3月31日(木) 「春爛漫」
 暖かい春、役所などでは人事異動で明日から新職場に向かうために出会いと別れの一日となりました。
【退職】
 東京でお世話になった方から、今日で職場を去るお別れの電話をいただきました。休日もなく一所懸命でしたが、母親と祖母の面倒を見るために職場を離れます。「いつも活動報告を読んで元気づけられていました。是非これからの日本を変えて下さい。職場を離れても、いつまでもホームページを見ています」とお別れの言葉をいただきました。
 東京と和歌山で距離が離れているため会える機会は少なかったのですが、電話をいただき感謝しています。いつまでもお元気で。

【楽天効果】
 仙台からは「楽天イーグルズで仙台市は盛り上がっています。開幕以来惨敗が続いていますが、町中のお店の中には有無を言わさず応援グッズがプレゼントされています。楽天用の球場もなかなかきれいな様子で、応援に行くのが楽しみです」と連絡をいただきました。楽天の参入でプロ野球のパリーグは盛り上がっています。明日から仙台市に戻っての戦いとなりますから、仙台市は更に賑わうことでしょう。活気のある要素がある仙台市をうらやましく感じます。

【久しぶりに】
 大阪市に居る友人からも久しぶりに連絡がありました。新しいビジネスで頑張っていると嬉しい春の便りです。来週に和歌山市に来てくれるとのことですから、これからのビジネス展開に期待しています。

【開店】
 一ヶ月前からお店を経営している方と会いました。小さいけれど感じの良い店で、お客さんとのコミュニケーションを大切にしています。味は素材の良さと調理だけではなく、店内の雰囲気や人柄、会話も味覚を高める要素です。決して高級店ではなく地域の方に親しまれる店作りを目指しています。開店したばかりですが、連日お客さんで賑わっているようです。

【水ビジネス】
 良い水が人の体の健康保持に良いのは分かっています。土壌汚染などによりきれいな天然水は少なくなっています。和歌山ブランドで体に良い水を提供している方がいます。以前は水だけではビジネスにならなかったため兼務していたのですが、現在は水の大切さの理解が進み専業としています。ミネラル分を豊富に含んだ水は濃い味で、通常の水と同じものとは思えないほどです。忙しいため普段は店にいないのですが、今日は店内にいたのは春だからでしょぅか。

【後援会収支報告】
 和歌山県選挙管理委員会に後援会の収支報告を行ないました。1年間経つのは本当に早いものです。一年間お世話になった委員会担当者も異動となりました。

【新設校】
 新年度を明日に控えた今日、和歌山県美里町に私立高等学校の設置許可が出されました。校名は私立慶風高等学校です。教育方針は、勉学では東京大学を目指そう、スポーツでは甲子園を目指そう、福祉分野ではヘルパー一級資格を取得しようの三つです。志を高く持った生徒が集まりそうです。初年度から硬式野球部を設置し、今年夏の和歌山県予選から大会に出場する予定です。夢に向かっての挑戦が始まりました。

【新年度を控えて】
 事業を拡大している経営者と懇談。4月から事務所を拡大し雇用も増やす計画です。仕事はあるのですが、人材は少ないのが課題となっています。優秀な人材なら直ぐに何人でも採用したい意向を持っていますが、採用のために面接しても、100人に1人程度しか人材はいないそうです。明日から新年度、新人の採用は3人の予定ですから人材が不足していることを示しています。
 新人には、技術がなくても良いから教えることを早く吸収出来ることを望んでいます。言い換えれば、新人に最も求められるのは素直さです。覇気があり素直な人材なら、専門知識がなくても受け入れてくれます。専門知識は会社に入ってからの研修と仕事を通じていって身につくものです。
 また管理者には新人を含む部下から信頼を得られることが第一です。頼られる人柄と時には厳しく指導出来る人が望まれています。こちらの人材も、なかなかいないようです。

【ベンチャー企業家募集】
 和歌山市ではベンチャー企業家の募集を開始します。和歌山市内に三箇所のSOHOビレッジがありますが、やる気とアイデアのある人を募っています。
 ただ発足当初の計画からすると、わずか三年なのに縮小傾向なのが残念です。第一期ベンチャー企業家だけの評価を持ってその程度の成果とするのはいただけません。和歌山市に不足していて絶対的に必要なのは人材です。人材は短期で育ちませんから、長期的な視点を持ち辛抱強く時間をかける必要があります。そのような特性があり大切な人材育成に関して、短期で撤退に向かう姿勢は将来を見通していないものです。

【再出発】
 ある会社を今月に退職した人と話をしました。熱心で能力ある方だったのに退職の報告を受けた時は驚きました。和歌山市内の景気は回復基調にないため、この業種では雇用調整をしているようで、多くの同僚が同時に退職したそうです。業績回復のめたには、短期的措置としての手段なのですが、企業にとって人材は最も大切な経営資源です。先の経営者も人材確保が全てと話しているように、良い人材を確保することが企業の将来を約束するものです。雇用調整は残念な結果ですが、この方は既に次の仕事に向けて意欲的です。 
 意欲ある人が社会を支えています。

【夢のために】
 ある事務所では職員さんが今日付けで退職しました。子どもの教育に携わりたいからと、夢を優先させた選択をしたものです。働く条件や金銭的なものを優先させたなら、現状に不満はなく転職の選択はしなかった筈ですが、夢を優先させると現状から飛び立つ結果となりました。土台がなくなるのは不安なものですが、春という季節が決断を後押ししてくれます。新しいことに挑戦することに不安感が少なくなる春、スタートを切るには桜が舞い散る今が適しているようです。
 それぞれが新しいスタートを踏み出した一日。3月末と4月初めは一日違うだけですが、全く違う人がいる風景となります。
3月30日(水) 「観光」
【観光】
 普段使用している「観光」という言葉。その本質は何を意味しているのでしょうか。
 英語ではサイトシーイング(Sightseeing)ですから、その場所へ行って見るとなり、風光明媚な場所へ行って景色を見てくることが観光と思い込んでいました。そのため観光スタイルは、観光バスに乗って名勝地に行き写真を撮ってくることが主体となっていました。
 ところが日本語としての観光を分解すると「光を観る」となります。輝きに触れることが日本における観光の意味ではないでしょうか。輝きとはその地域やそこに住む人だけが持っていて、他にはない「ありのままの姿」が輝きです。ですから、格好つける必要はなく観光地を真似る必要もありません。それどころか、真似ることにより地域の特性が失われ輝きは消え失せます。
 観光客に、地域が育んだ歴史と文化、産品や技術を見てもらう、そして体験していただくことが本当の意味での観光です。観光客が感動するのは、その地域だけのものに触れる体験、そこに住む人とのふれあいにあります。ふれあう事に加えて一緒に汗を流したり、収穫を楽しんだりすることは更に感動体験となります。

 農家の日常体験は農家の方にとって変化も感動もないことだとしても、まちに住む人にとって非日常体験なのです。非日常体験は感動を呼ぶための要素です。地域で生きるために知恵と技術を使って生活している姿は他のどの地域にもないものです。自信を持って迎え入れることが私達の輝きを見せることです。
 ただ何でも良いのではなく、漠然としたものから観光となり得る特徴的なものに絞り込むことが大切です。ありのままの姿を提供してくれる人の存在、その地域資源を観光アイテムとして売り込める調整役の存在、広報や営業出来る人の存在が不可欠です。全てが揃って初めて、本物の観光として地域資源を売り出せます。
 地域にある本物の観光を観光客に提供することにより、その地域の良さを理解してくれます。地域が好印象を与えると交流機会が増えます。交流機会が増えると物流が起こり定住人口も増えます。事実、体験観光により観光客が増加しているある県の人口は増加しています。本物の観光は、交流から物流、定住へと形を変えて地域に貢献する産業となり得ます。
 熊野川町には道芝と呼ばれる草があります。人間の生活において何にも活用出来ないから道端で踏みつけられているだけの存在と評価されていた草ですが、これを活用して草履を作っているグループがあります。何も使えないとされていたのですが、人間に踏まれても切れない強さを持っていることから製品化したものです。今では耐久性のある草履として市場に出ています。人間も表に立つ人がいれば、人を支える役割を担う方もいます。支える役割を果してくれる人の存在があることで、表舞台に立つ人も存在するのです。
 人に役立つことが尊いのですから、例えありがとうの言葉を掛けられなくても感謝する気持ちを忘れないでおきたいものです。役に立たない人はなく、誰もが何かの役に立っています。自分の存在を表すには、自分の特長を活かした役割を果すことです。

 草履を作る体験をすることで、人生における役割とは何かについても学ぶことが出来ます。体験観光とは、非日常の体験をすることに加えて、その本質は人生を掛けてひとつの事に取り組んできた人から生き様、生き方を学ぶことにあります。そこに感動は潜んでいるのです。
 では地域におけるブランドとは何なのでしょうか。ブランドとは創業者の崇高な意思が受け継がれている製品や企業、組織を指します。後の人は創業者が込めた思いを受け継いだ製品を社会に送り出す、次の人もまた創業者の思いを引き継いで製品を作ることがブランドとなります。製品の形が変わっても創業者の崇高な思いが伝わっている限りブランドとして存在します。世代を超えて生き続けているブランドは、全て創業者の意思を継承しています。途中でお金儲けに走ったり意思を曲げて材質を変更すれば、ブランドは壊れてしまいます。創業者が意思を持ち後継者が跡を継ぐ、そして時間の洗礼に耐えたものだけがブランドとして定着していきます。最初は創業に関わっている人達の意思だけです。

【音の効果】
 株式会社タカショーはガーデニングを中心にして、生活におけるやすらぎを提供している会社です。本社前にあるPR施設は自社製品を使った庭となっていて、なごみを提供してくれます。タカショーの製品は自然に近い環境を再現し、自然環境に配慮したエコ製品となっています。製造している商品は3万種類もあって、生活の全てのシーンに対応してくれます。

(タカショーのPR館)
 製品の良さと環境への配慮も素晴らしいのですが、印象的なのは日常から心を解き放ってくれる空間を提供してくれることです。仕事場や生活の場を作れるセンスがあります。中でも水の音は強烈に印象に残ります。小川の音や噴水の音が心地良く響いてきます。日常生活の場では失われた音達ですが、その音は小さい頃の風景の中に誘ってくれます。懐かしさの中に原体験を感じる瞬間となります。
 本社を後にした時、現実社会に戻るような不思議な感覚を覚えました。

【その他の活動】
 和歌祭についての打ち合わせ、福祉施設において今後の福祉施策についての打ち合わせ、会社の信頼とは何かについての懇談、中古自動車の動向について話し合い、ペット用棺について懇談、印刷動向についての打ち合わせを各々実施。
3月29日(火) 「情報懇談会」
【幹事会】
 友愛会議幹事会に出席、今年で結成5周年を迎えるため、秋に記念式典を行なうことに決定しました。また5月に予定されている市町村合併に伴う田辺市長選への対応についても協議を行いました。

【情報懇談会】
 情報懇談会に出席、和歌山を代表する経営者の方々の話を伺いました。和歌山を代表する企業の経験から学ぶことは数多くあります。

 和歌山市を代表する企業の島精機製作所は、島正博社長が高校時代の18歳の時に編み機を研究したことがきっかけにして立ち上げた会社です。以来、社長が68歳に至る今日まで会社経営を行なっています。昭和30年当事はオートメーションの時代でしたが、手袋編み機を機械化するのは不可能とされていました。
 それは手袋の単価が安いことから初期投資に大きなお金を掛けられないこと、5本指の編み方を機械で制作するのは技術的に難しいと思われていたことが原因です。当事、島精機は資本金100万円だったのに6,000万円の借金を抱えて自動編み機の開発に取り組みました。資金と技術はなく夢だけを持って10年、とうとう自動編み機試作機の開発に成功しました。そうすると現物の機械が存在していないのに、試作品だけを見て注文が舞い込みました。この試作品だけで、借金に相当する6,000万円以上の注文があったのです。
 不可能と思われていた自動編み機の開発に成功したことで、実物がなくても収益が見込まれたのです。開発する実力もお金もなかったのに、夢を持ってチャレンジしたことで夢が現実へと実現に向かったのです。
 
 別の会社の事例ですが、創業時何も誇るべき製品がなかったのに、東京の展覧会にブースを出展しました。他社と比較して恥ずかしい思いをしましたが、他者の考え方や目指すべき製品を知る意味でも、悔しさをバネにする意味でも効果がありました。
 一歩を踏み出さないと何も前に進みません。自分に誇るべきものが見つからなくても、準備不足でも、思い切って実力を社会に問いかけてみる勇気が必要であることを教えてくれます。
 自己の取り組みも去ることながら、情熱を持つことで周囲から助けてくれる環境が醸成されていきます。技術も資金も自信も、何も

(島精機社長以下出席者の皆さん)
なくても夢の実現に向けて行動することで、自分も周囲も物事は好転し始めます。地球は1日に1回転しているように、私達は1日経つ毎に1日分前進するよう心がける必要があります。
 島社長は、学歴も才能も資金も何もなかったのにチャレンジ精神だけで会社を築くことが出来たと語ってくれました。実は創造力と実行力があることで今の地位があるのですが、今でもとても謙虚に自分を捉えています。
 ここで学ぶべきは、一般的な生活をしている人が社会の中心ですから、ごく当たり前の視点持つトップが最も優れているということです。全てを自分で決められると思い、当たり前のことを感じる視点を持たないトップは優れているとは言いません。

 現代社会では、情報に地域格差はありません。むしろ地方にいる方がコンピューターハウジングや運用コストは安価に仕上がりますから優位性があります。国内でビジネスをしようと考えたら東京が優位ですが、世界を相手にするには地方が優位に立ちます。世界から見れば、東京以外は日本国内どこでも同じようなものです。特に、和歌山市は関西空港から30分と恵まれた立地ですから、世界を相手とするには絶好の地域です。
 繰り返しますが、情報社会は地域間格差をなくしますから、熱意とアイデア、そして実行力が差をつける条件です。和歌山市には企業が少ないので、世界を相手にするために優秀な人材を一箇所に集められる環境があります。他と比較しないで自分の視点で物事を捉える習慣を身に付けることで、一見不利な状況でも優位性に変えられるのです。
 どのレベルで夢を描けるかによって、現実社会でのレベルは異なってくるのです。
3月28日(月) 「デザイン力」
【貴志川線プレゼンの結果は】 
 貴志川線のプレゼンが先週の土曜日に終わりました。1社40分で9社ですから6時間に及んだことになります。いすれの会社も運営に熱心な提案だったようです。各社とも優れたアイデアを持ち、ミックスさせたら面白いものでも各社が自分で遂行したい思いがあり、経営は単独で実施することになりそうです。
 以前にも触れましたが、鉄道運営を鉄道会社以外へも運営を門戸開放した事例は貴志川線が全国で初めてのことです。しかも鉄道会社運営主体に限定して公募した事例は上手く行っていないとも聞いていますから、和歌山市の公募は全国的に注目されています。
 地方鉄道は冬の時代に突入していて、全国で廃線対象が50路線程度あります。これからの道標を示す意味でも、鉄道会社以外も経営主体の対象として公募した取り組みは評価出来るものです。この考え方はこれからの先進もモデルとなるものですから、応募した企業の中からもこの姿勢を続けて欲しいと要望も出ています。
 全国初の事例ですから、これからの一ヶ月、結論が出されるまで審査過程も含めて注目大です。個人的感触ですが、どこが運営主体となっても熱意とアイデアがありますから期待出来るものになりそうです。

【物事の考え方】
 民間のトラブルが話し合いで解決が難しくなると法律家に相談することがあります。世間一般的な方にとっては、法律を適用して物事を解決しなければならない事件に遭遇することは稀ですが、巻き込まれたら不安感と心配が増えます。法律家にとっては毎日のように事件の相談依頼がある訳ですから捉え方が違います。物事を大局的に見られますから余裕があります。少し見る位置を高くすることで、小さな論点ではなく大きな論点で考えられます。高い位置から全体的を長く見渡すことで、より正しい判断を下すことが可能となります。物事は、長く高く全体的に考えるべきことを学ぶことが出来ます。
 
【デザイン】
 広告関係の経営者と懇談の機会をいただきました。和歌山市においてはデザインやウェブデザインなど、商品として形に現れないものに対して価値(値段)をつけてくれない傾向があります。適切な表現でないかも知れませんが、カップという物体にはお金を支払いますが、カップのデザインにはお金を支払わないという感覚です。物体は作るのにお金がかかっていますから、材料に対する費用は必要と見る訳です。ところが、例えばカップを100個購入するからデザイン料はただ(無料)で納品を依頼するようなものです。ですからデザインをデザイナーに仕事として依頼するのではなく、製品の発注を受けた企業内でデザインを行なうことになります。
 若い才能が仕事を通じて伸びる土壌が小さいのが心配です。今や、製品の価値を高めるのは材料の良し悪しではなくデザインの出来不出来です。材料費に付加価値をつけても限界がありますから、利幅は一定額以上増えません。しかしデザインの付加価値は無限大ですから、100円のものがデザイン次第で1万円でも販売することが可能です。

 和歌山市は製造業が主体の産業構造です。地場産業は地域が育んだものですから大切にするのは当然です。しかしそれだけで県内総生産を高めることは出来ません。製品に出来るだけ付加価値をつけて販売することで生産高は高くなりますから、ソフト分野に才能のある若い人に来てもらうことが第一歩です。
 ある地場製品の原価が1,000円で工場内の定型的なデザインを施して市場に出荷した価格が3,000円だとします。それに対して原価1,000円の製品に、才能があり市場から評価されているデザイナーにデザインをしてもらって市場に出すと10,000円で販売することも可能です。前者が2,000円の価値を生み出したのに対して、後者の場合は9,000円の価値を生み出したことになります。デザインを変えるだけで、同じ原材料なのに生産高は違ってきます。

 和歌山市には優れた地場産業がありますから、優れたデザイナーを育てることによりソフト価値を付加した製品として仕上げることで伸びる余地があります。
 ところが残念なことに、和歌山市の域内経済が芳しくない状態が続いているため、見えない部分であるソフトにかける費用が削られています。形がないので削っても影響が小さいと考えているからです。実はそれだけ市場価値の小さいものを世に送り出しているので、域内経済は縮小に向かい、和歌山市の製品は機能的であっても市場から評価されなくなります。
 これは残念なことです。地場産業がなければ仕方ありませんが、優れた素材があるのですから、後はソフトの価値を認めるだけで市場価値は飛躍的に大きくなります。
 ブランド化を図ると言われます。これは、価値を認められるために贅沢な作りで価格の高い製品を送り出すのではなく、使い勝手が良くデザイン性の高いものを市場に送り出し、ユーザーから価値を認められることがブランド化です。
 和歌山発の製品のセンスが良いと認められたら市場価値が高まり、自然に高い価格で取引されることになります。ソフトの価値を認めることがブランド化の第一歩ですが、その前段としてデザイナーが活躍出来る市場を作り出すことが必要です。和歌山市に行けばデザインの仕事があるから行って見ようと思わせるまちを目指したいものです。
3月27日(日) 「ワンワンイベント」
【ワンワンイベント】
 和歌山市にある付属小学校校庭で、愛犬と社会生活するとことを体験するワンワンイベントが開催されました。東京にあるNPO法人WANWANパーティクラブが主催するもので、NPO法人和歌山観光医療産業創造ネットワークも協力で参画しました。


(ナイスと一緒に)
 NPO法人WANWANパーティクラブは、愛犬と社会生活の啓蒙活動を行っているわが国最大の団体で、今日は専用のトレーラーで機材と舞台を搬入してくれたものです。
 ここでイベントを開催したのは、2年前3年C組の授業で捨て犬の「ナイス」を飼育したことがきっかけです。全国でも例を見ない捨て犬を授業で飼うことを指導したのが、NPO法人WANWANパーティクラブ代表の三浦先生でした。当時の3年生は現在5年生になっていますが「ナイス」の同窓会としての位置づけで開催したものです。今日は「ナイス」も元気な姿で参加し、子ども達と校庭を走り回っていました。
 犬への接し方、犬とのふれあい遊びなど充実した内容となりました。三浦先生のイベントは東京圏で開催されることが多く、和歌山市で開催するのは稀ですから貴重なものです。
 毎年開催している西武ドームや東京ビッグサイトでのワンワンイベントは、ドームを満員にする程です。全国からワンワンイベントに来て欲しいと依頼がある中、和歌山市と縁があったことから三浦先生の指導でイベントを行なえたものです。
 愛犬と共に社会生活をする方が増えています。三浦先生が指導した愛犬は、全て飼い主の言うことを良く聞きます。マナーも持ち合わせたドッグライフを実現して欲しいものです。

