから行政改革に挑む施設が強く現れ、何人かに聞いても強く支持されています。
 和歌山市の対象施設はどこになるのか未だ知りませんが、和歌山県と同様に改正地方自治法の主旨に沿ったものとなる筈です。何故なら平成16年度一般会計決算で8億円の赤字となり行財政改革は待ったなしの状況にあるからです。大きな改革のチャンスに保守的な考えは持たないと考えるのが自然ですし、それ以外の選択肢はありません。
 今回当たり障りのない公的施設だけを公募するなど全体に影響を及ばせないと、地方自治法が改正された意味がありませんし、非公募にするだけで外郭団体の存在意義はなくなってしまいます。行政サービスと料金面で民間との競争に耐えられない団体を市民が支持する筈がないからです。

 和歌山市の場合、基本的に行財政改革は全ての施策を一律数パーセントのカットを全体として精査する方針を取っています。これは一件、行財政改革に取り組んでいるように見えますが本質は異なります。個別の施策にメスをいれて、必要なものはカットしない判断をする、既に当該施策に対して時代の要請がなくなったり、補助金を支出していた当時よりも当該団体が自立しているなど、補助金が不必要となっているものについては思い切ってカットする判断をするのが行財政改革の本質です。個別の問題に踏み込むことで初めて本質に触れ責任を持った判断が可能となります。
 一律数パーセントのカットは一番楽な方法です。何故なら、団体や市民に対する説明は「一律カットです」の一言で済んでしまい、反論を聞く姿勢にならないからです。つまり責任逃れの姿勢に過ぎないのです。
 個別事情に踏み込んで個別に必要性を判断することが行財政改革の本質です。

 参考までに和歌山県が指定管理者制度を導入するだけで財政削減は1年間で約9億円と見込んでいますから、大きな改革となっています。実際に公募となると更に経費削減になる事は確実です。
 
 もうひとつの地方自治法改正の大きな課題は、機関委任事務制度が廃止されていることです。かつて地方自治体は国の方針に従うだけで仕事になっていたので仕事は楽でした。何も考えなくても良かったからです。問い合わせがあった場合、県や国に聞き見解と判断を求めたら仕事になったので考える力は必要なく、従来通りのことを出来る人材であれば事なきを得た訳です。
 或いは他の中核市の事例を調査し「他の中核市でもやっていますから」と一言返答すればそれ迄で、考える必要もなかったのです。
 ところがその全体と成っていた機関委任事務が既に廃止されているのです。
 今まで通りか他の事例を調査するのかの選択肢が仕事の基本になっていたのですが、これらを無条件に受け入れるのではなく、自分の頭で考えることが大切になっています。細かいことを知っているのが自負であり誇りでしたが、今の時代は新しい事例や制度を考えて作ることが仕事上の誇りとすべきです。
 法改正に基づく市事と意識の変化が必要です。

【松本上人】
 夕方、松本上人を訪問。いつも大変忙しい方なのですが、奇跡的に在宅していたため懇談の時間をとっていただきました。本業以外にも文化活動、和歌山市の歴史に関する活動、青少年支援活動など行っている和歌山市に欠かせない要人です。
 いつもお会いする度に心に残る言葉をいただいています。今日は、見えない相手のことを思うならば目前の方に感謝される行動をしなさいという教えです。その心を私的ですが解釈します。

 故人のご冥福をお祈りする場合、故人が相手だと気持ちを込めないで形式的になることを戒めるものです。故人がお参りに来てくれた私達を見て、どう感じているのかは現実世界に生きている私達には分かりません。私達は故人がどう感じてくれているのか分からないかも知れませんが、目の前にいる方達に対して故人から生前に恩を受けた感謝の気持ちを心から伝え、当方の想いを分かってもらえたなら、故人は例え別の世界にいたとしても感謝してくれるというものです。

 目前の人に感謝の気持ちを伝えられないでいては、故人に気持ちは伝わらないと考えるべきです。お世話になった故人との思い出話や功績を、時には語ることで感謝の気持ちはより伝わります。見えない相手に対して気持ちを伝える場合は、その方と関係する人に対して感謝の気持ちを示したら良いのです。
 この考え方は故人に対してだけ通用するものではありません。遠くにいて中々会えない人に対して、或いはお世話になった人の関係者に対して、付き合いのある人と同様の態度で接することで、直接ではないけれども本人に感謝の気持ちは伝わるのです。
 素敵な教えを皆さんにも共有していただきたいと思います。

【懇談会】
 夜は和歌浦で宿泊しての懇談会、7時に集合して交流を楽しみました。和歌浦の景観は素晴らしいものがあります。観光客が少ないのが残念ですが、最近は古い建物が取り壊され次の計画があるところも出てきています。和歌浦再生、目指したいものです。
6月 9日(木) 「防災対策」
【和歌山地方裁判所にて】
 日常生活上で余りなじみのない場所なので裁判所は独得の雰囲気があります。本日はたくさんの案件があった様子です。離婚や借金などの調停では、希望通りにはいかなかったものの最低限の条件回答が得られてうれしい涙を流している人もいました。条件よりも早く解決して相手との関係を終えたいと思っている人が多いように感じました。
 日常生活では事件に出会うことは稀ですが、裁判所では事件が日常茶飯事ですから感覚が異なります。ここに来ると、私達の生活に法律が密着していて如何に必要不可欠なものであるかが理解出来ます。
 法的知識は安全な暮らしのために必要な武器となります。知らなくても良いのですが、知ることで生活の幅は拡がります。

