527.民意と議会
 民意と県議会に関してお話します。県議会は私達とは全く違う空間で生活と離れた議論をしているように思いますが決してそうではありません。議会臨む基本は、今日の報告会のように皆さんと直接対話をすることや意見交換をすることなのです。皆さんからの意見や教えてもらった地域の課題を調査したり、他府県の状況を調べたりして、改善すべきだと判断出来れば、議会で提案していくことになります。こうして個人的な意見が公的なものに変化するのです。

 単に個人的な意見や課題であれば、議会で取り上げることは出来ませんが、ある人に聞いた地域の課題が、別のある人に聞いても同じような課題であることが確認出来た場合、そして複数の人が同じように不具合を感じているとしたら、これは議会で取り上げるべき課題なのです。
 つまり民意が議会を形成しているのです。民意の裏付けのない提案は実現することは出来ません。県の施策とは県民の皆さんが望んでいることを実現に向かわせることにありますから、議員からの提案は民意の裏付けが必要なのです。つまり皆さんの代表として議会に送り出してもらっている議員に課題解決を託して欲しい訳です。

 行政機関の仕事はスピード感に欠けますが、間違いの少ないしものなのです。これは良い意味でも悪い意味でもあります。スピード感に欠けるのは、地域の課題を解決するための議案や提案は議会で当局と議員が議論し合って採否を決定しますから、年4回の議会ではどうしても意思決定が遅くなるのです。施策が決定したとしても、実行するためには多くの場合予算が必要ですから、予算議会となる翌年の2月議会までの時間が最低限必要となります。そのため今、提案したことが実現するためには、1年以上の期間が必要となるのです。スピード感が欠けるのは、こうした流れがあるからです。

 しかし決して悪いことではありません。議会制民主主義とは民意を、皆さんの代表者である議員が議会で意思決定することでスピード感はありませんが、間違いの少ない意思決定が可能となるのです。多くの人の意見を取り入れて議論をする、そして当局でも調査して皆さんが望んでいる施策であることを判断する、そうして施策が出来上がるのです。民意の反映を施策に取り込むために時間かを掛けて議論するため、間違いの少ない施策の実行が可能なのです。以上のように地方政治では民意と議会の関係を重視しているため、スピード感に欠けますが間違いのない施策を実現する方法が採られているのです。

 トップダウン方式だとスピード感は増しますが、一人の判断により施策が講じられることになりますから、それが多くの人が望んでいることの実現なのかどうか分かりません。 
 民間企業の場合は、お客さんは気付いていないけれど便利な商品を社会に供することが事業ですからトップダウンでも良いのです。余りにも民意を取り入れていると平均的な死商品が出来上がるだけだからです。行政の仕事は、平均的なところに落ち着けた方が公約数の皆さんの納得性があるのです。一部の人が利益を受けられる施策や、地域の皆さんが望んでいるかいないか分からないものを施策に取り入れることは好ましくないのです。
 どちらも一長一短がありますが、皆さんからの税金を預かっていて仕事をしている行政機関の仕事は民意を反映したものにすべきなのです。

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