(大勢の参加がありました。)

【専門家】
 面白い新聞広告を読みました。日立製作所の柴田英寿さんが書いた読み物ものです。自分が何に向いているのか分からない場合は、どうしたら良いのかアドバイスをしてくれています。一部引用するので読んでみて下さい。
 
 とりあえず3日間、真剣に打ち込んでみることです。3日間で3冊の本は読めるでしょうし、面白いと思わないことでも3日間打ち込めば、自分の周りではナンバー1か少なくともナンバー5にはなれます。半年続ければ、日本でも数本の指に入るでしょう。一年やり続ければ、世界でも通用する能力が身につきます。世の中、専門家といっても、そんなものですよ。(朝日新聞2005.3.20)

 如何ですか、凄い内容です。3日続けるとその分野で一番になれるであろうし、一年間続けることが出来たなら、どの分野でも世界で一番になれるというものです。世界が一気に近くに感じられます。
 不景気だとか不況だからなど不満を述べていますが、考えてみれば日本は世界で二番目の経済大国です。その経済大国で生まれながら、現状を嘆いていることは贅沢な悩みです。
 何でも揃っている国は、世界中を探してもそれ程多くありません。
 日本企業は駄目だとか言われていますが、世界と比較しても日本企業のレベルはトップクラスです。企業がトップクラスというのは、ストレートにそこに働く従業員の能力が世界でもトップクラスであることを示すものです。
 でも多くの人は、こう感じているのではないでしょうか。「うちの会社はたいした事はない」と。不平不満がある会社員が多い現状から出てくる言葉です。
 自分の会社に不満を感じる。世界でトップクラスの会社にいて不満を覚えるのは、それは自分の能力が高いことを示すものです。世界をリードしている日本企業を、私達が構成していることに自信を持つべきです。
 只でさえレベルの高い企業にいるのですから、少し勉強する時間を作るだけで、日本を突き抜けて世界でもトップレベルになる可能性があります。今の自分にその可能性あることに気づくことが第一歩で、そうすれば勉強に取り掛かるのは割合簡単です。難しいのは勉強を継続することです。3日間は三日坊主でも継続できる範囲ですから、周囲で5番以内に入ることは真剣に取り組めば可能です。それ以上継続するには、志と強い精神力が求められます。
 そこで世の中の専門家とは、一年間その専門分野を真剣に勉強して来た人だと思えば、自分でも何とかなると思えて来ます。あの人に出来たのだから、自分に出来ない筈はにないと思える人がいる筈です。当面はその人を頭に描いて、目標にすることも継続するための手段です。
 企業や私達の周囲のレベルは世界でもトップクラスです。その中で揉まれているのですから、ここから飛び出す事は周囲で一番ではなく世界を捉えるものです。高いレベルでいるからこそ現状に不満を感じるものですし、常に勉強をしていないと落ちていくのです。 
 自分は今でも高い位置でいることを自覚しておきたいものです。

【活動その他】
 朝から教育関係の話し合いを実施、昼間のワンワンイベント終了後、華月殿での会合に参加。昨日の式典に関して駒井社長と懇談をしました。貴志川線に関する問い合わせが一件あったように、実施主体がどこになるのか貴志川線は多くの方の関心毎です。
3月26日(土) 「卓越技能賞表章祝賀会」
【卓越技能賞表章祝賀会】
 和歌山市の駒井良章さんが平成17年11月25日、卓越技能賞表章を厚生労働大臣から受けました。洋菓子でこの章を受けたのは和歌山県で初めてのことです。洋菓子の歴史は和菓子と比較して新しいため受賞は大変な栄誉です。
 本日はその栄誉を称えるため、駒井良章氏卓越技能章受賞祝賀会を開催しました。
 駒井良章さんについて簡単に紹介いたします。駒井さんは、昭和24年2月22日生まれで現在56歳、和歌山市出身です。洋菓子の道を志し、和歌山市と大阪市で10年間に亘って基礎技術を徹底的に習得、その間にはヨーロッパ各地を視察して新しい洋菓子文化を取り入れてきました。
 昭和51年には、西日本洋菓子コンテストで技術優秀賞を受賞。
 昭和55年4月、サブール株式会社を創立、シュークリームの生地とパイ生地を組み合わせた新しい洋菓子キャベツは、大ヒット商品となり注目を集めました。
 その後、全国菓子大博覧会、ジャパンケーキショーなどで多数受賞し、平成9年には卓越した技能が評価され和歌山県技能賞を受賞しています。
 現在では、自社の職場を開放し若い技術者に絶えず新しい技術を指導するなど、技術を後進に継承するための指導をこれからの使命と考えて活動を行っています。
 和歌山県洋菓子協同組合理事長、和歌山県菓子工業組合理事の要職も務められ、洋菓子業界全体の発展にも寄与されています。
 平成16年11月25日、技術面、後進の指導面、洋菓子文化の普及活動などの活動が評価され、卓越技能章を受賞しています。

 祝賀会には全国から洋菓子関係者を中心に135人の出席があり、改めて駒井さんの人望の程が伺えました。会は本当に和やかな雰囲気で進み、予定の時間を30分オーバーするなどお互いの懇親を深めることが出来ました。出席された方からの満面の笑みが、駒井さんにプレゼントされました。
 発起人会を結成して連日連夜、この式典の打ち合わせを行なってきたため、会が成功を収めたことに満足しています。当日まで熱心に打ち合わせを行なってくれた会場担当の方、式次第と座席表を昨日まで修正があったにも関わらず、開始前の正午12時に届けてくれた印刷屋さん、和歌山の素材を活用して料理を用意してくれた料理人さん、本番で予想外の出来事があったにも関わらず、出席者に気付かれないように見事に進めてくれた司会者、いずれもプロの仕事で式典を成功に導いてくれました。
 そして今朝シャンソン協会を代表する方と連絡が取れ、忙しい中にも関わらず花束を持ってお祝いに駆けつけてくれました。その行き届いた配慮の影には、ある方の心配りがありました。昨夜、そして今朝と電話をいただき、式典を盛り上げる方法をぎりぎりまで考えてくれたのです。自分のことのように思った配慮をしていただき、本当に頭が下がる重いです。
 多くの方々に支えられて祝賀会は終了しました。会場は直ぐ後にも会合が入っているため時間通りに終わらないと駄目だったのに、会場の雰囲気を見て心配りを見せてくれ、30分も伸ばしてくれました。終了後、慌しく次の会合の用意している姿を見ると、申し訳なく思い後姿に感謝をしました。発起人の大役を担うことが出来たことホッとしています。

【偶然】
 終了後、道端で那智勝浦町在住の方と偶然出会いました。4月から和歌山市で教育関係の講師をするために日帰りで出てきたのです。昨年夏以来ですから久しぶりでした。道順と時間が少しでもずれていたら会っていないわけです。話をしていると和歌山市に来るので連絡をしようと思っていたらしくて、見かけた途端に驚いて声を掛けてくれました。
 今日は那智勝浦町に帰るため別れた後直ぐに、転勤で4月に和歌山市に帰ってくる方と会いました。和歌山市内に新築をして居を構えていたのです。その後直ぐに、以前大阪市へ転勤した方と会いました。久しぶりの方々と3度も偶然に出会いました。
 祝賀会での新しい出会いと和歌山市での再会など、出会いの季節、春を感じる出来事でした。

【会合】
 夜はレオクラブの会合に出席、当面の活動方針について確認しました。冬場の活動は少し縮小していましたが、春本番、人は活動期に入ります。
3月25日(金) 「幼稚園廃園について」
【幼稚園廃園について】
 市議会定例会を終えた翌日です。当初予算案が提出されたため一ヶ月を要した長い議会でした。今議会では、貴志川線の公募問題と幼稚園廃園問題の2点が注目でした。
 大新幼稚園と西山東幼稚園2園の廃園が決定する条例が可決されましたが、これに関して取材対応を受けました。廃園が決定したことをどう思っているのか、何故廃園に賛成したのかが取材の主旨です。
 私の考え方を記します。2園が廃園となりますが代替案があります。西山東幼稚園は廃園となりますが、近い将来この場所で幼稚園と保育所を一体とした幼保併設の教育施設を建設する計画を市長と教育委員会が約束してくれています。廃園してこの地域に子どもの教育施設を無くするのではなく、より地域で有益な教育施設が誕生する予定です。全国的には幼保併設施設が検討されていますし、和歌山県内でも白浜町にその施設があると聞いています。
 西山東に本施設が出来ると、少子化が進む中で地域における先進事例となります。西山東幼稚園廃園の見返りに、幼保併設施設を設置することを確約出来たことから廃園する条例案に賛成しました。
 大新幼稚園の場合です。確かに大新地域に幼稚園は無くなりますが、代替案として隣接している大新小学校を建替えする計画があります。大新小学校は老朽化が進んでいますが、和歌山市の財政が厳しいため建替えを早期に実現するのは難しい状況です。そこで人数が減少している大新幼稚園を廃園とする代わりに、大新小学校の建替えと施設の充実を市長と教育委員会が確約してくれました。
 心情的には、廃園に至る経緯が不自然なことから幼稚園廃園反対活動を展開してきた保護者の皆さんは納得しきれない部分があると思っています。しかし、大新地域全体のあり方を大局的に考え、小学校教育施設の充実と大震災に備えて小学校を避難地域として活用出来る施設とすることを良しとして、苦渋の決断をしてくれたものと思っています。
 幼稚園が存続して欲しいのが本心でしょうが、その気持ちを飲み込んで納得してくれた
のです。2年間の保護者の活動は身近で接して素晴らしいものでした。子ども達の教育環境を守るために体を張っての戦いでした。

 本会議に廃園を意味する条例改正案が提案されたことで、このまま反対運動を継続するのか、代替案を飲むのかの決断が迫られました。本当に厳しい判断を迫られました。私の判断基準は、保護者が考えた末に出してくれる言葉だけです。2年間必死に活動してきた実績と思いは大変重いものです。保護者以外に判断を下せる人はいないのです。
 保護者からやはり最後まで存続に尽力して欲しいとの言葉があれば、その意向に沿った形をとったでしょうし、思いが交錯する中で代替案を了承するとの言葉があれば廃園に賛成し、後工程の早期実現に向けて取り組むことと内心では決めていました。
 最終的に判断したのは常任委員会が始まる直前でした。常任委員会前に保護者代表の方たちと意見交換と最終的な保護者の判断を言葉で確認しました。その結論を持って私も意思決定しました。
 保護者の真剣な活動に接して来ただけに、言葉の裏側、心の中に存続させたい気持ちが潜んでいることも感じました。でも存続させたい思いを包み込んで代替案に賛意を表した苦しい言葉でもやはり尊重すべきです。廃園で突っ走ることも可能でしたが、どちらに転んでも苦しい状態でしたから、やっと振り下ろした拳を再び振りかざすような問い掛けはすべきではないのです。決心を揺らがせるような誘導をすれば、苦しむのはやはり保護者です。これ以上保護者の方に、厳しい判断を迫るような苦しみを与えたらいけないとの思いがありました。
 それが条例に賛成した理由です。
 一方、反省は2点です。この判断の中に子ども達が関与していたのか、子どもの事なのに大人だけで進めてしまい子ども達の思いはここに存在していたのか。不明確になったことがひとつ。もうひとつは、保護者が議員と懇談する場合、言葉を選んでいることに気付くべきであったと言うこと。自分では同じ立場でいるつもりなのですが、相手はそうは取っていないとある記者から指摘を受けました。保護者が議員に思っていることを全て言えますか、議員に言われたことに保護者は反論出来ますかと問われたのです。自分では打ち解けていたと信じていますが、その答えは分かっていません。配慮が足りなかったとしたら謙虚に反省しています。

 さて、条例が可決したと言っても、保護者の方々が流した涙と苦しい思いを無駄にしてはいけないのです。関わった方達の思いを受け取り、その苦い思いを次につなげて行くことが大切なことですから、しっかりとその思いは受け取ったつもりです。
 廃園したことで保護者の方々は傷ついています。結果的に廃園が正解か不正解なのか、今の私には分かりません。答えが出るのは、西山東に新しい幼児教育施設が出来た時、大新小学校新校舎が完成した時以降です。それは数年後になりますが、地域にとって有益なものになり、今回活動に参加した保護者が、私達の活動は間違っていなかったと思ってくれたなら今回の判断は正解と言えます。
 そう思ってくれるには、新しい建物を作るだけではなく、地域の方と保護者の意見を織り込んだ施設に仕上げるための過程が大切です。一方的に地方自治体が全てを決定するのではなく、関係者を交えた検討委員会を立ち上げ、意見を反映させた施設にすることで納得出来るものになります。
 地域の中の教育について、教育委員会と保護者が一緒に作り上げるしくみを築けたことが今回の成果です。お互いが協力して地域で必要不可欠に子ども達の教育施設を作っていく、その過程に参画することで良いものとなります。その形が出来たなら、数年後にはあの時の判断は正解だったと、今度は涙ではなく笑顔で話してくれる筈です。
 たくさんの人達の涙と色々な思いを乗せて、私達の時間は過ぎ去っていきます。歴史に記された結果の裏側には、人が織りなしたドラマがあります。例え結果は同じだとしても、誰が関わったのか、取り組み方の真剣さの度合いによって重みが違ってきます。
 保護者はどう思っているか分かりませんが、私は保護者の方を戦友だと受け止めています。ですから私にとってもこの2年間は、生涯忘れられないものとなっています。

【活動】
 文化財の保存について、明日の式典についての打ち合わせ多数、外国の方から人権問題について意見を求められたこと、体験観光についての話、福祉関係についての話、福祉関係の情報発信が不足していることを受けて、市役所への要望を受けたこと、などが本日の活動です。夜、大先輩から明日の式典に尽力していることに感謝の言葉を頂戴し、終わったらその方の知り合いが経営している温泉施設への誘いをいただきました。
3月24日(木) 「定例会最終日、採決」
 平成17年2月和歌山市定例会の提出案件に対する採決が行われました。結果は次の通りです。
☆議案関係(62件)全て可決しました。
議案第26号 平成17年度和歌山市一般会計予算
議案第27号 平成17年度和歌山市国民健康保険事業特別会計予算
議案第28号 平成17年度和歌山市食肉処理場事業特別会計予算
議案第29号 平成17年度和歌山市卸売市場事業特別会計予算
議案第30号 平成17年度和歌山市土地造成事業特別会計予算
議案第31号 平成17年度和歌山市土地区画整理事業特別会計予算
議案第32号 平成17年度和歌山市住宅改修資金貸付事業特別会計予算
議案第33号 平成17年度和歌山市住宅新築資金貸付事業特別会計予算
議案第34号 平成17年度和歌山市宅地取得資金貸付事業特別会計予算
議案第35号 平成17年度和歌山市駐車場管理事業特別会計予算
議案第36号 平成17年度和歌山市老人保健特別会計予算
議案第37号 平成17年度和歌山市下水道事業特別会計予算
議案第38号 平成17年度和歌山市漁業集落排水事業特別会計予算
議案第39号 平成17年度和歌山市農業集落排水事業特別会計予算
議案第40号 平成17年度和歌山市母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算
議案第41号 平成17年度和歌山市介護保険事業特別会計予算
議案第42号 平成17年度和歌山市水道事業会計予算
議案第43号 平成17年度和歌山市工業用水道事業会計予算
議案第44号 和歌山市国際交流基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第45号 市長等の給料の特例に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第46号 和歌山市一般職の任期付職員の採用等に関する条例の制定について
議案第47号 和歌山市職員の修学部分休業に関する条例の制定について
議案第48号 和歌山市職員の高齢者部分休業に関する条例の制定について
議案第49号 和歌山市技能労務職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について
議案第50号 和歌山市人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の制定について
議案第51号 公益法人等への職員の派遣に関する条例の一部を改正する条例の制定について   
議案第52号 和歌山市情報公開条例の一部を改正する条例の制定について
議案第53号 政治倫理の確立のための和歌山市長の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第54号 和歌山市財務に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第55号 市有建物災害復旧基金の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第56号 和歌山市土地開発基金条例を廃止する条例の制定について
議案第57号 和歌山市立学校条例の一部を改正する条例の制定について
議案第58号 和歌山市博物館振興基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第59号 和歌山市印鑑条例の一部を改正する条例の制定について
議案第60号 和歌山市国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について
議案第61号 和歌山市がんばれ基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第62号 和歌山市児童手当条例を廃止する条例の制定について
議案第63号 和歌山市介護給付費準備基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第64号 和歌山市社会福祉和田基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第65号 和歌山市長寿社会福祉基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第66号 和歌山市いきがい基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第67号 和歌山市老人福祉大岩基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第68号 和歌山市福祉みます基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第69号 和歌山市障害者福祉増光会基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第70号 和歌山市身体障害者福祉法に係る費用に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第71号 和歌山市園部毒物混入事件被害者健康管理基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第72号 和歌山市結核の診査に関する協議会条例の制定について
議案第73号 児童福祉法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について
議案第74号 和歌山市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例の制定について
議案第75号 和歌山市漁港管理条例の一部を改正する条例の制定について
議案第76号 和歌山市発明館運営基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第77号 和歌山市史跡和歌山城整備基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第78号 和歌山市企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について
議案第79号 和歌山市都市公園条例の一部を改正する条例の制定について
議案第80号 和歌山市みどり大岩基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第81号 和歌山市漁業集落排水事業減債基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第82号 和歌山市農業集落排水事業減債基金条例の一部を改正する条例の制定について
議案第83号 和歌山市火災予防条例の一部を改正する条例の制定について
議案第84号 包括外部監査契約の締結について
議案第85号 和歌山周辺広域市町村圏協議会を設ける地方公共団体の数の増減及び規約の変更について
議案第86号 平成16年度和歌山市一般会計補正予算(第6号)
議案第87号 平成16年度和歌山市下水道事業特別会計補正予算(第3号)

☆請願関係(2件)全て不採択とすることについて可決。
請願第2号  「和歌山市公立幼稚園15園存続についての請願」【委員長会は不採択】
請願第14号  「和歌山市自治体健診自己負担引き上げ中止を求める請願」
【委員会は不採択】

☆追加人事案件(1件)全会一致で承認。
諮第1号  人権擁護委員候補者の推薦について、柳野純夫氏

☆発議関係(2件)全て可決。
発議第1号  ILO第175号条約及びILO第111号条約の早期批准を求める意見書
発議第2号  食料・農業・農村基本計画見直しに関する意見書

 以上の結果です。私は全ての案件に賛成しています。
3月23日(水) 「タイトな一日」
 朝一番でスポーツ関係者と打ち合わせを実施。和歌山市のスポーツ振興に関しての意見交換を行いました。続いて住宅問題について懇談を実施。

(和歌浦沖で崩れた防波堤)
 その後、明日の本会議での採決を控えてのクラブ総会で案件の整理を行いました。昼間はライオンズクラブの会合に出席。終了後、県下で開催予定のスポーツの全国大会についての懇談を実施。
 続いて和歌山市を海上から視察。住友金属沖から和歌浦、マリーナシティにかけて周回しました。昨年秋の台風の影響で崩れた和歌浦沖の防波堤は、未だにそのままに放置されたままです。
 視察終了後、式典の打ち合わせを実施、終わってから情報通信関係に関する懇談を行い、その後の印刷店で式次第の読み合わせを実施、本日の最終は式典の司会者と進行台本の打ち合わせです。準備物と進行についての確認を行い準備は整いました。

 今日、子ども達に対して絵本の読み聞かせを行なっているボランティアの方と懇談しました。子ども達への読み聞かせ活動は4年前から行なっています。今でこそ、読み聞かせの効果が認知されているので、各地で読み聞かせ活動は活発ですが、この方々のグループが草分けです。
 今では地元の小学校や各種施設に出向いて、出張読み聞かせを行なうまでになっていますが、当初はなかなか受け入れてもらえなかったそうです。小学校に行くと、教育の素人が何を言っているという感覚で、学校現場では取り入れてくれなかったのです。それが地道な活動により認知され、今では小学校にこのボランティアグループが入って子ども達に読み聞かせ活動を行っています。
 和歌山の公立学校は明日終業式を迎えますが、1年間読み聞かせ活動を行ってきたある小学校のあるクラスの生徒達から、ボランティアグループに対して感謝の意を表すお礼状をいただいたそうです。1年間の活動の成果を子ども達が評価してくれての行為に、苦労も疲れも吹っ飛び、この感動で改めて挑戦を思ったようです。