【NPO打ち合わせ】
 夏日になったような気がする暑い一日だったため、夏に向けての企画案を話し合いました。夢と話題性のある企画がたくさんあるので実現させるのが楽しみです。この活動で感じることは、恵まれない立場の方達に何か出来ることはないかを考えている人が多いこと、社会貢献意欲を持っている人が多いということです。ボランティアやNPO活動が定着して数年経過したため、少しずつですが意識の中に定着しているような気がします。地方自治体もNPO法人の力を認める時期に差しかかっています。

【防災対策打ち合わせ】
 和歌山市の防災対策について打ち合わせを実施。約3時間に及び内容の濃いものになりました。和歌山市に住む人達の間では、東南海・南海地震に対する危機意識が高まっています。各地で自治会単位の取り組みも始まっていますし、防災担当箇所が支援している体制が確立しつつあります。
 お金をかけると設備は更新出来ますし、システム構築や対策案は委託することでより高度なものに仕上げることは出来ますが、平成16年度の和歌山市一般会計は赤字決算でしたから、十分なお金を投入出来る常態ではありません。そこで職員さんは勤務時間終了後、各地に出向いてほぼ連日防災講演会を行なっています。お金を必要としない取り組みで、しかも直接話し合うことで効果的なものになっています。きれいなチラシを作成して配布するよりも直接対話する方が効果的です。

 防災に関する職員さんの意識は高いものがあります。先週末の休日、和歌山市では震度3の地震が発生しました。特段の被害はなかったのですが、揺れを感じた時に職員さん2名が職場に出て情報収集に務めていました。出勤したことを誰に話すわけでもなく当然のように自主的に出勤をしたもので、上司の指示があった訳ではありません。このように使命感に燃える若い職員さんが育っています。

 誰も見ていないようで必ず見ている人がいますから善意の評判は必ず伝わります。後日、上司の方が労いの言葉をかけたのですが、上司と部下、どちらにとっても嬉しい出来事でした。地震が発生すれば出勤は当然のことというのは容易いのですが、中々出来るものではありません。市民の安全を守る職場では責任感に溢れた職員さんが勤務しています。このような行動を取れる公務員がいることで私達は安心感を味わうことが出来ます。安心感を提供することは何よりも大切な行政の仕事です。

 責任感があり部下への配慮のある上司の下では、同じような性質の職員さんが誕生します。これが次の時代にも受け継がれて文化となり、組織の文化は変化していきます。危機感を感じることから明るい兆しが見え始めています。
 さて本日は、災害に備えての連携方策についてと携帯を利用した情報提供についての計3件について協議を行ないました。いずれも初めての取り組みとなるもので実現すれば話題性があります。
6月 8日(水) 「花壇管理」
【花壇の出来事】
 JR和歌山駅前に市が管理している花壇があります。この場所をボランティア団体が月2回朝7時から苗木の手入れと季節に応じた植え替え、そして水遣りを行なってくれています。ロータリークラブからの支援もありますが、数年間ボランティアで管理をしています。本来は和歌山市が委託管理をする程の仕事量がありますが、和歌山市の玄関口を綺麗に保ち和歌山市を訪れる人を迎えたいとの想いから実施してくれています。
 今日植え替えを行い水の噴射しようとしたところ、水を噴射するためのパイプ二箇所が車に当られた様子で使用出来なくなっていました。駅前の花壇を管理しているのは和歌山市から委託を受けている会社があり常駐しているため、ボランティア団体の方が使えない旨を話したのです。ところが管理者からは「管理は和歌山市ですから私は分かりません。市に問い合わせて下さい。私は管理を任されているだけで責任はありません。」との回答。 

 全て責任逃れの態度でボランィア団体の人は立腹してしまいました。委託内容と費用は調査しないと分かりませんが、駅前の管理部分の何の委託を受けているのでしょうか。
 市に確認のため電話をすると「担当者は不在ですから分かりません。」と対応は他人事。現場でもめているため、担当の名前を確認し席に戻り次第電話をくれるように依頼したのが10時頃ですが、12時10分前になっても電話が入りません。再度市に電話をして担当に電話をつないでくれるようお願いすると、席にいるではないですか。現場で市民と委託会社がトラブルになっていて責任の所在が和歌山市にあると言われているのに、平然としている態度は納得出来ません。

 話を詰めていくと、水栓が壊れていることは一ヶ月前に確認出来ているのですが部品がないため改修出来ないままになっていました。直せないのは仕方ありませんが、管理を委託している会社に伝えておく必要があります。管理を受けている会社は何も分からないまま「管理」をしているのです。
 改修する意向はあるようだったので「安心」しましたが、部品が納品され改修出来る時期は未定です。毎月このボランティア団体は花壇の手入れをしてくれていますから、来月までに改修出来ていないと再度トラブルに発展します。市に対して改修時期が決まり次第連絡をしてくれるように依頼しましたが、問題を放置されると市の信頼は失墜します。小さい問題かもしれませんが、小さい問題への対応の是非が市に対する市民からの信頼を決定します。信頼があるから仕事を任せられるのですが、どうやら問題認識に欠けているようです。

