679.コラム

 ある経営者の方から「ホームページを楽しみに読んでいます。コラムには感動しています。それにしても常に勉強ですね」との言葉をいただきました。素敵な言葉をいただき、ありがとうございます。

 特別な勉強はしていませんが、お会いさせてもらっている皆さんから勉強させてもらっています。厳しい経済環境の中、懸命に努力している経営者の皆さん。仕事を必死で探して駆け巡っている皆さん。お客さんのサービス提供に努めておられる皆さん。病気と闘っている皆さん。全ての人が先生となって私に何かを与えてくれています。話し合いの中に込められている人生のメッセージが勉強になっているのです。

 困難に直面した時の生き方、絶望的な病気を告げられた時間から現在に続く生き方など、現実で起きている全ての事柄から学ぶことができます。それらの経験を個人で保有しているだけでは社会で活かすまでは至りません。その場限りの会話で終えてしまうと誰にも伝えることは出来ません。言葉を力にするためには、発せられた言葉を書き記して第三者に伝える作業が必要なのです。

 百年前の人の言葉に感動ではきるのは、その言葉が現在に残っているからです。外国の人の心に言葉が伝わってくるのは、文化の違いなどを理解して素晴らしい日本語に訳して伝えてくれる人がいるからです。歴史から学べるのは当時の人が出来事を文字にして記してくれているからです。

 どれだけ素晴らしい会話が交わされたとしても、言葉を発しているだけでは跡形も残りませんから力になりません。時々、お互いの意見が行き違いになることがあります。それは会議の中身を議事録として残していないからです。この先トラブルになるかも知れないと打ち合わせの途中で思うことがあります。それは誰も会議の内容を記録していない時です。大事な箇所だけでも記録して欲しいと思う場合がありますが、出来ていない場合が多いのです。

 後になって言った、言わない、の話になり、会議で確認しあった事実は消えてしまっています。それがビジネスであればその契約が成立しないことは明白です。
 言葉は残して初めて力になります。ビジネスは書類で確認できて先に進みます。相手から学ぶことが出来るのは、自分の言葉に置き換えて言葉として残しているからです。
 誰の言葉であっても、自分の価値観を付け加えて自分の言葉として身につけることが社会から、他人から学ぶことなのです。

 「誰々と話し合えて感動した」、「○○さんの講演を聞いて感動した」、「今後に活かせる話し合いでした」などの成果を聞くことがありますが、直ぐに自分の言葉で記しておかないと二、三日後には感動体験は消えてなくなってしまいます。講演会の内容も覚えていないことになります。それでは現状からの進歩はありません。

 感動した話や勉強になった事柄は、自分の言葉として記録すること。これが他人から勉強させてもらっていることなのです。そうすると今度は自分として素晴らしい言葉を相手に伝えることが可能になるのです。


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