2.統合型リゾートについて

今年2月の一般質問で先輩、同僚議員3人がIRに関する質問を行いました。おやっと思っていたところ、令和7年5月6日、北海道新聞が報道した記事「IR候補再選定、年内着手 政府方針 北海道・東京が関心。2027年末にも最大2カ所」があり、その一部を引用しながら質問を行います。
政府は統合型リゾートについて、先月下旬に着工した大阪府に次ぐ第2および第3の候補地の選定に、年内にも本格的に着手する方針を固めた。政府が昨年11月に非公式に各地方自治体に意向調査を行ったところ、2019年に認定申請を見送った北海道を含む複数の都道県が「関心あり」と回答していたことも判明。法令では国内に3カ所整備でき、政府は当初予定を前倒しして2027年末にも最大で残る2カ所の区域認定を目指している。
つまり政府は、令和4年4月28日までの申請に係る審査は終了したものの『国内で最大3カ所のIRを整備できると規定』していることから、現在においても引き続き、IRに係る事前協議を受け付け、都道府県に門戸を開いているということです。
昨年11月の意向調査は全国の都道府県と政令指定都市を対象に、申請を主眼に準備を進めている地方自治体を把握するために行い、公表していませんが、見出しでは北海道、東京都が「関心あり」と答えているようです。
政府は、既に申請を志している複数の地方自治体と具体的な質疑を始めており、その上で各自治体が申請に向けた準備を進め、政府は2026年に適宜、自治体からの申請受け付けを開始。2027年末にも区域認定するスケジュールを描いている。
そのため政府は7月の参院選後、各地方自治体に対して最終意思の確認も含めヒアリングを行う考えだということです。
今後のスケジュールに関し観光庁は、「自治体の動向は注視している」と述べるに留めていますが、何からの動きがあるように思います。この記事に関しては候補地がないのにこのような記事が出ることは考えにくいので、複数の自治体が何らかの事前協議は行われていると思った方が自然です。
その一因として、令和6年11月9日に観光庁から和歌山県にも「IRに関する状況把握のためのアンケート」が届いています。アンケートは都道府県と政令市に対して発信しているものであり「IRに関心があるかないか」の設問でした。回答は「はい」か「いいえ」の二者択一であり、回答期限は令和6年11月25日に和歌山県は「あり」で答えています。
アンケートで関心「あり」と答えた自治体は、観光庁より順次ヒアリングを受けており、和歌山県は12月24日に実施されています。
そこで質問です。令和6年12月に観光庁とヒアリングした結果について、知事からお答え下さい。
統合型リゾートについての質問でございます。お答えしたいと思います。
昨年12月に行われた観光庁におけるヒアリングでは、同庁が同年11月に実施した「IR整備に関心があるかないか」のみを問うアンケートに本県から回答した内容のとおり、「IRの整備に関心がある。ただし、国からの再公募があれば、IRの誘致の賛否については、ゼロベースから時間をかけて検討する方針である。」と答えております。
観光庁は関心のある自治体の事前相談に応じるとしているのが、その後、観光庁との話し合いは行われているのか。行われているとすれば、どんな内容になっているのでしょうか。知事、お答えください。
昨年12月の観光庁によるヒアリング以降、本県から事前相談は行っておりません。
令和6年11月25日 、IRの整備に関心があるかないかを問うアンケート、および同年12月24日のヒアリング『関心があり』と回答しているのにも関わらず、事前相談や質問を行っていないのは何故ですか?知事の答弁をお願いいたします。
本県は、令和4年4月に区域整備計画の申請が県議会で否決された後も、引き続き他県の動向などIRに関する情報収集を継続して実施していることから、IRの整備に「関心がある」と回答いたしました。しかしながら、現状、IR誘致の是非については全く白紙の状態であり、観光庁に対して相談する内容はないためでございます。