 ボランティア団体は「市長は人も動物も生命を大切にすべきだといっています。花も言葉は話しませんが生命を与えられています。その花に水がやれない状態を知っていながら放置しているのでは、生命の大切さを分かっていないと思わないではいられません。市の職員にその想いを伝えないで掛け声だけで市政担当出来るのでしょうか。」と厳しい意見を述べています。

【まちづくり】
 昼間、まちづくりに関する会合。相手は全員30歳代の経営者、関西圏で地域作りの調査、提言を行なっているコンサル会社社長、学識経験者の方々です。企画を作成する立場、それに基づいて市場調査を行なう立場、そして実践する人が揃うと新しい何かが誕生します。
 市場からの要求が高度化している状況において、一人で全てを行なうのと分業化を図るのとでは効果が違います。勿論、企画全体の流れを鳥瞰する立場の人の存在も不可欠ですが。優れた企画はやる気のある専門分野を持っている人達が集まった中から誕生することが場の空気から実感することが出来ます。

【NPO打ち合わせ】
 NPO法人の当面の活動方針について打ち合わせを実施しました。和歌浦と熊野のビジネスチャンスを拡大し、自然環境を維持しながら地元に価値に見合った投資とビジネスをしてくれるところの参画まで求める必要があると認識しています。企画案を描くだけでは何も進展はありませんし、優れた企画であったとしても実施主体が存在しないと価値はありません。
 NPO法人の目的は様々ですが、実施主体となるべき部分と、まちづくりに関しては行政と企業などの触媒として活動する役割もありそうです。
6月 7日(火) 「指定管理者制度」
【打ち合わせ】
 早朝から打ち合わせをひとつ。活動している中で新しい課題が見つかり解決するために新たなNPO法人を設立することに決定しました。課題を発見して自分達の知識と行動で解決出来る見込みがあればアクションを起こすことが必要です。活動の母体とするのは案件にもよりますがNPO法人が適しています。
 それは個人で活動しても拡がりがないこと、社会的信頼が十分に得られないことがありますが、最も魅力的なのは法人格を持つことで得られる活動領域の拡がりが大きな利点になることが挙げられます。
 現在設立に向けて動き出しましたが申請段階のため、活動分野や名称については後日明らかにします。
 続いて熊野の特性を活かした取り組みについての打ち合わせ、衛生的な調理の指標であるHACCPと品質管理のISOを融合させた新しい資格が誕生することから、和歌山県で初めての取り組みを目指すことの確認を行ないました。熊野での取り組みも新規の取り組みも目指すフィールドは世界レベルです。
 その後、週末の和歌浦の海を眺めながらの懇談会についての打ち合わせも行ないました。

【さをり】

(TSUNAMIブランド)
 今ではさをり織りは世界40カ国に広がっています。2004年に発生したスマトラ沖大地震の支援活動のために「TSUNAMI」ブランドを作成し、収益金の一部は震災被害のために活用されています。声を上げたのは被災地に近いタイ国プーケットからでした。世界中に、さをり織りプーケット支部から「TSUNAMI PROJECT」の取り組みの輪が広がっています。
 さをり織りは簡単に導入できるうえ、技術には奥深さがあるため生涯を通じて取り組めるものです。さをり織りは毎年、高齢者や障害者の方にも体験してもらっています。
体験されたある社会的にひきこもっていた方は、自分の作品を着てファッションショーのステージに登場することで自信を持つことが出来たとも聞きます。ひとつのことに取り組み、一段高いところに上る経験は自信を植え付けてくれます。
 今年も引き続いて障害者の方々を招いてファッションショーを開催する予定です。精神的に落ち着けて自信を持たせることが可能な手段がさをり織りです。多くの人が交流出来る場として愛・地球博瀬戸会場でもファッショライブを行ないます。
創設者の城みさをさんは57歳の時に手織り機を自作し手織りを始め、今では世界が活動の舞台になっています。57歳から新しいことに取り組む姿勢は見習うべきものがあります。
 そして誰でも自由な発想で取り組めて、作品としての形に仕上がり精神的にも満たされるさをり織りは海が広がる和歌山市の環境に適しています。 この地からさをり織りの更なる可能性を発信させていきたいものです。

(さをり織り)

【フリーペーパー】
 平成17年7月、和歌山市に新しいフリーペーパーが誕生する予定です。今までの分野と狙いが少し異なっている点に注目です。両面とも表紙の作りで、左と右で違うタイトルがつけられています。従って掲載される情報はどちらからページを開くかによって違ってきます。64ページの季刊誌となります。

