576.生きるために
 和歌山市内でも社会的ひきこもりや自閉症の人が増加しています。表面には現れていませんが、カウンセリングの先生と懇談すると現実が浮かび上がってきました。一度、ひきこもってしまうと再び社会復帰するまでに相当の時間が必要です。しかも適切なカウンセリングを受けてのことですから、放置しておいて良くなるものではありません。

 そして社会的ひきこもりや歪められた性格は育てられた環境に左右されるもので、先天性のものではなく後天性だというものです。優しい子どもは優しい親に育てられていますし、他人に親切な子どもは親切な親に育てられています。残念なことに暴力的な子どもは暴力的な親に育てられている場合があります。先生はそのカウンセリングの経験から、人の性格の80%は家庭環境によると推測しています。育てたように子どもは育つと言いますが、家庭環境が子どもの一生の性格を左右します。そして人は性格によって遭遇する事象が違ってきますから、性格は人生を左右する重要な要素なのです。

 優しい人は優しい集団に所属することになりますし、暴力的な人はやはりそのような集団に囲まれる場合があります。人は家庭環境によって性格は培われ、その結果、正確に応じた集団に所属することになります。そして集団の性質に人の性格は染まっていきます。

 好循環は好循環のスパイラルを形成してくれますから、気をつけたいものです。
 さて和歌山市内の学校でも全国に遅れることなくモンスターペアレントが出没しているようです。学校の先生はそれらの保護者にも頭を痛め精神が傷つくなど、教育にも支障をきたすこともあるようです。酷い例になると保護者が先生の悪口を携帯メールで共有していることがあり、負の連鎖は限りなく拡がります。携帯メールは便利なツールですが、悪い情報でも一斉に、そして迅速に伝わりますから、言われている立場の人格は陥れられることになります。「みんな言っている」。この言葉は悪魔の力を持ちます。「みんな言っている」を聞かされると、周囲の人が同じ視点で自分を見ているような気になり、周囲に高い壁がそびえ立ちます。そこに行きたくなくなるのです。

 そんな時には第三者に評価してもらうのが一番です。「みんな言っている」の場合は、多くても5人以内の場合だと考えても良いくらいです。実は「みんな」は「みんな」ではなく、特定のグループであることが多いのです。そしてその特定のグループは「みんな」から外れている場合があり、「みんな」から信頼されていないグループであることも多いのです。ですから「みんな」からの批判で落ち込む必要はありませんし、恐れることもないのです。

 その証拠として、「みんなとは一体誰のことを指しているのか」聞いてみましょう。誰と誰と誰がその「みんな」だと答えてくれるケースは皆無だと思います。実は実体のない「みんな」に踊らされているのです。実体のない「みんな」に怯えるよりも実体の雨ある仲間と勇気ある行動を起こす方が限りなく生きていることなのです。
 「みんな」の魔力を恐れない気持ちが行動に転換されますから、気持ちを強く持ちたいものです。

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