日本がIRを導入する主な目的は次のようなものです。
ひとつは観光振興。観光客を増やし観光立国を推進への一助とする。
ひとつは地域経済の活性化。雇用創出と地元産業の振興、所得向上と共に、税収増を図り公共サービスや福祉財源を補う。
ひとつは国際会議やエンターテイメント施設、ショッピングモールなどを統合した高度な観光拠点を形成すると共に、観光に資する地域消費額を増やす。
さて北海道新聞の報道の通りであれば意思決定までの時間は限られています。知事は和歌山県が直面している課題、雇用増と産業振興、所得向上や税収増に資するであろう「和歌山IR」をどう考えるのか。お答えください。
IRが県内に整備され、仮に大きな経済波及効果と雇用効果が発生すれば、本県経済の活性化に繋がる可能性はあると考えています。
一方で、ギャンブル依存症患者の増加や交通渋滞の発生、さらに、IR関係以外の地域の産業における人材確保が難しくなるのではないか、といった負の影響の可能性に対する根強い懸念があると認識をしております。
答弁をいただいた中の『ゼロベース』とはどういう意味なのでしょうか。改めて初期検討からやり直すという意味なのでしょうか。
和歌山県としては 少なくとも平成29年から令和4年までの約7年の年月を費やし 外部コンサルタントや法律事務所を始め 海外視察に至るまで 貴重な税金を億単位で費用として投じて来ていますが、それをまた 費用面も含め、また繰り返すということなのでしょうか?知事、お答えください。
先ほどもお答えいたしましたとおり、IRの誘致の是非について、全く白紙の状況であるという意味でございます。
令和4年度のIR申請否決の本因は【ファイナンス計画に対する疑義】の1点であったことは明確です。かなりの費用を投じて作成された 過去の調査・検討資料ならびに 議事録等々は十分検証確認された上での、ご見解なのでしょうか?
答弁で列挙されているような懸念は 平成29年度からの議論・調査で その対策案は 十分議論されたと判断しています。だからこそ、その結果を踏まえ「最終区域整備計画案」の策定を進め、そこに対策案も、県ならびに関係者と検討して盛り込み、県民の皆さんの意見を賜るためパブリックコメントもかけ、賛同も得たと理解しています。
それを踏まえ そもそも論、この『強い懸念』とは 一体誰の懸念なのか?県はどのような手法でこの懸念事項を把握・集計したのか?その根拠をお示しいただきたい。知事の答弁をお願いしします。
前回申請における手続きの中で行った住民説明会やパブリックコメント等で、カジノを含むIR整備によってギャンブル依存症患者の増加や交通渋滞の発生などといった負の影響もあるのではないか、という意見がございました。
仮にですね、前回の候補地から変更した場合、交通渋滞の対策は1からということになりますし、人手不足対策というのは、近年の人口減少、それから物価高騰等のトレンドからより深刻化しているというふうに考えられます。
それから、また、IRに関してではございませんが、一部報道で見られるように、巨大な投資を伴う地方への企業進出によって急激な賃金上昇が引き起こされ、地域の他産業における人材の確保がより困難になることが懸念されている、そういった事例がございます。

質問した『一体誰の懸念』については理解しました。しかしながら、私の質問の主旨が伝わっていないようなので 再度お尋ねします。
私の質問は、和歌山県は、平成29年から令和4年までの約7年の年月を費やし、外部コンサルタントや法律事務所を始め 海外視察に至るまで貴重な税金を億単位で費用として投じ、重ねて、議会で提示した疑念事項を協議・検討し、IR推進の結論に至り計画を進めて来た【過去経緯】があること。
また、住民説明会やパブリックコメントで反対意見が出されることは【当然の結果】であり、その意見も踏まえ対策構築も図り推進を決めるに至ったこと。
よって、私の質問は
ひとつ。時間とコストをかけ至った結論を、今 何故 結論的には【少数】であった反対意見に注視するのは何故か?