【指定管理者制度】
 指定管理者制度導入の考え方と取り組み姿勢についての打ち合わせを行ないました。
 和歌山県では指定管理者制度の対象とする公的施設を公表しました。導入を予定している施設は何と41施設で、県営住宅を除く殆どの施設が対象となります。導入に当たっては基本的に公募が原則で既得権がなくなります。導入時期は全て平成18年4月年度始めからの予定となっています。そのため平成17年6月議会で条例改正と債務負担を提案する予定で、7月には募集開始と候補者を決定します。平成17年12月議会で指定管理者の議決を図り、平成18年1月に協定を締結、同年4月から指定管理者による施設管理となります。
 改正地方自治法では、平成18年9月2日までに指定管理者制度を導入することになっていますが、和歌山県では年度途中からだと契約が混乱することから平成18年度当初からの開始を目指しています。
 質の高いサービスと経費削減を目指して前向きに取り組む姿勢を表明しています。
6月 6日(月) 「社会的ひきこもり問題を考える」
【通学路】
 道路行政に詳しい方と通学路の安全確保について現場調査を行ったうえ懇談を実施。子どもの通学する環境は私の小学校自時代と比較して格段に危険箇所が増えています。その中でも通勤車と通学する歩行者との道路活用の住み分けが不十分な点が問題と思われます。完全に区分させたレーンであれば問題は発生しないのですが、それは現実的ではありません。道路は便利な公共空間ですから誰でも利用することで便益を享受出来ます。
 歩行者の安全確保を考えるため通学路を歩くと気づくことがあります。費用の問題もありますから、安全対策として費用を安価に仕上げるための方策も視野に入れて話し合いました。お金をかけなくても出来る対策から順位付けを行ってから当該機関と話し合う機会を設けることにしました。
 通学の時間帯だけスクランブル交差点にすること、横断歩道の色を濃くして運転手の注意喚起を行なうことなどが挙げられます。点検を実施したので対応策を提言していきます。

【社会的ひきこもり問題を考える】
 NPOおはなしカフェで「社会的ひきこもりからの一歩」の話を伺いました。ひきこもり支援をしている作業所エルシティオと、ここから社会的ひきこもりを脱して現在大学に通学している方からの体験に基づく話でした。
 社会的ひきこもりでも自分で何とかしようとする人は周囲との協調が出来ますが、表面に出てこない層が問題となります。知らない間に引きこもっている場合が多いようなので、最初は親や友人が鍵を握っています。そのうち何とかなるだろうと思っていては悪化するだけで解決に向かいません。親子であっても向かい合うのは、経験しないと分からない程辛いものであることは理解します。 
 社会的ひきこもりの経験のある方と話をする中で、経験者からすると辛いのは、両親を含めて周囲の人に心情を分かってもらえないこと、そして両親に迷惑をかけていることだといいます。自分でも社会的ひきこもりの状態では駄目だとわかっているのに、どうしようもない心理が辛いのです。最初は何とかしなくてはと苦しむのですが、その状態が続くと社会的ひきこもりの状態が平気になっていきます。こうなると中々抜け出せなくなります。

 抜け出すための処方箋はありませんが、自分で能動的に動く意思を持つこと、失敗を繰り返させてもらえる場所があることが、そこから脱出するために必要な要素です。失敗を寛大に見てくれる仲間がいることが大きな力となりそうです。
 社会的ひきこもりが難しいのは、年齢にもよりますが福祉と教育の間に位置する問題でもあり抜け落ちる恐れがあることです。社会的ひきこもりは全国で30万人ともいわれていながら実態が把握しきれていないのは、明確な体制がとられていないことも原因のひとつです。

 実態を把握しようとしても難しいのは、ひきこもっている人は表面に出てこないため実態が分かりにくいことです。プライバシーの問題、個人特有の問題でもあり、行政機関として一般的な対応が難しいことも挙げられます。それならば実際に社会的ひきこもりに関わっている関係者から意見提起をしていくことが求められます。行政が何かをしていれるのを待つだけではなくて、課題を突き上げることが事態を好転させる唯一の方法です。
 ただ一方ではデリケートな問題でもあり、社会全体としての観点と個人としての観点を考えたうえ、妥当なバランスで両立させる必要があり、これも難しいところです。実態を知って先行して取り組んでいる団体が、個人の保護を確約したうえで行政機関と協議することが必要と感じました。
6月 5日(日) 「50対50」
 社会における50対50をどう考えるのか。当然のことながら50対50ならその分野は変わりません。ところが少しバランスが崩れると流れは変わります。それは10対90でなくても50.1対49.9で良いのです。0.1の差がどれだけ大きいのか気づくと方に力を入れなくても良さそうです。
 均衡している50の状態なら絶対に今のままで価値観は変わりません。ところが0.1だけ動くとその方向にベクトルが動き始めますから、少しずつでも社会は動き始めます。
 もっと変えるためには49対51の割合を51対49に変えると良いのです。ベクトルの向きは逆方向に変わります。逆方向に変わると常識が覆ることを表します。
 地球温暖化に歯止めがかかっていませんが、それは私達が内心、生活の豊かさに価値を置き地球温暖化問題への関心はその次にしているからです。
 この事例を分かり易くするために二つに分類すると鮮明になります。「生活の豊かさ重視」<「地球温暖化問題重視」と考える人が50%を超えているとベクトルは「→」となりますから、地球温暖化は解消されることなくより深刻な方向に向かいます。

 ところが、「生活の豊かさ重視」>「地球環境問題重視」と考える人が50%を超えるとベクトルは「←」と左方向に向きを変えるため、地球温暖化は確実に解消する方向に向かいます。
 地球温暖化の問題を例にとりましたが他の分野でも同じです。
 凶悪犯罪が増加していることから刑法を改正して、犯罪に対する刑を統一すべきか否かについての問題です。「どちらかと言えば」や「やや」といった表現でもはっきりと「犯罪抑止のために行為は無視して結果で判断すべき」か「結果が同じでも犯罪に至る行為に応じて刑量を検討すべき」のどちらかに区別します。
「犯罪抑止のために行為は無視して結果で判断すべき」>「結果が同じでも犯罪に至る行為に応じて刑量を検討すべき」となれば結果無価値論となり、犯罪を犯したら全て画一的な刑を適用する方向に向かいます。人の気持ちや精神状態を考慮しなくても良いので被害者から見ると公平な刑の確定が期待出来ます。
 逆に、「犯罪抑止のために行為は無視して結果で判断すべき」<「結果が同じでも犯罪に至る行為に応じて刑量を検討すべき」となれば行為無価値論をとり、犯罪を犯しても加害者の心理状態や境遇を考慮することになり、同じ犯罪であっても刑に軽重が発生します。そのため、被害者にとっては納得出来ない判決が下されることも出てきます。