 活動拠点として自宅の一室に文庫を設置し、読み聞かせの会場にしています。週に何度か読み聞かせの日を決めて、子ども達が集まってくる環境を作っています。自宅の一室を生活の場から切り離してボランティアの部屋として活用している姿勢だけでも尊敬すべきものですが、月に2回は10人のグループメンバーが集まって、読み聞かせの方針を話し合っています。どの絵本を選択するのかが、子ども達が本読みを好きになるのに大きな要因となります。適切な絵本を適切な時期に提供することが大切です。だから大人が本を読み、本を選ぶことが出来る感覚を磨く必要があります。
 読み聞かせで大切なのは気持ちを込めて読んであげることです。団体によっては発音練習や発声練習を行なっているところがありますが、テクニックだけでは子ども達の気持ちを揺り動かすことは出来ません。子ども達の気持ちを動かし感性を高めるためには、大人が感情移入して聞かせることです。それが出来るなら、読み方のテクニックは関係ありません。今では読み聞かせの指導者よりも、メンバーのお母さんの方が上手くなっているケースがあります。子どもに合わせて読み方を変えているので、子ども達の心を捉えています。

 活動を通じて分かったのは、子ども達に必要なものは家庭と学校におけるその世代に必要な本を読むことです。読み聞かせ活動を4年間続けてきた経験から、本を読む子どもは感性が豊かになり学習能力も伸びると考えています。生まれた時から重い障害を抱えているため塞ぎこんでいた子どもが、小さい頃から本読みを続けた結果、精神が健全になり何事にも前向きに取り組むようになった事例もあります。知識レベルは7歳にして大人と同程度まで伸びたのです。
 さて読み聞かせ活動は効果を検証してから始めたものではありません。効果は計っていないけれども、良いと思ったことはまず実行してみることで次々と道は開けています。現状を調査した後、読み聞かせの効果を検証して更に脳科学的な検証を加えて実証してから活動を開始しようと思っていたのでは、4年経った今でも実践は出来ていない筈です。
 良いことかどうか分からない、でも悪いことではないと思ったら、あれこれ考えないで取り組んでみる姿勢が大切です。実践する中で効果は測定出来ますから検証は後で良いのです。
 4年前、読み聞かせ活動なんて誰も行なっていない時代に、絵本を購入するために企業や財団に活動の趣旨を説明し協力を呼びかけています。幾つかの企業は賛同して、絵本購入に関して協力してくれています。それが元となって文庫を設置出来た上、絵本の購入を継続し文庫を充実させています。今では長引く不況などを理由に、これらの企業は文化活動への支援を打ち切っています。どれだけ良い構想でも、時期を逸したら一歩も進展していないことを示す事例です。

 思っていることが形として姿を現し始めるとやる気は起きてきます。形になってくると人が集まってきます。人が集まると活動につながります。活動することで効果の検証が可能となります。
 実施する前に効果は出るのかと聞く人がいますが、取り組んでいないことに対して効果の有無を説明する事は出来ません。判断する立場の人は、時代を読むセンスと良いことか否か咄嗟に感じられる感性が必要です。数字と過去の実績だけで判断するのは、進歩を願う考えからすると誤りです。
 逆に、安全サイドと現状維持の観点を大切にするのであれば正解とも言えますが。ただ、良いものは自分達がやらなくても、同時期に誰かが取り組んで成果を出しています。先に取り組むことが最大のアドバンテージとなります。
3月22日(火) 「夢への過程」
【夢への過程】
 日高中津高校が甲子園に初出場した時の選手一人が今、指導者として少年野球指導などを行っています。自分の経験と技術、そして感動する思いを子ども達に伝えたいと願ってのものです。まだ現役でもやれる位若いのですが目標を持った活動を行っています。
 少年野球の指導は難しいそうです。技術指導だけになると人間形成が出来ませんし、技術指導を怠ると野球を通じて人格形成に資することが出来ないからです。
 少年時代は監督の指導は絶対です。練習でエラーをすると叱られてばかりだと、好きな野球が嫌いになってしまいます。練習試合で三振してベンチに戻ると、監督から叱られてばかりになると萎縮してしまいます。試合に勝つことよりも、監督に叱られないために試合をすることになります。目的である試合での勝利を目指すことよりも、如何に三振しないかを考える余り空振りしないようにボールに当てにいくだけ、つまり監督に叱られないことが目的になってしまいます。これでは伸び伸びと練習が出来ませんし、試合を楽しめません。
 少年を指導しているこの監督は、自身の経験から野球を楽しむことを第一に考えて、怖い監督ではなく兄貴のような存在で指導しています。勿論、規則を守らなかったら厳しく指導しますが、生徒達と練習以外の時間も大切にしています。この考えの元になるのは、高校時代全寮制で3年間一緒に生活をすることで人間的に大きく成長出来たことがあります。 そこから練習以外の時間を大切にしているのです。

 甲子園に出場出来るに越したことがありませんが、少年時代から夢を持って一つのことを目指す過程が大切であることを教えています。大半の野球少年は、甲子園の夢が破れていきます。でもそれでも真剣に取り組んだ過程こそが尊いことを、共有する時間の中で教えています。
 監督の仕事は、野球の技術指導だけではなく人間形成を図るのも大きなウエイトを占めています。生徒に対しては、人生の一時期、何かに熱中することが何事にも変えがたい経験になる、例え予選でも公式な球場のグラウンドに立てるだけでも自信になることを感じてもらいたいとしています。
 人格を形成する時期は、結果よりも結果を出すための過程が大切であることが分かります。努力しないで結果を得られても意味はありません。何時でも努力をしないで良い結果が出るのであれば過程は不必要ですが、長い人生においては偶然が何度も訪れることはないからです。やはりそれなりの努力を重ねた人の元に良い結果が現れます。
 この元甲子園球児は夢を描き、実現に向けた活動を行っています。夢を持ち努力をして結果を得られ感動体験をするという公式が体内に組み込まれると、どのような環境においてもそれに向けて体が反応するようです。この人生で大切な公式に沿って体が反応するためには、頭で理解するのではなく実体験に基づくことが必要です。一度体得すれば忘れることはありませんから、どのような場面でも応用できます。
 子ども達に教えるべきことは、努力をしても最高の結果は得られないかも知れないけれど、少なくとも結果を得られる可能性が高まるということです。努力をしなければ、長い人生において結果は得られないことも合わせて教えられます。
 
【地域再生計画】
 和歌山市再生計画についてのまとめを行いました。新産業創出のための調査事業を1年間かけて検討、一部先行して実践してきましたが、それについて調査報告書の形でまとめたもので、完成版は約200ページで仕上げる予定です。今日はNPO法人のメンバーによる最終校正作業に時間を割きましたが、1年間の活動の足跡を確かめながらのものとなりました。1年が過ぎるのは本当に早いものです。
 まとめをしていて改めて思うことは、考えるだけで実践しなければ何も足跡は残らないということです。現状を確認して何をすべきか検討する姿勢だけでは、何年要しても前に進みません。良い企画が出来たらまず実践してみること、それと平行して必要に応じて現状を調査することです。調査事業を自前で行うことで、シンクタンクへ丸投げでは得られないものを実践することで得られます。
 報告書をきれいに仕上げることではなく、実践する過程で得られるノウハウが財産となります。ひとつを実践して得られたノウハウは、次の仕事でも活かされます。NPO法人や構成員に蓄積されたノウハウは地域の財産としても残ります。

【式典打ち合わせ】
 今週末の式典についての打ち合わせを現地で実施。受賞者と一緒に会場を下見することで当日のイメージを描いて進行表を完成させました。明日は司会をお願いしている方との打ち合わせを実施します。

【貴志川線公募締め切り】
 本日、貴志川線の公募が締め切られます。締め切りは本日の12時ですから最終決定ではありませんが、今のところ7社が公募に応募しています。応募者は次の通りです。
 岡山電気軌道(岡山市、路面電車運行、資本金2億円)。両備グループ、市民と連携し斬新な取り組みを次々打ち出しています。  
 ことぶき食販(高野口町、食販業)を中心とした企業連合体。沿線農地活用型の活性化策を提案しています。
 日本レイト(大阪市、不動産)。宅地開発を含めた沿線開発を提案しています。
 東京都のエネルギー関連会社。社名は公表していません。
 大阪府内の企業経営者。社名は公表していません。
 大阪府在住の個人。匿名希望です。
 トラベル・プランニング・オフィス(東京都、旅行業)。先に公募に応募している会社です。以上の7社です。3月26日にプレゼンを行い、約1ヶ月の審査を経て1社が決定されます。
3月21日(月) 「不思議発見広場」
 福崎空中広場で「わくわく不思議発見広場」イベントが開催されました。私も理事をさせていただいている難病の子ども達を支援しているNPO法人主催イベントです。子ども達に利用してもらうために建設した福崎空中広場で、大人も子どもも集まっての楽しいイベントとなりました。
 実施内容は、子どもに科学に関心を持ってもらうための「科学と遊ぼう」実験。甲南女子大学院生による「本とお友達になろう」イベント。何でも手作りで作成してしまう武内先生による「手作りでプレゼントをしよう」教室。福崎空中広場自慢のアースオーブンを使用した「アースオーブンでビザを焼こう」イベント。そして子ども達と一緒に建物を探検する企画「空中広場を探検しよう」と盛り沢山の内容です。 手作りプレゼントでは、毛糸でランチョンマット作りに挑戦しました。武内さんは折り紙に切り絵、竹とんぼに編み物、紙飛行機など、何でも作ってしまう不思議な先生です。子ども達は不思議な世界に引き込まれていきます。
(ピザ作りに挑戦)

 アースオーブンは昨年夏に皆んなで作った、自然の素材を活かした環境にやさしいオーブンです。最初は焼きいも作りに挑戦、これがとても美味なのです。自分たちで作った焼きいものおいしさは格別です。
 ピザ作りは初めての子どもが多かったようです。ピザの生地にピザソースを振りかけ、トマトやピーマン、サラミなどを乗せます。チーズを十分にまぶして、自分だけのピザが完成です。これをアースオーブンに入れて5分間焼き上げます。子ども達は自分の作品が焼きあがるのを楽しみに、ピザが出てきたら歓声を上げます。
 熱いピザを口に含む姿はとても可愛いものです。

 現代社会の日常生活においては、お金を支払うと簡単に何でも入手することかせ出来るので、昔のように手作りでモノを作る機会は少なくなっています。私が小学生の頃は、雑巾は古いタオルを縫って作ってもらったし、裏面が白紙の広告紙を保存しておいて絵を書いたりしていました。綺麗なデザインの空き箱は使えるかもしれないと大切に保管していました。学校に持っていくものは手作りのモノでしたから、モノを大切にする習慣が付いています。
 ところが現在は、100円ショップに行くと何でも安価で入手可能です。雑巾も売っていますし、綺麗なボックスも沢山の種類があります。必要に応じて簡単に入手でき、簡単に入手出来るため感謝の念は少なく使用後は使い捨てています。大量生産大量消費の時代を通り過ぎて、安価で生産、簡単消費の時代です。

(空中広場全景)
私の感覚ですが、雑巾は古いタオルを家庭で再利用するもので、商品になり得ないと思っていました。しかし今では雑巾は、ひとつの独立した商品となっています。新品の綿を雑巾にするのは、勿体無いような気がするのですが。
 小春日和よりの一日、手作り体験で楽しみました。子ども達はお金でモノ買うよりも、身の回りにある素材を使って自分で創意工夫してモノを作る方が好きなのです。手作り体験を提供するこの企画は現代社会に必要な素材が詰まっています。何が出来るのか、わくわくしながら待っている表情を明日も見たいものです。
3月20日(日) 「コブクロファンフェスタ」
 和歌山市ビッグホエールにコブクロが帰ってきました。毎年開催しているコブクロファンフェスタが全国から7,000人の来場者を集めて行われました。この日は、和歌山市内の道路はコブクロ渋滞と言われています。私もオフィスコブクロ本部に行きフェスタ会場まで車で移動しましたが、やはり渋滞に巻き込まれました。地元、和歌山バスは臨時バスを走らせています。
 県外のファンの玄関口となるJR和歌山駅には特設ブースを設け、和歌山市のコブクロファンとスタッフが特性マップを配布しました。JR和歌山駅から会場までは、道案内のためのコブクロファンフェスタの旗が掲示されフェスタの雰囲気を盛りあげています。

(沿道に立てられたコブクロの旗)
この旗も前日ボランティアスタッフが和歌山市を歩いて楽しんでもらおうと立てたものです。
 さらに会場には物産ブースと観光ブースが設けられています。和歌山市の特産品をファンの方々に知っていただき和歌山市の良さを感じてもらうための企画です。出展したのは、コブクロのイラストを焼き付けた限定和歌浦せんべい。用意した2,000個は直ぐに完売となりました。和歌山市の老舗駿河屋のミニようかん、空弁で人気の蛸いなりも直ぐに完売となりました。

 和歌山市観光課からは観光ガイド、ラーメンマップなどを配布し、フェスタ終了後に和歌山市を観光してもらうためのPRを行っています。
 コブクロにとって地元とも言える和歌山市です。全国から来ていただいたファンにコブクロと一緒に和歌山市も好きになってもらいたいと願っての手作り企画です。全てはスタッフとボランティアで作り上げたもので、決して大掛かりなものではありませんが和歌山市を愛する心が込められたものに仕上がっています。
 オフィスコブクロの社長との話は和歌山市を愛する気持ちが伝わるものでした。ファンフェスタはファンとスタッフが作りあげるもので、最初から完成を目指していない。毎年少しずつアイデアを実現させていくことで、数年先か10年先にはファンフェスタとして完成させたイベントに持って行きたいとしています。社長のアイデアは豊富で実行力がありますから、一気に大掛かりなものにすることは簡単です。でもコブクロを育ててくれた地元の方と一緒に手作りのファンイベントにしたいとの思いがありますから一歩ずつです。

 今年はその第一弾です。今年は和歌浦せんべいを会場で販売しました。直ぐに完売ですから来年も販売すれば完売するのは間違いありません。でもそれではファンの方に和歌山市を好きになってもらえないのです。

(ファンフェスタ会場にて)
 来年(平成18年)のファンフェスタに来てくれた方が、昨年(平成17年の今日のフェスタのことです)会場で販売していた和歌浦せんべいがおいしかったので、是非欲しいと思ってくれた時、和歌浦せんべいの販売店所在地をファンフェスタ特性マップで紹介しておくことで、お店に立ち寄ってくれることになります。お店は和歌山市の観光地のひとつである和歌浦にありますから、お店に行く道中で和歌山市を楽しんでくれることになります。アートキューブや万葉館にも立ち寄ってくれると和歌浦の文化と歴史も感じてくれるかも知れません。

 今年、和歌浦の観光地を特性マップで紹介しても、コブクロファンにとって和歌浦は何のエピソードもない地域ですからそこに行ってくれません。しかし来年ならコブクロ刻印入り和歌浦せんべいを製造販売しているお店は、ファンにとって馴染みのあるところになっています。
 今日一日で和歌浦せんべいは2,000個の製造し販売されました。店の一日の製造規模は分かりませんが、今日の製造量は通常よりも多いのは間違いありません。毎日和歌浦せんべいを作っている職人さんは、お客さんが並んで買っている光景を見る機会はそうありません。今日は自分が作った商品を、たくさんの人が並んで買っている光景を見ることが出来たのです。和歌浦せんべいを買うために並んでいる光景を職人さんに見せてあげたいと願った社長の気持ちのこもった企画です。
 平成18年、コブクロファンフェスタの帰り道、和歌浦せんべいのお店に列が出来る光景が想像出来ます。今日の仕掛けが一年をかけて、コブクロと和歌山市のエピソードを育んでくれるのです。毎年、和歌山市の物産を会場で販売することにより、和歌山市物産が全国に認知されていきます。観光キャンペーンよりもコブクロファンフェスタの方が全国からお客さんを集客することが出来るのですから。

 和歌山市在住のファンとスタッフが気持ちを込めて作り上げたファンフェスタです。盛り上がらない筈はありません。ある歌では歌詞を噛み締めて、ある歌では大いにリズムに乗って、そして二人のテンポの良い会話に笑う、通常のコンサートとは異なる演出が散りばめられています。
 全15曲とアンコール2曲、ラストはインディーズ時代に戻って「ココロの羽」を地声で熱唱した姿は私達を魅了するものでした。
 近々発表される新曲「ここにしか咲かない花」をライブで初めて披露してくれました。この歌は沖縄県にある小さな島を舞台にしたドラマの主題歌ですが、最初、ゴールデンタイムである土曜日の9時ドラマ主題歌と言うことに捉われて、どう全国の人に訴えるかを考えたそうです。 

 しかし島の人から、何かの縁で島の歌を作ってくれるのだから、これから毎年島に来て歌って欲しいと聞かされたのです。二人は、主題歌だからと言って格好つけなくても良いから、島の人に向けて元気付けられる歌を作ろうと歌詞を練り直したそうです。始めて聞くその歌は、故郷を大切に思う気持ちを呼び起こさせるものでした。長く歌い継がれていくに違いありません。
 コブクロがインディーズからメジャーデビューを果たしたのは、今から4年程前のことです。わずか4年前までは地元以外では知られていなかった二人が、今では東京や大阪ではなく和歌山市でコンサートを開催しても、全国から7,000人も集めるデュオになったのです。ストリートで演奏していた二人が大きなステージに立ちツアーを組んでいる。才能を開花させ、歌によって私達を楽しませてくれ勇気づけてくれています。それぞれが持つ才能を開花させることは、多くの人に役立つものになります。私達も自分だけが持っている何かの才能を開花させる努力を怠ってはいけません。それを待ってくれている人がいる筈ですから。

 さてコブクロが第二の故郷と呼んでいる和歌山市。和歌山市は全国のファンを心から歓迎しています。ファンフェスタだけではなく、ファンフェスタ特性マップに基づいて和歌山市の名所を巡ってくれたことでしょう。地元全体でコブクロファンをお迎えする体制を取れるのは和歌山市だけです。
 ファンフェスタは終わったばかりですが、来年はお手伝いの輪を拡げ更に和歌山市全体で盛り上げたいものです。全国から和歌山市に来ていただけるイベントは、それ程ありません。そして今年巻いたファンと和歌山市の間に芽生えさせたエピソードを、和歌山市で育てたいものです。
 活気のあるまちには1年に一度のイベントがあります。岸和田市のだんじり祭りや徳島県の阿波踊りなどが代表例です。コブクロファンフェスタは和歌山市にとっての宝物です。単なるコンサートではなく、地域にとって意味のある大きなイベントです。1年に一度、コブクロと多くのファンが和歌山市にやって来る。気持ちをひとつにしてお迎えし楽しみたいものです。将来的は和歌山市フェスティバルに発展出来たら最高です。
3月19日(土) 「社会貢献活動研修会」
 社会貢献活動に関する研修会に参加。日本に暮らす人は世界中から見ると幸せなのは間違いありません。屋根のある家に住み、食べるものがあり、着る服がある、そして少しの貯蓄がある人は世界で8%に入る幸福な人間だと言えます。それらの条件を満たしていない人は世界中で92%も居るのです。
 それなのに毎日の暮らしを不幸と感じるのは誤りです。私達が思っている不幸とは、病気などの身体的苦痛、外界からの苦痛、人間関係での苦痛、生活上の苦痛などですが、本当の不幸とは他人から必要とされないことです。
 だから幸せとは、他人から必要とされていることです。衣食住を兼ね備えている人は、それだけで恵まれているのですから、地域社会のために尽くすのは義務なのです。社会貢献活動は人間としての義務であり、その活動には持続性が必要です。