ふたつ。その反対意見は、いただいたご意見総数に対して具体的にどれくらいの割合であったのかを問うているものです。
つまりは、反対意見に注視する、その根拠と理由をお示しいただきたいというものです。お答えをお願いします。
もうひとつどこの事例は分かりませんが、巨額の投資は進出された地域にとって良くないような答弁がありました。答弁は、巨大な投資を伴う地方への企業進出は、急激な賃金上昇により人手の確保がより困難云々の事例を示されましたが、これは企業からの巨大な投資を受けることを懸念していると公言しているようなもので、この答弁は和歌山県の閉鎖性を示しているようなものだと感じます。
また国が賃金の引き上げを言っている中、和歌山県は賃金上昇に消極的なように映りますが、以上、三点について知事の答弁お願いします。
7年間かけて審議をしてきたというのは事実であります。そのなかで、先ほど申しましたようにパブリックコメント等で、カジノを含むIR整備についてはギャンブル依存症、交通渋滞の発生といった負の遺産があるんではないかという意見があったということであります。
そして、さらに前回の候補地が、そのまま候補地になるというふうにはなりませんので、そこでもまた交通渋滞の対策等は1からしなければいけない。
それから、検討は全てゼロベースから始めなければいけないということであります。
巨大投資というのは、熊本県のTSMCという台湾の半導体の企業さんなんですけれども、もう工場が誘致されまして、大変盛況であることは盛況であると思うんですが、他産業に対するあまりに影響が強すぎるということはありますので、そういった懸念もございますという意味であります。
熊本県や北海道は半導体企業が進出して経済は好調です。企業が投資をしたことで土地の値段が上昇したことから、その値段に応じた融資を受けられるからです。土地の値段が上がるということは土地を活用した収益性が期待できるので、銀行が融資してくれます。つまり土地の値段が上がると地域にお金が回り出し経済が好調になるのです。雇用も経済も好循環になっていると思いますよ。
大きな企業が来たから地元の中小企業をクラウディングアウトさせることはありませんよ。巨大な投資を受け入れることを、こんな理由で良しとしないことは宇宙産業や洋上風力の誘致はできないですよ。巨額の投資を受け入れることについて、知事にお答えください。
財政問題に関する件だけであるというふうにおっしゃっているんですけれども、そうではないのかなというふうに、ちゃんと聞いたわけではございませんので、あれですけれども、ではないのかな、というふうに思いますので、その辺は懸念がありますということ。
巨大投資に関することなんですけれども、それに関してはもう懸念が確かにあります、ということを申し上げたまででございまして、それが原因で却下するとか拒否するとかそういう意味ではございませんので、よろしくお願いします。
大阪IR・長崎IR、そして前回の和歌山IRの『実施協定』には、『事業者は、本事業行政施策が本事業に寄与することを踏まえて、県が策定する本事業用地及びその周辺地域におけるインフラ整備その他の行政施策に係る協力行わなければならない』とあり、県が策定し推進する行政施策への、費用の一部負担(本事業関連負担金)協力が示されています。
つまりインフラ設備の設置や改修、また道路拡幅などの費用の一部を事業者が負担することになっていますから、公共サービス材の改修と維持に事業者予算を投入することになると想定されます。当然、和歌山県でも同様の負担が要件の1つとなると考えています。
また長崎県の当時の案では「長崎空港の発着陸を希望する航空会社は二桁社以上」にも及んだと聞いています。和歌山県に置き換えると、IR事業は、和歌山県全体観光事業の活性にも実質的な波及効果が期待できることから、更なる熊野白浜リゾート空港の活用が図れ、紀南地域を含む全県下への経済効果が見込まれることになります。
この和歌山県全般に与える効果についてどう考えますか。知事の答弁をお願いします。
先ほどもお答えしたと思いますが、IRが県内に整備され、仮に大きな経済波及効果と雇用効果が発生すれば、本県経済の活性化に繋がる可能性はあると考えております。

前回の「「区域整備計画」否決を受けた理由についてどう考えているのか。知事の答弁をお願いします。
反対された議員の理由はそれぞれ異なると思われますが、事業主体等の運営体制と資金計画が不透明であること、それから、ギャンブル依存症患者の増加や交通渋滞の発生など、負の影響の可能性に対する懸念があることなどが理由であるというふうに考えております。
議会で展開された討議・質疑に係る『議事録』は、全て確認されたのでしょうか?
少なくとも、反対の根拠となった要因には全くとは言わないが『負の影響の可能性』が要因になった経緯は無いと思うのですが、如何でしょうか?
