518.チームと信頼関係
 重要な仕事を遂行する上で一番大切なものは信頼関係です。何故ならそれらの仕事は個人で達成することは難しくチームプレイが必要だからです。そのチームプレイで重要なものが信頼関係だからです。

 大きな仕事は個人で仕上げることはあり得ないことから、信頼関係のあるメンバーが役割分担を図るのです。その場合、全員が主役であっても駄目なのです。各分野で活動している人がチームメンバーとなった時には、主役を演じる人、助演、監督に演出家、調整役などの役割を演じる必要があります。チームに同じ役割の人は複数必要ありません。能力のある人が違う役割を担うことで衝突なく仕事を続けられますが、同じ役割の人が複数存在すると衝突してしまうからです。どの分野でも勝てるチームは構成員が役割分担出来ているのです。

 ずっと以前「ビートルズは全員に才能があった訳ではない」との評価を聞いたことがありますが、決してそうではないと思います。世界が認めたバンドの中に才能がないメンバーがいた筈はありません。作詞や作曲が出来るだけが才能ではなくて、それを音楽で表現することや新しい分野の曲を導入することも才能で、チームとして高いレベルで役割分担が図れていたのです。

 野球チームでも強打者の四番バッタークラスを集めるだけでは勝てませんし、エース級の投手だけをかき集めても優勝出来ないことは日本のプロ野球が示してくれています。やはり役割分担が必要なのです。
 そして元々各分野で活動しているメンバーがチームを結成した時に、最も必要なものは信頼関係なのです。どれだけ優れたチームでも信頼関係が崩壊すると機能しません。お互いを支え合い、次々にやってくる課題を解決していくことでチームは深まります。

  「龍になれば雲は集まってくる」と聞いたことがあります。本来の意味はあるのでしょうが自己解釈してみます。龍になるとは、個人がチームの構成員になれる実力を持ち信頼関係を得ることで龍のような存在になれるのです。そして雲が集まってくるとは、チームに自然に仕事が集まってくる状態を指します。

 才能が集まるだけでは龍にはなれません。壁を突き破るための今以上の力を発揮するためには、メンバーを信じる気持ちと見えないものを信じる気持ちを強く持つことが求められます。形のあるものを信じることは容易いのですが、形のないものを信じることは意外と難しいものなのです。でも大切なものは常に見えないところにあり、それは信じることで感じ取ることが可能です。見えないものを見るためにはチームとして見える範囲を大きくすること。自分が見えていなくても誰かが信じているものは素直に信じることが出来ますから、信じることが見えることになるのです。

 チームとは信頼関係を通じて見える範囲を大きくすることで死角を少なくし、安心して仕事が出来る環境をつくります。安心して仕事が出来る環境の中で仕事を行えることは、成果が約束されています。

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