【疑問】
 和歌山市でも色々な分野で現在のあり方に疑問を感じ、行動を起こそうとしている人がいます。社会に疑問を感じ、何かしなければと思う気持ちを持っているのは頼もしい限りです。そんな若い人の相談に対して経験者は決まって「無理だから止めておけば」などのアドバイスを送ります。
 現状に満足しているのか、現状を変えようとして敗れた経験があるのか、或いは現状を変えられないと諦めているのか、それぞれ理由はあるのでしょうが、全て尤もらしい理由を付されることで、急激にやる気は萎んでいきます。そして現状は現状のまま継続されることになり、疑問を感じる人がいなくなるとその分野の長期停滞は始まります。
 では誰に相談したら良いのでしょうか。少ない経験からですが、自分と立場や立ち位置の異なる人に相談することが好ましいと感じています。同業種の経験者に相談すると、業界の常識が分かっていますから、現状において出来る、出来ないの判断をされてしまいます。その結果、道を外すことは少なくなりますが、現状を変えることはなくなります。
 ところが違う分野の方に相談すると、常識は異なりますから、違う角度からのアドバイスをいただけるし、やってみたらの言葉も受けられます。常識に囚われない考え方は新鮮です。

 ひとつの業界に長く身を置いていると、業界の常識が社会の常識だと思い込んでしまいます。社会の常識は変わっているのに、業界の常識はそれに追従しにくいのが現状のように感じます。業界内で確立してきた独自のルールは、秩序を守るために必要な部分もありますが、時間の経過とともに保守化、陳腐化していきます。
 そこに疑問を感じたら、信頼出来る人に相談することです。一人で行動を起こすのは大変な労力を伴い実際の行動に移すことは困難です。信頼できるまともな人に相談すると、意見と共にそっと背中を押して前に踏み出させてくれます。
 外に一歩踏み出すと厳しい風にさらされるため覚悟は必要です。その風は批判なのか賞賛なのかは分かりません。人は自分にとって心地よい環境を築いていますから、批判は受けたくないのです。私も当然のこと批判されるのは大嫌いです。
 批判を恐れない勇気などと言いますが実際は難しいものです。でも疑問を感じて調査した結果、その疑問が確信に変わったら正義感が芽生えてきます。この気持ちは大切にしたいものです。

 正義感は眩しいものですから、それを遮る動きは必ず出現します。強い輝きでも紙一枚で遮断することが出来るように、正義感は貫き通すのは至難の業です。でも輝きのない世界は存在しないのですから、やがて輝く時が来ることを信じて歩き出す。そんな人が身近なところに現れるのは、自分の立っている位置に誤りのないことを証明してくれるものです。眩しく輝こうとする人は、感覚的にそれを遮る人の元にはやってきません。同じ光を感じるからやってくるのです。業種や年齢、性別は関係なく光は見つけることが出来るので、より大きな輝きを放ちせめて周囲だけでも眩しい程にしたいものです。
 光を放つ第一歩は、疑問を感じることから始まります。
3月18日(金) 「環境保全特別委員会」
【環境保全特別委員会】
 環境保全特別委員会が開催されました。今回のテーマは「和歌山市環境保全対策主要事業実施計画」の説明です。和歌山市環境基本計画は平成8年12月に制定されていて、それに基づいて実施計画が策定されています。和歌山市でも温室効果ガス排出量を、平成11年度の7%減を目標として取り組んでいます。平成16年度の結果は未だ出ていませんが、見込み値で9%から10%の削減を達成すると報告がありました。
 和歌山市では環境保全対策として、太陽光発電と風力発電の推進、天然ガス車の導入、コージェネレーションの推進を掲げています。太陽光発電に対する補助制度もあり、平成12年度から平成16年度までの補助件数は461件、金額にして6,100万円の補助を実施しています。
 また青岸に計画されている医療用産業廃棄物処理施設の建設計画について、環境監視対策を講じて欲しいとの要望がありました。現在、湊と砂山にテレメーターを設置して監視していますが、新たに施設が建設されるため配置について再検討する旨、当局から答弁がありました。

【駐車場】
 じん肺の原因にもなるアスベストは昭和50年に使用禁止となっています。それに関して、市役所東側の駐車場の天井を見上げると石綿のようなものが張られているので、アスベストではないですかと問い合わせがありました。早速、現場を見て調査をしたところ、駐車場建設は昭和56年3月で、使用禁止規制以後の建設物であり使用出来ないこと、また、使用素材はロックウールのため人体への影響はないものです。ご安心して利用して下さい。

【経営者のノウハウ】
 あるリアルの店舗を構えている経営者がいます。扱っている商品が季節により売り上げの増減があるため、売り上げの平準化を図るためインターネット店舗の楽天に出店しました。出展費用は必要ですが、市場が全国に拡がり売り上げが伸びています。
 立ち上げてから直ぐに黒字化が図れているのは、リアルの店舗の経験が活かされているからです。インターネットで商品を展示するタイミングは、リアルの店舗での動向と連携しています。店頭である商品の販売が伸びてきたら、直ぐに売れ筋の商品をネットショップに掲載することで同時に売り上げが伸びます。
 閑散期は顧客にメールマガジンを送り、需要の喚起を行います。ネットショップはリピーターを増やすことが大切です。見てくれる人は多くても、購入してくれる方はそう多くありません。固定客を大切にして季節感のある情報提供することが、地道ながら販売拡大の秘訣です。

 それに広告の使い方が大事です。インターネット上の広告は、それが広告なのか記事体なのか良く分からないのですが目立つ工夫をすることです。そのノウハウは秘密としておきます。
 ただ言えることは、リアルの店舗を構えていることで販売のタイミングが分かりますから、ネットショップでも市場動向に敏感なため他社よりも有利に働きます。カタログのように商品をデジタル写真で撮影して掲載するよりも実際の店舗にディスプレイされた生きた情報をネットに掲載する方が迫力はあり訴求力も出ています。
 売り方のノウハウは異なりますが、相互の店舗で応用出来るノウハウはあります。

 夜、別の経営者の方との懇談でも、厳しい時代の売り方を紹介していただきました。
 どの分野でも機器の性能が向上し、プロと素人の技術的な差が縮小しています。極端なことを言えば、色やデザインなど差はセンスだけのような気がします。そんな状況でプロとしての仕事をするには、どれだけ顧客にアドバイスが出来るかにかかっています。機器を使いこなしている素人のレベルは高いのですが、その分野の人的ネットワークがないため他人の情報は入りません。プロは多くの顧客を抱えていますから、多くの生きた情報を基にしたセンスを持っています。素人が気付かない点を指摘することが出来るのが強みです。

 素人が考え作った作品も完成度が高い優れたものがありますが、プロからの少しのアドバイスを取り入れることで完成度は高くなります。プロと素人との差は小さくなっている分野がありますが、あと少し、最後のところのセンスは縮まりません。それは、その仕事に携わっている時間と真剣さに差があるからです。
 ところがほんの少しの差の距離は大きいのです。簡単に表現するとノウハウや身に付いたセンスとなりますが、これらはマニュアル化出来ない分野です。頭に中にパターンが入っていて、与えられた素材によって違う組み合わせを瞬時にアウトプット出来るのがセンスです。この素材ならこのパターンという公式はないのです。
 どれだけのものをインプット出来ているかがプロとしての値打ちです。経験、研修、勉強、人脈など時間をかけて身に付けているものがプロとしての財産となります。身に付ける努力を怠らない限りプロでいられますが、経験者でもそれを怠ると転落していきます。
 
【打ち合わせ】
 夕方と夜には時期が迫ってきた式典の打ち合わせを入念に実施。来ていただく方の立場に立った受け入れ体制を整えています。おもてなしやサービスは無料とのイメージがありますが、公式行事で十分なサービスを提供するためには、それなりの費用が必要なことを実感しています。サービスが産業になっている理由が分かります。
3月17日(木) 「卒園式の思い」
【卒園式】
 朝から雨、今日は和歌山市内にある幼稚園の卒園式が挙行されています。朝一番でお世話になった幼稚園にお伺いして挨拶を行いしました。保護者の方とお会いして話をしていると、こちらも嬉しいような寂しいような気持ちになってきます。子どもが幼稚園の時期は楽しいものなのに、苦労を経験された保護者の方々の心情は察するに余りあります。
 平穏な市民生活が脅かされる、これは経験した当事者でないと理解出来ないものです。
 出来ることなら、日常生活は何事も無いように過ぎていくのが、一番幸せなのかも知れません。全国的に見ても、ある日突然事件に巻き込まれることがあります。周囲は何も変わっていないのに、自分の周囲だけに変化が起きる、そして明らかに、時間の経過がそれまでと異なってしまう、ミステリーではなく和歌山市にある普通の家庭で起きたものです。
 気づかない内に自分の意思とは関係なく大きな流れの中に巻き込まれていく、不安と孤独との戦いでもあります。
 社会生活の中においては、自分の思うことと現実が乖離していることが多々あります。現実に合わせるのか、自分の意思のある方へ現実を引き寄せるのか、それも個人がどう思うか次第ですが、後者を選択すれば困難に突き当たることになります。それでも納得し難いことがあれば、少しでも意思表示することが大切です。

 結果は同じになるかも知れませんが、自分の周囲を含めての世界は何もしなかったのと比較して確実に変化が起きています。何もしなかった場合の現実はこの世に存在しないため気づきませんが、取り巻く空間は行動した結果、現れた現実として存在しています。
 再び、一歩前進させた現実の社会で生活が始まります。一段高いところに自分を高めた人は、再び低い志の所へ戻ることはありません。何事もない平穏生活は大切にしたいものですし人はそれを求めるものですが、一度、志を持つと高い次元で平穏な生活を過ごすことになります。日常の生活でも今までと違って視点で物事を捉えるため見える景色が違ってきます。
 厳しい活動を乗り越えて精神状態が高くなれば、これからの生活も高いレベルで過ごすことになります。きっとまた、レベルを上げた方達に対して社会が出番を要請する時がやってきます。卒園式を終えて少しの間、休息の時間となります。
 春の温かい雨が降り注ぐ中、親子にとってそれぞれに意味のある卒園式となりました。
 引き続いて幼稚園のある地元小学校へ進学する子ども達、自宅の近くの学校へ進学する子どももいます。子どもの進学に応じて保護者の方々の進路も別れますが、一緒に活動を行い信頼に結ばれた方々の交
流は将来とも続きます。卒園式の後は早速交流会が行われています。苦しいこと、楽しいことなどが一転して思い出に変わる瞬間です。頑張ってきたからこそ味わえる感激です。
 様々な思いから卒業することになる平成17年の3月17日、奇しくも今日は教育民生委員会において提案された条例を採決する日です。教育民生委員会に提案されて議案は、全て可決されたという事実が刻まれた日となりました。
 保護者の皆さんと子ども達、卒園おめでとうございます。

(卒園式で会長に送られた感謝状)

【研修会】
 英語を学んでいる方達のサークルで英語研修を目的とした京都バス旅行が予定されています。車中では英語で話すこととしているため、外国から来ている人にも参加してもらえるようお手伝いをしていたところ、外国の方6人が参加してくれることになりました。朝から、主催者と外国の方との顔合わせと、研修会の内容と行程についての打ち合わせを行いました。
 英会話の初心者が多いサークルですが意欲は十分あります。このような研鑽のための活動は支援していきたいものです。

【総務委員会採決】
 総務委員会最終日は採決です。委員会に提案された議案は全て可決されました。
 平成17年度予算案を初め、活発に条例内容の議論を交わした「和歌山市一般職の任期付職員の採用等に関する条例」「和歌山市情報公開条例の一部改正」などです。私は全ての議案に対して妥当と考えて賛成をしました。一部委員からは、平成17年度当初予算なのに、貴志川線に対する補助金の予算が計上されていないことなどから反対の意見がありました。
 また任期付職員の採用に関しても、どの業務に対して職員採用するのか不明確であるなどの反対意見もありました。結果として多数の委員が原案賛成となり、委員会として全議案が可決されました。

【貴志川線の経営への応募】
 和歌山市と貴志川町が貴志川線運営会社を公募していますが、本日公募に応じて正式に事業計画書を提出した企業が現れました。応募したのは「トラベルプランニングオフィス」という東京都渋谷区に本社がある会社です。資本金は2,000万円の旅行代理会社で、得意とするのはイベント列車の企画運行、鉄道車両の復元整備代行などです。
 申請書提出後、中尾一樹社長から話を伺えました。
 経営移譲を受ける理由は次のようなものです。全国で私鉄や第三セクターなど50路線に廃線計画があります。このまま放置されると地方鉄道がなくなってしまう恐れがあり、鉄道運営ノウハウを有している同会社が名乗りを上げたものです。

 貴志川線は廃線の危機にある地方鉄道の中では断トツに乗客が多く、十分利益を出せると考えています。最初から黒字化が可能と考え、本日、事業計画書を提出し、同社が経営を行いたい考えです。10年間は行政からの補助がるため経営は可能ですが、それ以降はどのように考えているのかの問いに対して、予算と会社の体力にもよりますが、100年でも200年も続けたいと意欲を見せています。
 元来得意としているのは電車を活用したイベント企画です。現在同社は、岐阜県飛騨市にある神岡鉄道と能登半島にある能登鉄道に対しても経営移譲を申し入れしているため、貴志川線を含めて3社の経営に乗り出しています。他の路線はイベント列車を中心とした観光客をターゲットとしていますが、貴志川線の場合はビジネス客と通学客を主体と捉えているので3路線の中で最も黒字化を見込んでいる鉄道です。

 加えて、イベント列車も走らせることで観光客も呼び込む計画を持っています。車社会ですが、鉄道、特に貴志川線は楽しいと地元の方が思ってくれるような仕掛けのアイデアを持っています。同社の強みは、イベント列車を走らせたノウハウと鉄道関係者の豊富な人脈です。これらを活用して貴志川線を上手く経営する自信を見せています。
 従業員は数人のため、地元の鉄道関係者の数十人の雇用を前提としています。出来れば、
現在貴志川線運行にかかわっている方達に協力を求めたいとしていますが、鉄道各社のOB他社で鉄道運転免許を有している方も募集する予定もあります。
 イベント列車を企画していても既存の鉄道会社は鉄道事業者以外には冷たいものがあり、自前で鉄道を持ちアイデアを実現させたい思いを持っています。
 貴志川線経営の公募があることを知ったのは、直接的にはインターネットですが、鉄道関係者からの情報もあり、今回応募に踏み切っています。鉄道の規制緩和が進められていますが、鉄道の規制緩和の目的は、鉄道事業者の体質改善と新規参入の機会付与の2点です。しかし鉄道事業者以外の新規参入はなく依然として他業種から参入しにくい分野です。
 鉄道事業者以外にも門戸を開き公募を行っているのは、貴志川線が日本で初めてです。鉄道関係者以外に新規参入の機会を与えてくれた公募は画期的なもので、全国的に和歌山の取り組みは評価出来るものです。この動きが廃線阻止と地方鉄道の見直しのために、日本中に広がることを期待していると語ってくれました。

【式典打ち合わせ】
 3月26日に予定している現在の名工受賞式典についての打ち合わせを、発起人が集まり実施しました。120名の方々が出席していただけると返答があり嬉しく思っています。人数が集まるため、一同遅くまで準備を行いました。
3月16日(水) 「総務委員会三日目」
 委員会開始前の朝から福祉関係施設での打ち合わせを行いました。介護保険法の一部が改正されますが、状況についてお互いの確認を実施したものです。介護現場の意見を市の施策に反映して欲しいと要望を受けました。
 委員会審査は総務部についてです。私が行った主な質疑については次の通りです。
 議案第46号「和歌山市一般職の任期付職員の採用等に関する条例」制定についての質疑です。任期付職員条例は、高度な知識や経験を持つ方を5年以内の期限を設けて、市役所職員として採用することを可能とする条例です。専門知識が必要な市の課題に対して職員だけでは対処できない場合に、採用することで課題解決に導く効果が期待出来ます。

Q この制度の利点は、定期採用時期まで待たなくても、課題が発生するなど市が緊急で必要な時期に専門知識を有する方を職員として採用できることですね。
A その通りです。

Q スピードが要求される大型案件を解決するために資する制度なので賛成出来るものです。他の自治体で定期採用以外に専門職となり得る職員を採用しているのは、この条例があるからですか。
A その通りです。

Q 和歌山市の課題としては、介護保険法改正が迫っているのに基本計画が出来ていないなど他都市と比較して対応が遅れていること、そのため民間事業者にも説明を果たせていないなど立ち遅れがあるとこから、介護や福祉の専門知識がある方に来てもらうことが可能となります。また個人情報保護法案が試行されるのに、情報保護に関する整備が遅れていることを解決するために情報に関するISOを習得するための業務が発生した時などに、その知識を有する方に来てもらうなど、即応性と汎用性が出てくるわけですね。
A その通りです。

Q 市の課題に果敢に立ち向かうために、この条例の目的を意識して積極的に対応してくれるよう要望します。
A 了解しました。

 続いて議案第52号の「和歌山市情報公開条例」の一部を改正する条例についての主な質疑です。市役所内の情報を公開することを定めた条例で制定していることは評価出来るものです。今回の改正で、更に情報公開を推進する条項を追加しています。
 第9条で「実施機関は、開示請求に係る公文書に不開示情報が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、当該公文書を開示することができる」とあり、今まで公開できなかった公文書でも開示出来る場合があることを保障しています。

Q この条例の目的は、皆さんからの情報公開に対して基本的に出せるものは出すことを目的にして、一部非公開とせざるを得ない項目について、あくまでも例外規定として第7条と第10条で定めていると解釈して良いですね。
A その通りです。

Q 原則情報公開、例外的に非公開とする条例なら理解できます。情報公開請求をしたのに市役所から非公開とされた場合、異議を申し立てできる機関が、和歌山市情報公開・個人情報保護審査会ですが、審査会が設置されたのは何時ですか。
A 平成15年7月です。

Q 委員構成は。
A 委員5名と非常勤として弁護士にお願いしています。

Q 委員の勤務体制と手当ては。
A 一回当たり2時間、手当ては12,000円です。

Q 審査会への不服申し立ての実績はありますか。
A 設置以降19件あります。

Q 申し立てはあるのですね。審査会が機能しているのであれば、委員会の必要性がある分けで、委員への手当てなど予算化する必要も認められます。他の地方自治体でも同様の審査会を設置していますか。
A 90%以上の地方自治体で設置しています。

Q 市役所に不服申し立てしても非公開の決定機関が市役所ですから、公に出来ない情報公開に関して、不服申し立てできる第三者機関による審査のしくみはあった方が良い分けですね。
A その通りです。

Q 通常法規では抽象的な条文表記を行うため、解釈の争いが予想されるため審査会を設置する意味があります。しかし、この条例では第7条でかなり具体的に非公開に該当する事由を列挙していますから解釈の相違の余地が少ないのですが、審査会設置の利点を示して下さい。
A 情報非公開で不服があれば裁判所に訴えることは出来ますが、時間と費用がかかりますから、市民の方にとっては多大な労力を伴います。審査会に申し立て出来るしくみがあれば費用は不必要ですし、結論を出すまでの時間も短時間で済みますからメリットはあります。

Q そうですね。審査会で不服があれば更に裁判所へ訴えることは可能ですから二重の意味で救済的意味もありますね。
3月15日(火) 「総務委員会二日目」
 二日目は財政部の審議です。以下質疑の概要について記します。
Q 市税収入が減少していますが、原因はどこにあると考えていますか。
A 給与所得者の賃金が抑えられていることで市民税納税額が落ちていると考えています。

Q 全国的に景気回復の兆しが見られると言われていますが、和歌山市の状況をどう見ていますか。
A 和歌山市も景気回復傾向にあると考えています。

Q マクロ的に財政の資料を見る限り景気回復の兆しは見られないと思います。市税の減少に加えて民間企業の設備投資額も二桁減少しています。経済活動の活性化は個人消費と設備投資のふたつですが、消費につながる個人所得も設備投資も両方下がっている状況で、どうして経済が回復しているのか疑問に感じます。見通しが甘いのではないですか。
A 製鉄関係と製造業の業績が回復していると聞くことが多くなったので、そう思った次第です。

Q 資料で見ると法人税額は増加していますね。それは大手製鉄会社と市内に本社がある2社が引っ張っているだけではないですか。
A そのとおりです。

Q それをして和歌山市が景気回復しているとは言えないと思います。和歌山市は鉄の町とも言われますが、中小企業を中心とした地場産業が支えているまちです。中小企業の設備投資が落ちているのですから基礎部分は回復していないと捉えるのが妥当です。底を打ったと思っているのなら、当局は今後の税収が増加すると考えているのですか。
A そうとは言えません。