反対された議員に対してヒアリングをしたわけではございませんので、その辺は不明なのかなというふうに思いますので、そういった理由で反対された方もいらっしゃるのではないかというふうに懸念をしております。
私も特別委員会委員として委員会に参加していましたが、委員会の後半は「ファイナンス」の部分だけの議論で、依存症だとか交通渋滞などの議論になっていませんでしたよ。議事録を読み返してもそうでした。ここで尋ねていることに反対や賛成は関係ありません。事業者の資金計画、「ファイナンス」の部分が反対の理由で、その他は提案した県が解決していくことを示していたから、そこに異論はありませんでしたよ。知事は前回の時は関係部門にいませんでしたから、分からないと思いまずが議事録は読んでくれましたか。読んだうえで「負の影響の可能性」を言っているのでしょうか。お答えください。
その議事録の内容ではそうでした。その通りだったと思いますが、議論は確かにそうだったんですけども、結局反対されて否決された案件でありますので、そういった内容が伴うのは、当然懸念するところであります。
令和7年2月議会の同僚議員の「和歌山IR」の質問に対して、岸本前知事は「現時点再公募が実施されるかは不明。情報収集に努めている」と答弁していますが、現時点に至るまで、どのような手法で、どのような情報を取得されたのか、知事にお尋ねします。
観光庁にメールおよび電話で確認いたしましたところ、再公募については、「申請主体である自治体の状況を見極める必要があり、注視していく。」というお答えでありまして、国の姿勢には変わりはなく、再公募されるか現時点では不明であるというふうに認識をしております。
「政令」ですが、政令は最終的な政策実行に係る公募期間等に関する事案、つまり手段でしかないのです。公募の発布時期等々の問題は時限的なものでしかないので、まずは、その根幹の確認 をすることがそもそも論です。
IRプロジェクトは『現時点においても継続しているのか 否か』の確認が最優先事項と考えますがが、観光庁にはその確認をしているのか?知事の答弁をお願いします。
現時点でそのような確認は行っておりませんが、区域整備計画の認定について、IR整備法に定められた上限数である3に達していないことなどから、国におけるIR整備にかかる取組は継続しているものと考えております。
再度、確認します。国におけるIR整備にかかる取り組みは継続していると認識しているのですね。知事、お答えください。
国におけるIR整備に係る取組は継続しているものと考えております。

和歌山市内の経営者と話した時の見解です。
「県として投資を呼び込むことを考えないといけないですよ。今のままで良いと思っている人がいれば楽観的過ぎます。悲観することは良くありませんが、悲観しないためにも将来に向けた政策を今、打ち出さなければなりません。
今から協議し始めても現実のものになるのは早くて5年先ですから、今だけを考えていれば、今のままでも良いのですが、そんな無責任なことはできないでしょう。今と将来の両方を考えるのが県政です」という意見です。
「和歌山IR」の他に、和歌山県の雇用と経済再生をどう図るのでしょうか。ENEOS和歌山製油所での原油処理の機能を停止の問題や、パンダ返還後の観光と地域経済の問題など、和歌山県経済にとって好ましくない状況があります。知事の答弁をお願いします。
IR誘致に取り組むかどうかに関わらず、将来に希望がもてるような県勢活性化に向けた取組は、県行政に求められる責務であると認識をしておりまして、地域経済の活性化のため様々な施策を着実に実行してまいりたいと考えております。
具体的には、企業の競争力強化や収益性を高める取組を支援する中小企業振興や、グリーントランスフォーメーションや宇宙産業、洋上風力発電などの成長産業の推進、観光資源の強化、第一次産業の活性化、それから建設業に対する地域の防災力を維持するための支援など、様々な取組を進めてまいります。
また、現在、県では新たな総合計画を策定中でありまして、こうした方針をしっかりと反映させ、議会はもとより県民の皆様の声も聞きながら、着実に取組を進めてまいりたいと考えております。
いま「将来に希望が持てるような県勢活性化に向けた取り組みは、県行政に求められる責務と認識しており」、続けて「議会はもとより県民の皆様の声も聞きながら」と答弁いただきました。議会、県民の皆様の声を元に判断するということですね。知事、お答えください。
