484.練習と実践
 クリスマスの季節、まちには音楽が良く似合います。中学高校生によるジャズライブがあり参加してきました。それに伴いボランティア活動の一環として、JR和歌山駅前でNHKによる歳末助け合い運動にも協力してきました。高校生達の大声で、歩いている人達も立ち止まり、募金への協力をしてくれました。街頭募金では大きな声を出すことと募金の集まる額は比例すると聞きました。
 高校生達は最初、照れもありましたが、直ぐに慣れて大きな声で募金活動をしてくれました。寒い季節ですが、暖かさを感じ取れた瞬間でした。
 
 さてボランティアを終えた後、地下広場に移動してジャズライブです。中学生のジャズクラブは県内でも珍しいのですが、担当の先生と一緒に元気良くスタンダードナンバーを演奏してくれました。そして気がつくと会場は観衆で埋まっていました。学生時代に人前で演奏する機会が得られることは大きな財産になります。
 まだ中学生で学校内での演奏活動とは違った雰囲気だったと思いますが、社会人の方々を前にして堂々とした演奏でした。演奏を聴いていると実践が人を育ててくれるものだと感じました。

 先日、慰問活動に行った際にご一緒したハーモニカの演奏者から聞いたのですが、どれだけ練習を行っても実践に勝る練習はないそうです。一度の実践は目的のない練習に勝ります。実践の機会が設定されていると、それを目指して練習にも熱がこもります。同じ練習でも目前に目的があるのと、上達したら実践の機会を与えてくれると約束されているのとでは、練習の濃度が違います。初心者でも出来るだけ実践の場数を踏むことが上達の秘訣なのです。

 また60歳を超えてピアノを習い始めたある人は、習い始めて直ぐに発表会に出演したそうです。正確に言うと出演させられたのですが・・。ピアノの先生に理由を聞くと「本番を経験しないと上達しないからです」と言われたそうです。この方は、最初は尻込みしたのですが、先生からどうしても出場して下さいと誘われるので仕方なく出演したのです。出演を受諾した以上、本番で恥をかきたくありませんから、本番を意識して必死で練習したそうです。本番では流石に震えたそうですが、何とか切り抜けられたのです。でも不思議なもので、一度出演すると次も出たくなったそうです。
 そして次の目標に向かって練習を継続しています。初心者でも上達目指すのであれば実践を経験することが必要なことが分かります。

 ジャズライブに出演した中学、高校時代の皆さんは発展途上で、人前で演奏する機会を得たことで、彼(彼女)らのジャズ演奏の「これから」が開けています。実践を踏むこと、経験を積むこと、上達のための大切なふたつのステップを踏んだことで、自信が芽生えます。自信は次を目指す原動力になります。

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