Q そうですよね。全国的に産業構造の取り組みを行っていて、サービス産業への転換を図っています。和歌山市の状況を見ると、製造業も設備投資を行っていない、個人消費が回復していないことからサービス産業への転換も図られていません。つまり製造業中心で行くにしても力が不足していますし、産業構造の転換も遅れています。和歌山市の産業構造の行く先も見えていない状態ですから、税収についても明るい兆しは見えていないと思います。財政方針に「入る(財政収入)を計る」とありますが、安定した収入を見込めない状況で計れることはないと思います。景気任せで「入る」を計るのではなく、収入増加のための方策を取る意識を持って欲しいと思います。
A 分かりました。

Q 続いて公的施設の使用料収入についてです。公的施設利用に関する収入は昨年度よりも減少しています。算定に当たっての根拠はありますか。
A 平成16年度末で減額補正したことを踏まえて、その実績を元にして収入見込みを立てました。ですから昨年当初見込みよりも使用料収入は減少しています。

Q 収入が減少したに見合う経費削減を行い収支のバランスを取っていますか。
A 公的施設の管理運営は固定費が占めているため、経費削減は難しいのが現状です。

Q 固定費部分が多いのは分かりますが改善手段はありますか。
A 民間委託を進めることも考えています。

Q 直営か外郭団体などで運営する限りは、人件費などの固定費は多くて減らすことが出来ませんよね。民間企業なら収益見込みに見合った取り組みを行えるのですが、行政では難しいのは分かります。でも法律が変わり公的施設の民間委託が可能になっています。指定管理者制度を活用することにより、民間委託化を図れば固定費削減は可能です。新しい制度を取り入れる方法を考えて下さい。
A 民間委託は視野に入れて取り組みます。

 国は早く地方自治体の仕事をアウトソーシングするように求めていますが、和歌山市の場合は特に遅れています。国と地方自治体の行政運営のあり方が乖離しているために、地方財政面では特に差が見られます。つまり国が交付金を減らせても、国が示す計画通りにアウトソーシングを行い、官業を民間委託すれば予算内で納めることが出来るのです。和歌山市でアウトソーシングに関するは検討委員会を設置し、民間委託が可能な業務を洗い出すことにしています。

 貴志川線支援に対する金銭補助金額の捻出についてです。これは今すぐ決まった財源は手当てしていません。公募に応じてくれる主体が現れ運営委託することが決定してから、財源確保に取り掛かる予定です。厳しい財源の中から予算を捻り出すには、税収増加を図ること、更なる経費節減に努めること、効果的な行政改革案を早急に実現させることの方法があるだけです。

【活動全般】
 委員会終了後、各種打ち合わせのため市内へ。
 一つ目は、情と経営についての話。経営者はある時は冷静な判断を求められることがあります。その時は情に流されずに経営判断をすべきですから、経営者に求められるのは冷徹になれることです。難局を乗り切り会社を長く続かせるには、情だけでは経営は出来ません。
 ところが冷徹なだけの人間では経営者は務まらないのです。普段は情を持って人に接する必要があります。従業員に対してやお客さんに対しても情を持って接することで、信頼感を得ることが出来ます。信頼を得ることで会社は前向きに動き出します。
 ですから経営者の資質として、情と冷静な判断力を兼ね備える必要があります。どちらも大切ですが、元来冷徹な人は情を持ち得ませんから不適です。情のある人が経営に携わる時に厳しい判断を下せる方が良いのです。人は命令だけでは動きません。

 引き続いてある方から経営に関する話を伺いました。経営者は感謝の心を持つことが最も大切なことを教えていただきました。感謝の対象はお客さんや従業員は勿論、モノに対しても持つことです。お店に来ていただいてありがとうございます。いつも熱心に働いてくれてありがとうございます。働いてくれる人がいるから会社は成り立っているのです。
 そしてモノにも感謝です。トイレがなければたちまち困ってしまいます。天井がなければ快適な生活を過ごすことは出来ません。コップがなければおいしいコーヒーを飲むことは出来ません。
 周囲にあるモノは私達に快適な生活を与えてくれています。モノにも感謝の気持ちを持つことで、モノは私達に良い人生を与えてくれるのです。お世話になった部屋を改修する時でも、今までの生活を支えてくれた古い材料に感謝してから壊し始めます。お店を改修する場合は、今までお金を稼がせてくれてありがとうと感謝の気持ちを持って取り壊します。その気持ちが次の新しい環境を作ってくれます。
 感謝の気持ちが芽生えてくると健康に感謝したくなります。健康に感謝の気持ちを持つと健康な体を与えてくれた両親に感謝する気持ちが宿ります。両親は子どもが幾つになっても見守ってくれています。子どもは行き詰ったとき、苦しい時に無意識のうちに両親に祈ります。感謝の気持ちが行動を後押ししてくれます。
 経営する時の気持ちは、突き詰めると両親への感謝の気持ちと同じです。この感謝の気持ちをお客さんや従業員に持つことで発展していきます。
 感謝の気持ちを持つことは経営だけではなく、人間としての活動の原点となります。

 温かく見守ってくれている人に対して恩返しをする方法は、直接的に何かをお返しするのではなく、自分の行動の結果を出すことです。人は行動すると何かの結果を得られます。社会的に良い行動を取れば良い結果を得られますし、悪い行動を行えば芳しくない結果が得ることになります。結果を見ると、自分の行動が正しかったのか否かが分かります。
 行動することが結果を得られる唯一の方法ですから、恩人には結果を出すことでお返しが出来ます。少しずつでも階段を登って成長することが恩返しなのです。
 ただ自分のお金を使い、厳しい決断を迫られ乗り越えてきた経営者に追いつくのは大変なことです。本来ならお金を使ってでも聞くべき話なのですが、忙しい中、機会を持ってくれた上、経営指南していただける経験は変え難いものです。
3月14日(月) 「総務委員会初日」
 市長部局に対する質疑です。
【リフレッシュ会議について】
Q 市長が政策提言を期待する触れ込みでスタートさせたリフレッシュ会議の平成17年度予算は36万円の計上ですが内訳を示して下さい。
A 委員10人に対して一回の出席当り6,000円、6回開催予定ですから36万円となります。

Q 第一回目リフレッシュ会議の委員からの提言で何か実現できたものはありますか。
A 市役所4階にある外国の方向けのサロンの設置が提言から実現したものです。

Q 人選された委員は市内の経営者やオピニオンリーダーであり、多忙な時間を割いて出席してくれるのですから、提言された意見を政策に反映出来るように務めて下さい。第一回目の議事録を読みましたが、市の課題に対して熱心に議論が交わされています。この議論を活かすことがリフレッシュ会議を活かせるものです。
 平成17年度広報公聴予算は10%も低減されています。しかし広報公聴活動の目的は、市の事業を広く周知徹底し、広く市民の意見を聞くための予算と謳われています。その目的を達成するための活動をするのに予算を減額するのは矛盾しています。予算を減額して十分な広報公聴活動を行うためには、リフレッシュ会議からの提言を市政に反映させることが必要です。委員は各界を代表する方々ですから、市の課題に対して市民の意見を吸い上げてくれる筈です。
 市の広報公聴のためにもリフレッシュ会議を上手く活かして下さい。

【和歌山大学観光学部について】
 企画部に対する質疑は、和歌山大学観光学部に関する協議会設立についてです。

Q 和歌山市が参画予定の協議会の構成は。
A 和歌山県、和歌山市、市長会、県下の商工会連合会などです。

Q 予算規模はどの程度ですか。
A 和歌山市が30万円、和歌山県が100万円、市長会や商工会連合会は10万円から20万円を支出します。合計220万円の出資金となります。

Q 協議会発足の時期は何時ですか。
A 未定です。

Q 平成19年度の開校を目指しているのに、協議会設置が未定では遅いのではないですか。
A 平成17年1月に県と大学と三者で話し合った時に、平成17年度予算が議会の承認を得てからでないと出資するとは言えないので、予算案が可決して以降の設立になると確認しています。

Q 文部科学省の意向はどのようなものですか。学部設置は少し厳しいと聞きますが。
A 学部の設置は難しいと聞いています。現在和歌山大学には経済学部、教育学部、システム工学部がありますが、そこに学部を新設するのは難しいのです。例えば、学生人数総員を変えないで、仮称ですが学郡と言ったイメージであれば設置は可能と聞いています。

Q 和歌山大学の学長はサテライトキャンバスの構想を話しています。市内または県内に持っていくことも視野に入れていますが。
A 聞いています。この紀南でのサテライトキャンバス構想は、常設ではなく週何回か授業を行える場所として計画されていると聞いています。

Q 和歌山大学の本校内に観光学部を設置しないのは理由があります。日本には立教大学の観光学部が第一人者です。ここには逆立ちしても敵いません。同じ立場で勝負しても生徒は集められませんから、オープンキャンバスにして机上だけではなく、熊野や和歌浦、和歌山市中心部の活性化策検討など実地で学ぶことにより、既存の観光学と差異化を図ろうとするものです。単に大学の外へ校舎を持って行くのではない訳です。
 折角、協議会を設立してそこに出資するのですから、和歌山市外にキャンバスを設置されたら勿体無いと言いたいのです。勿論、和歌山県内に設置されるのは喜ばしいことですが、和歌山市内に来ていただけることが望ましいと思います。
 そのために和歌山大学の意向を確認し協力出来る部分は協力して欲しいと思います。
A 和歌山他大学の意向を課確認出来たら、協力出来るようにします。

Q 例えば、和歌山市にある旧丸正ビルを活用する新聞報道もされています。いくつかの候補地はあるようですが、開校時期を考えると今から建物を建築していては間に合いませんから、既存のビルを活用することになります。是非、開校のために協力して欲しいと要望しておきます。
A 和歌山大学との協議の中で要望があれば考えます。

【南海貴志川線について】 
Q 鉄道事業者にNPO法人はなれるのですか。
A 手続きを行えばなれます。

Q NPO法人が主体になれるのかを聞いたのに返答がなかったので、市民鉄道についてはトーンダウンしています。
事業主体の運行開始は、公募条件によると平成17年10月1日からとなっていますが、仮に運営主体が決定したとしても間に合わないと思います。鉄道会社が引き継いだ場合でも同じです。その理由は、南海の車両を運転するためには、鉄道会社によって車両が異なりますから運転免許があっても実際の運転が出来ないこと、鉄道会社によって法規が異なるためそれらを身につける必要があること、車両には検査が義務付けられていますが貴志川線には自前の検査工場を持っていないことなどからです。
 つまり南海電鉄に対して短くても半年、出来れば1年間は運行を行って欲しいのですが、そのあたりの認識は如何ですか。
A 現行のスケジュールでは、仮に事業者が決定しても間に合わないと認識しています。南海電鉄に対して、運行延長を依頼することを考えています。

Q 貴志川線だけを運行する会社が設立出来たとしても、しばらく間運行に協力してもらうことや運転員の訓練、車両検査などの面から末永く南海電鉄に支えてもらうことが存続のためには不可欠です。
A それは認識しています。南海電鉄に協力依頼を考えています。

Q 新しい事業主体の運行条件には10年以上と書かれています。ここが沿線の方が不安に思う原因です。県外事業者が主体となった場合は特にですが、行政から10年の補助をしてくれる間は運行するけれども、それが過ぎると経営から撤退する恐れがある不安感を拭えないからです。契約の段階で歯止めをかけますよね。
A 事業者が決定した後、契約の段階で期限についての条件を付すことにします。

Q 10年で撤退されると、その時にまた同じ問題が惹起しますから検討して下さい。
鉄道の運行は運転経験のある方達の協力を得られたら出来るかも知れません。ただ出来ない理由がひとつあります。それは完全に安全な体制を取れないことです。JRや南海電鉄なら仮に鉄道事故を起こしても補償は出来ますが、小さな資本金の会社が鉄道事故を一度でも起こすと再起は難しくなります。簡単に運行を引き受けることが出来ない理由はそこにあります。現実的に、貴志川線を存続させ長い間運行していくには、強力な会社に主体となっていただき、市民が市民ファンドや駅舎管理などの協力を行うなどして一体となることです。この形となるように行政で支えて下さい。
A 分かりました。

【指定管理者制度について】
Q 都市整備公社の予算1,397万円の内訳を示して下さい。
A 職員派遣の人件費、事務所費用などです。

Q つまり人件費などで占められている訳ですね。
A そうなります。

Q 行政改革の資料によると、都市整備公社運営委託事業は一次評価では廃止となっているのに、二次評価では見直しの上で継続、再構築に変更されています。指定管理者制度に逆行する結果になっているのは何故ですか。
A 一次評価は企画部が廃止と結論を出しました。二次評価は当該部と話し合いを行った結果、継続となりました。

Q 折角、廃止になったのに残念ですね。その時期は。
A 廃止と評価したのは平成16年6月、二次評価は同年8月です。

Q わずか二ヶ月の間でひっくり返った訳ですね。
A 廃止と言っても、直ぐにではなく将来的に廃止としていたものです。

Q そうですか。指定管理者制度の時期は平成18年度だと思いますが。
A 指定管理者制度は平成18年9月からですが、それ以前に出来れば導入しても良いのです。

Q そのため、他の地方自治体では1年前の平成16年初頭から最重要課題として導入に向けた取捨選択を行っています。早ければ平成17年6月議会に提案する予定のところまであります。和歌山市の状況は如何ですか。
A 1年前から作業を行っていますが、未だどの施設を対象にするのか決めていません。

Q 官業の民間開放である指定管理者制度は小泉内閣の目玉事業のひとつですから、各地方自治体は導入に向けて作業を進展させています。行政改革の金額的成果も大きいものですから早急に取り掛かって下さい。
A 分かりました。

Q 参考までに、和歌山県内のビッグUは公立ですが運営は当初から地元のNPO法人に委託しています。そのような例が出ていますから認識しておいて下さい。
3月13日(日) 「熊野健康村構想推進フォーラム」
 本宮町山村開発センターにおいて、熊野健康村構想推進フォーラムが開催されました。この取り組みは県とNPO法人が協働しているもので先進的な事例です。
 フォーラムでは、「熊野の魅力と未知なる力」の講演、熊野健康村構想調査事業報告、癒しの熊野ライブ、熊野ディスカッションで構成されています。 熊野ディスカッションでは、パタゴニアの藤倉克己さんをコーディネーターに、小学館の岩本敏さん、二瓶健次先生、タレントの中島史恵さん、泉正徳本宮町長、木村良樹和歌山県知事がパネラーとして参加しました。主な議論は次のようなものです。

 小学館の雑誌にサライがあります。元気が高齢者を対象とした雑誌ですが、編集は非常に難しいそうです。
 理由としては、それ(サライ)以前の雑誌を作る場合、自分が経験してきたことをテーマにして作れば良かったのに対して、サライは自分が経験したことのないことを表現する必要があるからです。事例を出すと、子供向けの冊子「小学校一年生」は編集者なら誰もが小学校一年を経験していますから製作は容易です。小学校低学年向けの「コロコロコミック」なら、自分が小さい頃に好きだった漫画の内容を思い描いて連載漫画を決めたら良いのですから、編集方針の決定は難しくありません。
 それに対して、自分が未だ届いていない年齢の関心事の冊子を作ろうとすれば、積極的に人生を生きている人生の経験者に師事して学ぶ必要があります。このことで、岩本氏が過去持っていた価値観は完璧に崩れていきました。

(小学館の岩本氏による講演)


(癒しの熊野ライブ)


(藤倉先生と岩本先生)
 それは若いことや新しいことには、それ事態にはそれ程価値がないと言うことが分かったからです。若いことが価値を持ち始めたのは明治維新以降ですから、約100年の歴史があるに過ぎません。富国強兵をスローガンにしていたため、それに沿うのは若い人だったため、若いことに価値があると言い始めたのです。
 江戸時代以前は経験者の存在自体に価値を認めていたのです。それについて今でも、時代劇の台詞から伺い知ることが出来ます。
「お主、若いのぉ」などの台詞を聞いたことがありますが、これは若いことを褒めているものではありません。この台詞の意味するところは、若気の至りや経験の未熟さを戒めるものです。経験者が重宝され若いのは未熟で価値を認めていないことを示しています。
 サライは発刊時から発行部数で3倍増、広告収入で5倍増となっています。これは元気な高齢者が増加していること、高齢者をマーケットに捉えている企業が多くなっていることを裏付ける数値です。

 昭和22年の日本人の平均年齢は、男性が50歳、女性は53.9歳、今日では男性が78.4歳、女性は85.3歳ですから、30年程度寿命が延びています。高齢者が元気だからこそ、超高齢化社会を迎えようとしていることに気付くべきで、そこをターゲットにすることが先進的な取り組みと言えます。旅行にも行けないような弱った高齢者が増えているのではないのですから、高齢化社会の意味を取り違えてはいけません。
(二塀先生と中島さん)
 元気に活動している高齢者は経験を持った上で、アクティブ志向だから尊敬されるべき存在です。かつての若者が欲したものは、万年筆や手帳、スーツなどでした。それらは格好の良い大人の象徴でしたから、当時の若者は早く大人として認められたい気持ちを持っていたため大人が所有す物を欲したのです。

 それに対して現在は、大人になりたくないため10代20代の若い人達が好む物を大人が購入しています。若く見られるための商品を買う行動に走っていますから、その結果ロングセラー商品が無くなっています。大人の象徴として認められるものが現在も支持されていればロングセラー商品となりますが、現代社会では商品の寿命が短くヒットはしても、短期間で市場から姿を消し去るものが多くを占めています。
 若い、つまり未熟な大人が市場の中心となる限り、息の長い商品の出現は難しいものです。しかし本物はロングセラーになります。

(泉本宮町長と木村知事)

 熊野の価値は世界の先進事例、模範になるべきものです。超高齢化社会においては、元気な経験者が求めるものは本物ですから、熊野から発信し提供するものは受け入れられます。手間隙をかけること、無駄を楽しむことで文化となりますから、熊野文化となるものを築きたいものです。
 熊野が超高齢化社会に通用する価値観を持った地域になれば、世界で最先端を走る地域として熊野の存在価値は高まります。熊野が取り組もうとしている計画は、世界中にモデルがないのですから、熊野の取り組みそのものが他に例を見ないものとなっています。後世から、成功事例となるのか反面教師として捉えられるのかは、現在熊野に関わっている人達の取り組みにかかっています。

 今日のゲストは各界のリーダー達です。本来、そのノウハウを獲得するためには、お金を支払って講師として来てもらう程のものです。マーケット拡大や市場調査をしている東京圏の企業は、真剣に今日の講師達の話を聞いています。今日の参加者に対してもビジネスのヒントを沢山披露してくれました。
 雑誌の成功、日本市場での成功を体験してきた方達だからこそ、成功体験を話すことが出来ます。これを聞くだけに終わらせるのか、活かすために行動するのかで熊野の将来は変わって来ます。特に藤倉さんはロサンゼルス在住ですが、この熊野健康村フォーラムに参加するために、ロスから東京、白浜、本宮に来てくれ滞在してくれたのです。
 終了後、直ぐにロスに帰りますから本当に頭が下がります。藤倉さんは、熊野のブランド化に役立つのであれば役立ちたいとの思いから、居住地のロスから熊野へ来てくれました。この熱い想いをしっかりと受け止める必要があります。

フォーラム全景

○講師経歴
岩本 敏 氏 
小学館 情報誌編集局 執行役員(兼)チーフ・プロデューサー 『サライ』『ラピタ』『BE-PAL』担当。『ビックコミック』『FMレコパル』『少年サンデー』編集部を経て、 1981年『BE-PAL』創刊にたずさわり、同誌デスク、同誌編集長歴任。1986年 『BE-PAL』編集長就任。その後『GORO』編集長経て、1991年『サライ』編集長就任。1996年 第三編集部部長に就任。『サライ』編集長を兼務。1998年 7月より現職情報誌編集局 チーフ・プロデューサー
 担当雑誌=『DIME』『サライ』『ラピタ』

藤倉 克己 氏
パタゴニア日本事業部長マーケティング・ディレクター
ソニー、ボルボを経てパタゴニア(カリフォルニア本社)に採用。パタゴニア日本支社設立と同時に日本支社長に就任。パタゴニア米国本社に戻り、日本事業部長、及びマーケティング・ディレクターに就任、現在に至る。
パタゴニア勤務と並行して、個人として日米企業のマーケティングコンサルタント、ブランディングコンサルタント業を運営。