議員のお声とか県民の皆さんのお声というのはもちろん聞くんですけれども、先ほど答弁の中でお答えさせていただいたのは、新総合計画についてのことになっておりまして、新総合計画につきましては、議会はもとより県民の皆様の声を聞きながら、着実に進めてまいりたいということを申し上げました。
今の答弁だと、新総合計画についてだけ県議会や県民の皆さんの意見を聞くということですか。
基本的には、私、選挙活動からずっとそのように申しておりますので、そのように理解していただいて結構かと思います。

様々なプロジェクト名を答弁してくれましたが、それぞれのプロジェクトが実施される保証はどの程度あるのでしょうか。
例えば宇宙産業と言いますが、本当に誘致を進めていますか。可能性としては次のような業態が考えられますが如何でしょうか。
燃焼施設などの研究機関。地場産業育成連携にて素材、例えば繊維業界と組んでカーボン製ノズルなどの耐熱部品。衛星の中間港。衛星には半導体を使うので最終組み立ては九州がベストですが、中間材の製造や港の活用を図ることで可能です。
如何でしょうか。宇宙産業のどの業態を狙っているのですか。私が専門家と話したところ「今のところ和歌山にて宇宙は無いですね」とのことです。
また、各プロジェクトは事業で言えば、いわば投資計画、つまり県財政よりの支出となります。その実施・具現率を始め 投資資金、原資はどのように計画されているのか 重ねてその経済効果はいか程のものかお示しください。
IRの実施・具現化は、もちろん審査等々の問題はありますが100パーセント民間投資を主体として、その具現化率も100パーセントです。
つまり県財政の純粋な収入源になることは明確であると共に、県としての支出もインフラなど県民の皆さんの利便性向上に直結するものが主体であることと捉えられ、実質的に 最小限にと留められると考えられる。
いくら計画を列記しても その実質的な効果、成功率そして資金計画及び経済効果が明確でない限り『絵に描いたモチ』でしかありません。今後の和歌山県の未来を論じるにあたりIRを推進するも否定するにしても、メリット、デメリットを含め冷静に比較分析することは必須と考えます。
IR計画においては 税収・雇用促進率・経済効果および 波及効果が示されているが、その視点からも、特に支出となる資金計画・経済効果が明確に見えない代替案と成りうる答弁の根拠をお示しください。知事の答弁をお願いします。
先程答弁させていただいた施策についてはですね、IRの誘致に取り組むかどうかに関わらず、私が推進すべきと考えている施策でありまして、決してIRに見合うようなものという考えではございません。
したがいまして、申し上げた施策の実現性や経済効果等について、IRと天秤にかけて比較衡量するようなことは行ってはおりません。
その上で、各施策の実現性については、宇宙産業についても、洋上風力についても、まだまだこれから乗り越えなければならない課題が沢山あることは事実でございます。
「わかやま成長産業開拓ビジョン」により戦略性と計画性をもって取り組んでいる施策でありまして、実現の可能性は十分にあると考えております。

答弁の中に比較衡量の言葉がありましたが、ここでは聴き慣れない言葉です。これは法曹界で使われる用語で、比較衡量とは「制約することで生まれる利益と、制約されないことで維持される利益を比べて価値を量る」ことですから、IRと施策の比較は無意味だと思いますが、私は欲張りですから、IRも宇宙産業も洋上風力も来て欲しいと思っていますし、来てもらえると思っています。知事と同じ思いで賛成ですよ。答弁にあった比較衡量はどのような認識の下、答えていただいたのかお聞かせください。
IRの整備に伴う経済効果というのは、大変大きなものであるという分析をしておりまして、それに見合うものではないことの意味で、IRと天秤にかけなくてもよいと仰っていただいたんですけれども、かけた場合はそういうふうになりますということをお答えしたものであって、比較した場合はそうなりますと申し上げただけで、それでご理解いただきたいと思います。
残念なことですが和歌山県は改善に向かっているとはいえ、令和5年2月6日に『財政危機警報』が発令されている状況下にあると県民の皆さんに伝えています。また本議会の開会日に「本県は財政危機警報を発令しており、非常に厳しい財政状況であり、とりわけ公債費の増加率は今年度47都道府県中一位となり、今後も増崇していくことは確実なうえ」と説明しています。
この状況下において、そもそも投資、支出事案となる、ここに提示されている地域経済の活性化のため様々な施策は現実的に可能なのでしょうか?可能だと明言できる根拠をお示しください。知事の答弁をお願いします。