 このようにベクトルが「←」から「→」に変わると社会の価値は一変します。向きが変わるためには圧倒的な人数が必要ではなく、一人だけでももう一つの価値を上回れば、価値の向きは変わり始めます。
 一つの差で天と地ほど境遇が変わることを実感出来る例があります。大相撲本場所での8勝7敗と7勝8敗では全く違います。前者だと次の場所で地位は上がり、後者の場合は次の場所で地位は下がります。
 ボクシング世界タイトルマッチが判定に持ち込まれた時、110対109か109対110では人生は違ったものになります。たった1ポイントの違いで世界王者になるか、栄光に無縁のまま終わるかが決定されます。
 このように考えると、大きな仕事をするためには大多数の同意が必要ではなく、一人ひとりを説得していく作業が重要であることに気づきます。大勢の価値観を変えるのは至難の業ですが、周囲の一人と価値観を共有するのは気の遠くなるような作業ではありません。
 まず話が通じる隣の人と話し合いを始めることから、固定されているような錯覚をしているこの社会は変わります。
6月 4日(土) 「和歌浦の文化」
 和歌浦は文化の宝庫です。一般的には万葉集に謳われた和歌(724年)が有名で、和歌浦には「万葉の昔から・・」と形容されることが多くあります。しかし遠い昔だけではなく、近代でも多くの人に愛された地域でもあります。江戸時代の松尾芭蕉、明治時代の夏目漱石も和歌浦を訪れています。

(和歌浦から四国を見渡す
夏目漱石の歌碑)
 夏目漱石は明治44年(1911年)8月14日、45歳の時に和歌浦を訪れている記録が残っています。万葉の時代の出来事ではなく、夏目漱石の訪問月日が残っていることを知ると、和歌浦が更に身近に感じることが出来ます。夏目漱石は多くの俳句を残していますが、和歌浦に関して詠んだのは次のふたつです。
「涼しさや 蚊帳の中より 和歌の浦」
「四国路の 方へなだれる 雲の峰」
 和歌浦の山頂から、和歌浦の海や四国を眺めて謳ったものです。夏目漱石が訪れた明治44年8月14日は海が穏やかで涼しい一日だったそうです。

宿舎の蚊帳から海を眺めている様子が浮かんできます。ところが翌15日は一転して海が大荒れになったことまで分かっています。
 夏目漱石が和歌浦でエレベータに乗りましたが、当時エレベータは東京にもなく驚いたともいわれています。明治時代、和歌浦は景勝地でもあり観光設備が整った先進地でもあった訳です。
 夏目漱石の孫である半藤未利子さんは、平成の時代になって和歌浦を訪れ同じ海を眺めています。

 松尾芭蕉が残している俳句は「行春に わかの浦にて 追付たり」です。

(夏目漱石の歌碑)
 当事、松尾芭蕉は大和の国から和歌浦に向かいました。一方季節は冬から春に向かっていて、暖かさは和歌浦から大和の国に向かったのです。松尾芭蕉は旅の途中、和歌浦の地で春になったことを示しています。
 松尾芭蕉の俳句集は「奥の細道」が有名ですが、関西を訪れた時に詠んだ俳句集に「笈の小文」があります。和歌浦に関する俳句もここに収められています。和歌浦を訪れた1688年、時に松尾芭蕉45歳でした。
 不思議なことにふたりに共通しているのは、和歌浦を訪れたのが45歳の時で、死亡したのはその5年後の50歳の時だということです。

 松尾芭蕉と夏目漱石という二人の巨人が和歌浦を訪れて、その素晴らしさを俳句として残していることは今尚全国に誇れるものです。和歌浦に関わりのある私達は、その歴史と文化を知り、学び、次に伝えていくことが努めです。
 そのためには夏目漱石を読む必要があります。文学は読む努力をしないと身に付きません。文語の小説は読みにくく、私も読んだことがあるのは「吾輩は猫である」と「坊ちゃん」位なので言える立場にないのですが、夏目漱石の文学はきれいな日本語で書かれていて日本人にとって不可欠なものです。ところが夏目漱石は国語の教科書から姿を消しつつあると聞きます。難しいから省くでは能力は高まりませんし、継承するものがなくなるのは寂しいものです。
 和歌浦を愛するある方は和歌浦に関する俳句を暗記しています。暗記するほど読み込んでいるから和歌浦の良さが分かるのです。ここを訪れた偉人が感じた和歌浦の風景を自分のものにするためには、残した俳句を覚え身に沁み込ませる努力も必要です。自分の言葉で感じるだけではなく、素晴らしい言葉で表現された文化を学ぶことで和歌浦を深く感じることが出来ます。
6月 3日(金) 「紀州レンジャー」
【屋外広告物法】
 まちの景観を保つために公序良俗に反するビラなどを即時に撤去出来ないものか相談があり、和歌山県には法律の適用確認を、和歌山市には条例の内容確認を調査し見解を得ました。これによると即座に撤去出来る方法があります。
 平成16年6月に屋外広告物法が改正され、違反に対する措置に対しては次の条文があり適用出来ます。

