437.引退の言葉
 和歌山県議会議員として5期20年、平成19年の春の統一地方選には出馬しないで引退した和田正人議員。戦い抜いた県議会議員生活、本当に長い間、お疲れ様でした。
 
 和歌山県議会のご意見番として20年間も議員を続けた実績は素晴らしいものです。常に自分の気持ちに正直な気持ちの入った迫力ある演説は、私たちの心に届きます。本人からは「悔いのない議員人生」と話しているように、全力で駆け抜けた議員生活だったと思います。

 和田議員が初当選した時の心に残る思い出を話してくれました。それは、和歌山市内の施設の視察に向かった際、和歌山市の中央を流れる紀ノ川に差し掛かった時の次のような先輩議員とのやり取りです。

先輩議員 「この紀ノ川に掛かっている橋は私が造ったものだよ」
和田議員 「先輩がこの橋を紀ノ川に架けたのですか、凄いことですね。先輩は一体いくらお金を出したのですか」
先輩議員 「・・・」
和田議員 「先輩が1円でも支出しているのであれば、先輩がこの橋を造ったことを認めますが、そうでないのなら自分が造ったと言わない方が良いと思います。事実は、住民の皆さんの要望に応えて、議会などで県に紀ノ川のこの場所に橋が架かっていないのは問題なので、架けるように要望したのでしょう。あなたが造った訳ではなくて、造るように要望したのが事実ではないですか」
先輩議員 「・・・」
和田議員 「事実は正しく人に伝えるべきです」

 以上のようなエピソードを披露してくれました。
 そして「議員の中には日常活動において、次の選挙を睨んで、自分の実績を大きく伝える人がいます。私は選挙を考えた議員活動であるなら、そんなものは止めてしまえと言いたい。選挙だけを考える議員が如何に多いことか。そんな議員は必要ない」と強く話しているのが印象的でした。
「議員人生に悔いなし。これからはゆっくりと人生を楽しみたい」との言葉。何かを成し遂げた人だけが発することが出来るものです。
 和田議員、本当に長い間、お疲れ様でした。

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