中島 史恵 氏
1994年の第1回「シェイプUPガールズ」オーディションでグランプリを受賞。スポーツイベントやバラエティ番組で活躍するほか、女優業にも取り組む。
現在は旅番組などにレギュラー出演中。年齢を重ねるごとにきれいになりたいと始めたヨガが特技で、サッカーヨーロッパ選手権「UEFA EURO 2004」WOWOWメーンサポーターとして、イベント、番組等で活躍。第2回日本DVシネマ大賞最優秀主演女優賞受賞。

二瓶 健次 氏
前国立成育医療センター精神内科医長
東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て昭和54年から国立小児病院神経科医長。
平成13年から国立成育医療センター神経内科医長、平成16年3月退官。現在、身体障害者療護施設「横浜らいず」診療所長、白百合女子大学非常勤講師、早稲田こどもメディア研究所研究員。包括的医療、バーチャルリアリティーの医療への応用、代替医療に関心をもつ。


熊野健康村構想調査事業報告は次の通りです。
 2004年7月に「紀伊半島の霊場と参詣道」が、わが国で12番目の世界遺産に登録されました。世界で2例目に道として世界遺産となった熊野古道は、古(いにしえ)より蟻の熊野詣でと呼ばれるほどに人々を魅了してきた巡礼道で、世界遺産登録をきっかけに今まで以上に多くの人が訪れるようになりました。   
 一方、国民の健康への関心が高まる中、公園や歩道などでウォーキングを行う人が増えてきました。また、寝たきり防止のために積極的に運動を取り入れようとする動きも始まっています。
 この様な背景のもと、熊野古道の自然環境や立地条件等に着目し、語り部とともにゆっくり歩く熊野古道ウォーキングが及ぼす心身への健康効果を明らかにすることで、健康増進活動や観光振興にウォーキングを活用することを目的とし、基礎的な調査を行いました。
 今回の調査は、熊野古道の目的地である熊野本宮大社や温泉、自然にあふれた熊野本宮地域をモデルとし実施しました。

 本調査には、地元本宮町及び和歌山市内の方々に協力して頂き、熊野古道ウォーキングを実施。また、反復による加重効果を検証するため、ウォーキングを取り入れた2ヶ月間のトレーニングを行いました。
 本宮町内の熊野古道を3コース設定し、比較対照として、和歌山市内の平坦な公園コースでの調査も実施しました。

【1回のウォーキング効果】
 11月下旬から12月中旬。参加者数は延べ120名程度。
 1回の熊野古道ウォークの前・中・後で、@生理的効果(免疫能、内分泌代謝、自律神経機能)、A精神的効果(思考)、B心理的効果(感情)について調査しました。

【2ヶ月トレーニング効果】
 12月中旬から2月中旬、参加者数は39名。
 2ヶ月間にわたり、熊野古道ウォークと平地公園ウォークをそれぞれに、概ね週3回、1回あたり60分間、習慣的に実施してもらい、2ヶ月前後で@生理的効果、A心理的効果、B行動変容について調査しました。

●健康への影響(安全性)
 今回調査した熊野古道は、身体に適度なアップダウンで、心臓や血圧などへの生理的負担が少なく、年齢に関係なく、安全に歩くことができるコースであることがわかりました。
●環境
 本調査による熊野古道11箇所の紫外線量の平均は、市街地(日なた)に比べわずか50分の1程度であることもわかりました。
●特徴的な生理的効果
 1回の古道ウォークを行った結果、ストレス軽減、免疫力増加、リフレッシュ、足の筋肉への適度な刺激など、多くの効果が確認できました。特に、和歌山市内からの参加者の免疫力は、熊野本宮へ到着した時点で増加していました。
●精神的・心理的効果
 古道ウォークにより、心理的ストレスの軽減、気分の改善効果が見られました。
●2ヶ月の運動効果
 2ヶ月間にわたり古道ウォークを行ったグループは、内臓脂肪の減少、心肺機能の増加、下肢筋力の増加などの改善効果が得られました。これは平地の公園でのウォーキング効果を上回るものでした。

 折角歩くのであれば、からだやこころにもよい効果を手に入れたいものです。また、観光についても,単なる物見遊山でなく、心身のリラックスや健康づくりになれば、魅力も増します。
 悠久の歴史、雄大な自然、温泉、食材、なんと言っても木々に囲まれた熊野古道を楽しむ時間。
 熊野古道を歩く旅は、身体への負担は少なくても、適度なアップダウンや凹凸のコースにより、適度な脚への刺激となります。さながらオープンドア(自然のなか)のフィットネスクラブといえます。
 ゆっくりと歩いても運動効果があり、また、ゆっくり歩くことでさらに安全性も高まります。また、こうした脚筋力を鍛えることは、寝たきり防止にもつながることですから、旅を契機に運動を始めてみる、そんな気づきの場所として新しい付加価値を高めていきます。

 そして、歴史散策や自然観察をしながらの古道ウォークは、最近注目されている「脳活性」にも効果があることがわかってきました。
 この様に本調査を通して、「熊野古道を歩く」ことは心身を健やかにすることが立証でき、熊野本宮地域が「健康を意識した観光」に適した場所であることがわかりました。
 終了後、講師の方々と登った本宮町にある七越峰からの光景は最高のものでした。世界を巡っているパタゴニアの藤倉さんをして、今まで見た景色の中で最高のものだと言わしめた程です。七越峰から見る「はてなし山脈」の半分が雪景色で半分が晴れ間の光景は、地元の人でも珍しいと言うものでした。

(七超峠にて講師の皆さんと一緒に。)
精神的にも満たされた一瞬でした。
3月12日(土) 「華道」

(華道講習会に参加)
 山村御流華道講習会に参加しました。華道を経験するのは始めてなので何も分かりませんが、山村御流は思いのままに花器に花を挿すことで自己の思いを表現していきます。
 使用する花の種類は2種類か3種類ですから、作品の仕上がりは質素です。シンプルなだけにセンスが問われます。2本、3本の花で表現するのは簡単なようで難しいのです。自分の性格を全て曝け出すような感覚になります。同じような2本の花を挿すだけなのに、人によって全く違う作品が出来上がります。花が上を見上げたり、或いは花器から垂らしたりと、シンプルだからこそ個性とセンスが問わ
れるようです。空間美をどう表現するのか、全体の空間との調和を図ることで落ち着きの良い作品になります。単体で良く見えても空間として違和感がある場合がありますが、それはバランスが悪い証拠です。世の中にあるものは全体と調和させることで上手く行きます。異才を放つことも必要ですが、全体との自然な調和を図ることが必要です。
 本日は花器を作る所から始めましたが、集中していたため取り組んでいる時間は非常に短く感じました。

 終了後、白浜空港に前国立成育医療センター精神内科医長の二瓶健次先生を迎えて、本宮町に向かいました。白浜空港は大変な雪と強い風で飛行機が着陸できず、空中で旋回を続けたため到着時刻が40分程度遅れました。
 熊野はスローステイの癒しの場所として注目の地域です。世界遺産として観光客が増えていますが、単なる観光地としてではなく中期滞在してこそ気持ちが良くなる地域の特性を知ってもらおうとするものです。道中、フォーラムについて県の考え方についての話し合いながら移動しました。今回のフォーラムのテーマ は「SLOW STAYと熊野ブランドの確立」です。
 熊野は世界遺産として貴重な資源ですが、その特長を簡単に言うと3つあります。
 道が世界遺産となったのは、スペインの巡礼道サンディアゴの道に続き世界で2箇所です。湯の峰温泉のつぼ湯は、世界遺産で現在も入浴ができる温泉はここだけです。川の古道としての位置づけがあり、川が世界遺産に登録されたのは世界で初めてです。
和歌山県では都市型生活にないスローライフな価値に注目しています。そこで現代人が求める時間を提供したいと願っています。例えば熊野古道をゆっくり歩く、都会では絶対味わえない時間を提供することで現代人が求める癒しや健康を実感し、自分を取り戻す場所として、もっと地方が積極的に活用されるようなしかけが熊野健康村構想です。
 SLOWの考え方は次のようなものです。

 「S」はサービス、もてなしです。もてなし、ホスピタリティーは重要です。世界遺産の地として、これはローカリティとつながりますが、熊野のモノを生かして熊野らしいもてなし方、がっかりさせないものを構築することです。

 「L」ローカリティ、地域色の豊かさ。例えば、サービスには熊野の人が主体となって語り部や体験の名人としていろんな体験を教えてあげる、食べ物や土産物でも熊野のものをもっと使ったものが増えていけば、地域の人の収入にもなるし、生きがいにもつながります。

 「O」オリジナリティー、個性化。現在のパッケージ観光は、ここは世界遺産熊野古道でございますと駆け足で過ぎていく。印象に残る暇もありません。物見遊山の観光ではなく、時間がある人がゆっくり癒される旅をつくっていく。地元の人がサポートして、熊野古道を歩いたり、釣りをしたり、植物の写真を撮ったり、川を下ったりしながら満たされて元気になって帰っていく。そんな自分らしい時間の過ごし方が出来るしくみをつくっていく必要があります。

 「W」ウエルネス、心身の健康。健康という側面、これは「熊野健康村」の大きな柱であり、他地域との差別化していくための切り口です。健康が、国民の最大関心事になっています。
ストレス、生活習慣病の蔓延などによる弊害、医療費、介護保険負担等が、財政を圧迫するなど社会問題化しています。 
 熊野でのSLOW STAYについて、明日のフォーラムで議論することにしています。
3月11日(金) 「言葉の威力」
 最近、市民税の支払いを怠った場合に市独自の市民サービスを停止する自治体が現れています。最初に条例化したのは群馬県太田市ですが、和歌山県上富田町でも条例化されるようです。一般的には、義務を怠るのですから権利の主張が出来ないのは当然の帰結です。ものを言うためには、社会のルールとも言える義務を果たすことが最低限の条件です。

 そこで面白い提案をいただきました。地方議員の選挙に行かなかった人に対して、市民サービスを停止してはと言うものです。国民の義務を果たさないのだから、当該4年間は、当該市独自の権利を行使させないのは当然だと言うものです。責任を持って私達の代表を送り出すべきなのにその行為をしないことに対しては、もう個人の問題ではなく市全体の方向性を誤らせる不作為になるとの考えによるものです。

 個人が責任を持って市の将来を託すことの出来る人を選ぶべきで、議分が義務を放棄して市政に関して文句を言うのは筋違いです。選ばないといけないと思ったら真剣に誰を選ぶべきか考えますから、誰に託そうとも放棄するようは賢明な選択となります。
 そして選んだ人がどのような議会活動をしているのか関心を持ち監視すべきです。一般質問の内容を聞くこと、議会傍聴に行くことなどが議員活動をしっかり行わせるための牽制となります。無責任、無関心が最も市政の停滞を招く要因です。

 今回の提案の、選挙に行かなければ市民サービスを停止するアイデアは憲法上違法で実現は困難ですが、市政活性化のアイデアとして面白いものです。実現不可能だからと思って言葉を飲み込んでしまうと、永遠に不可能になります。仮に不可能と思っても言葉に発すると、最低限聞いている相手には伝わりますから言葉のエネルギーは生き続けます。エネルギーがある限り、いつか実現することもあり得るのです。
 思いは言葉にしてこそ実現するものです。

 物事を頼まれたら、必ず他の誰かに依頼していないか確認する行為は大切です。人は何とか実現させたいと思うことがあると、あせって複数の人に同じ案件を依頼することがあります。その案件が先に誰かの手によって動き出している場合、次に依頼を受けた人も動き出すと必ずどこかの時点で衝突します。そうなると物事が進まないばかりか、依頼者との信頼関係も損なわれる恐れが出てきます。

 あせって複数の人に依頼する気持ちは分かりますが、先に頼んだ人の結果を待って次の行動に移すべきです。もし複数の人に依頼する場合、先に頼んでいる人がいるので重複するけれど頼んでも良いですか、と聞くことです。そうすると相手が、先の人に任せておくべきか、同時に動いたほうが良いのかを判断してくれます。
 複数の人が依頼事項を解決するため同時に動き出し、同時期に結論の異なる解決方法を導き出した時は困ったことになります。骨を折ってくれた方の、どちらかの労力を無駄にすることになりますから、ここでどう言い訳しようか悩むことになります。
 基本的には何かの依頼をする時は一人にすべきです。経験からすると、その方が上手く運びますしトラブルに発展しません。
3月10日(木) 「行政運営の課題」
 市議会定例会一般質問最終日です。今日で一般質問が終了し、明日は質疑、来週から委員会審査に入ります。
 教育問題に関して同僚議員と一緒に、ある地域の保護者の方達と話し合いを実施しました。その話し合いで感じたことです。
 子どもの教育と取り巻く社会環境の健全化については、現在において地域社会最大のテーマです。大人達は、発言機会のない子ども達の声を聞く姿勢が求められます。社会のルールは現在大人である私達が決めていくのですが、次代を担う子どもが健全に成長するような教育環境と配慮が必要です。つまり、地域として子どもの成長を見守ることが出来る環境を築くこと、地域の方々と交流を深められる施設作りを行うことなどがその施策として挙げられます。
 そこに住む方々と地方自治体は十分な意見交換を行い、教育施設、公的施設をどう配置するのか地域計画を策定すべきなのです。今までは、地方自治体とそこに任命された有識者で構成する○○検討委員会なるものが設置され、テーマとする課題の検討を行います。
 国レベルで委員に就任した経験のある方に伺うと、原則非公開で、事務局提案に沿った形で議論が進められるそうです。委員長は殆どの場合、事務局から指名されますが、これはその方の意向が明確であるからです。

 検討委員会で出された結論は行政当局に送られ、施策として反映されていきます。本来、この委員会では現場の意見を確認する、意見聴取に出向くことが大切なのですが、時間の制約があり実際は難しいのが現状です。この結果、まちに住む主役が不在のまま議論が交わされ、私達に直接的、間接的に関係する施策が決定されます。
 過去においては、情報が一元的に集まり専門知識のある人達で議論を重ねた方が、誤りの少ない結論を短期間で導くことが可能でした。つまり情報が最も集まるのが行政組織であり、専門知識を有するのは市民では無く専門家と呼ばれる人達だったのです。現在でもこの構図は否定できませんが、少しずつ情勢の変化があります。様々で大量の情報は市民でも容易に入手出来ますし、個人に専門知識が無くても行政以上に専門知識を
有したNPO法人も出現していますから、連携することでこれを補うことが出来ます。
 つまり過去のどの時代においてよりも、市民の意見を地方自治体の施策の中に取り入れることが容易な時代になっているのです。委員会を設置して検討しなくても、課題が発生した地域に出向くことで論点が整理され、お互いに意見交換することで歩み寄りが図れ、納得性のある結論を導けます。勿論、変化が起きると痛みは伴いますが、自分達の意見が無視される決定を下されるのと比較にならない程、私達の意思は反映されていきます。

 子どもを大切に思わない親はいませんし、教育関係者なら誰でも子どもの将来のことを真剣に考えています。予算配分と考え方は、立場によって多少異なるかも知れませんが、健全で賢い子どもに育てたい願いは寸分も違いません。
 思いは同じなのに入り口が違うことで、同じレール上で議論出来なくなる場合があります。その結果、聞く姿勢を見せない、肝心なところで逃げるなどの態度を取る破目となり、解決どころか出口すら分からなくなります。司法なら裁判所に判断を委ねる所なのですが、行政と地域間における見解の相違については判断を下す機関はありません。 
 むしろ無い方が正しいのであって、歩み寄りを見せて、お互いに納得しないまでも信頼感を醸成するまでに話し合うことが大切なのです。逃げていても問題は解決しませんし、特に決定権を有する人は強引に押し切るのではなく、当事者の小さな思いに応える度量が必要です。

 信頼することが出来る人が関わることで問題は見えてきます。財政難に端を発した行政改革は、過去の実績に基づく机上の計算で改革が進められます。そこには血の通う余地は少ないかもしれませんが、血を通わせるための過程を経なければ民主主義における統治者とは認められません。
 一人ひとりの思いを乗せて、どこまでも時代は進んでいきます。喜びや悲しみ、悔しさを感じるのが生きている証拠です。何も感じない、何の意思表示も行わないのは、生きているとは言えないのです。人間は天から命を与えられて生かされていますが、社会や地域、組織の中で存在していることを証明するためにも、社会の壁にぶち当たり乗り越えていくことで、自分が生きていることを実感するのです。当たり障りのない人生を望むのが人間ですが、たまには生きていることを実感する位、本気の活動をしてみたいものです。

 和歌山市で確かに生きている方達が存在しています。その足跡は決して小さなものではありませんし、一度芽生えた意識はこれからも形を変えて存在し続けます。
 意思を持った人達は歩き始めます。歩き始めた人同士は、平坦ではないかも知れない 人生の道で何度も交差します。その度に協力して大切な事業を成し遂げられます。でも、その場に留まり歩き出さない、或いは道の途中で立ち止まると、前向きに歩んでいる人と会うことはなくなります。誰と出会うか、その差は人生において大きいものです。  
 人生の出会いは必然で、出会うべき時期に出会うべき人と会いますが、そのためには前向きに人生を歩き続けることが前提です。立ち止まって手を差し伸べてくれるのを待っているだけでは出会いはありません。
3月 9日(水) 「元気の出る講座」
 朝から小川県議会議長を訪問し、現代の名工表彰を受けた駒井社長の式典についての打ち合わせを実施しました。議会開始前でしたので短時間の会合でしたが、明るい話題で良い一日の始まりとなりました。市議会定例会は一般質問が行われました。
 終了後、午後6時からの元気の出る講座準備に取り掛かりました。電子ピアノの搬入とアテネオリンピックのデジタルデータなどを準備し会場にセットしました。
 本日のゲストはアテネオリンピック女子470級セーリング日本代表の吉迫由香さんと佐竹美都子さんペアと、シンガーの佐野安佳里さんの二組です。

(小川県議会議長と)
 参加者に元気を与えることを目的に、夢を持って元気に活躍しているアテネオリンピック日本代表選手の二人にゲストトークを、素敵な歌を聴いて元気を出そうと佐野さんにライブをお願いしたものです。約50名の参加者があり、大いに盛り上がりを見せました。


(吉迫・佐竹ペアのトーク)
 最初に吉迫・佐竹ペアによるオリンピックへの道とアテネでのレースについて話していただきました。
 二人は2001年にペアを組みオリンピックを目指し始めましたが、翌2002年にナショナルチーム落ちとなりました。目指すべきアテネオリンピックは2004年開催ですからこの時期のナショナルチーム落ちは絶望を伴うものでした。しかしオリンピックを目指している選手も決して特別な人ではなく、普段は普通に働きながら練習をしている会社員が多く、あきらめる理由はないと再び挑戦の道を選びました。ペアを存続させるための条件は女子レースで優勝すること、男女混合レースでは女子で一位になることでした。
土壇場に追い込まれた二人は、再挑戦の最初のレースで優勝、二度目のレースでは女子で一位となり解散の危機を脱したのです。
 一足飛びではなく、目の前の課題を一つひとつクリアしていくことで道は開けると信じての取り組みでした。2年間の必死の取り組みでナショナルチーム復帰を果たした上、オリンピック出場を決定づけました。

 夢のオリンピックでは、最初のレースで三位に入りましたが、カナダチームから進路妨害の申し入れがあり、審議の結果失格となりました。三位だとポイントが3点ですが、失格となると21点がつけられます。470級ヨットレースは11レースの内、最も悪い1レースの得点を除外した10レースの合計得点を争い、得点が少ないチームが上位となります。3点で発進の筈が21点になったのですから、マイナス18点となり精神的にダメージを受けました。

 世界トップレベルの選手には技術的な差は殆どありません。スタートが悪いと順位を落とさないように守りのレースを指向し、リスクを伴うレース運びやコース取りは難しくなります。結局総合11位で彼女達のアテネは終わりました。初日はどん底からのスタートとなりましたが、最終レースはトップをと狙おうと目的を持ち挑んだ結果、見事に一位でゴールを切りました。
 歴史に「もしも」はありませんが、初日が三位だったとしたら総合で5位に入賞していた計算となります。今更ながら残念ですが、抗議があった場合の審議は英語で行われるため、カナダチームと比較して英語力がない日本チームは思ったことが表現出来ないので不利益を被りました。思ったことが審議の場で伝わっていたら結果は異なっていたかも知れません。