これらの施策に限らず、財政危機警報下にある本県において、新たな財政需要に対応していくことは容易なことではございません。
具体的な進め方はこれからの議論となりますが、まずは、優先順位が低い事業の廃止や類似事業の統合整理などにより既存事業の見直しを進めるとともに、県有施設等の必要性の再検証や、遊休資産の活用・売却などによる新たな歳入確保に全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
それらによって生み出した財源を活用し、より効果の高い事業へ重点化することで、新たな財政需要への対応と持続可能な行財政運営の両立を実現していく所存であります。
では「和歌山IR」に取り組む場合に見込まれる雇用と経済効果、税収増について、知事からお答下さい。
令和4年4月臨時会で否決された計画案において、建設フェーズでの県内の経済波及効果は約7,100億円、開業後には、直接雇用する従業員数は約6,300人、経済波及効果は毎年度約3,500億円、新規税収効果として県税で毎年度約400億円を見込んでいました。

お答いただいたような雇用と経済効果が見込まれると思いますし、資材費や人件費の上昇などから、前回の地域整備計画策定時よりも経済効果も税収も高くなると想定できると思います。友人との話の中で出てきた意見です。
「和歌山県経済は公共事業で仕事が成り立っているところがあります。数年前から公共事業が極端に少なくなり、県からの仕事に頼れなくなっています。つまり民間が発注する仕事が少ないため「この地域では食べていけない」という危機感を持ち始めています。多くの仲間たちは県外の仕事を請けて当座を凌いでいるのです。
さらに問題なのは銀行との関係です。会社の仕事が減っていることから資金繰りが厳しいため融資の相談に行くのですが、仕事を受注する見込みが少ないため融資に必要な事業計画や返済計画を策定できないのです。
仕事の見込みがないので売り上げも書けないので融資を受けることが難しいのです。この状態では会社も困りますし、銀行も地元企業に融資できないので困っているようです。その結果、銀行は地元融資から県外企業への融資へと転換せざるを得ないのです。
このことは地元に資金が回らないことを意味しているので、益々、会社の地域も疲弊していくことになります。今でも仕事が少なくなっていますが、将来の仕事が見込めないため「会社はいつまで存続できるのだろうか」と思っている経営者が多くなっています」との指摘です。現状のまま手段を講じないことには、この先も経済は良くならないばかりか疲弊していくことになります。
今後はヒアリングでは「関心あり」と答えた自治体に対して政府から応募可否を問われる形になると思われます。結論として、「和歌山IR」に取り組むのか、取り組まないのか、知事、お答えください。
先ほどお答えしたように、IRが本県経済の活性化に繋がると期待する声がある一方で、負の影響の可能性に対する強い懸念があることに加え、先の計画案が県議会において反対多数で否決されたことも踏まえますと、新たな区域整備計画を申請する場合には十分な検討が必要であるという、これは岸本前知事の考え方ですけども、私も同じ考えを持っております。
したがいまして、現時点で国による再公募があるかどうか不明ですけれども、仮に再公募があれば、IR誘致の是非についてやはりゼロベースから検討し判断したいと考えております。
(まとめ)
今回は教師へのハラスメントの問題を取り上げました。学校を回ると教師の心が痛み授業ができないほど追い込まれている人もいます。本来の仕事である教育、授業に支障をきたしてしまうと子どもたちが迷惑してしまいます。そんな状況をなくすためにも電話に録音機能を持たせることや教師を守ることが必要だと思います。是非とも電話も教師を守る取り組みも行って欲しいと思います。
また「和歌山IR」に関しても和歌山県を護る、経済も雇用も増やすことにつながると思っています。和歌山県が推進しているeスポーツにしてもスタジアムがないと全国大会、世界大会の誘致も開催もできません。今の和歌山県のままで問題がないのであれば問題はありませんが、未来を創るのであれば検討することも必要だと思います。宇宙産業も洋上風力も「和歌山IR」も経済と雇用のため同じように推進すべきだと思いますので、これらのことをお願いして一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。