平成16年12月14日(火)毎日新聞

南海電鉄貴志川線の廃線問題

 南海電鉄が廃止届を提出した貴志川線について、和歌山市は年明けにも運営主体の公募を始めることを市議会総務委員会で報告した。
 市と貴志川町、県、国、同社の5者の経営シミュレーションでは、給与を他の中小民間鉄道の水準に合わせ、従業員を55人から36人に減らすなどして人件費を削減。現在の年間5億円の赤字が、1年目で1億8000万円に削減できる見込みになった。更に、土地や線路などの固定資産の保有と鉄道運営主体が異なる「上下分離方式」なら、赤字は1年目で約6100万円に圧縮できると試算された。
 県、市、町が公募の対象や方法などを最終調整する。議員から「財政負担の割合が決まっていないのに、公募を始めるのはおかしい」との意見が出たが、市は「公募だけでも早く始め、経営見通しを立てたい」としている。

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