屋外広告物法第7条4項
 都道府県知事は、第3条から第5条までの規定に基づく条例(以下この項において「条例」という。)に違反した広告物又は掲出物件が、はり紙、はり札等(容易に取り外すことができる状態で工作物等に取り付けられているはり札その他これに類する広告物をいう。以下この項において同じ。)、広告旗(容易に移動させることができる状態で立てられ、又は容易に取り外すことができる状態で工作物等に取り付けられている広告の用に供する旗(これを支える台を含む。)をいう。以下この項において同じ。)又は立看板等(容易に移動させることができる状態で立てられ、又は工作物等に立て掛けられている立看板その他これに類する広告物又は掲出物件(これらを支える台を含む。)をいう。以下この項において同じ。)であるときは、その違反に係るはり紙、はり札等、広告旗又は立看板等を自ら除却し、又はその命じた者若しくは委任した者に除却させることができる。ただし、はり紙にあっては第1号に、はり札等、広告旗又は立看板等にあっては次の各号のいずれにも該当する場合に限る。
1. 条例で定める都道府県知事の許可を受けなければならない場合に明らかに該当すると認められるにもかかわらずその許可を受けないで表示され又は設置されているとき、条例に適用を除外する規定が定められている場合にあっては当該規定に明らかに該当しないと認められるにもかかわらず禁止された場所に表示され又は設置されているとき、その他条例に明らかに違反して表示され又は設置されていると認められるとき。
2. 管理されずに放置されていることが明らかなとき。

 従来は、電柱などに第三者から勝手にビラを貼り付けされても除去するには警告を行い所定の期間を経ないと撤去出来ませんでした。管理者が取り除きたいと思っても簡単にはいかなかったのですが、法改正によりビラ程度なら物件の管理者は予め県の委任を受けておくことで撤去出来ることに変更されています。
 まちの景観を害するようなビラを即時に撤去することで、住みやすく子ども達に悪影響を与えない空間を築くことが出来ます。是非、この屋外広告物法を活用したいものです。

【紀州レンジャープロジェクト】
 紀州レンジャープロジェクトとは、和歌山県とNPO法人が協働し、県を代表する特産物から生まれたキャラクターである紀州レンジャーを活用することで、環境保全、物産振興、観光振興、地域など、和歌山県の認知度を高めるトータルプロモーション事業です。
紀州レンジャーとは、和歌山の素晴らしい自然や環境を守るため県を代表する特産物から誕生した正義の味方なのです。
 登場した背景は、刻々と汚染されつつある和歌山県の自然を嘆いてのものです。大気汚染や海洋汚染、それに不法投棄。心ない観光客によるゴミの投棄など、その要因は様々ですが、これらは和歌山県の財産である自然、海や山、空気までを確実に蝕んでいます。
 そこで紀州レンジャーは、県民と和歌山県を訪れる観光客の人々に自然を守ることの大事さと尊さを伝え、共に力を合わせて和歌山県の自然を汚す敵と戦うために生まれました。
 発足時のキャラクターは、みなべ町を代表してリーダーのウメレンジャー、太地町のクジレンジャー、有田市のミカンレンジャー、有田市のタチレンジャー、川辺町のスミレンジャー、湯浅町のキンザンジミソレンジャー、新宮市のメハリズシレンジャーの7人です。
 和歌山県を代表する産品が和歌山県の広報活動を行っていく予定です。
 本日は紀州レンジャーを誕生させたデザイナーの馬場淳夫さんとお会いしました。今後の広報活動の打ち合わせのため大阪から和歌山市に来てくれました。馬場さんの趣味は海釣りで、和歌山県には週に何度も訪れるほどの和歌山県ファンです。そこで和歌山県の自然環境を後世に伝えるため紀州レンジャーを生み出したのです。
 和歌山県を代表する各地の代表選手達が活躍の場を全国に求めて活動を開始しますからご期待下さい。

【福祉の取り組み】
 福祉に関して若い力を結集して活動を開始しようとしています。若い人達が福祉分野に進出している姿は頼もしいものです。地域特性を踏まえて分野を超えた連携を取りながら企画を立てています。伸び行く力の輪に入ることで活力を得られますから、互い持ち場で力を発揮して活動範囲を拡げたいものです。
6月 2日(木) 「NPO法人講演会」
【相撲談義】
 元アマチュア横綱の方と懇談の機会を持ちました。和歌山県は相撲王国で、今秋に和歌山市内で全国実業団相撲選手権大会を開催予定となっています。盛り上げ方を含めて打ち合わせを行ないました。
 この方は元横綱輪島の先輩で稽古をしたことがあり、元大関貴ノ花とも稽古場で一緒になったことがあるそうです。元貴ノ花の二子山親方が先日、若くして死去しましたが、非常に腰に粘りのある素晴らしい関取だったそうです。現在の相撲界では貴ノ花のような相撲を取る力士は見ることが出来ません。昨夜深夜に放映していた追悼番組では、横綱輪島と大関貴ノ花の関脇時代、大関への昇進をかけた一番を流していましたが、お互いに細い体なのに強い足腰で凄まじい攻防を見せていました。確かに今では見ることが少ない攻防でした。
 かつて一緒に稽古をした経験から天才輪島と努力の貴ノ花と表現していましたが、真面目で礼儀正しい関取だったそうです。若くしての逝去残念です。