 でも彼女達はオリンピックの結果について、納得はしていないが満足していると語ってくれました。二人に接しているとその気持ちは分かります。困難からのスタートでしたが、どんな境遇にも負けない気持ちを持ち続け、最後のレースで実力を出せたことがやり遂げた満足感につながっているのです。
 大きくて同じ目的を持つならば、多少の不平や不満はあっても立ち止まっている時間はありません。現状に不満を持つ、或いは出来ないことに対して不平を述べても事態は解決しません。そんな事を思うよりも、一所懸命に取り組むことが唯一現状を打破する方法です。
 オリンピックレベルの選手になると、これに負けたら出場出来ないと言う修羅場を誰もが潜って来ています。プレッシャーに打ち勝って出場しているのですから、プレッシャーで負けることはあり得ません。実力が出せないのは、プレッシャーがあるからではなく、自分のペースを掴めないことが原因です。ペースを掴めないのは何故なのか、自分でも分からなくなるそうです。練習を重ねプレッシャーに打ち勝ち実力を発揮する環境を作ってきても、理由が分からないままペースを掴めなくなるので修正は出来なくなります。それが最高峰の舞台であり、精神力の競い合いの場なのです。

 私達の日常では、そのような緊張の場面に遭遇することは稀ですが、どんな状況にあっても自分を表現するためには、最高レベルを目指すのと同様に、日常を大切に生きることで充実感が味わえます。
 普通の人が目標を持ち続け長い時間をかけて練習を積み重ねることで、オリンピック出場までも実現させることが可能となりました。但し、練習は半端ではありません。ウォームアップ前の準備段階で毎日腹筋を600回行ってきました。具体的には300回を2セットです。これを行ってから準備トレーニング、課題を持っての練習に入ります。これを何年間も続けられるのは、強固な意思と夢を持つからこそです。一流になるためには、人並み外れた練習を重ねることが絶対的に必要です。楽をして人より先を走ることは出来ません。レベルを上げるには、練習を積み重ねる以外はないのです。

 今後の活動ですが、吉迫由香さんは新しいペアを組み、既に北京オリンピックを目指して活動を開始しています。佐竹美都子さんは、燃え尽き症候群なのか、現役を引退し高校生を始め後進の指導を行う予定です。コーチをする拠点に和歌浦を指名してくれています。
 世界を目指した二人の大きな戦いは終わりました。アテネの夏も既に過去の事実のひとつになっています。二人が残したのは女子11位という記録だけですが、それを目指した道程と夢の舞台での11レースの挑戦は、私達にやれば出来ることを教えてくれました。これからも夏のオリンピックが巡ってくる度に、二人の挑戦の姿を思い出すことでしょう。
 寒い時期における和歌浦の海に出ての練習、夜間の基礎体力づくりのためのトレーニング、応援キャンペーン活動、自前のTシャツ作成など、二人の活動が今では懐かしく思い起こされます。
 息の合った二人のペアが解散したのは寂しい限りですが、思い描いた夢を達成したことでひとつの時代は終わったのかも知れません。違う道を選んだ二人ですが、これからも次の夢を見つけ追いかけるに違いありません。日本でアテネオリンピック女子470級セーリング競技に出場したのは彼女達だけなのですから。

 吉迫・佐竹ペアのトークの後は、佐野安佳里さんのライブです。佐野さんは、和歌山市在住の若手シンガーです。1984年1月5日生まれの21歳。
3歳からピアノを習い始め、高校時代からR&Bを中心とした楽曲やライブ活動を開始、地元和歌山は勿論、東京や名古屋でもライブ活動を行っています。2004年には関西で有名なFM802のカウントダウンライブにも出演、2004年秋、軽井沢ラブソングアワードで優秀賞を受賞するなど活動の領域は拡がっている方です。

(佐野さんのコンサート)

 佐野さんが目標としているマライア・キャリーの曲の他は全てオリジナル曲を演奏していただきました。佐野さんは、豊かな声量と聴衆を引き込む魅力を持っています。和歌山市を舞台に活動をしていますが、5月からは東京に活動拠点を移す予定です。佐野さんにとって中央デビューはあくまでも通過点で、生涯を通じて歌い続けることが目標です。日本語の歌詞だけではなく、色々な国の言葉で訳され歌われるような歌を作りたいと抱負を語ってくれました。
 佐野さんは毎日3時間のレッスンと、週一度のボイスレッスンを行っています。音楽に没頭すると、昼から翌朝の4時までピアノに向かうこともあるようです。音楽はセンスと素質だと思いますが、やはり毎日の練習量は半端なものではありません。遠くまで響く声を出すにはブレストレーニングも欠かせません。これは吐く息を基本として、息に声を乗せるような感覚で発声するのです。声を出すだけでは、遠く方まで歌声は届きません。直接聞かないと分かりませんが、プロと素人との差は息の仕方でも異なりますからたいしたものです。
 私達が学ぶべきことは、不平を感じて毎日を送ることではなく、夢に向かって毎日数時間は夢の実現に必要な基礎的練習を行い続ける姿勢です。何事も駄目なのではなく、達成するだけの練習を積み重ねていないだけなのです。一流になるためには毎日の努力以外ないことが分かります。


(吉迫・佐竹ペア、
佐野さんと意見交換会)
 若い二組の女性から学べることがありました。夢を持つこと。夢を信じること。夢に向かって練習を積み重ねること。練習を休みなく継続すること、などです。人生経験も少ない彼女達ですが自分の可能性を信じています。そのため壁にぶち当たっても、その原因を社会や不景気の性にしていません。自分の努力が不足していると考え、更に努力を続けて夢を引き寄せています。
 彼女達の前には将来を示す道が開けているのが見えました。明確に意思を持つことで、見えない筈の自分の行く道を他人にも見せることが出来ます。
3月 8日(火) 「ライブドアとフジテレビ問題の所感」
 ライブドアとフジテレビによるニッポン放送株の取得に関する問題が世間を賑わせています。この問題に関してトヨタ自動車の奥田碩会長が日本経団連会長の立場で発言している内容は興味深いものです。
 新聞報道されている内容は次のようなものです。「ライブドアとフジテレビジョンのニッポン放送株争奪戦に関し、新旧世代論を改めて展開した。ライブドアの堀江貴文社長の姿勢や手法については批判しつつも、「違法性はない。非難するばかりでなく、いかに若い世代とブリッジしていく(つながっていく)かだ」と語った。
 奥田氏は今回の騒動について、「新世代・新人類と旧世代の相違が出ている」と指摘。「旧世代は残念ながら死んでいき、新人類が社会を担う、ということを旧世代は想定して考えを決めていく必要がある」とした。その一方、「新世代も、自分たちの規範を作ることが求められている」と注文をつけた」(朝日新聞、平成17年3月8日)

 経済界からの大局的な意見です。いつの時代でもその時代を築き地位を獲得した方達は、次の時代を築くために挑んでくる挑戦者に立ちはだかる大きな壁として存在します。考え方が違うのは当然ですから、非難するばかりではなく少なくとも同じ舞台で論議し合う姿勢が必要です。特に強い立場にある者は挑戦者を批判するのではなく、歩み寄るのか突き放つのか、どちらでもよいのですが挑戦者の主張を堂々と受け止める態度を取って欲しいものです。
 自分達が築いてきた社会の仕組みをいつまでも正しいと思いたい先人達の気持ちは理解出来ますが、社会は一定しているものではなく、次の社会の仕組みについても配慮する気持ちを持つことが大切です。
 固定化した観念を持つことは社会の停滞を意味します。特に地位のある人は、社会は常に良い方向に流れていることを意識して、新しい息吹を遮らないように配慮すべきです。 
 今回の問題はどちらの行動が正しいか分かりませんが、市場化が進展している中、或いは次の時代の情報通信技術を先行させようとしている状況下にあって、既存の枠組みを守るために動きを遮ることに専念するばかりの態度は納得できない部分があると、利害関係がなく責任のない第三者的立場からですが思うところがあります。

 ライブドアが行った時間外取引は、取引成立時点では合法と聞きますから違法性のないものです。公平な取引を阻害し違法性の疑いがあるのであれば、その抜け道をふさぐために立法化するのは当然ですが、それは将来に向かっての話です。万が一、遡及されてその行為自体が違法だとされることがあれば法治国家とは言えません。安心して日常生活の場において取引行為が出来なくなります。
 私達は、自分の行為を法律に照らし合わせて法の許す範囲内で行動、取引を行っていますから、その信頼すべき前提が崩れ、違法の疑いがあるのであなたの行為は非難されるべきだとされた上、取引はなかったものにするのが正当であると言われたら、社会の価値観は根底から崩れてしまいます。
 一方、権力を持つ側が立場を守るために優先すべき株主利益を除外して発行株数以上の新株を発行し、親会社に全数引き取らせる行為は、社会通念上許容しがたいものがあります。日本は恥の文化がありますから、権力を持つ者には納得性のある行為をして欲しいものです。どれだけ権力を持つ人でも、それは天から少しの間与えられたもので永遠ではありません。役割を終えると、次の人にそれを渡す循環を築くことが世の中を進歩させるになります。仮に権力を返すことを拒否しても、やがて天から剥がされてしまうのが結末です。今回の問題を教訓として、人にとっての結末を大切にしたいものです。

【幼稚園廃園問題】
 平成17年3月定例会で提出されている議案第57号は「和歌山市立学校条例の一部を改正する条例の制定について」です。この提案文書は簡潔な一文です。「和歌山市立学校条例(昭和48年条例第50号)の一部を次のように改正する。和歌山市立大新幼稚園の項及び和歌山市立西山東幼稚園の項を削る。附則この条例は、平成18年4月1日から施行する」となっています。繰り返しますが、見逃してしまいそうな簡潔な一文です。
 ところがこれが、和歌山市でここ2年間問題となっている市立幼稚園2園の廃園をするための条例改正なのです。廃園問題を簡単におさらいすると、行政改革の一環として児童定数充足率が低位な幼稚園を廃園にする計画が、平成15年初頭、保護者にとっては事前に説明のないまま唐突に和歌山市から発表されました。
 この時、両園に通園している保護者の方々は直ちに当局に対して意見提起を行っています。何ら事前の説明が成されないまま、当局による突然の廃園決定は納得し難いと言うものです。当局としては、平成8年度から行政改革の一環として廃園を検討してきた結果であると説明を行いました。確かに行政手続としては正しかったかもしれませんが、当事者に知らせないでの発表は保護者にとっては背半行為に写ります。
 保護者から市議会に対して、廃園を中止してくれるように請願が提出されましたが決議されないまま統一地方選挙となり、請願は審議未了のまま流れてしまいました。
 新しい市議が選出された後の最初の議会となった平成15年6月議会で、廃園問題が大きなテーマとなりました。
 私的に問題と思ったのは、市の主役、言い換えれば主権者である保護者の意向を無視したまま廃園を決定した行政手続に瑕疵がある点。教育と財政問題に端を発した行政改革は相容れないものであること、それよりも先に廃止すべき事業があると思われること。教育委員会或いは市の責任者が十分な説明責任を果たしていないこと。教育を受ける権利の主体である園児の現在と将来のことを当局は考えていないこと、などでした。

 何よりも子どもを思う一心で市民運動を展開し、7万人の署名獲得、請願の提出、忙しい合間を縫っての毎市議会への陳情活動など、2年間続けてきたことが大きな軌跡です。子どもの事を思わない親はいないのですが、保護者の昼夜を問わない熱心な活動は本気の現われです。
 廃園問題は丁度、私が市議会に送り出していただいた時期と一致していて、議会のことが何も分からなかった私にとって、保護者の皆さんと同じように歩んできた歴史でもあります。もっと言うなら、議員としての私を成長させてくれたテーマと言えます。先行きの分からない取り組みで、全く保護者の方々の思いの深さと子を思う信念には頭が下がります。私がNPO法人の活動を行う中で分かったことは、署名を集めることが如何に難しいものか、小さな団体による活動を継続していくことの難しさなどです。自分の体験からも、保護者の方々の活動がどれだけ大変なものであるか分かっているつもりです。

 小さいもの、立場の弱いものが巨大な組織に立ち向かうには、大変な勇気と行動力、そして強い動機が必要です。本当に彼女たちは、涙が出るほどの活動を見せてくれています。
 強い立場にある人は、例え結果が同じだとしても、意見と思いをしっかりと受け止めて心の通った応対をして欲しいものです。人と人がお互いに歩み寄れて理解し合うには、立場的には対立しても相手を思いやる気持ちが必要です。会って話を聞く、納得行くまで話し合うことが唯一解決の手段です。
 廃園問題に関しての教育委員会の今までの対応は、十分に心あるものとは思えない所もありましたが、ただ最近は保護者を思う気持ちを持ってくれていると感じる部分もあります。園児の転園に関しての配慮、震災に備えて、そして街中にある学び舎としての意味を持たせた大新小学校校舎の優先的建替え、学校内にあるプールの建替えなど、地域の拠点としての教育施設として充実させる計画を提案してくれています。教育長は責任を持ってやり遂げる覚悟を持ってくれています。この約束は、2年に亘る人間関係の中から信頼出来るものであると確信しています。

 そして議会の合間の短い会話時間の中で保護者が見せた涙は、全力を尽くしてきた人だけが見せることの出来るものでした。小さな体に大きな責任を背負って歩いてきた2年間。何度訴えても打開できない大きな壁に対してこみ上げて来る憤りと悔しさは、真剣な思いと信念に基づく行動をしてきたから味わう思いです。廃園問題と共に成長してきた保護者の方々は、これからも和歌山市の教育に関して先導役を果たす役割が待っています。
 午後の議会で大橋市長は、子どもに関する答弁の場で涙声になりました。市長は昼休憩に少しの時間ですが保護者と交わした言葉がありました。子どもを思う親が決断を迫られている、その揺れる心情が市長に伝わらない筈はありません。この時に交わされた言葉が、市長の心に残っていたことが言葉を詰まらせた原因だと私は個人的に確信しています。
 保護者の心情を思えるだけの気持ちが、確かに市長の中に芽生えていると感じ取れる一瞬でした。
 心の通わないたった一行の条例改正案ですが、この中には多くの人の思いが詰まっています。行政は、あくまでも冷静な条文に心を通わせるため、市民の意向を行間に反映させる大きな使命があります。市民から選ばれた議員は、条例や規則類の解釈を心あるものにする使命が課せられています。

【本日の活動】
 市議会一般質問の前の早朝一件訪問し、式典についての打ち合わせを実施。一般質問終了後、再度式典についての当日の進行方法についての打ち合わせ。夕方から明日の元気が出るイベントについて最終打ち合わせを実施。夜は工業用地への施設進出に関して現状説明と地元の考えについて意見を伺いました。
3月 7日(月) 「曲の変更の要否」
【ごみ収集車の曲】
 現在、和歌山市のゴミ収集車が放送する曲は「赤とんぼ」ですが、朝から夕焼け小焼けの歌は適していないようだとの意見が多く聞かれています。そこで大橋市長宛に変更を検討して欲しいと意見提議をしていますがその中間報告をします。
 平成16年度市政モニターに対して、ごみ収集車の曲の印象について回答をしていただいた報告があります。「赤とんぼ」がゴミ収集車の曲に適していると回答したのは42.9%、適していないが21.4%、どちらとも思わないが31%でした。
 変更についてどう思うかの回答は、費用を払ってでも変えたほうが良いが16.3%、費用を払うなら今のままで良いが18.6%、変える必要はないが65.1%となっています。これによると、変更の必要がないと思う方が過半数です。
 もし変更するのであればどんな曲が良いのかと言う問いに対しては、「まりと殿様」「七つの子」などが挙げられています。

 意見としては、「朝8時までにごみを出すのに赤とんぼではおかしい」「明るくテンポの良い曲にして欲しい」などがあり、変更不要の意見としては「財政逼迫の折、費用をかける必要はない」「こんなことを考えるくらいなら、地域で費用を出して作っている収集場の補助金を支出して欲しい」があります。
 賛成意見は曲の印象についてのものに対して、反対意見は財政問題を掲げていますから、噛み合わない対立となっています。アンケート数は42人のため、サンプル的にはやや少ないようです。
 変更の是非について新年度までに検討して欲しいと思っていたのですが、未だ結論が出されていません。今後は平成17年度市政モニターの意見調査と9月に実施予定の市民意識調査の質問項目に含めていただきます。サンプル数が多く信頼性があるうえ、幅広い意見を募れるためこの意識調査の結果を待つことにします。その結果により変更の要否を検討していただきます。

 私からは、曲の変更についての費用はそれ程かからないので変更希望が多ければ変更して欲しいと意見しています。ゴミ収集車にはカセット機器を搭載しているため、曲を変更してもエンドレステープを複数本製作するだけで良いので経費はわずかです。編曲は和歌山市内にいるベンチャー起業家かSOHO入居者に依頼することで安価に仕上げることが可能です。和歌山市のゴミ収集車の曲に採用されるとなると、金額に関係なく協力してくれます。
 過去からの延長線の考え方で既存の会社に依頼すると、それなりの費用は発生し高く付きますから、発想を変えて費用を抑えたらよいのです。必要性がありやる気になれば変更は可能なことです。
 行政が関係することの要望を多く受けますが、このことは行政改革や課題の解決がなかなか進まないことを分かっていただける事例と言えます。既存のものを変更するのには世論の盛り上がりと費用対効果の検討、当局の積極的姿勢が必要です。これって結構、時間がかかりますよね。

【NPO活動】
 あるNPO法人の役員会がありました。好きなことで市のお役に立ちたいと願って殆んどボランティアの活動です。来月の新年度を控えて三役体制を変更し、次なる活動に進む意欲を見せています。NPO法人にも色々なタイプがあり、趣味が高じて社会貢献活動に展開させているもの、ボランティアをするために集まった団体、行政と協働するだけの知識と技能を身につけている団体、社会貢献の中に事業化モデルを持って、収益性を兼ね備えている団体などです。どれが良いのかは活動領域により異なりますが、本業以外に社会参画する機会としてNPO法人に加入する人が増えることは好ましいことです。
 本日は、生石山のすすきや絶命種にある植物を保護する活動をしている市の職員さんに会いました。NPO法人の会合や集会では、市や県の職員さんが参加してくれないとの意見が聞かれますから、仕事の合間を縫って社会貢献活動をしている姿には好感が持てます。
3月 6日(日) 「水辺のクリーンアップ大作戦」
【水辺のクリーンアップ大作戦】
 和歌山市内に磯ノ浦海水浴場があります。和歌山市内の海水浴場は平成16年の台風被害を受けて悲惨な状態となっていますが、この磯ノ浦海水浴場も台風により砂浜が削られたうえゴミや流木で一杯になっています。砂浜全体がゴミや小石、流木で覆われていているため、今年の夏の海開きも心配されるところです。
 今日は、水辺のクリーンアップ大作戦として朝から清掃活動を行いました。参加者は約160人で、砂浜に散らばるとあっという間にゴミ袋が満杯になりました。尖った木にガラス瓶の破片など放置しておくと危険なものも沢山ありますが、どれだけ拾っても無くなりません。砂浜に落とした小物は見つからないと言いますが、砂浜にあるゴミは無くならないも言えます。
 理由は、砂浜にはゴミや流木が埋まっているため、表面を清掃しても風で砂が飛ばされると、隠れているゴミなどが表面に顔を出すためです。
拾い続けても限りが無いのですが、作業を続けていると視覚に飛び込んでくるゴミを少しでも無くしたいと言う気持ちになります。終了時には、軽四輪トラックで何度も往復する程の量を集めることが出来ました。
 それにしても台風の猛威は凄まじいものです。海の家も姿を消し去り、その後は木材の破片とジュース類のかけら類が残されてされていました。今年の海開き前には復旧させるようですが、大変な作業になることが予想出来ます。片男波海水浴場は大量の砂が砂浜に打ち上げられ海の家が埋まっていましたが、磯ノ浦海水浴場では砂が抉り取られています。海開きの前には砂押しをするのでしょうが、台風対策を抜本的に行わないことには毎年この光景が繰り返されることになります。ただ対策を講じようとしても、災害対策費用はあらかじめ計上する訳ではないのでどうしても後追いの対策となります。費用にしても、海開き前の砂押しを丁寧にしておくのが考えられる程度ですから万全の備えとはなりません。それに砂を砂浜に入れる事業はないとのことですから、被害が起きても救済は難しいのが現状です。出来ることはボランティアで砂浜のゴミを拾うこと位です。
 砂浜全体からすると今日拾ったゴミはほんの少しかも知れませんが、砂浜がきれいになった分、気持ちも清々しくなりました。風が強く寒くもありましたが、体も心も暖まりました。

