771. 最高レベルの自分

2009年9月13日(日本では14日)、シアトルマリナーズのイチロー選手が9年連続200本安打のメジャーリーグ新記録を樹立しました。毎年何らかの記録を更新しているイチロー選手ですが、従来の8年連続の記録を108年ぶりに更新してくれました。

 その夜、新記録達成に関する番組を視聴しました。新記録を達成できた理由の問い掛けに対して、「野球が好きなこと」と「常に最高のレベルの自分を創り上げていること」の二点を答えていました。そのふたつが共生していることで、9年連続200本安打が達成できたと答えていたようです。

 常に最高レベルの自分とは、毎日の仕事に挑戦するに当たって、その日の中で最高の状態に持って行く力が必要なのです。人の精神は常に一定ではありませんから、精神状態に合わせた行動になります。心が元気な時の身体は弾んでいますし、困っている時の身体はうつむき加減になります。どのような状態でも最高の自分の状態で仕事に臨むことは容易ではないのです。

 レベルが違いすぎて恐縮ですが、例えば新記録を達成した今日の9月14日。和歌山県議会では明日から一般質問が始まる前日です。私の一般質問予定日は9月16日ですから、明後日の登壇となります。

 精神状態はというと、本日夜は心身共くつろいだ状態にあります。一般質問原稿を仕上げているので、ゆったりとした気持ちで明日に備えています。私の場合は一般質問から離れて全く違ったことを考えています。

 ところが一般質問の前日の夜は緊張感が高まっています。明日の一般質問が上手く進行できるのか予行演習や時間配分を行い、最終的にカットする部分や逆に追加する部分などを決めていきます。A4サイズで仕上がった原稿は、一枚当たりの所要時間として5分を目安にしています。平成21年9月議会の一般質問の原稿は8枚ですから、5分×8枚で40分の質問時間となります。和歌山県議会の一般質問時間は40分ですから、丁度時間通りの一般質問に収まると勘定しています。

 同じように訪れる日々ですが、このように明日と明後日の精神状態は全く違いますから、全く違った精神状態の中で最高レベルの自分に仕上げる方法は違うのです。

 全国から注目されることのない和歌山県の議会でも、議場に立つために最高レベルの自分に持って行くことは大変なことなのです。それが108年ぶりの新記録達成で注目されているイチロー選手ですから、精神的な負担の重圧は想像もできません。

 重圧を受けている中で、精神も身体も最高の状態に仕上げてプレイした結果が9年連続200本安打なのですから、最高レベルの自分が最高の結果を出したという他ありません。

 好きなことを最高レベルの自分が実行している。それは成長を続けている進行形の自分なのです。成長しようとする進行形が続く限り、これからも道は自分が思うところまで広がっていきます。


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