【土曜授業打ち合わせ】
 和歌山市内の公立小学校では、土曜日に社会人や地域の方々が講師になっての教室への参加を呼びかけています。通常の教室では学べない文化や芸術に長けた方が講師になって勉強の機会を提供する取り組みです。日本の伝統文化を学んでもらえるような方法を話し合いました。単発で終わるものではなく、目標を持てるもので継続性のある学びの機会を提供出来るよう考えています。

【モラル】
 最近、公務員の不祥事が報道されています。この問題に関して公務員の方と話し合いを行ないました。表面化する事例は様々ですが、根本は公金を取り扱っている意識が薄いことに起因しています。経営努力をしなくても収入があるので経営感覚に乏しいこと、基本的に税金は給与からの天引きか引き落とし、または振り込みなのでいただいている意識が低いことに行き着きます。
 平成16年度の和歌山市長の交際費は約300万円です。最も和歌山市長交際費が多い時期では2,500万円程度だったと聞きますから大変な倹約です。大橋市長は、交際費といっても市民の方々から預かっている税金だから帳尻合わせの使用はしない方針をとっています。従来の感覚とは異なる公金の扱いに対する高い意識を持ち合わせています。
 この大橋イズムが、全てに行き渡るまでに至っていないのが残念だと話してくれる方もいました。世間一般の感覚を機敏に感じ取れるように意識を改善していくことで、やがて行政改革は達成出来ます。経営感覚がなくてもお咎めなしでは、行政改革は掛け声に終わってしまいます。

【NPO法人による講演】

(モーリッツィオ・スチューピジア博士講演会)
 甲南女子大学国際こども学センターとNPO法人ギャラクシーブライト、バイオシンセシス研究センター主催の講演会を開催しました。講師としてボロニア大学客員教授であり身体心理療法家のモーリッツィオ・スチューピジア博士にイタリアから来てもらい「身体心理療法による乳幼児期の母子関係へのアプローチ」について講演をしていただきました。
 子育て世代の母子関係を身体心理学に関する専門的な講義で、児童心理学を学んでいる学生や心理カウンセラーの方々約100人の参加がありました。

 講演の趣旨は次の通りです。
 子どもの成長・発達の問題や育児・子育て困難などの子どもと家族に関わる問題に関しての身体心理療法(Body Psychotherapy)は、有効な心理療法の一つとして欧米では広く用いられています。講演会では、日本では余り知られていない身体心理療法を用いた乳幼児期の母子関係へのアプローチを、子どもとその家族にかかわる心理・医療・保健・福祉・教育の実践者・研究者、NPO関係者に紹介しました。

 身体心理療法、バイオシステミックスについて。
 身体心理療法では、言葉やイメージを使って問題解決を図る心理療法に加えて、呼吸を深めながら体に触れながら、問題を作り出した当時の感情をその時のエネルギーを伴いながら表現することで改善を図ります。世界心理療法会議やヨーロッパ心理療法協会では心理療法の主流の一つとして認定され、欧米を中心に数十カ国で実践されています。
 バイオシステミックスは、母子関係や自律神経と感情の関係を重視した身体心理療法で、イタリアでジェローム・リス、モーリッツィオ・スチューピジアらにより1986年に創設されました。
 感情の神経生理学やシステム理論、またダニエル・スターンの「身体共鳴」考え方の影響を受け発展しています。コンタクトを持つ、体を動かす、深部にある感情を表現する、母子のやり取りやトラウマ的出来事を再演するなど、身体心理療法の基本的技法の他に、独自の技法として、交感神経・副交感神経の相互性を再構築する、身体共鳴、有機的な言語、キーワード、音のシャワー、心理劇場などを用います。

 後半は乳幼児期の家族関係とその問題に関して、バイオシステミックスで重視している3つ臨床上の特徴を紹介してくれました。
 1つめは、家族の「マイクロ・コミュニケーション・モデル」を見つけ臨床に活用する点です。バイオシステミックスの臨床家は、家族内で生じる家族メンバー間の様々な相互作用を分析することによって「マイクロ・コミュニケーション・モデル」を見つけ出し、このモデルを用いて人々の行動、認知、感情の障害を特定し、クライアントの母子関係を改善し症状を軽減することを試みます。
 2つめの特徴は、臨床の中で家族メンバーの相互作用の分析にビデオを用いる点にあります。臨床家はビデオに映し出されるノンバーバルコミュニケーション、その中に潜む対人交流の豊かさを実際にみて、分析する作業を通して、それらをクライエントが意識化するのに用います。
 3つめの特徴は、原初的母子関係の中で発達する身体のマイクロ行動に注目する点です。これは体がある動きを繰り返し行なうことでそれを確立していけば、その体の使い方の中から主観的な関係性を伴う環境や愛情体験のモデルが作られていく、という考え方に基づいています。
 講演ではこれらの点について、臨床・研究の成果を交えながら紹介してくれました。自分では気づかない気持ちと行動の乖離があり、それが対人関係や何かに対する取り組み方にも影響を与えることになります。気持ちと行動を一致させることが適合するために大切です。
6月 1日(水) 「岡山電気軌道鉄道」
 岡山電気軌道鉄道電車営業部を訪問し、磯野常務と大橋課長代理と意見交換を行ないました。貴志川線の運営について熱い思いを感じ取ることが出来ました。
 今まで縁のなかった和歌山市で地方鉄道の運営を引き受ける決断をしたのは、全国的な地方鉄道の危機があります。環境保全を考えると、鉄道は環境都市基盤をなすものなのに廃線が論議されています。乗車人数が落ち込むなど収支が合わないため比較的中小規模の鉄道会社は撤退、事業縮小を余儀なくされています。鉄道に関わる事業者としては地方鉄道を救うことが使命と考えています。

