331.距離感と信頼関係
 コミュニケーションとは言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションがありどちらも大切です。言語的コミュニケーションとは、会話や電話、手紙にメールなどによりお互いの信頼関係を構築するものです。
 対して非言語的コミュニケーションとは、アイコンタクト、抱きしめる行為などによる人間関係を構築する方法です。しかしこのコミュニケーションで最も大切なものは距離感です。憧れの人が近くに現れると、私達はどのような行動を取るのでしょうか。相手の目を見つめること、微笑むなど色々な行為を取ろうとしますが、最も大きな行為なのは自分を認知してもらうため相手に近づこうとすることです。
 ですから相手に好感を持っている場合は、距離を近づけようとします。相手を嫌っている場合は、離れようとして一定の距離をとります。距離感は信頼関係を示す大きな指標になるものです。
 言葉で相手に安心感を与えることが出来ますから言葉の用い方は本当に大切です。コミュニケーションは言葉によるものと距離感によるものがあることを知っておきたいものです。

 さて相手との信頼関係を得るためには自分のことを受容することが前提です。自分を否定していては相手に信頼されることはありません。自分を肯定したいところですが、肯定するとはどのような考え方を持つべきなのでしょうか。
 この自己受容とは、出来ることも出来ないことも全て含めたものが自分であると認識することです。算数が出来ないから駄目だと思う自分は自己否定しているものですし、算数は出来ないけれど体育は得意なので自分は大丈夫と思うのが自己受容です。
 自分で出来ることもあれば出来ないこともあります。出来ないことを出来ないと認めた上で、出来る部分を伸ばせば良いのです。

 人にとって出来ないことは恥ずかしいことではありません。「スケボーは出来ますか。またウェイクボードは出来ますか。」と聞かれたら、私は出来ませんと答えます。やったこともないのですから出来ないのです。自分では何でも出来ると思っていますが、実は出来ないことの方がはるかに多いのです。ですから出来ないことを隠しても仕方ないことですし、それだけで自己否定すべきことではないのです。

 初対面の相手に対応する場合は、誰でも最初の会話の中で自分のことを折り込んで話をするものです。それは自分のことを理解してもらう方が相手と信頼関係を築け、その場が安心出来ると分かっているからです。知らない相手よりも知っている人の方が信頼出来ることから、自然に自分のことを相手に紹介しているのです。相手の言葉をじっくりと聴くことで信頼関係は構築出来るのです。

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