【ハウルの動く城】
 宮崎駿監督作品の「ハウルの動く城」がヒットしています。主人公のソフィーは18歳ですが、魔法により90歳のおばあさんに姿を変えられてしまいます。時あたかも戦争に向かっているところで、魔法使いのハウルもその中に巻き込まれようとしています。おばあさんに姿を変えたソフィーは、何者かを守るために戦い続けているハウルを守ろうとする中で、気持ちも姿も次第に歳を感じさせなくなります。
 この世を救うのは人を思いやる気持ちであることを行動で表現した時、ソフィーにかけられた魔法は解けた(?)ようです。ハウルが命を懸けて敵と戦っても心と体を傷つけるだけでした。力に対して力で対抗しても問題は解決しなかったのですが、人が相手を思いやる気持ちで向かった時に争いは終結に向かいます。戦争をしかけた王室付きの魔法使いも、戦争の無意味さに気付き中止に向かわせます。

 宮崎駿監督が作品に込めたメッセージは多様です。その一つとして、権力に対抗しても逃げても傷つくだけですが、人間として正しい気持ちを伝えることが権力者の姿勢を変えられる唯一の手段であることを示してくれているようです。それを成し遂げたのは、力もなく何をしたいかも分からないまま生きてきたソフィーでした。姿を変えられて恐れるものが無くなった時、守ってあげるべき人への想いが社会全体を変えていきました。名もなきところから社会を変えられる、現代社会に対する強烈なメッセージを込めた作品です。
 今の自分の境遇だけを守ろうとしていては、全体としては何も変わらないのです。全体を変える行動をすることで自分の境遇を変えられるのです。
3月 5日(土) 「営業マインド」
【営業マインド】
 民間企業で営業の仕事をしている方達と会談、営業マインドについて話し合いました。
 営業の仕事は人に会うことが第一で、机上で計画を立てるだけでは仕事は進展しません。人と面談することから相手の要求が分かりますし、仕事のヒントもいただけます。仕事は与えられるものではなく自分で作ることが基本です。指示待ちや言われたことをしているだけでは仕事で楽しみを見出せません。仕事を創造することは難しいように思われがちですが、自分で仕事を作っていく過程そのものが仕事を創造することにつながっています。
 創造性のある仕事とは、前例に捉われずにお客さんの要望を実現するお手伝いすることです。
 そして営業の仕事で100%仕事の話をしていても成果は得られません。極端な話、80%程度は余裕持たせた話になります、言い換えれば仕事以外の部分を話し合うことで信頼感が醸成されます。人は商品機能だけで物を買うのではなく、商談相手を信頼して購入することを判断する場合が多々あります。商品の良さに加えて信頼を供与することが購入決定する条件となります。
 オンとオフの切り替えも大切です。区切りをつけずに毎度のように時間外で仕事をしていても精度は高まりません。成果を挙げている営業員は、夕刻に必要なお客さんと会った場合、その日の仕事を切り上げてでも相手と食事の時間を取ります。相手が1時間だけしか時間がない場合でも、そのわずかな時間で食事の時間を共有します。オンとオフを見事に使い分け人間関係を構築しています。形式だけの昼間の商談を100回積み重ねるよりも、仕事の後1時間の食事を取る方がお互いのことが分かり合えます。
 少しの時間でしたが営業マインドについて学べることがありました。

【議会活動と後援会活動】
 議会活動についての話し合いを実施。議会活動の様を伝えるための議会活動レポート発行と郵送、ホームページの維持管理など、情報発信をするためには費用が発生します。それでも自分の活動について情報発信をすることは大切な活動の一つです。議会活動を熱心に行いその取り組みを情報発信するのは空気がそこにあるように、議員として当然のことですが、やればやる程余裕のある時間が少なくなります。
 つまり議会活動をする程に多くの方とお会いする時間が少なくなりますから、後援会組織の強さと相反することになります。議員は議会活動で選んでくれた方々の意見を議場に持ち込み反映させることが大切で、いただいた意見について法令、事例、上位機関や他都市の取り組みの調査、主張するための論証組み立て、質問を作成するのに時間を要します。
 一般質問などをする程、後援会活動の時間が少なくなると言う矛盾した形になります。議員は選ばれてこそ議場で意見を主張することが出来るため、そのジレンマについて話し合いを行いました。

【公共交通】
 廃線問題にある貴志川線に乗車しました。土曜日は通勤通学の乗客が少なくなるために車中は閑散としていることが多いのですが、今日乗った時間帯の車両では乗客数は少し多く感じました。駅には「乗って残そう貴志川線」の黄色ののぼりとポスターが掲示されていて、残すための活動が展開されていることを実感出来ます。公募に応募している企業、団体は未だ現れていませんが、沿線の方々の願いが叶って欲しいものです。
 JR和歌山駅で貴志川線を下車し、和歌山市バスに乗車、こちらも土曜日のため乗客は少なく寂しいものでした。和歌山市は公共交通を利用するよりも車社会になっていますが、休日は公共交通機関を利用してまちを眺めるのも視点が変わり新鮮な感じがします。
3月 4日(金) 「調査についての報告」
 市議会では一般質問が始まり、今日は3名が登壇し終了しました。
コンベンションと指定管理者制度についての調査を進めていますので手始めの報告をしておきます。

【コンベンション誘致】
 和歌山市ではコンベンション誘致活動を行っています。全国大会を和歌山市で開催していただき、和歌山市内で宿泊を伴うものについては、市から補助金を支出する制度です。
 大会参加者のうち、和歌山市内の宿泊施設に宿泊する参加者の延べ人数が51人以上あった場合に補助対象となります。学術研究団体が会員を対象として開催する学会、または総会については25人以上の延べ宿泊者数があれば対象になります。
 この制度は好ましいのですが、補助申請書類の枚数が多く記載事項が多岐に及ぶため、面倒なので改善して欲しいと意見があります。今年開催される大会について、大会事務局で補助申請しましたが、結果報告書類も多く提出する必要があり、もう止めておこうかとも話しています。多くて複雑な帳票があることから、本当に利用して欲しいのか、形だけ制度があって利用させたくないのか分からない制度だと感想を述べてくれました。
 私も昨年秋に全国大会を開いてくれた団体に対して補助申請書類を持参したところ、手間がかかるため申請しませんでした。大会前、事務局の準備は大変輻輳していますから見慣れていない書類を書き証明を取ってくる時間的余裕はありません。山形市のコンベンションに対する補助申請書は確か1枚だけでした。申請手続きを簡素化して折角の制度ですから利用していただけるよう改善要望を行いました。

【県の動き】
 和歌山県庁では指定管理者制度導入に向けて作業に取り組んでいます。1年前の平成16年度当初から財政部の最優先課題の一つとして調査を行っていました。厳しい財政状況の中、予決算と共に公的施設の民間委託についていち早く検討してきた結果、指定管理者制度を適用する県施設についての絞込みを行い9月頃にコンペで事業所を募集するのではないでしょうか。今から準備を行い、5月頃に事業内容の説明を行えば民間事業者は企画案を策定することが可能です。制度を良いものに仕上げようとすると、このように早めの仕掛けが必要です。
 遅くても12月までに募集し確定しておかないと、平成18年度からの導入は難しくなります。改革派の木村知事からすると改革はスピードと言ったところでしょうか、変革のスピード感が漲っています。

【コブクロ】
 和歌山市で育ったコブクロが、1年ぶりに第二の故郷和歌山市に戻ってきます。コブクロファンフェスタ2005が、和歌山市にあるビッグホエールで開催されます。このコンサート会場の収容人員は7,000人、北海道から沖縄に至るまで全国からファンがやってきます。人気を誇るコブクロですから、東京の日本武道館や大阪の大阪城ホールで実施すれば、より集客が図れるのは間違いありません。それにも関わらずにファンフェスタが和歌山市で開催されるのは、コブクロが和歌山市のファンを大切に思ってくれている証拠です。
 このコンサートのために全国からファンが和歌山市に訪れてくれます。JR和歌山駅前のタクシー乗り場は連年混雑していて、タクシー運転手の中には「コブクロのコンサートですか」とお客さんに声を掛けてくれる方もいるようで、地域にすっかり定着しています。
 いつまでも和歌山市に愛着を持ってくれているコブクロが、和歌山市を大切に思ってくれていることは嬉しい限りです。おもてなしの心を持って全国のファンをお迎えし、コブクロのファンが和歌山市のファンにもなっていただけるようにしたいものです。
 ファンフェスタ2005は3月20日に行われますか、残念ながらチケットは既に完売です。
 なおコブクロの新曲は「ここにしか咲かない花」で、5月11日にリリースされます。この曲は日本テレビ春の新番組「瑠璃の島」の主題歌となっています。
 和歌山市の活性化のためにファンフェスタを和歌山市で開催してくれているコブクロ応援の輪を広げたいものです。 
※コブクロ公式ホームページ:http://www.kobukuro.com/
3月 3日(木) 「官業開放」
 市議会定例会は代表質問の一日で、各会派から施政方針などについて代表しての質問があり、各会派1名、合計6名が登壇しました。市長は財政再建を最重視した取り組みをしていることが分かります。平成16年度決算では赤字転落が確実視され、このまま進展すると財政再建団体に転落の危機でもありますから市長の努力には敬意を表したいものです。

「官業開放」
 ある社長から、行政の仕事を民間が取って代わることについて調査した資料をいただきました。規制改革と民間開放が進められる結果、民間企業の前には50兆円の市場が誕生すると言うものです。公民館やスポーツ施設運営、ハローワーク事業家ら刑務所運営などの官業を開放する方向に社会は流れ出し始めました。これは100年に一度の大改革で、地方の企業にとって官業への参入機会は大きな狙い目です。
 既に官業が民間委託されている先進地があります。赤字続きの観光施設や公園などの公的施設の管理運営を民間に託し再建を目指しています。

 北九州市の門司にある海峡ドラマシップと九州鉄道記念館は、年間3億円の赤字を生み出し将来も同程度の赤字が見込まれていました。海峡ドラマシップは大正時代の門司の街並みを再現した博物館で、九州鉄道記念館は九州の鉄道の歴史に関する記念館です。市の財政悪化を防ぐために、北九州市は指定管理者制度を活用して民間企業に運営を任せることにしました。
 この公的施設の管理運営は、地元4社による企業連合が請け負いました。企業連合は、施設が採算に乗らないのは施設に魅力がないからではなく、運営の問題点を見直しすれば黒字化出来ると考えました。採算面での勝算見込みもありますが、赤字施設の運営に応募したのは郷土愛が原点です。地元出身者として門司の復活に貢献したいと思う情熱が彼らを動かしました。現在、11人の社員で運営していますが、北九州市の運営は13人で行っていたことを考えても、既に人件費だけで1,000間円以上の削減となっています。

 山梨県の大型レジャー施設「丘の公園」は1993年以降10年間赤字が続いたため、2003年11月に指定管理者制度により民間委託されています。施設運営に関して、ハード面の問題はなかったのですがサービス面が問題でした。お客さんが来ても会釈する程度なのに、県の役職者が来ると並んでお迎えする体質があったことから職員意識改革に取り組み、職員研修を繰り返した結果、接客マナーが向上し始めました。
 常連のお客さんからの評判が良くなったのは2004年7月頃からでした。民間になるとこんなにも違うのかとお客さんから意見を聞くと、従業員の態度が更に変化し始めました。売り上げは対前年比10%以上の伸びを示し、県に施設使用料を支払っても黒字が見込めています。

 このように赤字財政に苦しむ地方自治体の公的施設の開放が、地元企業にとってビジネスチャンスとなり地域活性化にもつながっています。その上、地方自治体の財政赤字解消に役立っているのです。
 国レベルでは、資格認定や税の徴収、貨幣の印刷までもが民間開放の検討範囲に含まれています。地方発の官業開放を進めないと指定管理者制度までもが国の指揮下に入ってしまいます。
 指定管理者制度に関しては、2006年9月までに移行するように総務省から指示が出されています。そのため2006年4月までに、指定管理者の指定と委託契約を終える必要があります。実務面では、2004年12月議会までに指定管理者任命についての議決をしておかなければなりません。そこから逆算すれば、2004年9月までには指定管理者の募集を行わないと時期的に間に合わなくなります。

 参考までに全国の地方自治体の公的施設は約40万件あります。抵抗はあるでしょうが、一旦社会の流れが決定すれば動きは加速されます。財政赤字を抱えながらも指定管理者を導入しない地方自治体があるとすれば、何が行政改革なのか疑問に感じます。
 規制されてきた仕事を、誰でもアイデアがあれば参画出来る機会を提供することで地域に活力は生まれます。運営に関するコスト高と住んでいる人にとって選択の余地がないシステムという既得権益に別れを告げる時期は迫っています。
3月 2日(水) 「平成17年度施政方針」
 午前中の定例会では平成16年度の補正予算と条例改正案の採決があり、全ての議案が可決されました。条例は和歌山市自治功労者礼遇条例の改正で、市職員が表彰の対象から外れました。
 午後の定例会では、平成17年度市長施政方針が読み上げられました。印象に残った箇所について記します。
 国から地方への税源移譲に伴い、地方自治体は自己責任と自己判断が求められ、地域経営の力量が問われる時代となっています。地域経営の力量が問われているのですから、決算状況を分析し次年度に向けて弱い点を補強するしくみが必要です。入場料収入減少に対して対策を講じられていないこと。税収が落ち込んでいるにも係わらず、積極的に資金を呼び込む投資的経費配分が少なく、更に市場規模の縮小に拍車をかけていることなど、改善意欲が感じられなく積極的姿勢も見られないのが残念です。

 力量が問われるとは、地方自治体の経営姿勢が評価されると言うことです。他都市との比較において、何かの強みを持つか特色を打ち出すことが勝者になる道です。総花的で他都市でも謳っている福祉、観光など横の連携のない施策だけでは地域特性を活かした強みになりません。現時点の和歌山県の特長は、世界遺産の高野と熊野古道だと胸を張って言えますが、和歌山市の特長を一言で表現しようとすると人によって異なる答えが導かれる筈です。色々な強みがあっても良いのですが、ごちゃ混ぜだけでは本当の強みになりません。自然環境を活かした予防医療なのか、地域毎のきめ細かい福祉計画をいち早く打ち出すのか、教育を重視するのであれば特区にするのか、一つに秀でることが必要です。
 市長は続いて、地方分権のまちづくりを推進するために、独自の新たな基準づくりや民間活力の活用等による行政の枠組みの縮小を目指す考え方を示しています。さて民間活力導入のしくみとは一体何なのでしょうか。NPO法人との連携の考え方は示されていませんし、指定管理者制度についても述べられていません。既存事業のSOHO育成も重視されているように思いませんし、企業誘致のポイントも不明です。この当たりは具体化して欲しいものです。

 福祉では、ひきこもり者社会参加支援センターに対する助成があります。ひきこもり青年の社会参加を促進することを目的にしていますが、センターへの助成によりそれが達せられるのか知りたいところです。
 良い施策も沢山あります。活性化のために和歌山城を活かした城フェスタ05の開催、和歌山大学観光学部設置への支援活動、市民グループがまちづくりに参画出来るよう「わかやまの底力・市民提案実施事業」、災害への備えとしてハザードマップの作成などが代表例です。時代が求めている施策を成功させるために行政と民間が連携した取り組みを行いたいものです。
 平成17年度予算は、一般会計で1,202億円、特別会計で1,568億円、公営企業会計で176億円、合計2,947億円となっています。全体で対前年度比1.1%の減少です。歳入のうち市民税と固定資産税の減少が見込まれるため予算も減額されています。

 終了後、市内で打ち合わせ。金融に詳しい方によると、紀陽銀行と和歌山銀行が平成18年春に合併統合が予定されていますが、その影響で県下中小規模の会社の経営が厳しくなるとの見通しです。地方銀行が減ることにより地域経済は益々厳しくなりそうです。
 夜は観光医療に関する会合を持ちました。和歌浦は健康サービス産業にふさわしい土地であることを確認しました。健康産業を実施するための大きな要因は、開放的な空間があること、景観が優れていることなどがあります。同じアドバイスを行っても、ビルの立ち並んだ部屋と海岸美の眺められる部屋で行うのとでは、相談者の意識は違いますから効果も違ってきます。和歌山市は予防医療に適していて、大阪や神戸からもお客さんが医療相談に来ているようです。
3月 1日(火) 「貴志川線問題検討」
【貴志川線問題について意見交換】
 貴志川線問題についての話し合いを実施。貴志川線存続に関しては、いくつかの団体が最善の方法を検討しています。主体となる公募に名乗りをあげてくれる企業を柱として市民参画を考えるもの、市民鉄道として存続させたい意向を持っているものなどです。行政は公募に応じてくれる企業を待っている状態です。地方鉄道を存続させたいとする目的は同じなのですが考え方は異なっています。
 鉄道について考える機会が多々ありその中で感じることは、鉄道経営は簡単ではないと言うことです。行政の支援体制が出来たから10年間を運営して、その間に黒字体質にならなかったら撤退する恐れがあると心配する声がありますが、それは杞憂だと感じます。何故なら、行政が赤字補填してくれるのだから、誰でも出来ると思って参入する団体や人はいないからです。鉄道事業とはお客さんの命を預かる仕事ですから、赤字か黒字かを検討する以前に安全に運送することは可能なのかを検討する筈です。

 万全な安全対策を講じることが出来るのか、万が一鉄道事故を起こした場合、被害程度によって補償額は異なりますが、最低でも億単位の補償額を用意する必要があります。そのリスクを負う覚悟がない限り公募に応じる団体は現れません。JRや大手私鉄なら、仮に鉄道事故を起こしても補償出来るだけの経営基盤があります。しかし生粋の市民鉄道で発足させた場合、もし鉄道事故が発生すれば一発で経営が出来なくなります。
 少し前にも書きましたが、新幹線が走行可能なのは事業者に対する信頼があるからです。信頼があるから安心して乗車することが出来るのです。新幹線の事業者に信頼がなければ、私達はそれに乗る選択をしない筈です。
 確かに、地域に溶け込む市民鉄道株式会社を設立して、沿線に住む方の意向が反映出来るのが最善の方法です。駅舎が地域の交流の拠点となりますし、地域が支えている限り撤退することはありません。

 資金面を除外すればこの方法の欠点はひとつです。市民ファンドだけで設立した鉄道会社が主体になれば、残念ながら信頼感に欠けることです。母体の資本金が少ないと運転員さんを集めにくいのです。
 例え話として、車を運転する場合、普段は意識していませんが自動車保険に加入しているから安心出来る部分があります。自動車保険に加入していないと万が一の場合、全ての金銭的リスクは自分が負うことになりますから不安感がつきまといます。
 鉄道経験のある運転員さんであれば、鉄道事故の可能性は限りなくゼロに近いのですがリスクはゼロにはなりません。ある意味自動車保険と同じで、後ろに会社が控えているので安心して運転出来ているかも知れません。鉄道事故の全責任を運転員さんが背負うと言う労使契約があれば誰も運転を引き受けないことでしょう。
 貴志川線だけを運営する市民鉄道が発足して仮に鉄道事故を一度でも起こしたら、忽ち
廃線の危機に陥ります。県外企業が貴志川線を引き受けてくれた場合、赤字続きによる将来撤退する不安と比較しても、市民鉄道を設立する方が結果として不安定なものになります。
 理想しては、地域の発展を目的にしてくれる事業主体が公募に応じてくれ、地元の意向を経営に反映してくれる経営方針があることです。貴志川線株式会社が設立される場合、引き受け企業の出資に加えて市民からも何割かを出資すること仕組みが出来れば良いのですが。

【その他の活動】
 本日その他の活動。小規模多機能施設についての各自治体の動きについての確認、予防介護の動向について確認。新しいペットサービスについての打ち合わせ。文化財事業についての話し合い。リフレッシュ会議について確認。
 障害者対策についての打ち合わせを実施。関係者との話しによると、和歌山市の障害者対策は海南市と比較してレベルが低いようです。障害を抱える子どもに対する施策も予算も貧弱で、保護者からは「和歌山市に住んでいる不運を諦めるしかない」との意見も出されました。和歌山市に相談に行っても「それは出来ません」「それは無理です」「予算がありません」などの対応をされるので、窓口に行くのも嫌になっています。障害児に関して市役所相談に行くのは勇気が必要なのに、紋切り型の対応をされるのでは信頼されません。デリケートな問題ですから配慮が必要です。過去に起きた市役所の対応事例をペーパーでいただくよう依頼しました。事実を持って申し入れします。

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