(岡山電気軌道電車営業部にて。)

 貴志川線経営については、行政からの支援があるので、運行をするだけであれば10年間は特段の経営努力を行わなくても収支は黒字化出来ると見込んでいます。鉄道会社の使命としてそれでは駄目だと考えていて、将来にわたって貴志川線を継続するために、運営補助を将来への投資に活用したい意向を示しています。つまり経営努力出来る形にしたいと強く望んでいます。

 貴志川線で黒字化なれば両備グループの主体がある岡山市に持って来ないで、それを全て貴志川線に再投資する考えです。貴志川線運行の新会社は、岡山市の路面電車と同様に地元密着型の鉄道会社を目指しています。
 新会社の資本金は3,000万円、従業員は約30人で、年間の平均賃金は約520万円を予定しています。現在、貴志川線運営の新会社の社名と従業員は募集中です。既に従業員には20歳代から60歳代の方まで約30人の応募があります。即戦力となる鉄道運転免許を所有している方もいますし、将来を担える鉄道運営に意欲を見せる若い人の応募もあります。南海電鉄では6月6日から6月20日にかけて、南海社内で新会社への転出希望のある従業員の社内公募を予定しています。また社名には180通の応募があります。

 新会社での運行は準備期間を経て平成18年4月から予定されていますから、南海電鉄が撤退する以降の平成17年10月1日から半年間、南海電鉄に運行継続してくれるよう各方面から依頼しています。南海電鉄は株主総会の決定が必要なため意思表示を行なっていませんが、前向きな検討をしてくれているようです。
 岡山電気軌道鉄道では、貴志川線活性化について様々なアイデアを持っています。
 駅のバリアフリー化による高齢者や障害者も利用し易い鉄道にすること。岡山市内の路面電車の駅は階段ではなくスラロームにするなど全てバリアフリー対応となっています。
 日前宮駅に鳥居を設置し、貴志川線を利用して駅に降り立つとお参りしたくなるような
雰囲気を作りたいとしています。駅に鳥居を設置した事例はJR九州であります。
 パークアンドライドとバスとの連携を考えています。
 自転車の持ち込みを可能にする、或いはアイデア乗車券を活用するためには、和歌山駅東口付近に貴志川線から外に出られる改札を設置する必要があります。現在はJRと共通の改札としているためJR自動改札仕様に合わせた切符にする必要があり、アイデアを活かせる環境にありません。その上JRに年間1,000万円を改札委託料の支払いとJR自動改札を通過するための切符を配布する要員1名を配置しておく必要があります。経費は10年間で1億円ですから貴志川線の経営規模からすると大きな出費となります。
 貴志川線用の改札を作ることで委託経費削減とアイデア切符の活用が図れます。改札を作るのに必要な費用は2,000万円です。出来れば行政からの運営補助の活用は、赤字補填だけの後ろ向きの活用だけではなく、投資的経費として活用出来るように活用方法を仕上げたいものです。

 岡山電気軌道鉄道が行なっている乗車客を増やすアイデアはまだまだあります。
 主に小学生2年〜3年を車庫に社会見学で迎え入れ、電車の仕組みを教え車庫見学に案内しています。生活学科で公共交通について学ぶ機会を提供しています。

(車体の塗装復元募金で
皆さんの協力を得ています。)
 夏休み子ども定期は好評です。夏休み期間中使用出来る定期券で、小学生は1,500円、中学生は2,000円と価格は格安に設定されています。市民プールや図書館、海水浴に公共交通を利用する習慣をつけてもらい、まちづくりを考える契機になっています。
 高齢者向けの寿パスは六ヶ月20,000円です。乗り放題の定期となっています。いずれの定期も路面電車と市内循環の両備バスで使用出来るため汎用性があります。
 イベント列車を走らせています。七夕電車やクリスマス電車を走らせることで、お客さん に季節感を感じてもらっています。
 路面電車のボディには全車両に広告掲示を行っています。ただしレトロ調の電車「クロ」と地元出身の竹久夢二さんのポスターを掲示した「夢二」電車以外です。広告費用は1年間で400万円、電車の市内での露出効果からすると他の媒体広告よりも割安感があります。広告収入があるため、路面電車の運賃は区間に応じて100円か140円の二種類の安価な料金となっています。岡山市に本社がある企業を中心に電車ボディ広告は埋まっています。
 岡山電気軌道鉄道は鉄道経営意欲と豊富なアイデアを持っている会社です。岡山電気軌道鉄道が和歌山市に望むことは、折角存

(車体広告。地元企業が有効性を評価して活用しています。)
続させることが出来た貴志川線を将来も続くように乗車して現在の乗車客を減少させないように協力して欲しいことです。

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